Economics

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経済の話

経済学入門 需要供給曲線 需要供給曲線は本当か 共有地の悲劇
2階建て国家 経済学の父-アダム・スミス グローバル経済の罠
思考実験悪貨は良貨を駆逐する 100兆円を越える国家予算
基軸通貨の崩壊 アベノミクス 現代貨幣理論MMTとは
新型コロナウィルスと世界経済
新型コロナウィルスを世界にバラまいたのは中国??
ダボス会議 ダボス会議2
格差社会 ベーシックインカム QE 先進国と開発途上国
銀行が消える? 崩壊する欧米社会 パンとサーカス インフレとデフレ
OECD 資本主義とは何か 株価変動 クラ交易
皆で豊かに Kodak アジア通貨危機
カザフスタンの政変 ウクライナ危機は本当か オレンジ革命 マイダン革命
ウクライナ危機は茶番だ ウクライナ内紛の虚構
オリガルヒ
航空作戦の常識と乖離 民主主義の幻想
総務省 G7 金本位制の復活 終わらないウクライナ内戦
ハイパーインフレーション 英国の陰謀 SWIFT 核シェルター 宗教的権威の崩壊
マリウポリ陥落 ワグナー・グループ 敗者は誰? ロシアの報道の信頼性
ジャベリン 日本以上の大きな反響 戦術核兵器 経済制裁は戦闘行為と同じ
戦争は人間がするもの? ウクライナの原子力発電所 バフムトの攻防 お金を使わないのは良いことだ
荻原重秀 ナワリヌイ死去 年金問題は嘘ばかり

年金問題は嘘ばかり

経済学入門

 ニュースを見ていても、経済の知識は必要ですね。経済学とは専門家にしかわからないものでしょうか。コンピュータを駆使しで、微分方程式を使って大量のデータで答えらしいものを出す。反論が難しいですね。それは経済学のほんの一部。実際は数式なんか使わなくても分かる話の方が圧倒的に多いのです。お金が絡むことには経済学の知識は一般教養として必要ですね。基本は、そんなに難しいことないはずです。
【オイコノミア】
NHKの教育番組で「オイコノミア」という経済学の一般向けの番組があります。芥川賞を取ったお笑い芸人の又吉 直樹氏が主役で登場する番組です。日常頻繁に行われる行動の選択にはほとんどすべてのことに経済学の考えが適用されるという話です。ここで取り上げられている話題は、主に行動経済学とかそんなジャンルに属するものが多いのですが、買い物の心理学的な側面にもスポット当てて、日常生活に密着する内容になって結構面白い番組になっています。
又吉 直樹氏又吉 直樹氏        大竹文雄大竹文雄(大阪大学教授)
【新・資本論】
また、いっぽう昨年でしたか(この記事は2017.9.30)、フランスの経済学者トマ・ピケティの「新・資本論」が大ヒットしました。「資本論」といえば、マルクス、社会主義の聖典みたいなものですが、こちらの方は資本主義国の大学の先生が資本主義の将来を憂いて書かれたもの。資本主義が今低迷期を迎えており、成長率の低下により所得よりも富(ストック)の重みが高まっている。また、その結果格差がどんどん拡大していることをコンピュータによる世界中の膨大なデータ解析の結果から解明されました。その結果何らかの格差是正の処置を取らないと、世界が不安定になっていくことを憂いているのです。
 現在の経済の話を考えるには下記の主要な考え方の流れを理解しておくことが必要でしょう。
新・資本論新・資本論        トマ・ピケティトマ・ピケティ
【アベノミックス】
マスコミにもてはやされる「アベノミックス」とは、どんな経済政策なのでしょう。具体的な経済のモデルは、結局最後まで提示されなかったですね。経済は、専門家でないと分からない。でも、今の日銀総裁黒田氏は官僚のトップで法務官僚ですね。前の経済のプロ白川さんは結局は更迭されたようなものですね。経済学者なんて結構弱い立場なのですね。政治家に都合の良い人が利用されているだけでしょう。多くの経済学者の反対を押し切って阿部のミックスは強行されています。このことはアメリカも同じです。しかし、経済学は文系科目の中では最も方法論のしっかりした分野です。必ず、結果に表れます。ただ、結果がすぐにでる訳でないので、為政者はその時には色々と言い訳をして失敗を逃れることができます。後で歴史をひも解いてみて初めて一般に知られるようになるのです。それでも、分からない人も多く、歴史は繰り返すのとおり失敗の見本も多々あるようですが。
 まず、経済の理論として最初に学校で教わるのは、良く知られた「需要と供給の曲線」。価格の決定のメカニズムですね。アダム・スミス等の古典派経済学の大発明ですね。右図に、示すようなものです。
需要供給曲線需要供給曲線
需要と供給は、「神の見えざる手」によって自然に決められる。だから、政府がこれを曲げるような規制を行うことは、神の意志に反する悪なわけです。「自由放任」がベスト。いまでも経済学者の中には原則として規制反対、規制緩和、小さな政府が理想とする人がたくさんいます。でも、これは封建社会にとっては大打撃。商品を右から左へ流して利鞘を稼ぐなんて、悪徳。まして、金を貸して金利を取るなどもっての他です。ヨーロッパで金融関係にユダヤ系の人が多いのはこういったことが背景にあります。
 でも、自由競争の行きつく先は。強者は弱者を駆逐し、最後は市場の独占または寡占の状態になるのは必然です。これは生物の進化の歴史と全く同じ。1つのニッチに2つの種は共存できないのです。寡占の状態では価格決定のメカニズムは働きません。その結果、政府の介入はある程度認められるようになってきます。
国の政策レベルから見た経済学の流れは概ね以下の通りとなります。

①19世紀の「古典的リベラリズム」:アダム・スミス等の古典派経済学の「自由放任」
           ↓
②20世紀の「社会的リベラリズム」:ケインズ経済学の「市場介入」と福祉政策
           ↓
③20世紀末の「ネオリベラリズム」:ハイエク、フリードマンらの「市場原理主義」

上記①~③の流れの中には、マルクス主義経済学の流れもあるのですが、チョットこの流れからは傍流か。まず、アダム・スミスの考えのポイントは、需要と供給から価格が決まるメカニズムです。いわゆる「神の見えざる手」の話です。これが今でも資本主義経済の根本理念で資本主義社会を支える最重要の経済学の公理ともいえる概念です。この「神の見えざる手」が機能していることが経済の大前提で、これを否定することは資本主義の正統性を否定することにも通じる大問題なわけです。
 ケインズの理論は、資本主義には避けがたいと言われた大恐慌への処方箋として生まれました。恐慌とは、結局ものが余って売れなくなり、失業者(労働という商品)が出ることなどで、政府がどんどん金を使って、需要を喚起すれば良いという考えです。極端なたとえでは、巨大な穴を掘削して、また埋め戻すような作業でも失業を減らし、購買力を喚起する手助けにはなる。ということで、各国色々実験をしたところこれが大変上手く行く。ケインズ経済学は一躍時代の兆児。アベノミックスもこの流れに近いのでしょう。
基本的に、資本家も労働者も不況は怖いですね。だから、政府も緊縮財政を行うより、国民に受けの良いインフレ策を取るようになります。橋本竜太郎より小渕恵三がもてる。ただ、その結果、政府の予算は膨らみ国は膨大な借金をしょいこむ込むことになります。また、経済が加速するとバブルが崩壊する危険も大きくなります。
ほら、見ろ。神の見えざる手を無視すると罰が当たるぞ。古典派の復権です。市場原理主義の小さな政府です。英国のサッチャー、米国のレーガンがこの路線ですね。日本の場合、小泉政権の規制緩和、民営化路線がそうですね。でも、国民はやはり大きな政府が資金をばらまいてくれる方が好きですよね。その結果国の借金は過去最大を更新し続けています。

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需要供給曲線

経済学の最初の理論と言えば、需要供給曲線ですね。バイブルみたいなもの。子供でも知っているかも。アダム・スミスの発明でしょうか。でも、簡単なグラフ、見れば見るほど内容が深い。市場の商品は、価格が上昇すれば、売りたい人が増え供給が増える。逆に価格が下がれば買いたい人が増え需要が増える。従って、供給曲線は右上がりの線。需要曲線は右下がりの線。価格は、2つの曲線の交わるところで決まる。それより右側では、供給が上回り売れ残りが出るので価格が下がる。それより左側では需要が上回るため、もっと高くても買いたい人が出るため価格が上がる。こうして、「神の見えざる手」が働き、最も適切な価格に自然に落ち着くというのですね。
需要供給曲線 これが、自由主義経済の根本理念。封建的な経済の世界を打ち破る原動力になったわけです。安く仕入れて高く売る、これが商売のコツですが、こんなことはキリスト教の道徳からは、悪徳以外の何物でもありません。まして、金を貸して利鞘を取るなんて。だから、品行方正な紳士は、金融や商業に手を出さない。西欧でユダヤ人が成功した理由です。
需要供給曲線ですが、お金もある意味で商品です。縦軸が価格なので変ですが、縦軸は金の価格とか他の尺度を使えば、同じですね。
ところが、このグラフ、チョット間違いやすい所があります。供給が増えれば、価格が上がる。需要が増えれば価格が下がる。変ですね。全く逆です。グラフだけ見れば、それもありそうです。良く見て下さい。因果関係が逆ですね。つまり、
       供給増→価格減、需要増→価格増
矢印は右から左は、正しいのに左から右は間違いです。
       価格増→供給増、価格減→需要増
これならOKです。数学のグラフとはここが違います。Y=f(x)では、横軸xを独立変数、縦軸yを従属変数と呼んだりしますが、たいていは、xとyは1対1で対応しています。需要供給曲線では、独立変数は縦軸の価格の方で、価格が需要や供給を喚起する原因となる訳です。ところが同じ価格に対して、需要と供給の数量は、均衡点以外は異なっています。1対1対応がつくのは、均衡点だけ。需要の数量と供給の数量が一致してみんながハッピーになるのです。私も、初め「なんで供給量が増えるのに価格があがるんじゃ。」と思って気が付きました。 需要供給の考えは、今でも経済学の大前提の一つ。市場原理主義は、ネズミ講的に膨れ上がっていく国家予算を削減するため、ケインズ学派に対抗して勢力を増して来ています。規制緩和、地方分権、小さな政府といった点が特徴です。
需要供給曲線の考え方を知っているだけで、経済ニュース良く分かるようになります。政府がお金を沢山刷れば、お金が供給過剰となり、物価は上がり生活は苦しくなります。今の政府は、国債を沢山発行して、それを市場でなく日銀に買わせています(基本的にはルール違反です。非常時だからという名目で)。その結果それを政府が使うことでお金が余計に出回る訳。それをアベノミックスと称していますが、どんなメリットがあるのでしょう。案の定、デフレ解消とかいいながら、さっぱり景気が良くなっていません。当たり前でしょう。給料や株価が上昇しても、肝心なお金の価値が下がっていては生活は苦しくなるだけ。余計なことをしないのが市場原理主義的なやり方。オリンピックを誘致して経済を活性化しょうというのはケインズ流か。
札束バラマキの本当の目的は。輸出促進。一理はあるようです。ただ、日本のような成熟国は、輸出と輸入はバランスしているはず。輸出で潤う会社もあれば、輸入で苦しむ会社もあるはずです。低賃金で物作って海外に売りまくっていたのはもう過去の話。また、輸出企業と言っても、実際に輸出しているのは数%程度、その内儲けの90%以上は1%以下の企業に集中。この話はNHKの「オイコノミア」でアメリカ企業の場合を例として説明していましたが日本でも同様だろうといっていました。つまり、いい思いをするのは経団連の超大手企業だけ。たいていの中小の企業は輸出と言っても下請けですからほとんどメリットは無いでしょう。しかし、消費税からは輸出還付金といて大手輸出企業には国内調達資材に対して払戻し金が出されます。因みにヨーロッパでは、消費税は20%以上、アメリカは非関税障壁だと非難しています(輸出還付金が膨大なため)。大企業一辺倒の政策ですが、株価だけは高騰、ばらまいた金の行きどころがなく株に流れ込んでいるためです。
札束バラマキの本当の理由も需要供給曲線の通りです。円の大量供給で、ドルと比べ大幅な円安状態が続いています。リーマンショック以降、アメリカの経済が非常に危険な状態になりました。でも、ドルは世界の基軸通貨。ドルの暴落を防ぐ目的でEUも日本もお互いに頑張って自国の通貨を対ドルで下げる努力を続けています。アメリカだけが利上げをしてドル高維持されている。ちょうど、ドラえもんに出て来る「ジャイアン」と「スネオ」と「ノビ太」の関係みたいなものですね。自国の通貨が安くなって喜ぶなんてこと歴史が始まって初めての異常なことです。自国の通貨が下がれば国民の全財産の価値が目減りしてしまうのででれだって反対するのが筋のはず。。また、国民の格差もどんどん広がっていきます。いま、米国もECも日本も経済が変調でしょう。需要供給曲線を正しく理解し市場原理主義的な考えを見直すことが求められているのではないでしょうか。

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需要供給曲線は本当か

需要供給曲線が成立するためには当然いくつかの大前提が必要です。まず、需要側と供給側に完全に自由競争が成り立っていること。自由競争が成り立たないような場合とは、

1.供給側が独占あるいは寡占状態にある
需要側が飽和していない場合、需要者は独占業者から言い値で買う以外ないですね。価格カルテルなどもそうですね。労働組合も一種のカルテルと見做され、経営者側からは敵対視されますね。でも、独占も需要が飽和状態の場合は、効果は無くなります。失業者があふれている状態では労働組合がいくら頑張っても賃金はなかなか上がりません。
自由競争を続けると、ダーウィンの進化論、適者生存の原理が働いて来るので、たいていは行きつく先は独占です。

2.供給が過剰にある
空気は人間にとって必要ですが、誰もお金を払って買う人はいません。病院の人工呼吸の場合は別ですが。水も昔はただでしたが、今は水道局が有料で供給するようになっています。ペットボトルの水は石油よりも高価ですね。最近は工業製品も100円ショップで売られている物多いですね。これも需要が飽和しているのでしょうね。需要が飽和しているものに対しては、デフレ対策としてお金をばらまいても効果無しです。農産物やガソリンなど必需品が値上がりで苦しむの一般庶民です。

3.政府の規制が強い
政府の規制が強い国では、完全な自由競争は不可能です。例えば、農産物については日本は農家保護の名目で異常に高い関税をかけて、海外からの農産物を自由競争で輸入できません。銀行ですら、日本では海外のように外貨を自由に取引できません。薬や医療に関してはほとんど外国の業者が入り込む余地はありません。資本主義の経済理論はほとんどすべてが自由競争ありきを前提にしています。だから、経済のかじ取りも既得権益の障壁が強く有効な対策が打てないことになります。ソ連時代に、ゴルバチョフが行っていたでしょう。「日本は世界一うまくいっている社会主義国だ」と。ただ、官僚主導の社会主義もグローバル化、少子化などの問題を抱えてガタが来ているようです。地方分権が叫ばれる理由です。

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共有地の悲劇

共有地の悲劇(The Tragedy of the Commons)とは、経済学のおける法則の一つ。アメリカの生物学者、ギャレット・ハーディンが1968年に『サイエンス』に論文「The Tragedy of the Commons」を発表、一般に広く認知されるようになったということ。多数者が利用できる共有資源が乱獲されることによって資源の枯渇を招いてしまうこと。 例えば、共有地(コモンズ)である牧草地に複数の農民が牛を放牧する。農民は利益の最大化を求めてより多くの牛を放牧する。自身の所有地であれば、牛が牧草を食べ尽くさないように数を調整するが、共有地では、自身が牛を増やさないと他の農民が牛を増やしてしまい、自身の取り分が減ってしまうので、牛を無尽蔵に増やし続ける結果になる。こうして農民が共有地を自由に利用する限り、資源である牧草地は荒れ果て、結果としてすべての農民が被害を受けることになる。
また、牧草地は荒廃するが、全ての農民が同時に滅びるのではなく、最後まで生き延びた者が全ての牧草地を独占する。このことから、不当廉売競争による市場崩壊とその後に独占市場が形成される過程についても、コモンズの悲劇の法則が成り立つと考えられている。
日本の近海では、日本の排他的経済水域のすぐ隣の公海上で、中国、韓国、あるいは北朝鮮の漁船が魚を取りまくっているといわれています。ここで日本も負けじと漁獲を増やせば、まさしく共有地の悲劇が生じそうですね。共有地の悲劇の問題は漁業では本質的な問題です。取る漁業から育てる漁業への転換も求められているのかも。
実際にコモンズの悲劇が起こるのは、多くの場合、共有地がオープンアクセスで新規参入が自由で、共有地の資源が希少資源で枯渇する場合に尽くされてしまう場合。ここでいう、共有地とは土地だけに限らず、経済活動における一般の市場にも当てはまる。例えば医療の世界でも、だれでも医者になれれば、これが儲かるうちは質の悪い医者がたくさん増えて、その結果医療システムは崩壊してしまうだろう。だから、国が試験を行い免許を与え特定のものだけに独占的の開業する権利を認めているわけですね。 行政側の政策として、利用者の数や利用の程度を制限し、有償で独占権を与えて、共有地(市場)を保護する場合が多い。ただし、これが業界保護の目的で悪用されると、既得権と化し、新規参入を拒み、国民に多大な不利益を提供することになってしまう。規制緩和が叫ばれる背景である。既得権に胡坐(あぐら)をかいていると、技術の革新が進まず、高価格体質が温存され、他国に比べ非効率なシステムが固定化されてしまう問題もある。
日本におけるタクシー減車法は、タクシー事業者に対する免許に対する総数に制限を課して、大都市部での不当廉売による市場崩壊防止のため新規参入を禁止する政策である。ただし、この場合枯渇を考慮すべき資源はタクシードライバーなのか、乗客なのか。駅でタクシーを待つために乗客が長い列を作っている状態と乗客を待つためにタクシーが列をなしている状態とを経済を考えるうえでどちらが健全な状態か考えて欲しい。当然後者の方が望ましい。乗客という資源は、運賃を下げることで増やすことは可能だ。海外並みの低コストにすれば日本でも乗客を増やすことはいくらでもできる。深夜の駅で最終電車に乗り遅れた経験をお持ちの方も多いと思うが、いわゆる「白タク」という違法のタクシーのおかげで遠距離の家まで無事帰ることができた人も多いだろう。共有地の悲劇を取り間違えた政策がタクシー業界の発展を阻害している原因になっている。

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経済学の父-アダム・スミス

アダム・スミス アダム・スミス(Adam Smith、1723年~1790年):イギリスの哲学者、倫理学者、経済学者。スコットランド生まれ。主著に倫理学書『道徳感情論』と経済学書『国富論』(1776年)がある。スミスが生きた18世紀のイギリス社会は政治の民主化、近代西欧科学の普及と技術革新、経済の発展といった「啓蒙の世紀」であった一方で、格差と貧困、財政難と戦争といった深刻な社会問題を抱えた世紀でもあった。光と闇の両側面を持つ18世紀イギリス社会はアダム・スミスの思想に大きく影響したとされています。
アダム・スミスは、自由主義の経済理論を説いた最初の人で、「神の見えざる手」に任せて完全自由競争に経済を任せれば良いとの非常に斬新なアイデアを唱えました。そして、最も痛烈に非難していたのが当時世界を席巻していたイギリスの東インド会社の存在だったそうです。国に代わってインドなどを支配し、やりたい放題の超独占企業。完全自由競争に対して真逆の存在です。既得権を背景に目に余る不正行為が多かったためでしょう。
中小の独立した企業が互いに競い合っていれば、経済も活性化し、次々と新規参入の企業が交代して国は豊かになる。一方、一部の企業が市場を独占し、政府と癒着し、既得権を固守すれば経済は停滞し、独占企業が闊歩して、世の中大変不便になってくる。  アダム・スミスの考えは、当時のヨーロッパ社会の技術の発展に大いに貢献しました。努力して技術を開発してお金儲けをすることは決して悪いことではなく、むしろ推奨される行為になったわけですから。
 ただ、自由競争の社会はとても不安定で、弱肉強食の状態が続くとだんだんと生き残った企業の独占状態となってしまうという宿命があります。独占企業は資金力にものを言わせ、政府や世論を都合の良いように操作し、結局第二第三の東インド会社を作り出してしまいます。
もちろん、自由主義経済の信奉者たちも、「自由主義経済の最大の敵は独占だ。」ということは当然認識していました。だから、独占禁止法などを作って各々の業界の市場占有率を規制するなどの努力はしてきています。しかし、逆に成功した資本家たちは既得権を守りさらに発展するためこれらの政府の規制を骨抜きにしてさらに独占を進める活動を続けています。
そして、その後の歴史を見ると、アダム・スミスの考えは、「自由競争」や「自己責任」だけが強調され、「独占は悪だ」という考えは、建前だけで巧妙に無視され続けたようです。

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グローバル経済の罠

完全自由競争に経済は、企業の活動が一国内だけにとどまっていれば実現は可能でしょう。しかし、工業化に成功した国々の企業は、さらなる市場を求めて海外に進出しようとします。また、これらの先進国は、国家自らが企業の後押しをして海外進出を試みるようになります。民間の企業同士の競争が国家と国家の競争に転化してしまいます。そして各々の国家の目標は、国家自らが「東インド会社」になること。いわゆる「帝国主義の時代」、別の表現をすれば「国家社会主義」。現在でも各国の首相や大統領自身が自国の輸出を増やすための営業マンとなっているでしょう。
walmart  しかし、独占を目指した自由競争は、最後はだれかが一人勝ちするまで続きます。なぜなら市場は有限ですから、だんだんもうけが少なくなってくるからです(収穫逓減の法則)。ところが国家同士の自由競争には、独占を禁止できる方法はありませんでした。その結果生じたのが戦争。戦争をすれば経済が一度リセットされさらなる発展が見込める。その結果、2回の世界大戦が生じ、結果として現在アメリカの一人勝ちとなっています。現在世界の市場を独占している大企業はほとんどがアメリカの企業です。現在の多国籍企業は、昔の東インド会社と異なり国家の枠を越えて、世界中を相手にしています。労賃が少しでも安い国に工場を移し、少しでも安い資源を求めて輸入先を変えていきます。そして世界中に負け組を大量生産し、貧富の格差を広げていきます。今までグローバル化と称していた枠組みは、多国籍企業を利するためのものです。自由競争の世界で一番利益を売るのは市場の独占に成功した巨大な多国籍企業。当のアメリカだって、一般の市民や中小の企業はドンドン貧困化していくでしょう。しかし、当のアメリカでもこのグローバル化に「ノー」を突きつけた政権が現れました。国内の産業を保護するため、関税障壁を作ろうというわけです。ヨーロッパでも、英国がEUを離脱したり、グローバル化に「ノー」を突き付ける国が続出しそうです。トランプ大統領のやっていることもまんざら的外れでもないようですね。

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2階建て国家

2階建て国家      日本の高速道路は、何故有料なのでしょうか。日本は「世界で最もうまくいっている社会主義国」とかってゴルバチョフをうらやましがらせた制度。その秘密は。でもその秘密が今度は日本の成長の足を引きずる重たい軛になっていることに気がついていますか。
敗戦後の日本。日本は官僚組織が見事に残されました。マッカサーに掛け合って日本型の官僚システムを作り上げたのは、かのワンマン宰相吉田茂です。官僚機構の組織的活動で日本が高度成長を遂げたのも事実です。戦後の総理大臣を見ても分かる通り、ほとんどすべてが官僚出身、○○大学卒でしょう。日本の官僚機構は基本的に終身雇用システム、しかも縦割り組織で滅私奉公型。政治家で顔が利くのは官僚の代弁者だけ、官僚に任せておけば、総ては上手く行く。これが与党の基本姿勢です。また、官僚機構は民間にも終身雇用システムを熱心勧め、これも我が国にはほぼ定着しました。
終身雇用の縦割り組織、経済が拡大し、人口も増えている間は絶大な威力を発揮し、日本は世界からもエコノミック・アニマルと揶揄(やゆ)されるようになりました。経済が安定期に入り、少子化で人口が減ってくれば、今度はすべての歯車が逆回りになり、努力しても努力しても上手く行かない軛(くびき)になります。
国家予算を考えて下さい。縦割り組織で滅私奉公型の優秀な官僚たち、絶対に予算は増えることは納得するけど、減らす事だけ避けようとします。最低現状を死守しようとする訳です。実際、日本の予算は単年度主義で毎年ほとんど変わりません。国家予算における予算案は数学でいう定数(実は漸増)。これが1階部分。
そこで、日本の高速道路は、何故有料なのでしょうか。国家インフラとして予算を重点配分しようとしても無理。そこで、受益者負担なんて理屈をコネ、実際には借金で建設をすることになります。後で、料金として回収するという建前です。2階部分の誕生です。年金制度を立ち上げたのもこのため。はじめは積立方式で返すつもりが使ってしまった。少子化では収入の方は期待薄。消費税をあげざるを得ないでしょう。今後は、子ども手当も、年金も、障碍者福祉もすべて消費税。消費税増税は際限なく続くことになります。増税が難しいときは国債の発行、つまり借金です。つまり、日本には2人の徴税者がいて、各々が精いっぱい徴税している訳。基本的に政治家は2階部分の増加に熱心です。自分たちが口出しできる部分は2階の部分だけですから。時間がたてば2階部分は既得権として1階部分に移転されていきます。次世代へのつけは限りなく増えて行きます。1階部分を改革しない限り将来は無い訳ですね。大胆な規制緩和と地方分権が必要なわけもここにあります。

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思考実験

思考実験という言葉。理論物理学で良く行われる手法。アインシュタインが得意していたとか。特殊相対性理論の入門書では、「花子が止まっていて、太郎が速度V(光速に比べ無視できない速さ)で等速運動していて、云々…」。結構、読んでいてくたびれます。思考実験をするには、思考モデルが必要です。実際に実験を行うことは、大がかり過ぎ、コストもかかり、事実上不可能なことがほとんどだからです。だけれども、この方が、大変有効であったことは、現実の科学の歴史が証明しています。このことは、社会科学の分野でも当てはまります。社会科学で、最もモデルを有効に使っているのは経済学の分野です。
社会の力学というものは、実際に実験することは当然不可能ですし、再現することも難しいからです。また、モデルの妥当性を説得することも困難でしょう。また、モデルが良くできていて、現実をうまく説明できるほど、人々は、嫌悪感を抱き否定しようとします。人は、自分の先入観が否定されそうになると何とか理屈をつけて否定しようとするものです。次にあげる、映画館モデル、非常に簡明でうまいモデルだと思うのですが、みなさんはどうお思いでしょうか。


混雑する映画館  町中に大きな映画館がある。人気の映画が上映されていて、中は立錐の余地も無いほどの超満員。映画館の中は入場を待つ人たちの長蛇の列。映画の上映時間はとても長く、何時まで経っても中に入れない。上映されている映画はとてもつまらない。観客の目的はいつまでもこの映画館に留まること自体なのだ。実は、この映画館は、今の日本を反映したモデルなのです。
 この映画館は、時間とともに縮小していく。映画館の外の人達は抗議の声を上げるようになり、中の観客は押しつぶされそうになって悲鳴を上げている。もうお分かりと思いますが、この映画館は「終身雇用劇場」の看板をあげ、「年功序列制度を守り美しい日本」という長尺の映画を上映している。この映画館が大人気なのは終身雇用と年功序列の制度が日本経済の高度成長の原動力と信じられてきたからだ。
でも、この制度は明らかに致命的欠陥があります。会社組織というもの基本的に軍隊と同じピラミッド組織。入社時に総ての社員に終身雇用と年齢に応じた昇進を約束すれば、必然的に円筒型の組織に変わってしまう。軍隊ならば強制的に兵士を退役させることが出来る。社員を解雇できない企業は、この矛盾を解消しシステムを維持するためには、常に企業を拡張していく必要に迫られる。従って、日本の企業は、利益率よりもシェアーの拡大、子会社、系列会社を増殖させて、業務の多角化を続けていくことを運命づけられてしまう。
組織が拡大している限り、このシステムは機能するが、経済の成長が止まると、この制度は瞬く間に崩壊する運命にある。原理的にはネズミ講と全く同じだ。小泉政権の規制緩和も、この状況を緩和する目的で実施したもの。これが派遣労働が増えた原因だとは、原因と結果の取り違え、主客転倒、的外れな批判ですね。終身雇用制度が崩壊しているのだ。
ドイツでは、派遣労働を正規な労働の形態と位置図け、短時間労働と高効率の生産システムを達成し、今ではEUでもっとも成功した国となっている。日本にはもう一つネズミ講モデルがピッタリの例がある。国民年金の問題である。

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哲学・社会学の部屋

悪貨は良貨を駆逐する

人類は石器時代からすでに集団間での交流が行われていたらしく、その証拠も沢山見つかっている。当初は、物々交換であったことは明らかだが、そのうちに交換の尺度として特定の品物が使われるようになる。例えば、米だったり、金だったり、鉄や銅の地金だったりと。ただし、これらは品物を交換するために道具というより、それ自体が価値を持ったものだった。これらのものは魚や肉と異なり、長期間保存ができ、蓄財できる利点があった。
だから、最初に作られた貨幣は、皆硬貨であり、金、銀、銅といった貴金属が使われる。実際日本では、銅銭は自国では作らず、中国から輸入していた時代が長く続いている。銅銭自体に地金としての価値があったこともその理由だろう。
宋銭 だから、お金を受け取った人は、出来の良い硬貨をため込み、混ぜ物の多い不良品を優先的に使うので、結果として市場には悪貨が優先的に流通してしまう事態が生じることになった。ただ、このことは貨幣に信用がないということの表れで、結果的には貨幣の不足状態が慢性的に続き、今でいう社会全体がデフレ状況??に陥っていたとも考えられる。モノの値段が高止まりしていて、ものが売れず経済が活性化しない。
中央政府の力が強くなることで、紙幣が発明される。紙幣とはそれまでの考えから言えば最悪の悪貨だ。権力による裏付けがなければ、本当に単なる紙切れだ。
だから、これが単なる紙切れにならないことを保証する必要がある。例えば、その紙幣を国に持っていけば、同額の金、銀、銅の地金にいつでも交換してくれるという制度だ。これが「兌換紙幣」。これで、人々は安心して紙幣を受け取り、世の中の経済はうまく回る万事解決のはずだった。ところが今、世界中で兌換紙幣の制度をしっかりと守っている国はあるのだろうか。
現在、ほぼ世界全体の共通紙幣として使われているドル。当初はドルも兌換紙幣で、同額の金塊との交換が可能であった。1971年のドルショック。米大統領ニクソンによって、ドルと金の交換ができなくなる。こうしてドルは史上最悪の悪貨となったわけだ。米国が覇権を失えば、本当に単なる紙切れになってしまうからだ。米国が金塊との兌換を中止した直接の動機は、大量の金塊が米国から流出していったことが原因らしい。しかし、この決定のため、米国政府はいくらでもドルを刷って世界中から物を買うことが可能となった。ただ、この制度が持続可能ではないことは明らかだ。世界のどこかで経済成長(中国でもインドでもいいが)が続いていない限り、ドル余りが生じ、米国の覇権は消滅する。だから、先進国諸国のエリート層たちは経済のグローバル化を盛んに宣伝しているのです。でも、最近の世界の動きは反グローバル化。イギリスはEUから離脱。トランプ政権は高関税の米国優先路線、中国やロシアやインドは、ドル崩壊後の経済を見越して盛んに金塊を買いあさっているようだ。

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100兆円を越える国家予算

2018年度予算案が発表されたようだ。ここのところ毎年膨張(6年連続過去最大値)が続いており、約98兆円、100兆円を超えるのは目と鼻の先だ。そのうち税収は60兆円弱だから、残りは国債発行などの借金だ。この結果、国の借金は約1000兆円(1087兆円)に増加したらしい。100兆円は、国家が国民のために色々なサービスを提供するためのコストだから、人口を約1億人として、1人あたりを計算すると、100兆円÷1億人=1014÷108=1014-8=106で100万円だ。老人から子供まですべての国民に必要なサービスを国が提供するためのコストだ。この100万円/人が高いと思うか少ないと思うかは人それぞれだが、収入に比べ支出が多いことは持続可能性がないわけだから、一般の家計なら大幅な支出削減が必要なことは論を待たないが、実際には借金は増え続けている。数字が多いので簡略化して概数をまとめてみる。政治家も役人も国民に不人気な緊縮財政はやりたがらない。だから消費税は際限なく上がり続けることになる。
① 国家予算:100兆円/年→そのうち税収は6割だけ、残りは借金。
② 国の国民1人当たりのサービスコスト;100万円/人・年
③ 国民の1人当たりの負担;60万円/人・年
④ 国の借金残高:1000兆円、1人当たり1000万円

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基軸通貨の崩壊

世界経済の基軸通貨というのは、戦前は金、現在は米ドルであるのは常識だ。ところが米国がトランプ政権になって以来、基軸通貨としてのドルの立場が大幅に低下している。いずれドルは世界の多数の通貨の一つになってしまう可能性がある。
戦後、欧州や日本の経済復興のためには、米国が資金力にものを言わせ、欧州や日本から物を買いまくることが重要なことと考えられていた。当初、ドルは金本位制で、米国が多量の輸入を続けることで、国内の金が海外に流出するようになる。だったら買うことをやめれば良いのだけど、一度美味しいシステムを作り上げたエリート層は、簡単にはやめられない。
だから、1971年のニクソン・ショックが起こる。これにより米国は無尽蔵にドルを発行できることになる。無尽蔵に発行といっても、こんなことが持続可能な訳はないことは子供でも分かる。しかし、グローバル経済は規模が半端でない。だから、何時どのような形で米ドルの崩壊が起こるのかは誰も予測がつかない。 しかし、経済のごく基本的な考えに基づいて推定できる部分もある。一つ目はドルの価値が下がったということ。これは需要と供給の関係から必然だ。物の価値は、結局は基軸通貨のドルを基準に図られる。例えば労働者の給料、どんどん値上がりするでしょう。でも、実際はお金の方の価値が下がっているのだから、生活は寧ろ苦しくなるかも。
二つ目に言えることは、富の分配の問題。米国が多量に印刷したドルはどこへ行くか。米国政府、金融機関、投資会社など一部の企業にはお金が回るでしょう。しかし、米国内の製造業や労働者はドンドン貧しくなっていきます。格差がドンドン広がっています。
米国が世界中から、ものを買えば、ものを輸出する方の国にはお金が落ちます。以前はヨーロッパと日本、今は中国、そのうちインドや東南アジア、アフリカと変化してくるでしょう。グローバル経済は次々の拠点を移していかないと持続可能でないからです。米国に本拠のある世界規模の多国籍企業にとっては、生産の拠点は世界中のどこでも良いのです。
今後、先進国の労働者間の格差はドンドン広がっていくでしょう。開発途上国ではその格差は更に大きなものになっているようです。一部の多国籍企業には富が集まっても、普通の規模の堅実な企業はドンドン苦しくなります。
だから、このように考えると、グローバル経済にノーを突き付け、自由貿易の考えを否定しようというトランプの考えは理解できるでしょう。米国民の非エリート層からの支持が得られる理由も分かっているでしょう。 自由貿易を擁護する人たちは、世界経済がブロック化すると、戦争が起こりやすくなるという屁理屈を造り出してますが、これは全くの根拠がないこと。第二次世界大戦で日本やドイツが植民地を増やし戦争を仕掛けたのは、寧ろ英国中心のグローバル経済から自国の産業を保護するのが目的だったから。持続可能性の観点からは、自国で生産したものを自国で消費する。不足するものだけを貿易で融通し合うという方が、はるかに健全な考えかも知れません。

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アベノミクス

アベノミクス アベノミクスという意味不明な言葉が流行してきた。これがどんな政策か説明できる人はほとんどいないでしょう。アベノミクス(Abenomics)は、自由民主党の政治家・安倍晋三が第2次安倍内閣において掲げた一連の経済政策に対して与えられた通称で世界的も使われている。
アベノミクスは、第1次安倍内閣における経済政策の総称として命名されたが、その後、中身も色々と変遷してきているらしい。当初は、財政支出を削減し公共投資を縮小させ、規制緩和によって成長力が高まることを狙った「小泉構造改革」路線の継承を意味するものだったらしい。 第2次安倍内閣では新たに、デフレ経済を克服するためにインフレターゲットが設定され、これが達成されるまで日本銀行法改正も視野に入れた大胆な金融緩和措置を講ずるという金融政策が発表された。これら一連の経済政策が、第40代のアメリカ合衆国大統領ロナルド・レーガンの経済政策として名高い「レーガノミクス (Reaganomics)」をもじって、アベノミクスと総称されるようになった言われている。
安倍首相は、2013年9月26日にニューヨーク証券取引所での講演で「Buy my Abenomics(アベノミクスは『買い』だ)」と述べている。また同年12月30日の東京証券取引所の大納会でも、「来年もアベノミクスは買いです」と述べた。「アベノミクス」は2013年新語・流行語大賞のトップテンに入賞し、安倍首相自らが受賞した。
基本的な発想は、大胆な金融緩和措置。つまり政府が好きなだけ自由にお札を刷り、市場にバラまけば経済が活性化して、皆がハッピーになるはずだという理論なのだ。低下してきた日本の国際競争力を円安で高め、ふたたび日本が世界の工場となることを夢見た発想ともいえるだろう。
実はこのような発想は、米国発のものらしく、日本でも安倍支持の一部の経済学者にも受け入れられているようだ。彼らの発想は、通貨の発行は国の権利であるから、政府の都合で無制限にいくらでも発行すればいいではないか。ということは、本音は消費税等増税等する必要も全くなく、増税は寧ろ経済を停滞させるだけなので、その分国債を発行して日銀に買わせて通貨を過剰に流した方が良い。経済が活性化すれば税収も増えるので元が取れるという理屈だ。更に進めると政府は国民から税金を取る必要などなく、政府は好きなだけ通貨を発行するだけで費用を賄えるという理屈になる。
しかし、政府が国民から税を取らないとなると、政府は誰に対して責任を取るんだろう。こんな化け物みたいな政府の出現を許していいのだろうか。現に今の日本の政治は自民党の一党独裁、多数政党との名目で何でも好きなように法案を通してしまう。政策は国民の人気取り。財政などは考えなくても何とでもできる。何故、安倍首相があれほど自信を持っているのかは当然ですね。
このような考えは、既に米国ではかなり以前から取り入れられているようだ。ドルが金と交換のできない非兌換紙幣となって以来、米国は経済的な危機を、ドルを大量に印刷することで何度も切り抜けてきた。減税と引き換えにドルを大量に印刷すれば国民の支持も得られる。ドルは世界通貨となっているので、ドルが大量に出回るとドル安になり、米国に輸出する国は総て自国の通貨を安くすることを求められる。中国の人民元はもともとドルにペッグされていて、中国の工業製品は実質的に値下げした状態で売れる。従って、それに対抗するためEUも日本もひたすら自国の通貨を安く下げる政策を突き進めてきたようだ。自国の通貨を安く下げる政策が万策尽きた時点で出てきたのがまさに、アベノミクスだったわけですね。
しかし、政府が無制限に紙幣を発行してはいけないということは、今までの世界の人々の常識であったはずだ。国民は税金を納め、その対価として国は国民のための諸活動を行うのという暗黙の約束があったはずであるし、それが国家の存在する意味のはず。それが経済発展だけが目的になって、一部の資本の利益だけをひたすら追求する政府というものは極めて危険な存在に化する危険性が高い。所得税から消費税に移行していく動きも、消費税なら納税者の意向は全く気にしなくて済むのが政府の利点だからだろう。無制限な金融緩和は富裕層を利し、貧者をますます貧困に陥れる。既に米国では著しく富の偏在が進んでいることは、ピケティら経済学者の指摘する通であり、中国や開発途上国でも貧富の差は拡大している。結局すべての原因は米国発のドルの過剰流通なのだろう。米国では、ようやく共和党のトランプや民主党のサンダースのように既存のグローバル経済にNoを突き付ける候補が支持を国民の支持を集めるようになって来た。多くの国が通貨を無尽蔵に発行して通貨安を企むより、自国の産業を保護するためには互いに高額の関税障壁(トランプは自身のことをタリフマンと称していた)を設ける方が遥かに健全な方法ということになりそうだ。
【反省】
上の記事を書いたのはかなり前だ。2020年9月時点、安倍首相は自ら体調を理由に辞任。現在は管首相。結局アベノミクスとは何だったのか。何事も説明不十分な内閣、正にマスクの安部さんだった。アベノマスクの方が通りが良い。世界中でマスクがこれだけ流行したのは、一にも二にも彼の功績。マスクの首相で世界中に通る。MMT理論の実践者?
政府に必要なお金は刷ればいくらでもできるいうあの理屈。異次元金融緩和の黒田さん。日本の借金総額は一気に倍増?。コロナ対策協力金でずい分お金もばら撒いた。

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現代貨幣理論MMTとは

MMT(Modern Monetary Theory:現代貨幣理論)という考えがアメリカで注目を集めている。日本でも、国会で議論された。これは、自国通貨建てで政府が借金して財源を調達しても、インフレにならないかぎり、財政赤字は問題ではないという主張だ。ニューヨーク州立大のステファニー・ケルトン教授などによって提唱されている。勿論この考えに対して、主流派経済学者や政策当局者は、異端の学説として強く批判している。
◇マネーがマネーになるのは、人々がマネーとして認めるから
 MMTは、いくつかの理論を根拠としている。一つは、ドイツの経済学者ゲオルク・クナップによって20世紀初頭に唱えられた貨幣理論(「チャータリズム」と呼ばれる)だ。これは、貨幣は素材の価値があるから通用するのではなく、国が価値を宣言するから通用するという考えだ。  もう一つは、20世紀中頃のアメリカの経済学者アバ・ラーナーの主張だ。内国債は、国から見れば債務だが、民間の国債保有者から見れば資産だ。両者は帳消しになる。したがって、「将来時点で、外国に支払いするために国が使える資源が減る」という意味での「国債の負担」は発生しない。この点で、内国債と外国債は経済効果が異なる。
 さらに、ケインズ経済学がある。これは、経済が不完全雇用にあって遊休資源があるなら、財政赤字によって財政支出を増やすべきだとする。MMTが「インフレにならない限り」と言っているのは、「不完全雇用なら」というのとほぼ同じだ。だから、これはケインジアンの理論そのものだ。
◇MMTの考えは新しくない
 ところで、以上で述べた理論は、いまでは経済学者に広く受け入れられており、格別新しいものではない。クナップのチャータリズムは、金本位制が万能と考えられていた20世紀初頭の世界では異端の考えだったかもしれないが、管理通貨制に移行した現代の世界では、ごく当たり前のものだ。  本書でも、「マネーがマネーとして機能するのは、その素材に経済的な価値があるからではなく、政府がそれをマネーとして認めるからではなく、人々がそれをマネーとして認めるからだ」ということを強調した。
 金貨のように素材に価値がなくてもマネーとして通用することは、中世のイタリアの商人たち(=初期の銀行家)が証明したことだ。国家がいくらマネーだと宣言してもマネーとして通用しなくなることは、ジョン・ローの事件、第1次大戦後のドイツのインフレ、ソ連のインフレなどで実証されたことだ。

 ラーナーの考えは、いまでも一般には理解されていないことが多い。財政赤字を家計の借金と同じようなものと見なして、「負担を将来世代が負うから問題」という考えは、マスメディアではごく普通に見られる。しかし、経済学者の間では、内国債が自分自身への借金だという考えは、既に1940年代に確立されており、正統的なものだ。ポール・サミュエルソンは、この考えを、「戦争の費用を内国債で戦後に転嫁することはできない」と表現している。
 ケインズ経済学も、多くの経済学者によって広く受け入れられている。◇財政赤字を継続的な財源とすれば、多くの問題が起こる。以上で述べた限りでは、MMTは「モダン」と称してはいるものの、あまり目新しい考えではない。では、どこが新しいのか?
 それは、財政赤字を、長期的な施策の継続的な財源としていることだ。
 いまMMTが論争となっているのは、アメリカ民主党左派にグリーンニューディール( 地球温暖化対策)や国民皆医療保険などの大型の歳出拡大が必要との意見があり、その財源としてMMTが提唱されているからだ。そして、民主党の急進左派を中心に支持者が増えている。これが、アメリカの大統領選挙で争点となる可能性がある。
 ケインズ経済学で財政支出を増やすという場合に考えられているのは、短期的な需要を調整するための一時的な支出だ。これらは、経済が完全雇用になれば、すぐにやめることが想定されている。ところが、上に述べたような施策は、完全雇用になったからといってすぐにやめられるものではない。

 「インフレにならなければ問題ない」というのだが、政策をすぐにやめられなければ、インフレになる可能性がある。そうなれば、大きな問題が生じる。ケインジアンと見なされている論者までもがMMTに反対を表明しているのは、このためだ。  「インフルにならなければよい」と言うが、過去の歴史を見る限り、それが難しかったのだ。インフレになれば、人々はマネーをは認めなくなり、このシステムは動かなくなる。
 MMTは、単なる仮定の上に成り立っているものでしかない。現実には機能しないのだ。

◇ハーヴェイロードの仮定
 さらに、インフレが生じない場合においても、問題がないわけではない。無駄な歳出が行われる可能性が高いからだ。  イギリスの経済学者ロイ・ハロッドは、ケインズの理論は「ハーヴェイロードの仮定」に立っているとした。これは、財政支出が賢人たちによって決められるということだ。しかし、現実の政治プロセスでは、この仮定は満たされず、大衆迎合的な決定がなされる。
 このことは、ジェイムズ・ブキャナンなどによって、1960年代から70年代に指摘された。ブキャナンの理論はノーベル経済学賞を受けた。
 問題はこのように、純粋に経済的な問題というよりは、政府支出に関する政治的なメカニズムの問題なのである。
 簡単に言えば、増税でまかなうとすれば反対が強くて実行できない政策でも、財政赤字でまかなうとすれば通ってしまうということだ。例えば、増税して戦費を賄おうとしても政治的な抵抗が強くてできないが、財政赤字で賄うことにすれば、負担が意識されないので財源が調達できてしまい、実際に戦争が起きる。**そういえば米国は戦争が好きだね。
こうしたことによって資源配分が歪められれば、将来の生産力が低下する。このような意味において、「国債の負担」が発生しうるのである。

◇MMTは異端の学説だが、影響力を軽視すべきでない
 日本はすでにMMTを行なっているという指摘がある。これは、日本銀行の異次元金融緩和政策によって、大量の国債を市中から買い上げたことを指している。国会の議論でも、こうした指摘が行われた。MMTを主張する人たちのなかにも、そうした指摘をする人がいる。
 ここで注意すべきは、日本の場合、大量の国債が購入されたのは事実だが、まだ貨幣化までは至っておらず、日銀当座預金が増加したままの状態になっていることだ。これは、MMTの主張者が言っていることそのものではない。
 ただし、市中から国債が減少した結果、財政赤字に対する危機感が弱まったことは否定できない。現在の日本でインフレが起きているわけではないが、財政規律が失われていることは間違いない。  第1に、これまでは、金利が上昇すると、銀行保有国債の価値が減額し、これが銀行(とくに地方銀行)のバランスシートで問題を起こすと懸念されていた。銀行保有国債が減った結果、この問題への関心は薄れたように思う。
 第2は、国債利子の支払いや償還金だ。まず金利が低下した結果、新発債の利子負担が減少した。  さらに、既発債についての負担も、つぎの理由で減少した。国債を民間主体が保有している場合、国が支払う利子や償還金は、民間に対する支払いになる。ところが、国債を日銀が購入してしまうと、これらは日銀納付金を通じて国に環流する。だから、国庫にとって負担がないような状態になってしまった。  以上を考えると、今後の日本で、「財政赤字は問題ない??のだから、歳出を拡大(あるいは減税)せよ」という声が強まる危険は否定できない。
◇財源の裏打ちがない社会保障の拡大
 実際、財政赤字縮小への努力は、すでに閑却されている。
 政府は、財政再建目標を立てたが、達成できていない。それにもかかわらず、これが重大な問題だとして議論されているわけではない。
 社会保障制度では、制度を支える財政的な基盤は確立されていないままに、将来の給付が約束されている。年金もそうだ。医療保険もそうだ。
消費税率の10%への引き上げは、これまで2回延期された。また、将来の社会保障費増大の影響を考えると、消費税の税率をさらに引き上げる必要があると考えられる??が、そうした議論は、まったく行われていない。  年金財政について、2014年の財政検証は、保険料率を引き上げなくても、今後の年金財政に問題は生じないとしている。これは、実質賃金が非現実的なほど高い率で伸びると想定されているからだ。
 異端の学説であるからといってMMTの影響力を軽視するのは、危険なことだ。

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MMT(Modern Monetary Theory:現代貨幣理論)というのが新しい理論なんかね?
国がいくら増やしても、貨幣を増刷しても大丈夫という話だね。江戸時代でも金貨の質を落として大量にお金を出回るような策もあったけど。歴史的には貨幣を増刷はどれも愚策でろくな結果を生じていない。
アベノミックス(アベノマスク??) による、日本銀行の異次元金融緩和政策もこの線に既に沿っている。また、コロナ自粛要請に協力した人大量に支出する支援金、一人10万円の協力感謝金も結局財源は国費から。お金はどんどん使おう。足らなければ刷れば良い。何かあまりにも虫の良い話に見えないですか。
勿論、日本が鎖国した小さな国なら当然、こんな政策はすぐに頓挫するはずだ。ところが現在はグローバル社会。お金は世界中を回っている。そして日本は対米従属を是として発展して来た。その後本家の米国の指令とあれば、MMTを持ち上げる経済学者達も大勢いるのだろう。
ドルは世界の基軸通貨。戦後のドルは金との交換レートが決まっていたが、今のドルには絶対的な基準が無い。結局ドルは増刷に増刷を重ね、その都度市場の拡大を伴ってきた。
今、そのグローバル経済に赤信号がともりっぱなしの状態。リーマンショック後の株高の継続、政府機関が大量に買い支えている。米国の財政赤字は日本を抜いてしまったらしい。EU諸国も同様。つまり、MMT理論は現状を肯定するために編み出されたものらしい。

でも、極論するとこんな政府どうなるのだろうか。いくらでもお金を刷れるなら、国民からは税金を取る必要はない。貧乏人は仕事が無くても社会保障で養ってもらえばいい。国政は1%富裕層が仕切れば良い。国は“打ちでの小槌”を持っているので、財政は何の心配もない。これが彼等が目指すユートピアなのか。

経済の話
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新型コロナウィルスと世界経済

グローバル経済は神話かも知れない。ニクソンによるブレトンウッズ体制破壊以来、金ドル交換が無くなり、米国はドルを無尽蔵に印刷でき世界の富を集めることが可能になる。本来閉じられた市場ならいずれ物価とドルの価格が均衡し、どこかで収束するはずだった。
ところが右肩上がりの経済成長と、グローバル化による市場の拡大のため、この機構が収束を見ずに延命されてきている。この結果対米従属で米国と自由貿易する国が漁夫の利をしめる急速な経済発展を遂げる可笑しな構造が出来上がってしまう。
トランプ ニクソンの宣言はドルの過剰流出を防ぐのが目的だったはずだが、結果としては更に過剰なドルが世界中を巡る結果となってしまった訳です。ドルを無尽蔵に印刷しても皆気がつかないから。
土地バブル崩壊までの日本、今は開放経済の中国、中国の経済規模が米国を上回る時間の問題のようだ。もちろん右肩上がりのバブルが何時までも持続することはあり得ないので、何時バブルが崩壊するかは各国の政策担当者達が最も気にしている点だ。政府による市場へ資金注入も株の下落に対する買い支えももう限界だ。国民には皆「ダイジョーブダー」とマスコミをとおして安心させてはいるが。

習近平 今回の新型コロナウィルスは何故中国で発生したのかは、未だに闇の中。ただ、中国政府がテロリストの仕業と認識していることは確かだ。何者かが中国経済を破壊しようとしている。中国政府も米国政府もこんな馬鹿な真似はしないとは思う。戦争になること必死だから。ただテロリストはどこにでもいそうだ。「心無い人が蝙蝠から感染したネコ科の動物の生肉を食べたらしい?」。そうでも言わないと米中戦争に発展しかねない。
中国政府がこれをテロ戦争ととらえたのは当然。もし、新型コロナウィルスが国中に拡散したら、世界中の国が中国との人や物の流れを止め、中国経済が崩壊してしまう。
新型コロナウィルスは実際には今までのウィルスに比べて特段に危険なものでないことは、2月時点で日本の厚生労働省のホームページにも書かれている通りだ。それに対して武漢市で行われた都市封鎖は異常だろう。特別危険なもので各国も水際対策が必要のようにアピールし、武漢だけで限定的に収束させたように演出した。しかし、新型コロナウィルスがいずれ世界中に拡散しそれは止めようがないことは科学的知見から十分認識しているはずだ。

案の定、世界中に広まり、米国でも欧州でも都市のロックダウンが始まる。多分意図的であろう。医療関係者は、ロックダウンしてもあまり意味がないことは当然認識している。目的は明かに経済封鎖だろう。つまり、意図的なバブル崩壊だ。武漢の場合は、風評被害を中国全体に広めない目的があったが、今欧米で行われている都市封鎖は風評の積極的利用だ。「大勢の人が命を落としている。」「人を見たらコロナと思え」
世界の医療関係者は、国民の6~8割が感染を済ませ、ウィルスが危険なものでなくなるまでは、感染の恐怖は終わらないとの認識で一致しているはずだ。中国だって感染が終わったわけではないだろうし、アフリカやインドだって同じだ。つまり、都市をロックダウンしても解決を先延ばしするだけで何時までも恐怖は治まらない。100年たっても終わらない。ロックダウンして感染者を減少させても新型コロナウィルスは収束しない。経済や社会が破綻するまでロックダウンは解除されない。 医療関係者が出来ることは国民が感染しても安全なように精一杯対策を取ることしかないはずだ。医療関係者の感染が問題視されているが、たいていは軽度なもので治れば安心して現場に復帰できるメリットもある。

マスクマン 結局、新型コロナウィルス問題は経済の問題のようだ。日本も当初は、感染の拡大は防ぐことが出来ないので、多数の国民が感染しても安全な治療が出来るまで、医療崩壊を防ぐ意味で気をつけてくれという態度であった。2月時点での厚生労働省の専門家会議の報告ではそうだ。少なくともオリンピックの延期が決まるまでは、良識的な対応でやって来た。
日本はPCR検査も、限定的にしか実施していないので、実際には本当の感染者がどのくらい存在するのかは分かっていない。PCR検査を増やせば比例して感染者は増える。 どうも東京都もオリンピックをやらないなら欧米並みに都市をロックダウンしろとの欧米からの圧力がかかってきたようだ。すでに、我が国の受けた経済的ダメージは相当なものだ。おそらく、史上最大のバブル崩壊が残されるのでは。もちろんV字回復など夢のまた夢。当然L字回復。社会も経済も大幅に変わる。オリンピックを来年やる等も単なる空約束でしょう。

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新型コロナウィルスを世界にバラまいたのは中国??

新型コロナウィルスの自然発生説、人為説諸説あろうが、諸説あろうがいずれにしろ中国が発生源であることには変わりない。問題なのは世界に広がる人の心に伝染する内なるウィルスの方だ。 しかし、中国政府の武漢封鎖による、外部への流出策は、全力で行ったものであり、故意にバラまいた訳では無かろう。問題は、その後世界に向けた発信が歪曲されたもので、その歪曲にはWHOを始め多くの国も関与している可能性だ。

そもそも、問題が中国国内だけにとどまっていれば、エピデミックであり、パンデミック宣言を出す必要はない。新型コロナウィルスの感染のスタイルは、感染症としてはかなり温和なもので、大多数の人は感染しても気がつかず、人から人へと静かに感染を進め、ある程度クラスターと呼ばれる集団が出て初めて爆発的に猛威を振るう。だから、都市封鎖した後は、ある程度の感染を認め、市民全体が自然の免疫を有するようになって自然と治まるのを待つのが最適な方法であることは、ベストな方法であることは感染症対策の常識であったはずだ。
ところが、中国政府のやったことは、市民にもマスクをかけさせ、外出規制、stay home。 市民にも感染後の恐怖を代々的に宣伝し、全市民を拘束して協力を強制したこと。市民の自由を奪い統制を強めるファシズム的な方法だ。本来の民主主義の国では許されざる暴挙だ。

パンデミックを出す目安としては、感染の致死率が大きいことが必要だろう。致死率は5%前後と推定されている。大多数の人は感染しても気づかない新型コロナウィルスの場合、PCR検査を実施して陽性となったもののみが感染と判定される。PCR検査の実施が少なかった始めも頃の日本は致死率3%強程度らしい。致死率5%は、ペストやコレラと比較すれば著しく小さいが、一般のインフルエンザよりはかなり大きいらしい。 一般に言われるように実際の感染者の数はもっと多いという主張は確かにそうだが、だとすれば本当の感染の致死率は逆に大いに下がり、中国政府のやったことは、明かに過剰演出となる。しかし、問題はこの方法が意図的のG7諸国にマニュアル化されて世界中に広まりつつあることだ。

中国政府の対応は、明かにチフスやコレラなどへの対応と同じ。多分どの先進国も同じような基準かも。防護服の専門の医師達が、特別な車で感染者を移送、隔離。過密な隔離施設で危険な汚染物として取り扱われる。でも、致死率が5%程度なら手当が本当に必要の人の20倍もの人達を収容しないといけない。PCR検査を多数実施した国ほど医療崩壊を引き起こし多数の犠牲者を出している現実を直視しないといけない。PCR検査で陽性となった潜伏期の多くの人は一定期間の後、自然と陰性に変わり抗体を持つ感染拡大の防波堤になってくれる貴重な人達だ。彼等を院内感染で本当に疲弊発症させてしまっては本末転倒だろう。
100人収容して90人が亡くなる可能性のある一般の感染症と100人の内90人以上が回復するか何ら症状の出ない新型コロナは当然異なった対策が取られるべきではなかったのか。

中国政府の真の目的に気がつかないといけない。彼等の目的は、国民に徹底的に新型コロナウィルスが恐ろしい敵であると洗脳すること。マスクやstay homeはそのための手段。PCR陽性者へのいわれなき差別。絶対に感染したくないとの恐怖感。ファシスト達にとっては美味しい密の味。恐怖感を持った国民はリーダーに絶大な信頼感を寄せてくれる。
国民を感染から守っていれば、彼等は何時までも抗体を持てず、マスクやstay homeを続けてくれる。緊急事態の解除は不安感にかられた国民は望まなくなる。この状態永遠に続いて欲しい。

そう考えると今、日本の緊急事態宣言も異常で唐突。オリンピックの延期が決まるまでは、日本の新型コロナ対策は世界で最も成功していた。新型コロナで命を失う人は、95%以上は人一倍防衛本能が強い65歳以上の高齢者。小中学生、高校、大学生、働き盛りの大人たちにマスクをかけての外出自粛促す意味は一つもない。彼等の多くは全く無害な一時的感染者(潜伏期)。いずれ抗体を持って陰性に。静かに感染を進めた方が明かにベターだ。マスクを外し街に出よ。国民の60~80%が感染を終えるまでコロナは収束しないとは言われるが、かといって収束を遅らせて良い理由は何一つない。 Stay homeを叫ぶ者は中国政府への協力者か。彼等はウィルスと共生を図る意図もないし、かといって、ウィルスを根絶(多分不可能)する意図もない。何時までも世界の人々に恐怖感を持ち続けてもらい、その恐怖感を利用した世界征服を目論んでいる。 「the threat of a pandemic has become very real. But it would be the first pandemic in history that could be controlled(パンデミックの脅威が現実味を帯びている。でも、これは史上初めてコントロール可能なパンデミックだ)」 このWHOの言葉、今の中国流の対策を示唆しているのか。中国国民は未だ抗体を持ったものが3%未満だという。これは中国政府の、国民が恐怖感を持ち続け、素直にファシズムに従うための意図的な対策のおかげだろう。つまり今後何時でも爆発的感染拡大の可能性は残っている。 「サルの惑星」という小説がある。国民が未知のウィルスへの恐怖感から、引きこもりを続け脳が退化して猿に狩られて奴隷にされてしまう話だ。SFの世界が現実味を帯びてきている。

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ダボス会議

ダボス会議 世界経済フォーラム(World Economic Forum、WEF)は、経済、政治、学究、その他の社会におけるリーダーたちが連携することにより、世界、地域、産業の課題を形成し、世界情勢の改善に取り組むことを目的とした国際機関。1971年に経済学者クラウス・シュワブにより設立された。スイスのコロニーに本部を置き、同国の非営利財団の形態を有している。

この会議の重要性、日本では余り注目されていないけど、実はこの会議が世界を動かす影の存在らしい。世界のオピニオンリーダ達が会するこの組織、実際の権力は何ら持っていないものの、各国の政治、経済、文化と言った政策に大きな影響を与えている点で無視出来ない。中心メンバーは主にEU諸国であるが、米国の産業界やインド、中国、ロシア、日本?の指導者なども随時参加を要請されたりしているようだ。

スイスのダボスで開催される年次総会、所謂「ダボス会議」が特によく知られており、約2,500名の選ばれた知識人やジャーナリスト、多国籍企業経営者や国際的な政治指導者などのトップリーダーが一堂に会し、健康や環境等を含めた世界が直面する重大な問題について議論する場となっている。また、同機関は東アジアやラテンアメリカなど6~8の地域会議を開催し、中国及びアラブ首長国連邦においても別途の年次総会を開催している。さらに、会議だけではなく、同機関はさまざまな研究報告書を発表、メンバーたちが各業界に関連したイニシアティブに関わるなどの活動を行っている。2011年のダボスにおける年次総会は1月26日~30日に開催された。2012年総会は1月25日-29日に"The Great Transformation: Shaping New Models"というテーマで開催された。2013年総会は1月23日-27日に、創設者クラウス・シュワブによる「地球規模の協力の必要性が今ほど重要な時代はない」との声明を受け、"Resilient Dynamism"というテーマで催された。2014年年次総会は1月22-25日に"The Reshaping of the World: Consequences for Society, Politics and Business"というテーマで催された。2015年年次総会は、"The New Global Context"というテーマで催された。

世界経済フォーラムはスイスのジュネーヴ州コロニーに本部が置かれている。2006年に中国の北京、アメリカ合衆国のニューヨークに、2009年には日本の東京にオフィスを開設した。同フォーラムは公平かつ非営利で、いかなる政治的利益、党利党略や国益とは無縁の組織とされている。国際連合の経済社会理事会のオブザーバーの地位を有し、スイス連邦政府の監督下にある。最高意志決定機関はコフィー・アナン元国連事務総長やクリスティーヌ・ラガルドIMF専務理事、ヨルダンのラニア王妃ら24名で構成されるファンデーション・ボードである。ミッションは、「世界の現状の改善に向けて取り組む」ことである。

**しかし、温暖化対策(CO2削減計画)やコロナ感染拡大防止対策等は、一見公平かつ人類共通の利益のように装っても、高度に政治的策略が見え隠れすることは否めない。

2009年の5日間にわたる年次総会では、91カ国、2,500名を越える参加者がダボスで一堂に会した。内訳として、約75%がフォーラムの会員の中から選出された経営者であり、会員は世界各国、各産業部門における一流企業1,000社で構成される。 2009年には世界のトップ企業から1,170名以上のCEOや会長が参加した。 その他に世界からの主な参加者として、40名の国家元首クラス、64名の閣内大臣、国際機関の長および高官30名、大使10名を含む219名の公人があげられる。また、市民社会からの参加者として、NGO団体の代表者32名、メディアリーダー225名、学術機関やシンクタンクのリーダー149名、異なる信念を持つ15名の宗教指導者、労働組合組織のリーダー11名を含む432名を超えるメンバーが参加したという。

世界経済フォーラムの運営資金は1,000社に上る会員企業により成り立っている。会員企業の多くは売上高が50億ドル超のグローバル企業であるが、売上高の規模については産業や地域によって異なる。また、会員企業は各業界および国の中で上位に位置しており、それぞれの業界や地域の将来を決定する上で主導的な役割を果たしている。現在、各会員企業は基本的な年会費として5万スイスフラン、ダボスで開催される年次総会へのCEOの参加を対象とした年次総会参加費として2万5,000スイスフランを納めている。インダストリー・パートナーは25万スイスフラン、ストラテジック・パートナーは50万スイスフランをそれぞれ納め、フォーラムのイニシアティブで重要な役割を担っている。
さらに、これらの企業は各産業および国の中で上位に位置しており(一般に数百万米ドルの売上高に基づく、金融機関の場合の基準は資産に基づく)、フォーラムの選考委員会の審査によると、それぞれの産業や地域の将来を決定する上で主導的な役割を果たしている。 インダストリー・パートナーは、建設、航空、技術、観光、食品、飲料、エンジニアリング、金融サービスなど、さまざまな産業を網羅しており、それぞれの産業界に最も影響を及ぼす世界的な課題に目を配っている。
世界経済フォーラムの運営資金は1,000社に上る会員企業により成り立っている。会員企業の多くは売上高が50億ドル超のグローバル企業であるが、売上高の規模については産業や地域によって異なる。また、会員企業は各業界および国の中で上位に位置しており、それぞれの業界や地域の将来を決定する上で主導的な役割を果たしている。現在、各会員企業は基本的な年会費として5万スイスフラン、ダボスで開催される年次総会へのCEOの参加を対象とした年次総会参加費として2万5,000スイスフランを納めている。インダストリー・パートナーは25万スイスフラン、ストラテジック・パートナーは50万スイスフランをそれぞれ納め、フォーラムのイニシアティブで重要な役割を担っている。

さらに、これらの企業は各産業および国の中で上位に位置しており(一般に数百万米ドルの売上高に基づく、金融機関の場合の基準は資産に基づく)、フォーラムの選考委員会の審査によると、それぞれの産業や地域の将来を決定する上で主導的な役割を果たしている。 インダストリー・パートナーは、建設、航空、技術、観光、食品、飲料、エンジニアリング、金融サービスなど、さまざまな産業を網羅しており、それぞれの産業界に最も影響を及ぼす世界的な課題に目を配っている。
彼等の多くは多国籍企業の代表であり、特定の国の利益を代表しない。世界地図を眺めながらトータルの「資本」の効率だけを考える。だから、国レベルでしか考えない人には彼等の真意はなかなか読み取りにくいかもしれない。

今、彼等の主要テーマは「大リセット」。コロナ危機の後には世界の構図は大きく変化する。一旦は今の世界のシステムを大胆に破壊し、一から作り直そうという趣旨らしいが一体どういうことなのか。コロナ感染拡大とその対策とやらで、世界経済は著しく破壊された。現在は未だ収束の目途すら全く立たない中、気が付いたら経済システムも一から作り直す以外の方法は無くなっているかもしれない。
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つまり、本音は米国単独覇権体制の積極的崩壊ということらしい。米国が無尽蔵にドルを発行し、G7や中国が米国に工業製品を売りまくる。労働力は開発途上国がいくらでも安く提供。最後は米国が軍事や金融で他国が設けた分をピンハネし、これで経済を無尽講のように回していく。格差の拡大は進むが、統計上経済はプラス成長。しかし、こんなねずみ講が何時までも続くはずがない。そろそろこのグローバル経済が破綻することが彼等には見えているようだ。米国単独覇権よりも中国やロシアや中東、インドを加えた多極型の世界の方が好ましい。そのためにはグローバルを一旦破壊して、ブロック経済を復活させる方が世界は平和で健全な成長を続けることが出来る。ドルも円もユーロも過剰発行で銀行もマイナス金利の異常事態が継続している。ドルの打ち出の小槌はもう効能が亡くなった。リセットしないと先行きが無い。
世界経済フォーラムは、結局グローバル企業間の情報交換の場であるようだ。だから彼等は一国の利益を代表している訳でない。地球規模の視点で経済を考えている。

経済の話
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ダボス会議2

1月下旬にダボス会議がオンラインで開催されたらしい。この会議は、表向きの話(市民社会の融和や差別の解消、コロナの乗り越え方)など、総論的テーマが並んでいるが、参加者を見れば極めて重要なもののようだ。以下はジャーナリスト田中宇氏の記事から。

1月25~29日に完全オンラインで開催されたダボス会議で主導的な基調演説をしたのは中国の習近平主席だった。このバーチャル会議で、習近平の次に注目されたのはロシアのプーチン大統領だった。そしてその次に、インドのモディ首相や、EUの独メルケル・仏マクロン・EU委員長フォンデアライエンのトリオ。その次のレベルで演説が注目されたのが、南アフリカのラマポーザ大統領、イスラエルのネタニヤフ首相、日本の菅首相、韓国の文在寅、シンガポールのリシェンロン首相だった。その他、イタリアやスペイン、ギリシャといった欧州諸国、ガーナやアルゼンチンなど中南米アフリカ諸国などの首脳もバーチャル演説を配信した。これが、今回のバーチャルダボス会議での国家指導者群の序列である。この情報の信ぴょう性?

 菅義偉(すが・よしひで)首相は29日、シンクタンク「世界経済フォーラム」(WEF)が主催するオンライン会合「ダボス・アジェンダ」で演説し、今夏に予定されている東京五輪・パラリンピックについて「世界の団結の象徴として、世界中に希望と勇気をお届けできる大会を実現する決意だ」と述べ、協力を求めた。
 首相は新型コロナウイルス対策に関し、世界保健機関(WHO)について「科学的な調査・検証が、透明性ある形で着実に実行されることを重視し、積極的に協力していく」と表明。途上国向けのワクチン供給に貢献する姿勢を強調した。  コロナ収束後を見据えた成長産業として「グリーン」と「デジタル」を掲げ、地球温暖化対策やデジタル改革に大胆な投資を行うとした。「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた取り組みにも改めて意欲を示した。(産経新聞)

ダボス会議は、今の国際社会を代表する会議である。世界中の財界人や政治家、業界の有名人たちが参加を切望してきた。ダボス会議での序列は、世界の政治的な序列でもある。今回から、中国が世界のトップになった。そして、それに続くのがロシアやインド、南アというBRICS諸国。その横にEUがいる。米国から中国の傘下に移りつつある東アジアの日韓やシンガポも呼ばれた。これはまさに、08年のリーマン危機後に示された多極型世界の構図だ。**つまり、日本は対米従属一辺倒を止め、アジアのリーダになれということだ。 今回のダボス会議のもうひとつの画期的な特徴は、誰が欠席したか。最大の欠席者は、米国と英国の首脳だった。米英だけでなく、アングロサクソン諸国として米英の親戚筋であるオーストラリア、ニュージーランド、カナダの首脳も欠席。戦後の世界を率いてきたファイブアイズのアングロサクソン5か国の首脳は、全て出てこなかった。欠席の理由は語られていない。米国はバイデン政権ができたばかりで出席する余裕がなかった、という考えは間違い。今回の会議は完全オンライン。首脳が執務室や官邸の部屋で、空き時間に、側近が作った原稿を読んで録画したものを会議主催者のWEFに送信すれば良いだけだ。とても簡単。ユーチューバーなら一人でやれる。それなのに、戦後の世界を率いてきたアングロサクソン5か国の首脳は誰も出てこなかった。米国からは、温暖化対策担当のジョン・ケリーが温暖化対策について演説した。だが、ケリーはバイデンの代わりでない。あくまで温暖化担当として。

今回のダボス会議では中国が主役で、ロシア、インド、南アのBRICS諸国が準主役。BRICSの5か国うち、ブラジルはボルソナロ大統領がトランプびいきで、BRICSや中国と距離を置いているので不参加。だが他の4か国は、ふだん中国と仲が悪いインドも含め、今回のダボス会議に出てきて、協調的な世界を作ることについて演説。BRICSは、米英覇権を代替する多極型世界を構築する方向性の5つの非米大国の集まりだ。今のブラジルのように消極的な国もあるし、インドと中国は対立しているが、それでも米英覇権がドル崩壊などで崩れたとすると、その後の世界を構成できる5か国だ。**ドル崩壊はほとんどの国で既に前提条件になっているようだ。ここにEUと、単独覇権でない北米が入ると、多極型世界になる。今回のダボス会議に、米英などアングロサクソン諸国が欠席し、その代わりに、非米大国群であるBRICSが中国を筆頭に主役を演じたことは、世界が米国覇権体制から多極型体制に転換したことを物語る。

ダボス会議には国家の指導者たちのほかに、世界の大企業経営者群、国連など国際機関の指導者群、欧米などのNGO活動家群も参加する。そのため、国家でなく企業やNGOも重要でないかという反論がありうる。「今の世界を支配しているのは米国や中国といった国家(政府)でなく、グーグルやアマゾン、マイクロソフトといった米国製のネット大企業群だよ。国家しか見ていないあんたは頭が古いね」と反論する人々もいるかもしれない。
確かに、ネット大企業群は、米諜報界(=軍産複合体、深奥国家)の主要部分を握る勢力になっているのは事実。しかし、中国やロシアは、米諜報界に入り込まれていない勢力として台頭している。**つまりそれが強みということか?
ネット大企業群は、既存の米国覇権の世界体制を牛耳っているが、今回のダボス会議は戦後の米国覇権を体現してきたアングロサクソン諸国が全員不参加。ネット大企業群の経営者たちは今回のダボス会議に参加して演説もしているが、米国覇権勢力は全体として今回のダボス会議で舞台の袖の方に追いやられ、主役を中国主導のBRICSに奪われている。日韓も、米国傘下の国としてでなく中国傘下の国としての出場だ。ネット大企業は、米国覇権の後ろ盾がないと、政治的な強さを失い、ただの企業群になってしまう。

米欧や日本など「自由主義諸国」では、企業が国家から完全?(結構国策企業もあるのでは?)に独立している。だが、中国や、その他の中国型の権威主義の新興諸国では、国家が企業を支配している。最近の中国はとくにそれが強く、習近平独裁の中国が、党や政府をしのぐ力を持ちかねない「中国製ネット大企業」のアリババに独禁法違反の罪(濡れ衣?)をかぶせて解体し弱体化している。今後の中国では事実上、中国が唯一最大の「企業」であるといえる。中国の主要企業にはすべて共産党の細胞があり、党が経営を監督する「党営企業」だ。中国ではNGOも党営だ。香港などに、そうでないNGOがあったが、国家反逆勢力として潰されつつある。学者や言論人も党の傘下で、そうでない人々は反逆者として潰される。**実際には共産党の地方の有力者がドンドン粛清されているようだが。ダボス会議や国連のような国際社会の場で、中国(やその他の社会主義、全体主義、権威主義諸国の政権党)は、政府にも企業にもNGOにも化けられるゾンビだ。政府と企業NGOが、往々にして利害の相反する勢力として国際社会に登場する欧米日の自由主義諸国と対照的だ。

中国は、アマゾンやグーグルなどの米ネット大企業群の機能を代替できるものを、すでに国内に持っている(対照的に、日本や欧州などは米ネット企業群の支配から離脱できない)。中国は、アリババの解体に象徴されるように、国内ネット機能を自分の権力下に押し込めている。トランプの米中経済分離策などのおかげで、中国は、米覇権領域の経済システムから独立した「非米経済圏」を世界に確保している。ドルの代わりに人民元で国際決済できる。中国とその傘下の国々は、経済面でも米国覇権に依存する必要がない。軍事的にも、中露が力を合わせれば米国に負けない。米国から経済制裁や米中分離、冷戦を起こされても、中国は非米経済圏を率いて一帯一路に象徴される「もうひとつの世界経済システム」を運営して世界的に繁栄していける。コロナの閉鎖状態のおかげで、米英の諜報機関が中国に入り込んで政権転覆を画策することもできなくなった。

米国は昨秋の大統領選以降、国内政治対立が激化し、政治社会的な不安定が増している。この状態はずっと続く。コロナ大恐慌への経済対策で財政赤字が増え続け、QEが行き詰まってドルが崩壊することがいずれ不可避だ。米国は弱体化しつつある。対照的に、中国は習近平の独裁で安定している。中国は世界の諸大国の中で唯一、経済成長している。コロナは米欧経済に大打撃を与える半面、中国と、その傘下の日本など東アジア諸国にはあまり打撃を与えない。コロナの愚策な都市閉鎖は、米欧だけを自滅させ、相対的に中国の台頭を加速させる。
「中国はいずれ経済破綻する」という日本人が好む予測は、出来の悪い妄想だ。国際社会では今後ずっと中国が台頭し、米国が衰退する状況が続く。今回のダボス会議は、こういった米中逆転的な覇権の状態を踏まえて、中国に主導役をやらせた感じだ。ダボス会議は今後もずっと、中国が主導役をやる。国連も同様だ。

覇権放棄屋のトランプから(不正に?)政権を奪ったバイデンは、米国の覇権体制を蘇生したいと考えている。その目標のためには、バイデンがダボス会議の主役として基調演説し、会議の主催者WEFが立案した「大リセット」のシナリオに沿った話を展開すべきだ。大リセットのシナリオは(表向き)「人類が仲良くしてコロナ危機を乗り越え、温暖化対策など地球環境に配慮した、格差や差別のない協調的な世界を作っていくこと」を語っており、バイデン政権が掲げた(表向きの)目標や戦略と齟齬がない。習近平でなく、バイデンがダボス会議の主役として基調演説をしていたら、トランプからバイデンに代わった米国が覇権国の座に戻ったことの象徴として世界に認めてもらえたはず。だが実際にWEFが立案した大リセットのシナリオに沿ってダボス会議の基調演説を行ったのは、中国の習近平だった。これは中国が世界の頂点に立ったことの象徴だ。習近平は中国語で演説し、中国では全人民がそれを見るよう奨励された。

習近平は演説の中で、人類が仲良くできないのは米国がバイデン政権になっても中国を敵視し、単独覇権をふりかざして(イランやロシアなど)非米諸国を経済制裁し続けているからだ、という趣旨を展開。バイデンが習近平を押しのけて主役になって基調演説していたら「(中露イランなど)問題がある国も含め、世界が協調してコロナを乗り越えて事態を改善していこう」とか、米国=善・中露=悪の構図を喧伝できたのに、米国が欠席して習近平が主役をやるのを黙認したために、正反対の、米国=悪・中露=善の構図が喧伝されてしまった。

バイデンはなぜダボス会議に出なかったのか。それは多分、会議主催者のWEFが、主役として基調演説するのは習近平だと決めたため。くつがえして主役をバイデンに替えることを拒否したからだろう。バイデンが出ると言ったら、ダボス会議の事務局は、米中が仲良く共同主催する構図にするつもりだったかもしれない。だがバイデン政権は、米単独覇権体制を蘇生したい(軍や諜報機関)。ブリンケン国務長官が、そのような趣旨のことを言っている。バイデンの米国は、中国が米国と肩を並べている、もしくは中国が米国より上段にいる状態の国際会議に出席するわけにいかない。**面子の問題か?

ドイツやEU上層部も、今回のダボス会議の開催前、バイデンに対して参加を要請していたようだ。ドイツのメルケル首相は、ダボス会議での演説の中で「米国は(中露などを敵視せず)協調姿勢に戻ってほしい」という趣旨を述べている。メルケルは対米従属で軍産傀儡の人だが、米国の覇権衰退と中国の台頭を見て、米国が中国を押しのけて単独覇権国であり続けるのは無理だと思っている。米国が覇権を蘇生するには、まず中国と和解し、ある程度多極型の覇権構造を容認する以外ない。メルケルなどEUは、ダボス会議事務局とともにそう考えて、バイデンになった米国がダボス会議に参加して、中国の台頭と多極化を容認しつつ、米国覇権の蘇生を演出してほしかった。だが、米国はそのシナリオを拒否した。英国や豪州などアングロサクソン全体が米国の欠席に追随した。**何故なのか?

ダボス会議は、EUが中国を呼んで世界の主役に据え、中国主導のBRICSとEUが仲良くし、そこに日韓など中国傘下に移った国々も入るという「非米同盟」の会合になった。この新たな隠然同盟体は国連を牛耳っており「新たな連合国」と呼べる。対照的に、ダボス会議を欠席した米英アングロサクソン諸国は負け組であり、「新たなコロナ枢軸国(いつまでも年ロックダウンを続ける)」。世界は第2次大戦の状況から、75年後の今、見事に逆転したようだ。

今回のダボス会議は完全バーチャルだった。今年8月には対面式のダボス会議をシンガポールで開く予定だ(コロナで再延期される可能性が大だが)。会議事務局は、シンガポール会議でバイデンと習近平が会談して米国と中国が和解するシナリオを構想し、発表している。だが今回、単独覇権体制の再建に固執して中国と同格で肩を並べることを拒否し、ダボス会議を欠席したバイデンが、6か月後の8月に、中国と和解しつつ多極化したダボス会議に参加する可能性があるのか??(バイデンさんがそうしたくても軍や諜報機関は許さない)。バイデンの米国が、単独覇権国でなく多極型世界の「極」の一つに成り下がることでかまわないなら、今回のダボス会議に出てきていたはずだ。

これからの6か月で、中国はさらに国際台頭を進めるだろう。米国は、国内の政治対立やコロナ対策に追われ、国際的な覇権蘇生の根回しがほとんどできないと各国は予測している。下手をしたら金融危機が再燃する(米国の金融市場は最近、おかしな動きが加速している)。米国は、覇権が低下するほど、多極型の新たな覇権体制内での優位が得られなくなり、多極型に参加するより孤立を許容して様子見した方が良いと考える傾向を強める。もしくは「中国はいずれ崩壊する」とか「中国を制裁して崩壊させる」といった妄想を軽信し続け、単独覇権に固執し続け、しだいに世界から相手にされなくなっていく。バイデンが習近平との和解に踏み出す可能性は、今のところとても低い。米中和解がない以上、中国の台頭と世界の非米化が進行する。

ダボス会議では「大リセット」が語られているが、大リセットは表向きの意味と裏の意味が全く違う。今回のダボス会議では表向きの話(市民社会の融和や差別の解消、コロナの乗り越え方)だけが論じられ、話の内容は建前論ばかりでほとんど無意味なものだった。何が話されたかでなく、誰が主役で誰が欠席したかが重要で、それが大リセットの裏の意味(米国覇権の崩壊と多極化、中国の台頭)を示すものだったようだ」。

経済の話
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格差社会

【格差社会】
 国際援助団体オックスファム・インターナショナルは、スイスのダボスで開催される世界経済フォーラム(ダボス会議)を前に、世界の経済格差にかんする報告書を公表。それによると2015年、世界のもっとも豊かな1%の人たちが保有する資産が残り99%の人の資産を上回り、62人の富豪の資産が世界の最貧層50%(約36億人分)の資産と同じになったという。ちなみに2010年には最貧層50%の資産は388人の富豪の資産に相当していた。富の集中と経済格差はどんどん進んでいるようだ。(2016年1月20日付「赤旗新聞」より)

トマ・ピケティ 【トマ・ピケティが証明したこと】
 トマ・ピケティは、「新・資本論」の作者。旧「資本論」はおなじみのカール・マルクス。ピケティさんは、別に社会主義者でも共産主義者でもなく、資本主義社会の擁護者。しかし、世界中の大量の経済データをつぶさに分析し、世界中どこの国でも経済格差がどんどん拡大している現状を突き止めた。当然このような状態は持続可能なものではなく、何らかの是正をしていかないと大変なことになる。格差があまり広がると社会は不安定になり暴動や革命の原因になる。フランス革命やロシア革命の前夜も格差が相当大きかったらしい。

ところで、     {r>g}…(A).トマ・ピケティの重要公式
 「r」は資本収益率で、「g」は経済成長率。ピケティ氏は15年の歳月をかけて、欧米を中心に二十ヵ国以上の租税記録を過去数百年にわたり分析、株式や債券や不動産などの資産を運用して得られる利益は、一般の人が働いて得られる所得の伸び(経済成長率)を常に上回っていることを証明した。膨大なデータを分析したらしい。つまり資産を持つ豊かな人はますます豊かになり、持たない人(よって自分で働いて稼ぐしかない人)との格差は広がるばかりということに。資本が資本を産むと言う資本主義の原則から行けば、確かにこのようになることは必然とも思えるが、このような状態が持続可能だろうか。

【民主主義が機能不全を起こしている】
 民主主義とは富を社会に再配分する仕組み。最近は「トリクルダウン」という言葉を使うようだが、要するにたくさん儲けた人からたくさん税金を取って、それを貧しい人たちに配分しようという考え方である。でも、これがうまくいかない。なぜなのか? また、ピケティはどうしろと言っているのか??
**トリクルダウン
「富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が滴り落ちる」とする経済理論であるが、立証されていないため「トリクルダウン仮説」とも呼ばれる。均霑理論とも訳される。その後の経済協力開発機構による実証研究ではトリクルダウン理論の有効性に否定的な結果が出ている。なお、トリクル(=trickle)は水が滴り落ちるの意味。「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざにも近い話でもある。
経済理論として見なければ、このことはある意味真実だろう。消費税を無くし極端な累進課税や厚い社会福祉を実現すれば、富者から貧者へ所得移転が実現でき、実現可能だろう。
ただ、これをすれば日本から資本が海外流出してしまうとか、外国資本が入って来なくなる等、政策の持続可能性が問われそうだ。

 公正な競争の結果として生じる格差を、彼は否定しない。経済成長も重視する。私的財産の保護は、個人の自由や経済効率性を高める上で欠かせない。避けなければならないのは、財産が極端に特定の層に集中することだ。そのために世界規模で資産への累進的課税を強化すべきだと主張。もちろん富裕層の資産家たちは大反対。

  では、為政者(政治家)達は? 極端な格差が持続的な経済成長や企業の発展にとって足かせになるという認識は、世界の政治、経済のリーダーたちに共有されている。アメリカのオバマ大統領も、2014年の一般教書演説のなかで格差是正に言及。国際通貨基金や世界銀行の年次総会でも、所得格差と機会の不平等が議題になる。
 では、グローバル企業家たちは? ビル・ゲイツが世界最大の慈善基金団体を創設したり、マーク・ザッカーバーグが莫大な自己資産を社会貢献活動に寄付したり、ユニクロが難民を雇用したり、というように貧困や格差に無関心ではない。しかし彼らは世界のもっとも富裕な1%の人たちだ。富の偏在が生じる仕組みそのものを変えられない。

【これから世界はどうなっていくのだろう?】
・グローバルな経済格差はどうなっていくと思いますか?
・世界各地でつづくテロや紛争はどうなっていくのでしょう。
・この世界のなかで、私たちはどのような生き方をすればいいのでしょう。

間違いなく、グローバルな世界経済の仕組みをこのまま回して行けば、世界のあちこちで不満が溜まり、不安定な混乱の世の中に。その前兆は既に。どうすればよいのか私たち皆が真剣に考えなければならない課題です。

経済の話
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ベーシックインカム

ベーシックインカム(basic income、BI)とは、最低限所得保障の一種で、政府がすべての国民に対して一定の現金を定期的に支給するという政策。基本所得制、基礎所得保障、基本所得保障、最低生活保障、国民配当とも、また頭文字をとってBI、UBIともいう。世界中で限定的なパイロットプログラムも始まっている。何故か日本を含め欧米諸国で盛んに主張されるように。

既存の社会保障制度とベーシックインカムの考えはどう違うのだろうか?
BIは、基本的に従来の社会保障を廃し是正するための新しい「自己責任による最低限度の生活を保障する施策」と主張されている。広義においては、従来の社会保障の改善・補完のために「無条件で国民に一定の金額を給付する施策」。従来のベーシックインカムと区別するためUBI(Universal Basic Income)と表現されることがある。ベーシックインカムのもともとの意味は国民として最低限のまともな生活を行うための必要な経費との意味だった。
ところが、UBIの考えは超大金持ちにもホームレスの人にも一律に10万円なら10万円と無差別に給付しようという考えだ。
国民の生存権を公平に支援するため、国民一人一人に無定見かつ一律定額で現金を給付するという政策構想。これどう見ても公平とは思えないけど?

生存権保証のための現金給付政策は、生活保護や失業保険の一部扶助、医療扶助、子育て養育給付などのかたちですでに多くの国で実施されているが、公平性への議論と複雑化・細分化による効率性の悪化が絶えない。 ベーシックインカムでは、これら個別対策的な保証を一元化して、平等かつ包括的な一定の収入(ベーシック・インカム)を補償することを目的とする。従来の「選択と集中」を廃止し、「公平無差別な定期給付」に変更するため、年金や雇用保険、生活保護などの個別対策的な社会保障政策は、大幅縮小または全廃することが前提となる。それでは、今までこれらの恩恵を受けていた人々の生活はどうなる。
包括的な現金給付の場合は配給制度であり、国民全員に無償かつ定期的に現金を給付するため社会主義的・共産主義と批判されるはず。

ところが、何とベーシックインカムは自由主義・資本主義経済で行うことを前提にして議論されている場合が多い。当然、解決すべき問題が山積み。
ベーシックインカムの根底には、無知や怠惰といった社会悪の除去という目的が挙げられている。どこにそんなこと言える根拠が。むしろ、古代ローマ市民の「パンとサーカス」の状態に近くないだろうか。 ダニエル・ラヴェントスは、その目的のために法律化されるベーシックインカムは、世帯にではなく個人に対して支給されること、他の収入源から所得は考慮しないこと、仕事の成果や就労意欲の有無は問わないこと、という三つの原則に従わなければならないと主張している。

新自由主義者からの積極的BI推進論には、ベーシック・インカムを導入するかわりに、生活保護・最低賃金・社会保障制度を消滅させ、福祉政策や労働法制を「廃止」しようという意図が根底に流れている。また、新自由主義者の平等観でBIを導入すると、富裕層に貧困層と同じ金額を支給するという悪平等が当然発生する。新自由主義者の平等観は機会の平等ということ。当然結果は極めて不平等。

一方で、この考え方・思想に対しては古代ローマにおけるパンとサーカスの連想から「国民精神の堕落」など倫理的な側面から批判されることがある。また、所得給付の総額は当然膨大なものになり、国庫収入と給付のアンバランスが論じられ、税の不公平や企業の国際競争力の観点が論じられることもある。

財源の出どころの一つは、当然国の借金(国債等)しかなく、これにはMMT(Modern Monetary Theory:現代貨幣理論)が援用されているようだ。要は、必要なお金を国がドンドン印刷すれば賄える。そんなことありかな? そもそも国の行政は国民の税金で賄われている。その国民の必要なお金を国が配給する。資本主義社会崩壊前の最終理論かも知れない。

経済の話
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QE

QEという言葉良く聞く。経済用語だ。欧米も日本も大いにQEをやりまくった結果、どこも国の借金残額が膨大に膨れ上がっているという。特に、世界一の借金大国日本に取っては気になる話だ。最近多くの経済学者が、国の借金は増えても平気なんて書いてあるのを見るけど本当なのか?

量的金融緩和政策(Quantitative easing、QE)とは、市中銀行が保有する国債を準備預金に交換する政策。銀行から見れば政府への定期預金(国債)を日銀への普通預金(準備預金)に置き換えること。金利の引き下げではなく市中銀行が保有する中央銀行の当座預金残高量を拡大させることによって金融緩和を行う金融政策で、量的緩和政策、量的緩和策とも呼ばれる。
**国債とは、国の借金と同じ。銀行から見れば、いずれ時期が来れば利子付けて国が返してくれることになるから定期預金ということ。その定期預金を普通預金(当座預金?)に置き換えるということは、何時でも引き出せる→つまり現金化したと言う意味か。では、もし民間の銀行がそれを全額引き出せば、日銀がその額を支払わねばならないことに。国は国債を発行した以上、その使い道は決まっているはず。つまり、日銀は自前でその費用を捻出することに。つまり新しく紙幣を増刷するということだ。何のことはない、昔からやっている政府による貨幣の鋳造と何ら変わりがない。通貨量が増えればインフレが促進される。だからデフレ対策ということか。

**政策金利(bank rate)とは、中央銀行が、一般の銀行(市中銀行)に融資する際の金利。中央銀行の金融政策によって決められ、景気が良い場合には高く設定され、景気が悪い場合には低く設定される。これによって、景気が良い場合には預貯金やローンの金利が上がり、通貨の流通が抑えられる。景気が悪い場合には金利が低くなって、通貨の流通を促進する意味合いを持たせることになる。
平時であれば金利を下げていけば、経済刺激効果が出て景気は回復するが、深刻なデフレーションに陥ってしまうと、政策金利をゼロにまで持っていっても十分な景気刺激効果を発揮することができなかった。そこで政策目標を金利だけでなく、資金供給量を増やすことで対応した金融政策が量的金融緩和政策である。

市中銀行は日本銀行に置いてある当座預金残高の額に比例して融資を行うことができる。量的金融緩和政策とは、この当座預金の残高を増やすことで、市中のマネーサプライ(マネーストック)を増やそうとする政策である。 それでは、市中銀行が当座預金残高増にもかかわらず銀行から民間企業への融資が増えなければ政策は大失敗ということか。

実は、量的緩和は多くの経済学者の否定的見解も多い。量的緩和は国の借金を膨大なものにする。次世代へのつけは大きい。しかし、多数決原理一辺倒の政権下では彼等は口にマスクをさせられているのが現状らしい。

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銀行が消える?

QEがどこまで持つのか、前代未聞な事態なので予測が難しい。QEが続く限り、世界的なゼロ金利が続く。ゼロ金利の定着は、銀行業の死滅を意味する。 銀行業の基本は、低金利で預金を集めて高金利で貸して、利ざやを儲けにすることだ。ゼロ金利の状態は、利ざやが極端に少ないので、銀行は営業を続けられない。

利ざやで稼ぐ以外に、手数料で稼ぐ方法もあるが、それだけだと従来の巨大な銀行のコストを賄えない。銀行は、日本を含む世界中で、業態をどんどん縮小している。日銀は地方銀行を安楽死させようとしている。銀行がなくなると、紙幣や貨幣の管理をする人がいなくなる。その管理を国営でやると費用がかかりすぎだ。銀行に利ざやで儲けてもらい、紙幣や貨幣の管理もやってもらっていたのが従来の世界だった。

ゼロ金利が定着し、利ざやで儲けられなくなって銀行が消失していくので、紙幣や貨幣の管理コストを減らす必要がある。それで、お金をデジタル化して、紙幣や貨幣を廃止、もしくは流通量を急減させる動きが世界的に起きている。紙幣や貨幣は匿名の資産だが、デジタル化されたお金はスマホの本人確認と結びつけられる記名式なので、誰が誰にいくらどこで払ったかすべて当局の知るところとなり、自由主義の原則に反している。実際にお金のデジタル化をどんどん進めているのは独裁制の中国だけだ。欧米では銀行業界の政治力が強く、銀行が自らの死滅につながる通貨のデジタル化をやりたがらない。しかし、最終的なQEの行き詰まりとドル崩壊までずっとゼロ金利が続くことが確定している以上、すでに銀行業は利ざや稼業という基本のところで歴史的役割を終えており、死んでいるのに生きているかのように振る舞っているゾンビであるとも言われる。

確かに、市中では大手の銀行も支店がドンドンなくなり、ATMすら撤去する動きも。銀行が消える? でも本当に銀行は不要なものだろうか? ゼロ金利を状態の方が遥かに不健全な状態だと思われるのだか。
今、中国はデジタルマネーの世界を目指している。これは国民一人一人のお金の使い道が全部国に把握されたしまうシステム。まさしく銀行業の死滅だ。だから、銀行が発達している先進国ではデジタルマネー化はそんなには進まない。でも、銀行が無い新しい経済システムとはどんなものなのか?

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崩壊する欧米社会

朝テレビでダボス会議の映像があった。Covit-19の世界的リスクとして、英国発の変異種が出たおかげで、危機は当面長引くリスク? ダボス会議は、欧米のいわゆるエリート達が集まって自由に討論する場らしい。要するに賢人会議とでも呼ばれるものらしい。

ところで、グローバル社会の進展の結果、欧米社会は数%の超富裕層とその他90%以上の中間層に分離された隔離社会となっている。勿論、ダボス会議に参加できるのは世界の超富裕層か、その代弁者だけだ。

米国が基軸通貨の米ドルが、金等の等価交換できる物的な基準なく、無制限にドルを刷りまくり、欧州、日本、その後中国もからも安い工業製品を買いまくる。だからこれらの国は繁栄(でも、格差は拡大)。でも、資本は次々により安価な労働力を求めて世界に拡散。

いま、50年前、開発途上国と呼ばれていた国々の中間層の所得は著しく向上。一方先進国の中間層の所得は著しく低下、社会の推進力としての役割すら大きく低下。日本もそうだ。AIやITの発達が彼等の仕事を奪っているのではなく、不必要な邪魔者となってきている可能性すらある。(この点は、Fact Fullnessのグラフを見てもらえば一目瞭然)

ようやく見えて来た。Covit-19の世界的拡散は、欧米社会のエリート集団が意図的な行っている可能性が極めて大だ。延々と続く都市ロックダウンやstay homeは、政府の強権的政治を可能に出来る。多数の中間層達は経済崩壊で職を失い、生活の基盤を失う。そこで国が国民に一人当たり○○の生活資金を与える体制が確立できる。MMT理論とか言われているが。いわゆる一握りのエリートが支配する共産主義(社会主義)政権の確立だ。市民はローマ時代の「パンとサーカス」を求めるだけの存在になる?

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インフレとデフレ

インフレ(inflation)とは、物価が継続的に上昇する状態。通貨の価値は下がる。例えば、りんご1個50円だったのが、翌日には100円になるという状況。
一方、デフレ(deflation)とは、物価が継続的に下落する状態をいい、通貨の価値が上がる。りんご1個100円だったのが、翌日には50円に値が下がる状況。
もっと端的に、需要過剰な状態が続けばインフレ、供給過剰な状態が続けはデフレということ
この定義だけでは、どちらの状態が望ましいとは言えないはずだ。そもそも自由主義経済の原理からは、需要と供給のバランスが取れた時点で物価と言うものは安定するもの。だから、政府は、インフレやデフレに対して何も余計な対策を取らないことはベストなはずである。

景気が良くなると、インフレが起こりやすくなる。インフレ時には、企業の売上が増加し、従業員の給料が増え、モノを買おうとする意欲が生まれる。しかし、物価の上昇以上に収入が上がらなければ、生活は苦しいものになる。しかし、賃金も需要と供給の関係からきまるものなら、国があえて口出ししてはいけない。生活が苦しくなるとモノを買おうとする意欲が低下し自然とインフレは治まるはずだからだ。

ただし、短期間のうちに物価が2倍や3倍になることもあり、これをハイパーインフレと呼ぶ。たった一日で物値段が何倍にもなっては、満足な経済活動も生活も混乱してしまう。当然何らかの対策が求められる。でも、どんな対策があるのか?

ハイパーインフレは第一次大戦後のドイツの例が有名だけど、日本では第ニ次世界大戦後にハイパーインフレに。でも、その後は高度成長に。ドイツでは、インフレに対しては過去の苦い経験から非常に警戒心が強いけど、日本では緩やかなインフレは寧ろ好ましいと考えている国民が多そうだ。

アベノミックスでは、デフレ脱却が旗印だった。でも、本当にデフレ何だろうか。黒田日銀総裁の異次元金融緩和? いわゆるQE(量的金融緩和:quantitative easing)で通貨の大量発行と円安誘導策で、通貨の価値は大幅に下落しているはずである。日本の経済がまともに回っていれば当然、ハイパーインフレになっても可笑しくない。
ということは、大量に発行された通貨が庶民の手に届かず、政府機関や銀行、或いは富裕層の懐に留まったまま塩漬け状態ということだろうか?

日本では、高度成長期の栄光からか、インフレは善でデフレは悪という先入観があるようだ。 たしかに、 物価が安くなるからといって、デフレが良いわけでもない。モノの値段が下がり企業の売上が減少すると、従業員の給与がカットされ、長引けば雇用も不安定になります。
そうなると人々は購買意欲がなくなり、企業の売上がさらに下がります。この状態をデフレスパイラルというらしい。インフレスパイラル(ハイパーインフレ)は、歴史上世界各国で起こっているけど、デフレスパイラルと言う現象は、まだ経験したことが無く、もし生じれば日本が最初ということになる。

でも、企業の売り上げが減少して行けば倒産が増え、企業数が減少すればモノの供給量が減るので自然と需要に見合ったバランスが取れるはずでもある。基本的にモノの供給量が多すぎるのが原因のようだ。大企業を中心とした工業製品分野は海外からの格安製品で売れ行きはどんどん低下、つまり需要の減少が進んでいる。つまり供給側が明かに過剰な状態。一方、農産物やサービス業などの需要は寧ろ増加気味で物価は上昇気味。つまり、産業構造の抜本的転換を図らなければならないようだ。

政府内にはデフレスパイラルを払拭しようとして、インフレ目標を設定する動きもあるが、本当にデフレなのかどうかの判断も必要だろう。世界の貿易構造も大きく変化している。

経済の話
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OECD

OECDOECD
経済協力開発機構は、国際経済全般について協議することを目的とした国際機関。公用語の正式名称は、英語では"Organisation for Economic Co-operation and Development"、フランス語では"Organisation de Coopération et de Développement Economiques"。略称は英語ではOECD、フランス語ではOCDE。本部事務局はパリ16区の旧ラ・ミュエット宮殿。事務総長はアンヘル・グリア。

1948年に、第二次世界大戦後の疲弊しきったヨーロッパ経済を活性化、救済させるために、アメリカ合衆国によるヨーロッパ復興支援計画を目的としている「マーシャル・プラン」の受け入れを整備する機関として、ヨーロッパ16か国が参加して欧州経済協力機構(OEEC)が設立される。1950年にOEECにアメリカ合衆国とカナダが準加盟国として参加した。

1961年にヨーロッパ経済の復興に伴い、ヨーロッパの西側諸国と北アメリカの2国が、自由主義経済や貿易で対等な関係として発展と協力を行うことを目的として発展的に改組され、現在の経済協力開発機構(OECD)が創立された。

1964年以降、従来の枠である欧州(非共産圏)と北アメリカという地理的制限を取り払い、アジアやヨーロッパの共産圏にも加盟国を拡大した。戦前の「五大国」の1国で、戦後の復興が進んでいた日本は早くからOECD加盟に関心を示し、枠拡大直後の1964年4月28日に加盟した。原加盟国以外で初めての加盟。

冷戦崩壊後
1990年代に入り、冷戦構造が崩壊すると、かつて「マーシャル・プラン」の復興支援の対象として外れていた東欧の元共産圏諸国や、その多くが第二次世界大戦後に独立した新興工業国が加盟するようになり現在に至る。
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日本のマスコミは、OECDが大好きであるようだ。実際にはG7の実施部隊か。OECDがコロナ後の経済見通しを。どう見てもあまりにも絵空事(希望的観測)のプロパガンダ機構にしかなっていない。現実にはOECDという組織が、国連の一機関として何らかの機能を果たしているのだろうか? グローバル世界における化石のような存在なのでは?
下記のような予測されて真に受ける人いる?

1. 感染者の少ない日本の成長はG7国の最下位らしい? 2. 反対に米国は温暖化対策などで経済のV字回復が見込まれる? 3. ワクチンの普及が世界経済回復の起爆剤になる? 4. 比較的早い時期に、経済はV字回復してコロナ前の経済水準に戻る? 5. 感染対策の不十分なアフリカ諸国は今後も経済回復は遅れる?

どうも、OECDは未だに欧米人中心の過去の栄光をいつまでも固守したい人々の集まりのようだ。欧米も日本もコロナが収束しても、元の水準に戻ることはあり得ないだろう。経済構造や社会そのものが大きく破壊されている。そもそも今でも欧米諸国は、コロナの収束を意図的に遅らせようとしている感がある。
世界の大多数の国、インド、中国、ロシア、アフリカなどの国がワクチンを本当に必要としているのか。確かに今は多少感染者が多くても、もうじき収束を見越しているようだ。 いつまでも新型コロナに固執して騒いでいるのは欧米諸国だけ。(2021.03.10)

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資本主義とは何か

資本主義とは何か? 分かるように見せてくれ! 要は極めて抽象的であいまいな概念なのでは? 有名なリンカーンの言葉を借りよう。
「人民の、人民による、人民のための政治 “government of the people, by the people, for the people”」
これは、民主主義の一つの定義だろうか。社会主義も全く同じ理念だね。こんなことローマ皇帝(カエサル他多数)だって、中国の賢帝(唐李世民等)だって言っている。

「資本の、資本による、資本のための政治経済体制“system of the capital, by the capital, for the capital”」
「渡る世間も金次第」。何事もお金と経済が優先される体制のことか? はっきりしているのは、資本主義と民主主義は何の関係も無い2つの概念だということ。

民主主義でない国には資本主義は根付かない? これも全くの空想で民主主義とは呼ばれない(欧米諸国では)中国が今一番の経済大国として台頭してきている。もちろん中国人に言わせれば、本当の民主主義は中国で、米国は多数決原理だけを民主主義と誤解して衆愚政治に陥った単なる愚劣国家ということかも知れないが。 ただ資本主義は、投資と利潤と言う仕組みで、永続的な経済成長を前提としている以上、将来も持続可能という保証は無い。と言うより、現在はその曲がり角に来ていると言うべきだろう。拡大することが前提の理論?そんなことが持続可能なはずはない。

そもそも、世間の人達のために投資(お金を提供)し、皆を幸せにして、本人は更に利潤を得て更に新しい投資を限りなく続けて行ける? そんなおとぎ話のようなうまい話があると信じること事態かなりお人好しな話に見える。でも、いわゆる資本主義の世の中になって世界の人口も飛躍的に増え、食料生産も増加したことも事実かも。 資本主義が良いとか悪いとか言う前に、そもそも資本主義とは一体何なのかもう一度根本から、問い直して見る必要がありそうだ。

**************************** 以下は、経済の超基本から考えて見よう。
Aという部族とBと言う部族がいるとしよう。Aは内陸で米を作り、B海岸で魚を取って生活している。AとBは互いに、自分達の生産物を交換できればハッピーであろう。 だけど、米を作るには田を耕したし、灌漑設備を整備したりする投資が必要だろう。魚を取るにも船や網を整えるための投資が必要だ。新たな資源の投入が必要だ。もちろん労働力も資源の一つ。 ところで、Aの生産物とBの生産物の交換の比率、つまり交換のルールはどうなるんでしょう。米も豊作や不作があるし、魚も豊漁や不漁がある。結局話し合いで双方納得のいく比率で治まるはずだ。互いに相互依存の関係だから一方だけが損ということはない。

ところでこの2つの部族を仲介するCと部族が出現したとしよう。A、B部族が離れて住んでいる場合は特に必要性が高い。C部族の生活の糧は仲介手数料ということだ。当然A、B部族が直接取引するよりも相手側から受け取れる生産物の量は減少する。つまり、C部族はA、B部族から幾ばくかの米と魚を受け取っていることに相当する。

いわゆる商業の起こりだ。ところが商業の基本は安く仕入れて高く売る。だから、C部族は余剰になった生産物を他の部族D、E、F等の交易し別の生産物を手に入れることも可能になる。これ商業資本主義とでも言うものではないか。利潤と言う概念の登場だね。
古代中国の商の民、この頃は貨幣も出来ていたかもしれないがまさにこのような人達だ。

古代日本弥生時代、大陸から鉄を伝えた人達がいた。鉄器を生産するには多大な労力が必要だ。だから鉄器を売って米を買う(物々交換かも知れないが)。たくさん鉄器を売るには、灌漑排水設備や水路の整備に投資、田を増やすことが重要だ。米が一種の商品で貨幣の役割も。米を持って大陸に渡れば今度は鉄製品や鉄鉱石を輸入できる。
このようにして、富と権力を手に入れた人達が出現し、日本は一つの国にまとまっていく。大和朝廷は鉄の力で造られたらしい。
鉄器の生産、これは産業資本主義の始まりとも言えるのではないか。

では、資本主義とは何か? 産業革命以降発明された西欧文明の専売特許ではなさそうだ。人類の文明が始まってからずっと続いている考え方の様な気がするが。

経済の話
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株価変動

株式会社というのは大した発明だった。資本も資材も人材も無くても、知恵のある人間が大勢の人達から少しずつ資金を集めて企業という大きな組織を立ち上げることが出来る。資本主義発展の要として株式市場は大きな役割を果たして来た。株を買うことはある意味夢を買うことでも、そう言う意味では株への投資は資本主義社会では積極的に勧められてきた。では、今若い人たちに株に投資すべきかどうか聞かれたら? 「止めた方が良い。」と言わざるを得ない状況になっている。

株価変動 しかし、リーマンショック以降の世界、と言っても欧米や日本だけかも知れないが、株価の持つ経済的な意味は全然異なったものとなってしまった。現在日本でも、米国でも株式のほとんどは政府機関の投資家が買っており、政府の資金提供で初めて株価が維持されているのが実態。つまり、日経株価の変動は実態の景気を全く反映しておらず、政府の意向だけで決められているからだ。せっかく良い会社を見つけて将来性を見込んで株を買っても、会社の業績とは何ら関係ない要因で株が上下するのでは夢を持つことは出来ないね。

ところで、図は最近の日米の株価。NYダウと日経平均。両者とも代表的な株価の指標。昨年から共に上昇傾向。経済の実態を反映したものだろうか。日本の株価はズバリ米国のコバンザメだった。でも、2月以降その傾向に変化が。NYダウは相変わらず上昇傾向。でも、日本は停滞か寧ろ下がり気味。米国は明かに政府機関の資金注入があることはニュースからも分かっている。でも、日本だって株価が下がれば政府が買い足していることは同じだ。ただどちらの政府もコロナ対策で財政難のはずだ。ヨーロッパではどうなんだろう。しばらくは注目して見て行くことが必要だ。
**ヨーロッパの方は、どうもまだ対米従属のようだ。日本が対米従属路線からやや落ちこぼれて来ているようだ。新型コロナの感染者数も欧米並みには増えてこないみたい出しね。

経済の話
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クラ交易

クラ(Kula)は、パプア・ニューギニアのマッシム地方で行われる交易。トロブリアンド諸島、ルイジアード諸島、ウッドラーク島、ダントルカストー諸島などの民族によって行われ、クラ交易とも。クラの交易圏は円環状のネットワークであるため、クラ・リングとも呼ばれる。

先史時代には、パプアニューギニア本島とトロブリアンド諸島を直線で結ぶ交易ルートがあったとされる。500年前には、パプアニューギニアからの土器がトロブリアンドにもたらされており、パプアニューギニアのコリンウッド湾とトロブリアンドの黒曜石は、ともにファーガソン島で産出されたものだった。

言語や文化が異なる部族にまたがって広範に行われ、部族ごとに複数の男性が参加する。一度クラに入った人間や品物は、終生を通してクラに属することになる。クラには一村または多数の村による共同体の単位があり、属する者たちは一体となってクラを行う。

クラ交易 品物はヴァイグア(キリウィナ語)と呼ばれ、2種類がある赤い貝から作るソウラヴァという首飾りと、白い貝から作るムワリという腕輪である。いずれも大規模な儀式的舞踊や祝祭などの重要行事で身につけられ、日常の装飾には使われない。ソウラヴァはクラの交易圏内を時計回りに動き、ムワリは反時計回りに動く。品物が1周をするまでに、2年から10年ほどを要する。

種類
クラ共同体内や隣接する共同体との小さな内部的取引と、遠洋航海による外部との取引がある。また、競合的で大規模なウヴァラクというクラと、普通のクラである小規模なクラ・ワラに分かれる。ウヴァラクは、多くのヴァイグアが集まったときや食料の欠乏、重要人物の死亡などをきっかけとして行われる。
取引の方法
クラに関係する人間は、ソウラヴァかムワリを自分の取引相手へ贈り、相手から反対の品物を返礼として受けとる。例えばソウラヴァを受け取った場合は、ムワリを返礼せねばならない。はじめに贈る品物はヴァガ、返礼の品物はヨティレと呼ぶ。

取引においては議論、競り、その場で相互に交換することなどは禁じられる。返礼までには1年以上かかることもある。クラで贈り物を受けた人間は、同等の品物を返すことを期待されるが、品物の評価は贈る者にまかされている。返礼にもらった品物が不満足であっても、取り消す方法はない。クラは物々交換とは区別されており、物々交換にはギムワリといった名称がついている。クラの作法を守らなかったときは、「ギムワリのようにクラを行った」などと非難される。
呪術
遠洋航海のクラには航海カヌー(ワガ)を用いるため、遠征隊の準備や、これに結びつく呪術がともなう。カヌー建造の呪術、航海を安全にする呪術、ムワシラ(クラにおける美容、安全、説得の呪術)などである。

機能
クラの関係は、贈り物と奉仕の相互交換を2人の間に生み出し、何百キロメートルも離れた人間を直接または間接的に結びつけ、義務のやりとりで複雑な規則を守らせる。これにより、部族間に網目状の関係が作られる。また、クラによって他の品物や習慣、歌などの芸術も伝えられる。クラの品物は一時的にしか所有されないが、この所有によって名声を得られ、クラにまつわる功績や逸話が共有される。そのため、競争心、所有欲、名誉欲と結びついている。

クラにともなって副次的交易が行われ、天然資源の確保がなされる。クラの相手が欲しがる品物を積んで贈り物としたあと、故郷へ持ち帰る品物を手に入れて運ぶ。遠征の途中で品物を調達する場合もある。

ヴァイグアほど重要ではないが、他にもクラに関係する贈り物が多数存在する。食物の贈り物であるポカラやクワイポル、クラの対象とならない宝物であるカリブトゥ、小さな宝であるコロトムナ、返礼できない場合に中継ぎとして使われるバシなどがある。

遠洋航海のクラにあたっては、カヌーの建造をはじめクラ共同体をあげて準備が行われ、船大工への支払いや、サガリという食物の再配分などが活発に行われる。

マリノフスキが調査をしたトロブリアンドは、クラ・リングの交易圏の端に位置する。クラに参加できる人数は少数で財貨が少ないため、クラは権威を維持する役割をもっていた。トロブリアンドで首長制が発達した理由の一つともいわれる。

研究
クラは人類学者のブロニスワフ・マリノフスキによって詳細に研究され、彼が『西太平洋の遠洋航海者』という著作を発表して以来、多くの研究者の注目を集めている。マリノフスキは、クラに用いられるヴァイグアをトロフィーにたとえて論じた。マルセル・モースは、『贈与論』で贈与と交換の体系からクラを研究した。カール・ポランニーは、『人間の経済』でクラを互酬関係の1つとして論じた。

**ブロニスワフ・カスペル・マリノフスキ(ポーランド語: Bronisław Kasper Malinowski、1884年4月7日~1942年5月16日)は、ポーランド出身のイギリスの人類学者。オーストリア=ハンガリー帝国領だったクラクフ大公国の首都クラクフ(現在のポーランド)に生まれる。父は貴族でありスラヴ語の教授だったが、ブロニスワフが幼い頃に死亡し、母との2人暮らしをおくる。ヤギェウォ大学で数学と物理学を専攻し、1908年に学位を取得。その後ライプツィヒ大学で2年ほど学び、そこでヴィルヘルム・ヴントの民族心理学に影響を受ける。関心領域を人類学に移したマリノフスキは、ジェームズ・フレイザーなどの研究を知り、当時人類学でもっとも有名だったイギリスへの渡航を決意。1910年にロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)で人類学を研究した。

トロブリアンド諸島での現地調査(1918年)
1913年、アボリジニについての文献研究を『オーストラリア・アボリジニの家族』として発表。翌1914年には、作曲家のカロル・シマノフスキと並んで幼少のころからの親友の一人であったポーランドの作家スタニスワフ・イグナツィ・ヴィトキェヴィチとともにオーストラリアを旅行するが、同年に第一次世界大戦が勃発、イギリスはドイツに宣戦布告した。オーストリア国籍だったマリノフスキはイギリス領内で敵国人扱いされ、出国が不可能となる。
しかしパプアニューギニアに行くことは可能であったため、マリノフスキは最初はマイルー島、次にニューギニア島東沖にあるトロブリアンド諸島のフィールドワークに取り掛かる。こうしてマリノフスキは、長期にわたって現地の人々と行動を共にし、その生活の詳細な観察を行うこととなり、人類学研究に初めて参与観察と呼ばれる研究手法が導入されることとなった。

1919年にメルボルンへ帰り、化学者の娘だったエルシー・ロザリン・メーソンと結婚。1924年からはロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで人類学の講座を担当し、1927年には主任教授に就任する。当時のロンドンの自宅には毎日のように学生や知人が訪問し、妻は睡眠をとるために他の家へ出かけたこともあるという。その後、第二次世界大戦が勃発すると、マリノフスキはアメリカ合衆国に定住し、イェール大学の客員教授となる。
1934年にマリノフスキはラドクリフ=ブラウンら若い人類学者たちとアフリカ総合研究プロジェクトを立ち上げ、アフリカの南部と東部にフィールドワークを兼ねた調査旅行に向かう。ちなみにケニアの初代大統領で人類学者としても有名なジョモ・ケニヤッタは、1935年からロンドン・スクール・オブ・エコノミクスでマリノフスキの指導の下で人類学を研究しており、彼の著作『ケニア山をのぞんで』(1938年)の序文はマリノフスキが書いた。また、1941年から42年までメキシコのオアハカ州の調査旅行に出かけてもいる。1942年にイェール大学のあるコネチカット州南部の街ニューヘイブンで死去した。
没後、夫人により編集刊行された『マリノフスキー日記』によって、フィールドにおけるラポール関係の神話(被調査者と調査者との信頼関係による成果)が虚説であることが明らかにされた。

思想
マリノフスキが文化を捉える態度は、これまでの進化主義的な人類学と区別して機能主義人類学と呼ばれる。それは現存する文化を、相互に関係して働いている諸要素の集合体として捉え、それら諸要素が文化形成に及ぼす機能を分析する手法のことを指している。
トロブリアンド諸島での調査の成果は、彼の主著である『西太平洋の遠洋航海者』(Argonauts of the Western Pacific)として1922年に発表される。この本の中でマリノフスキはクラと呼ばれる島と島の間で行われる財貨(腕輪や首飾り)の交易を分析し、クラが経済的な財の交換だけでなく、島と島を結ぶ社会秩序の形成と持続の機能も果たす儀礼的な制度であることを明らかにした。 マリノフスキは晩年にかけて、メキシコのオアハカ州でサポテカ族の市場から文化的諸関係を研究しようと構想していたが、彼の死去により途絶し、J・デ・ラ・フエンテとの共著のみがのこされた。


**クラ交易
このような交流は、貨幣経済の前段階のものと見なすか、或いは全く別途に進化した文化と見るか? いずれにしろ資本主義経済での交易とは異なるようだ。社会秩序の形成と持続の機能も果たす儀礼的な制度? では、中華帝国を巡る朝貢貿易なんかは? 江戸時代の長崎出島で行われたオランダとの交易は?

経済の話
scienceの部屋---はじめに

皆で豊かに

新型コロナ対策で世界中の国で格差が拡大。このまま格差拡大が続けばいずれ社会は大混乱に陥ることは歴史が証明しているらしい。米国でも富裕層から増税やMMT理論等、格差解消の動きがあるようだが中国はどうなのか。以下、中国通の方の評論をもとに。
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「みんなで豊かに」習近平提唱の新目標に怯える大企業と富裕層/ 共同富裕実現のための「三次分配」、富を収奪し慈善事業を強要か/ 2021.8.26(木)福島 香織

 8月17日の中国共産党中央財経委員会・第10回会議で習近平が強く打ち出した「三次分配(三度分配)」が、中国の富裕層、大企業幹部らを狼狽させているという。この会議は「共同富裕実現の研究」と「重大金融リスクの予防緩和」の2つのテーマが議題となったが、「三次分配」は共同富裕実現の方法として提唱された。
 共同富裕という目標は2017年10月の第19回党大会で強く掲げられていた。だが、今回の会議の中身が翌日に新華社通信などで公表されると、実は、共同富裕とは「みんなで豊かになる」のではなく「富裕層から富を収奪する」ことであり、これはひょっとすると、かつて地主や富農から土地や財産を奪った土地革命や、ブルジョア・知識人を打倒した文化大革命のように、富裕層・企業家らをターゲットにした階級闘争の再来なのではないか? という不安が、富裕層や資本家、投資家らの間で広まってきたのだ。 **確かに、今の中国では考えられそうなことだ。しかも、欧米が中国との経済のデカップリングを進める今、欧米系の資本の入った企業はターゲットにされるかも。しかも、地方の富裕層は皆共産党の地方の有力政治家。共産党支配からの脱却を図るいいチャンス。
プーチン政権のロシアでさえ、欧米系の資本の入った企業はターゲットにされ国有化された。いわゆるオルガルヒ退治と言うやつ。

「共同富裕」論はこれまでも何度も繰り返されている。今回は、鄧小平の「豊かになれる者から先に豊かになる」という「先富論」の時代は終わった、という宣言でもあり、今後の習近平新時代は、先に儲けた者が富を社会に還元させる時代、という社会主義の本質に回帰することを打ち出したとみられていた。 **もともと鄧小平は、グローバル経済を利用して海外投資を呼び込むことが第一の目標。今後は内需拡大と、一路一帯の内陸国の非ドル経済圏の発展を目指していくことに。開放経済の時代は終わったということか。

 たしかに中国の貧富の格差は米国に勝るとも劣らない。中国の上位20%の富裕層の可処分所得の平均は最下層20%の可処分所得の10倍以上。中国人の生活水準は大幅に向上しているが、格差を示すジニ指数は近年0.46~0.47で、社会騒乱多発の警戒ライン0.4を大きく超えている。この格差は過酷なゼロ・コロナ政策によってさらに加速度的に拡大する傾向にある、という。社会の人流や物流を大きく制限され、消費が激減するゼロ・コロナ政策では、末端で働く低所得層ほど働く場を失い収入が圧迫される。

 こうした格差の是正が中国社会の安定に欠かせないことは、中国の政策担当者の共通の認識である。この半年間あまりの習近平の政策を見てみると、共同富裕モデル地区に指定された浙江省の杭州に本社を置く民営企業の雄、アリババがまずターゲットにされた。グループ企業のアント グループの上場を妨害され、独禁法違反で巨額罰金を徴収され、資産の売却なども迫られた。

独禁法や情報セキュリティ関連の法規の運用で罰金を科したり事業を接収したりすることは、一見いかにも大企業の不正を是正しているようにも見えるが、実際のところは、恣意的にターゲットを定めて見せしめ的に締め上げるという中国共産党の伝統的リンチ手法ともいえる。
**でも、鄧小平の外資導入政策で適当に太らせることに成功したので、今後は刈り取りの時期とも取れる。

 この事件が、さらに浙江省高級官僚らの失脚に芋づる式につながり、ついに8月21日に杭州市の書記、周江勇の失脚が発表されたことも考えると、この「共同富裕」の実現方法は、かなりきな臭いものである気配がする。ちなみに周江勇の失脚は、アント フィナンシャル上場前に大量の株を買い、上場後の値上がりで蓄財しようと企んだことが理由だという噂が流れている。この大物地方官僚失脚劇は、アント フィナンシャル上場にも関わった美人弁護士も絡み、ゴシップ好きとしてはそそられる話なのだが、ここでは詳細に触れない。

富裕層、大企業に求める「三次分配」
 8月17日の会議では、習近平は「共同富裕は社会主義の本質的要求であり、中国式現代化の重要な特徴である」とし、「質の高い発展の中で共同富裕を促進していかねばならない」と訴えた。そして初めて「高すぎる収入は合理的に調整し、高収入層と企業にさらに多くの社会に報いることを奨励する」と、寄付・慈善事業などの富の分配方法に言及した。

 そして、低所得層の収入を増加させ、高所得層を合理的に調節し、違法収入を取り締まり、中間層を拡大して、低所得と高所得を減らしてラグビーボール型の分配構造を構成することを打ち出し、社会の公正正義を促進する、とした。
**独占企業を解体して中間層を拡大し自由競争を促進すること自体は資本主義社会の健全な発展と言う意味から必ずしも毛沢東路線に戻ったとも言えないかもしれない。

 ここで富裕層たちの肝を寒からしめたのは、高所得層と企業がより多く社会に報いるべきだ、として、寄付や社会貢献が求められている点だ。会議では共同富裕を実施する手段として「一次分配(市場メカニズムによる分配)、再分配(税制、社会保障による分配)、三次分配(寄付、慈善事業)を協調させて、基礎的な制度を準備する」と表現。三次分配である寄付、慈善事業は「道徳の力の作用」のもと、富裕層・大企業が自ら進んで行うことが求められている。

中国で富の再分配は機能するのか
「三次分配」という言葉は、今回初めて出てきた言葉ではない。 著名エコノミストの厲以寧も、市場経済のもとでの収入分配としての三次分配を提唱してきた。三次分配という言葉が中央の政策の中で出現したのは、2019年10月の第十九回四中全会(秋の中央委員会総会)席上だった。この時、三次分配が収入分配制度における重要な要素だと明確に言及され、中国経済と社会発展の中で慈善公益事業に重要な地位を確立させるべきだ、とされた。

 欧米では慈善家による寄付が社会の再分配機能の中で大きな役割を担ってきた歴史があるが、そこにはキリスト教文化が背景にあり、財産は福音であり企業は主導的に社会的責任を負うものであるという価値観があり、これが貧富の格差、階級矛盾を激化させない作用を持っているとされる。企業や篤志家からの寄付を庶民のために活用し庶民に届ける役割は古くは教会が担っていた。しかしこうした思想があるからこそ、NGOやボランティア組織が多く存在し、社会的富の分配メカニズムとしてうまく機能した面もあるのかも。
**しかし、悪く言えば欧米では慈善家による寄付の本音は、社会への先行投資であり、本当は富の再分配には全く機能していない偽善事業だとの指摘も。キリスト教文化を背景にする免罪符と言う側面の方が強い。寄付ではなく義務であるべきだいう考えも一理ある。

 まず、習近平体制になってからNGO(非政府組織)の活動はほとんど認められなくなっている。草の根NGOのように見える組織も、きっちり共産党の指導に従って動く組織であり、上層部はだいたい党員だ。かつて多く活動していた外国・香港のキリスト教系NGOを含む宗教系NGOに関しては、今やスパイ組織扱いで取り締まり対象となってほとんど全滅(本当に欧米系のスパイだった可能性も否定は出来まい。)。2008年前後から草の根NGOは急速に増え新公民運動という形で盛り上がりかけたが、習近平政権になってから、庶民の権利擁護を訴える「新公民運動」のNGOのリーダーたちが、社会秩序擾乱の罪や経済犯罪の容疑で次々に取り締まられた。

 一方で、共産党や政府が果たして慈善事業の調整役を担えるか、というと、たとえば「中国赤十字」が四川大地震など過去の大災害で集められた莫大な寄付金をどのように処理したのか、昨年、武漢での新型コロナのアフトブレイク初期、医療物資や生活物資の困窮に市民が苦しんだ最中、武漢市に全国から集まった支援物資、寄付物資が公正にさばかれたのか、ということを検証すれば、おのずとわかるのではないだろうか。
**武漢市の都市封鎖の際には全国レベルで融資の支援物資も届いたとの話(武漢日記)も。草の根レベルのNGOも政治性が薄いものなら許されているようだ。中国は広く、言葉や文化も異なる人達の大集合体だ。習近平体制の独裁と言われても、ことはそんなに単純ではない。

待ち受けるのは「共同貧困」時代?
どうも、西側欧米メディアの希望は、中国経済のバブルが崩壊し、「共同富裕」どころか、一部の富裕層は富を失うかもしれないが中間層はさらに富を失い、貧困層はより貧しくなる「共同貧困」時代が来て欲しいということらしい。でも、一部の独占的富裕層は富を失うかもしれないが、政治力や利権を持った大企業は無いに越したことは無い。アダムスミスのいう自由競争社会が実現すれば、中国は一帯一路の広大な地域を巻き込み新しいユーラシア大経済圏を構築する可能性もある。

どうも「共同貧困」時代に既に突入しているのは欧米諸国の方ではないか。何時までも無益なコロナ対策を延々と続け、無益なワクチンを永遠に打ち続け、中間層や中小企業を没落させ、強権的な独裁政治を強行し、独占企業のみを保護し続ける体制は、一向に収まりそうもない。

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イーストマン・コダック

イーストマン・コダック イーストマン・コダック(Eastman Kodak Company)は、アメリカ合衆国に本拠を置く、かつて世界最大の写真用品(写真フィルム、印画紙、処理剤)メーカーだった。現在は規模を大幅に縮小して商業印刷の大手として再生したらしい。一般的にはコダックの略称で知られている。
世界で初めてロールフィルムおよびカラーフィルムを発売したメーカーである。また、世界で初めてデジタルカメラを開発したメーカーでもある。写真関連製品の分野で高い市場占有率を占めることで知られていたほか、映画用フィルム、デジタル画像機器などの事業も行っていた。つまり、大変技術力の高い会社だった。

富士フィルム いわゆる馬鹿チョンカメラ、日本でも一時普及した。日本では富士フィルムが売れていたけど。「写るんです!」。ところがこのコダック、一旦倒産して再建されて全く違った会社として再生したらしい。企業の永続的発展を前提とした日本では、何故コダックは失敗したのかとの疑問が出されている。

一説にはデジタル化への乗り遅れ。カメラがデジタル化する波を見抜けなかった? ところが、コダック社はデジタル化を見越して他社に先駆けてデジタルカメラの開発も行っていたらしい。投資家としては、現行の写真分野では出来るだけ利益を出し続け、デジタルは別会社にやらせた方が利益が大きいと判断したんでしょう。技術力No.1の会社が、必ずしも生き残れるとは限らないのが米国資本主義。技術力の高さが投資家の注目を集め、企業丸ごと投資の対象にされてしまう。

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アジア通貨危機

アジア通貨危機(Asian Financial Crisis):
アジア通貨危機とは、1997年7月よりタイを中心に始まった、アジア各国の急激な通貨下落(減価)現象。東アジア、東南アジアの各国経済に大きな悪影響を及ぼした。経済の発展が目覚ましいアジア諸国の経済政策に水を差す事件だけどその背景は何だったのか。

アジアの通貨下落は、アメリカ合衆国のヘッジファンドを主とした、機関投資家による通貨の空売りに惹起されたものである。狭義にはアジア各国における「自国通貨の為替レート暴落」のみを指すが、広義には、これによって起こった金融危機(アジア金融危機)を含む経済危機を指す。

**空売りとは持っていない資産を売却する行為。当然売った以上は市場から買い戻して買い手に与えねばならない。大量に空売り攻勢をかければ市場でのその資産価値は大暴落する。つまり、高値で売って安値で買い戻すことで多額の利益を得ることが出来る。これが米国で発展した金融工学の肝だね。アジア通貨危機が続いている間は米国の金融機関が大儲けしているということだ。

前述のタイ・インドネシア・韓国はその経済に大きな打撃を受け、IMF管理に入った。マレーシア・フィリピン・中国香港はある程度の打撃を被った。中国大陸と台湾は直接の影響はなかったものの、前述の国々から間接的な影響を受けた。
**中国は用心深く、人民元をドルペッグ(交換レートを固定する)して、人民元とドルとの交換で利ザヤが生じにくくしている。つまり、人民元は円と異なり市場での商品にはなりにくい。それとも市場の大きな中国では多少の空売りでは値段が下がらなかった。では、人口大国のインドでは?
日本に関しては、融資の焦げ付きが爆発した。また緊縮財政と、1997年(平成9年)4月の消費税増税のタイミングが重なった結果、同年と1998年(平成10年)における金融危機の引き金の一つとなった。そして1998年(平成10年)9月の日本銀行政策金利引き下げ、10月7 - 8日の日本円急騰(2日間で20円の急騰)、10月23日に日本長期信用銀行の破綻と国有化、12月13日に日本債券信用銀行の国有化へと繋がる一連の金融不安の遠因となった。
また、新興国における通貨不安はアジアに留まらず、1998年8月17日からのロシア通貨危機、1999年1月ブラジル通貨危機など、その他の経済圏でも同様の混乱を招いた。

**つまりドルの一人勝ちの状況が生まれる。資産はドルで持っていることが最も安全だ。

日本、台湾、フィリピンを除くアジアの殆どの国家は、米ドルと自国通貨の為替レートを固定する「ドルペッグ制」を採用していた。それまではドル安の状態で、比較的通貨の相場は安定していた。また欧米諸国は、固定相場制の中で金利を高めに誘導し、利ざやを求める外国資本の流入を促すことで資本を蓄積していた。一方でアジアは、輸出需要で経済成長するという成長システムを採用していた。中でもタイ王国は、このパターンの典型的な成長システムであり、慢性的な経常赤字であった。

**米ドルと自国通貨の為替レートを固定する「ドルペッグ制」を採用していた。ここの文は大変疑問がある。円ドルの交換レートは日替わりで変化しているのが実情では。アジア通貨危機の時点では多くの国の通貨は既に変動為替になっていたはず。それでも各国政府は金融政策として「ドルペッグ制」つまりドル追従政策を取っていたのでしょう。日本でもドルが値下がりすれば円売りドル安介入をする。

またアジアの国際分業体制は、1992年以降の中国改革開放政策の推進により構造的な変化が生じていた。そのため東南アジアに展開していた日系、欧米系企業の多くが、当時人件費の安かった中国本土への生産シフトを強めていた。

1995年以降、アメリカ合衆国の長期景気回復による経常収支赤字下の経済政策として「強いドル政策」が採用され、アメリカ合衆国ドルが高めに推移するようになった。これに連動する形で、アジア各国の通貨が上昇(増価)し、その結果アジア諸国の輸出は伸び悩む展開となった。これらの国々に資本を投じていた投資家らは、経済成長の持続可能性に疑問を抱くようになった。

そこに目をつけたのが、欧米のヘッジファンドである。ヘッジファンドは、アジアの経済状況と為替レートの評価にズレが生じ、結果として自国通貨が過大評価され始めていると考えた。そこで過大評価された通貨に空売りを仕掛け、安くなったところで買い戻せば利益が出る。1992年にイギリスで起こしたポンド危機と同じ構図。

殆どの国家でドルペッグ制が採られていたため、ヘッジファンドは売り崩せれば巨額の利益を得られる一方で、例え失敗したとしても、アジア諸国の為替レートが上昇していくため、損を被るという可能性は低く、この非対称性が、大規模な通貨への売り仕掛けを呼ぶこととなった。

かくしてヘッジファンドが通貨の空売りを仕掛け、買い支える事が出来ないアジア各国の為替レートは、変動相場制を導入せざるを得ない状況に追い込まれ、通貨価格が急激に下落した。
**この時期変動相場制はまだ導入されてなかったのか。
空売りと言う行為は、資本主義市場において特に犯罪とはみなされない合法な取引とされている。ただこれを大手の金融機関がグルになって行った場合、大災害になることはある程度目に見えていたはずだ。多くの大手ヘッジファンドが一致した行動をしたことは、ある意味国家的戦略と言えよう。はっきり言って、米国発の経済テロ支援行為だろうね。米国だけの一人勝ち、強いドルを守るため。

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カザフスタンの政変

ナザルバエフ カザフスタン政府は、各地に広がった抗議活動を「テロ行為」だとして一掃する作戦を進めていて、これまでにデモの参加者26人と治安当局者18人が死亡し、4400人以上を拘束したとしています。確か今年の1月のこと。スワ政変だと狂喜した欧米メディアの期待とは裏腹に事態は簡単に鎮静化してしまったようだ。第二のウクライナにはならなかったようだ。国境ではロシア軍まで待機していたけど。 どうも、デモ参加者の中にテロリスト集団(アフガニスタン難民?)が混じっていたらしい。アルマトィ市は今首都でもないし、治安当局に対して発砲するような市民のいる可能性もなさそうだ。デモを行う理由も不自然、ガソリン価格の値上がり?産油国のカザフスタンで原油価格の値上がり国益にはなってもガソリン不足の理由にはなるまい。でも、政府内では確かに政変は起きていた。

トカエフ 追放された元大統領ナザルバエフはカザフスタン建国以来のカリスマ。30年以上も政権の座について国政を牛耳っていた。つまり、国家の私物化ということか。最も忠実と思われていた部下に反乱され印籠を渡されたということらしい。ナザルバエフの名前は昔聞いたことがある。私がカザフスタンを尋ねた時点もそうだった。では、カザフスタンは今後どうなる。
トカエフ大統領は、ナザルバエフの最も頼りとする側近だったようだ。ただ権限移譲が遅すぎたのかも。会社で言えば創業者のワンマン会長が、サラリーマン社長に株主総会で印籠渡されたようなものらしい。プーチンさんもこれまで以上に支援すると表明した。
プーチンさんだって、元有能な諜報部員で、建国の父のレーニンさんやスターリンさんのカリスマ性をぶっ潰し、米国かぶれで不人気なゴルバチョフさんも解任した。やっていることは同じか。

**ヌルスルタン・アビシュリ・ナザルバエフ(Нурсултан Абишевич Назарбаев1940年7月6日~ ):カザフスタンの政治家。初代大統領(1990年4月24日 - 2019年3月20日)

**カシムジョマルト・ケメレビチ・トカエフ:カザフスタンの政治家。現在、同国大統領。2019年3月20日にヌルスルタン・ナザルバエフが大統領を辞任し、憲法規定に従いナザルバエフの残り任期2020年4月まで大統領を務める予定であったが、トカエフが大統領選挙を2019年6月に前倒しし当選。首相、上院議長などを歴任。

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ウクライナ危機は本当か

ウクライナ問題が米国とロシアの覇権争いの草刈り場となっているとする日本のメディアの報道は本当だろうか。ロシアがウクライナを併合しようとしている。ウクライナをNATOの一員にしてヨーロッパの盾にしよう。ウクライナの人達の立場が完全に無視されている。

ソ連邦が崩壊した後、カザフスタンに出張した際に、ロシア語の通訳をお願いしたことがある。ウクライナ人の世話好きのおばさんで、教養も高く、色々な交渉事も一手に引き受け色々と指示を出してくれる。通訳以上のコンサルタント業務か。話好きで色々な事も教えた貰った。聞くとウクライナの方だとか。

子供達の学校教育、歴史の話。「今の学校の歴史の教育は間違っている。子供達がソ連邦の存在について何も教えられていない。」つまり、ウクライナがソ連邦の一員であったこと、世界中の人が知っていることを自国の者が知らないなんて恥だと。ソ連邦の一員であったこと、これは民族の誇りはなっても、隠すべき恥ではない。だからと言って独立したことは良いかどうかは別として過去を否定しても何も良いことは無い。
ソ連邦の一員であった。つまりロシアとは切っても切れない深い関係にある。しかし、ロシアもソ連邦の一員。つまり対等な関係なのだ。ロシアがウクライナを併合なんてことはあり得ない話だ。

**事実、ソ連邦ではウクライナ出身の政治家も多い。有名な処ではトロッキーもフルシチョフもそうだ。クリミア半島がロシアからウクライナに線引きが変わったのはフルシチョフの為。初めからロシアとウクライナには領土問題など存在していない。

ウクライナ民族が東西で分裂している? つまり、2つの民族? これもあり得ないことらしい。多くのウクライナ人はロシア語も話すしウクライナ語も話せる。バイリンガルな国民だ。国策でロシア語を禁止する? そんな馬鹿げた政策なんてありえないデマだろう。宗教もそうだ。ウクライナ正教なんて存在しない。カトリック教に対して正教は一つだ。民族が分断しているというのもデマらしい。つまり、ウクライナは既にロシアとは別の立派な国家として存在している。
ウクライナが分裂しているとされるのは単に政治の話で、対米従属がいいか対米独立がいいかだけの話のようだ。本当に国民が2つに分裂しそうなのは米国自身かもしれない。ウクライナ紛争? そんなものウクライナの人達にとっては、諸外国に口出しされる問題ではないし、全く迷惑千万な話だ。勿論、日本の政府の余計な口出しは慎まないといけないね。

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オレンジ革命

ユシチェンコ オレンジ革命(Помаранчева революція、Orange Revolution)とは、2004年ウクライナ大統領選挙の結果に対しての抗議運動と、それに関する政治運動などの一連の事件。革命なのか単なるクーデターなのか?
選挙結果に対して抗議運動を行った野党支持者がオレンジをシンボルカラーとして、リボン、「ユシチェンコにイエス!(Так! Ющенко!)」と書かれた旗、マフラーなどオレンジ色の物を使用したことからオレンジ革命と呼ばれる。
同時にこの事件はヨーロッパとロシアに挟まれたウクライナが将来的な選択として、ヨーロッパ連合の枠組みの中に加わるのか、それともエネルギーで依存しているロシアとの関係を重要視するのかと言う二者択一を迫られた事件でもある。つまり、対米独立は許さないということか。

ウクライナは1991年にロシアと共にソビエト連邦から独立したが、ソ連解体後も黒海に面するウクライナはロシアにとって地政学的に重要な地域として捉えられ、カスピ海で産出される石油、天然ガスの欧米に対しての積み出し港として重要な位置を占めていた。また、ウクライナは国内においてエネルギー資源を産出できなかったため、この分野に関してはかなりの割合をロシアに依存していた。

一方、西に目を転じると東欧革命以来、ヨーロッパの広域経済圏を目指すEU(ヨーロッパ連合)とヨーロッパ全域における安全保障体制の確立を目指すNATO(北大西洋条約機構)が東への拡大を続けており、特に2004年5月1日にポーランドやスロバキア等旧東欧8各国がEUに加盟すると、ウクライナはEUと直接国境を接することになった。続いて2007年にはルーマニアとブルガリアもEU入りを果たし、更にトルコも一貫して加盟を希望している。EUは域内での経済の自由化を推し進める一方で、域外からの経済活動には障壁を設けている。ウクライナではEUと協定を結んで、EU加盟国と国境を接している西部にEUやアメリカ合衆国、日本の資本を受け入れる一方で、主に中央アジア諸国からのEUへの不法侵入者の取り締まりなどを行っている。その一方でEU外にあっては陸上、そして黒海からの海上ルート全てをEUと接することで、将来的にはEUからの締め出しを食らう可能性がない訳でもない。そこでウクライナもEUに加盟するべきであるという議論が生じてくる。この意見に対してはウクライナ西部・中部での支持が強いとされている。

**この説明かににも無理がある。EU自体が一枚岩になれていない。そもそも英国が離脱。このままではEUが解体してしまう。EUやNATOの再編は覇権国側の焦りと考えた方が良い。

ウクライナ南東部はもともと地元の工業がウクライナ全体の経済を牽引してきたという自負があり、さらに最近のロシア経済の好調もあり、地元のロシアと取り引きの多い工業地帯では景気が回復していた。また南東部にはロシア人の人口が多く、ロシア語が使われていた。そのためEU寄りの政権誕生には不安を抱く人が多く、ロシアは当時の南東部系ウクライナ大統領および南東部住民との思惑の一致を口実に南東部へ肩入れした。

**いかにもウクライナが東西2分されているような論調。歴史的文化的に見てそのような事実は全くない。嫌ロシア感情は西部のごく小さな限られた地域だけのようだ。

事件の経緯
2004年大統領選挙の選挙結果。オレンジがユシチェンコ支持、青がヤヌコーヴィチ支持。北西部ほどユシチェンコ支持が鮮明であり、南東部ではヤヌコーヴィチ支持が鮮明になる こうした状況の中で2004年の大統領選挙では、ロシアとの関係を重要視する与党代表で首相のヴィクトル・ヤヌコーヴィチと、ヨーロッパへの帰属を唱える野党代表で前首相(当時)のヴィクトル・ユシチェンコの激しい一騎討ちとなった。

2004年11月21日の開票の結果、大統領選挙におけるヤヌコーヴィチの当選が発表されると、その直後から野党ユシチェンコ大統領候補支持層の基盤であった西部勢力が、ヤヌコーヴィチ陣営において大統領選挙で不正があったと主張し始め、不正の解明と再選挙を求めて、首都キエフを中心に、ゼネラル・ストライキ、座り込み、デモンストレーション、大規模な政治集会を行い選挙結果に抗議した。(右上写真はユシチェンコ支持者がキエフで行った集会)。

この抗議運動はマスメディアを通じて世界各国に報道され、大きな関心を呼んだ。特にヨーロッパやアメリカでは野党ユシチェンコに対して、ロシアでは与党ヤヌコーヴィチに対して肩入れする報道がなされた。この報道合戦ではナショナリズム的な報道に終始したロシア側に対して、一連の大統領選挙が民主的ではないというスタンスを取った欧米側の報道に世界世論がなびいたため、徐々にロシア側の行動が規制される結果となった。このことは後のキルギスでの政変事(チューリップ革命)にロシア側として積極的な動きができないなどの足かせともなった。

ロシアの支持を受けたヤヌコーヴィチを中心とする与党勢力は選挙結果を既成事実化しようと試みたが、野党勢力を支持するヨーロッパ連合及びアメリカ合衆国などの後押しもあり結局野党の提案を受け入れて再度投票が行われることとなった。再投票の結果、2004年12月28日ヴィクトル・ユシチェンコ大統領が誕生した。

**ユシチェンコが諜報機関の陰謀で毒物を飲まされ顔がアバタになったことを繰り返し訴え、同情票を多数獲得したらしい。

この運動は同じく現職政権への抗議であるユーゴスラビアのミロシェヴィッチ大統領に対する抗議運動、その後グルジアで起こったバラ革命(ローズ・レボリューション)に誘発された運動であるとされる。また、原因としては、ロシアが南東部よりの当時の政権側にあからさまに肩入れしたためである、との説明がなされることが多い。

だがその一方で、他国勢力の介入という点では、ユシチェンコ陣営に対する米国からの介入があったとする見方も存在しており、具体例としては、米国の投資家ジョージ・ソロスやバイデン大統領の息子の名などが挙げられている。いわゆるウクライナ疑惑。

また、この政変で成立したユシチェンコ政権であるが、成立直後から盟友であったはずのティモシェンコとの対立が報じられるなど政権内部の抗争が相次いだ。結果、革命を支持した民衆も離反し、最終的に支持率が一桁に落ち込む。その結果として、2010年のウクライナ大統領選挙では、一度は「革命」によって大統領になり損なったヤヌコーヴィチがウクライナ大統領に就任するという、皮肉な事態を招くこととなった。
2010年9月30日、ウクライナ憲法裁判所は2004年の政治改革法を違憲と判断し、同法によってもたらされた憲法改正を無効とする判決を下した。これにより、オレンジ革命は大きく後退することとなった。**その後何故盛り返したの??

以上、ウィキペディアの説明は中途半端でこれでは今の現状は分からない。今のゼレンスキー大統領は、100%米国の傀儡で反ソ連一点張りで民族浄化戦略、どうも国民の民意を反映していない。ヤヌコーヴィチが選挙で選ばれた後何故、失脚したのかが不明だ。郵便投票見たいな不正な選挙が行われたのか。ウクライナ民族主義と反ロシア感情は、西部のごく一部の州に限られているらしい。大多数の国民にとっては米国側とロシア側のどちらが経済的に魅力があるかだけの問題。紛争が長引くことは最悪の結果しかもたらさない。

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マイダン革命

マイダン革命 マイダン革命
2014年ウクライナ騒乱またはマイダン革命、ユーロ・マイダン革命とは、2014年2月中下旬にウクライナで起こった革命。首都キエフで勃発したウクライナ政府側とユーロマイダンデモ参加者の暴力的衝突の結果、当時のヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領が失脚し、隣のロシアへ亡命することになった。

事実上、ユーロマイダン運動側がこの衝突の勝者となった。新たな政権の発足(第一次ヤツェニュク政権)や2004年憲法の復活、数ヶ月以内の臨時大統領選挙の成し遂げなど多くの成果をあげており、ウクライナの社会・政治に膨大な変化をもたらした。一方、親露派のヤヌコーヴィチ大統領の失脚はロシアの猛反発を招き、ウクライナ領のクリミア半島のロシアによる併合と親露派武装勢力によるドンバス地方に於ける戦争の勃発をはじめ、クリミア危機・ウクライナ東部紛争へとつながっていった。

2000年代には欧州連合(EU)との良好関係を築こうと模索し、実際にEUと連合協定を結ぶ協議を行なっていた。当初、ヤヌコーヴィチ大統領はこの協定に署名する意思を示したが、最終的には署名を拒否。この背景には前述の経済難があり、EU統合はひとまず先送りして、目先の「冬を越す」ために、やむをえずロシアとの接近を図った格好だった。しかしこれがユーロマイダンに繋がる反政府デモを引き起こした(このデモの間、ヤヌコーヴィチ大統領はロシアと数十億ドルに及ぶ融資・協定について締結している(2013年12月17日のウクライナ–ロシア間協定)。

ウクライナの治安部隊はデモ活動の鎮圧に努めたが、デモ活動は高まるばかり(デモ隊には外部から武力集団が紛れ込んでいた?)でキエフの通りで激しい衝突が起こった。2014年2月21日にヤヌコーヴィチ大統領と野党リーダーらが危機回避の文書に署名し、政権側は憲法改正、大統領選の早期実施などの譲歩を行った。しかし身の危険を感じたのか、ヤヌコーヴィチ大統領は首都キエフを離れて、東ウクライナに脱出、憲法改正法への署名を拒否した。

最高会議はこれを職務放棄と見なして大統領の失職を宣言した。代わりに議会議長のトゥルチノフ氏が、大統領代行を兼務することになった。大統領選は5月25日に投票が行われることが決まった。新たに発足した暫定政権はEU協定の署名と国の司法制度・政治・財政・経済政策の改革に合意し、国際通貨基金は前述の改革の実行を条件に180億ドル以上の融資を約束した。

一方で暫定政権の発足に否定的であったロシアは、ヤヌコーヴィチ政権の崩壊をクーデターによるものと位置付け、ウクライナへの軍事介入を行なった。アメリカ合衆国連邦政府のヌーランド国務次官補とパイエト駐ウクライナ・アメリカ特命全権大使が、ヤヌコーヴィチ政権崩壊後の新政権人事の協議をしていたとする2014年1月28日の電話会談が暴露され、ウクライナの反政府デモを主導したのは当然アメリカ合衆国であったとの指摘もある。
デモ隊が暴力的に政権を乗っ取ったとすると、デモ隊が大量の武器弾薬を所有していたことになる。誰が後ろで支援したか。ウクライナのオルガルヒ達とも言えるが、その裏に海外勢力がいたとするのは当然だろう。江戸幕府を倒す薩長連合に英国が肩入れしていたのと全く同じ構図だ。今起こっているウクライナ内紛のロシアの言い分はこの一点だ。
今のウクライナ政権は武力クーデターによるもので、国民の合意を得たものではない。だからロシアはウクライナ攻撃を正当化する。ロシア国民の支持率も上がっているのが本当らしい。米帝国主義からの人民の解放戦争。話が食い違うはずである。

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ウクライナ危機は茶番だ

ヤヌコーヴィチ氏 確かに事の経過を辿ってみると「ウクライナ危機は茶番だ。」と思わざるを得ない面が多々ある。事の起こりは、「オレンジ革命」に始まる。反ロシアを掲げたユシチェンコ氏が現職のヤヌコーヴィチ氏を破って当選した時(2004)だ。この時、ユシチェンコ氏は相手方に毒を盛られたとしてアバタ顔で国民の同情を集めたようだ。ただ、政権運営が上手くいかず、その後ヤヌコーヴィチ氏が再登場して、オレンジ革命は失敗に終わる。

その後のことは、あまり知られていないが、3年前に元コメディアンのゼレンスキーが民族の融和を掲げていきなり大ブレーク。ところが今はウクライナ民族主義の民族浄化主義の急先鋒に。他国勢力の介入という見方も存在しており、具体例としては、米国の投資家ジョージ・ソロスやバイデン大統領の息子の名などが挙げられている。つまり、ウクライナ国民全体が反ロシアになったという事実は全くないようだ。

ロシアがウクライナ進攻のキッカケとなったのは、ゼレンスキー政権がロシアに接する東ウクライナの自治権を認めず、軍事攻撃を加えている。人民の保護が目的と言うのがプーチン氏の主張だったはずだ。ゼレンスキーは、わざわざロシアを挑発し、軍事介入を誘っているようだ。米諜報機関の筋書き通りだろう。しかし、ゼレンスキーは梯子を外された。NOTO諸国は動いてくれなかった。

ロシアの要求は、東ウクライナの併合ではなく独立した国に。人民の保護が目的なら極めて妥当な要求だろう。ゼレンスキーが民族主義の看板を掲げている以上他に解決策はない。 ところが、ゼレンスキーはこれも拒否。ウクライナは昔から一つの国家。歴史を辿れば明かにこれは虚偽だ。ソ連邦の崩壊で偶然に出来た国家である。

今、ウクライナでは戦争が起こっているのか? ロシア国軍とウクライナ国軍がどこかで激突。ところがこんな映像は一向に流れてこない。どう見てもゼレンスキー子飼いの民兵たちが市民を盾にゲリラ戦を行っているようにしか見えない。戦争の被害は自作自演。はっきり言って、これはいわゆる国と国の戦争ではない。ロシアは既にウクライナを制圧済みだ。

では、何故ロシアは一機にキエフを制圧してウクライナ市民を解放しないか。つまり、ロシア側は意図的に制圧を遅らせているとしか思われない。ゲリラ相手に攻勢を進めると多くの市民に犠牲者が出る。ウクライナ大統領の暗殺未遂事件の報道もある。ウクライナ人の半分程度は親ロシアだから当然あり得る話だ。つまりゼレンスキー氏はウクライナ内でも孤立無援。

では、この時点になったから何故、メディアはロシア非難を急に拡大し始めたのか。ゼレンスキーが祖国解放の英雄。武器援助するからもっと戦え。でも、ゼレンスキー氏が今の状態で万が一にでも勢力を回復する可能性はあるのか。わざわざそのタイミングでロシア批判をする意図は何か。何はともあれ、バイデンさんに経済制裁を発動させたい。経済制裁の発動にはロシアも中国も賛成で関与していそうだ。国内世論が戦争反対(アフガンで懲りている)の現状で、支持率拡大のためには何か見えることをしないと。経済制裁を発動した。

で、その結果はどうなるか。原油価格の高騰、小麦価格の高騰、インフレの急拡大、QE製政策の終焉、株価の大暴落。米国やG7諸国の経済崩壊が一気に進む。まさに、G7支配の世界がG20-G7の世界に大転換する。米国の諜報機関(大資本家達の意図を受けて)ならその位のことは平気でやりそうだ。米国の単独覇権体制の終了。それはそれで悪いことでもなさそうだ。ロシアも中国もインドも皆協力者のようだ。世界経済のさらなる発展を目指して。

【追】
勿論これは陰謀論の部類に属することだが、ウクライナ紛争の当事者たちの出自として、「ゼレンスキーはユダヤ人だ。」「米国の例のブリンケンもユダヤ人」とか、こんな記事を見かけるように。勿論事実かも知れないが、それがどういう意味があるのか。イスラエルがウクライナ問題の仲裁を申し出たことがキッカケらしいが。

カスピ海の周辺にはかって、ハザル国と言う騎馬民族国家があった。歴史地図にもしっかりと版図が乗っている。しかも彼等がイスラムの北進を制止していたことも。東ローマ帝国とも通商や婚姻関係すらあった。彼等がウクライナ地域や他ロシア一帯を支配していた時代があったわけだ。しかも彼等の国教がユダヤ教だった。だから、ロシアや東欧のユダヤ人たちの先祖はハザル人でもあるということらしい。ロシアに滅ぼされたハザル人達は今でもロシアへの復讐を誓っている?
でも、それとは別にノブゴロド国を立てたのはバイキングのリューリク。ルス族はロシアもウクライナも一緒だ。

モンゴル帝国に支配されたユーラシアの多くの地域では、支配階級の民族と一般の国民が人種的に異なることはごく一般的に見られることが。清帝国、ムガール帝国、オスマン帝国、オーストリア帝国、ソ連邦、皆多民族共生国家である。そもそも少人数の騎馬民族が多数の農民を支配するならそうならざるを得ない。
一民族一国家論は、植民地宗主国の英仏等が植民地を分断して独立させて弱体化させるための陰謀論でもある。

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ウクライナ内紛の虚構

ゼレンスキーからのSNS通信の実で創造されるウクライナ内紛の虚像。つぶさに画像を眺め説明の整合性を考えれば、メディアでの報道がほとんど妄想に基づいた虚構であることが明かになる。また、SNS通信内容をそのまま事実であるがごとく報道するメディアもそれを真に受ける政治家も困ったものだ。

2022年4月ロシア軍はキエフ市から軍の徹底を決めたらしい。キエフ市内には多くの民間人が殺されていたらしい。ウクライナ軍が武力でロシア軍を撤退させたのではないことは明かだ。ロシア側に何らかの理由があるはずだ。

 「3都市はいずれもキエフの北西にあり、2月24日に始まったロシア軍の侵攻により大きな被害を受けていた。イルピンとブチャは今週、ウクライナ軍により奪還されたが、戦闘により多数の民間人が犠牲となった。ブチャに入ったAFPは、一つの道路で少なくとも20人の遺体を確認。うち1人は両手を縛られた状態で亡くなっていた。
 ブチャ市長はAFPの電話取材に対し、街中には遺体が散乱しており、これまでに280人が集団墓地に埋葬されたと説明。「全員が後頭部を撃たれ殺されていた」とし、犠牲者には男性や女性、14歳の少年も含まれていたと語った。多くは武器を持っていないことを示す白い布を身に着けていたという。」

この話を見て、誰が民間人を殺したと考える? どう見てもウクライナ人によるウクライナ人の殺害だね。リンチよる殺害だね。ゼレンスキー一派が、市民を盾に立てこもっている。協力しないものは総て敵で殺害の対象だね。自分を守るために必要。非戦闘員を積極的に殺害することは正規の軍人では絶対にやらない。つまり、ゼレンスキー自身が既にテロリスト集団護衛されているだけの、孤立無援の存在になっている証だ。これをもってこれをプーチン氏がやらせたとは強弁できまい。要は自作自演だ。

建物の破壊の状況を見ても、分かる。小型の携帯用のロケット砲やドローン等のテロリスト用の武器で破壊されている。米軍が中東で実施した空爆による被害とは明らかに異なる。SNS通信用の自作自演の行為のようだ。これらのテロリスト用の小型の武器は米国からの輸入らしい。この戦略は、ロシアやウクライナ軍の昔からの常套作戦。いわゆる焦土作戦。例え、敵が占領してもそこは焦土と化している。つまり、彼等は既にウクライナから追放される身であることを良く理解している。

SNS通信を鵜呑みにして、ロシアのプーチン氏が悪玉でゼレンスキーが救国の英雄の図式は根本的に見直されねばならないだろう。ゼレンスキーが国を私物化して強権政治を続ける悪玉で、プーチン氏はウクライナ人民を解放する英雄となるかもしれない。ゼレンスキーはとんでもない人殺しのゴロツキだね。どう見ても正義の英雄は虚構の産物だ。

このことは、歴史を遡ってみれば更に明白になる。ウクライナは、オレンジ革命とかマイダン革命を経て、今の政権になっている。米国もオバマ政権時代に既にこの革命に深く関与しているらしい。マイダン革命はデモ隊の暴発による暴力的クーデターで、ウクライナ国民の支持を得て成立した政権ではない。つまり、多くのウクライナ人が認めている政権ではないことになる。

プーチン氏は、ウクライナ人の要請を受けて、やむを得ず軍を動かしたまでで、必ずしも侵攻は本意ではなかったはずだ。また、当然のことではあるがロシア軍の中には多数のウクライナ人達が参加しているはずだ。だから、プーチン氏のロシア国内の支持率は上がることはあっても下がる道理はない。ウクライナ人もロシア人もある意味同胞はプーチン氏の主張のとおりだろう。国境はあくまでも人為的に引かれてもの。ヒトと情報の行き来は頻繁にある。

ハッキリしているのは、ロシア軍がキエフ市から軍の徹底を決めたのは、その必要が無くなったと考えないと可笑しい。テロリスト達が殲滅されればウクライナ人の自治に任せれば良い。南部地域で未だに戦闘が続くのは、未だテロリストの残党達が都市に立てこもり交戦しているためだろう。少なくとも映像では戦闘は正規の軍隊の衝突には見えない。つまり、ウクライナ内紛は既にかなり解決に向かっている。今は地均しの期間だ。結果的に、ウクライナは親ロではないまでも反ロ勢力は抹消され、新しく選挙による内閣が形成される。

で、日本の立場は? 欧州諸国は? 米国はもしウクライナが解放されて新政権が成立したら、それを承認するか? 多分ロシアの傀儡と強弁し経済制裁を続けるだろう。経済制裁を続けて困るのはいわゆるG7とその家来国。中国もロシアもあまり困らない。 米国の戦略は明白だ。世界を2つに分断する。旧植民地宗主国の米、英、仏+敗戦国独、伊、日+カナダのいわゆるG7とその家来国、対その他の世界(中国、ロシア、インド、アフリカ、中央アジア、中東等)の区分だ。どちらの見方か白黒を明確にしろ。米国の覇権は崩壊に向かっている。だからウクライナ戦争は米国の最後のあがきかも。

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オリガルヒ

オリガルヒ(Олига́рх、oligarch)とは、ロシアやウクライナ等旧ソ連諸国の資本主義化(主に国有企業の民営化)の過程で形成された政治的影響力を有する新興財閥。名称は寡頭制を意味するギリシャ語 ὀλιγάρχης (oligárkhēs) にちなむ。

ロシアのオリガルヒは、ソ連時代の社会主義的政治・経済体制から、資本主義体制に移行する過程で形成された。ソ連時代には既に企業の集団化が推進されており、1973年にソ連共産党中央委員会及びソ連閣僚会議によって「工業管理の一層の改善に関する若干の措置」により「企業合同」と「部門合同」の設立・制度が決定された。

また、ゴルバチョフ時代に開始された協同組合(コオペラチーフ)及び賃貸借契約(アレンダ)が普及し、経済活動が拡大された。ロシアの新興財閥には、この二つに源流を求めることができる。 前者は、ソ連閣僚会議の各部門別工業省庁が、その管轄下に置いていた企業集団が、再編され成立したものである。特にエリツィン時代初期に急進的経済改革を志向したエゴール・ガイダル、アナトリー・チュバイスらと、彼らにアドバイスをしたジェフリー・サックスらアメリカ人顧問団によって推進されたいわゆる「ショック療法」に伴う民営化によって、多数の国営企業、国家コンツェルンが看板を書き換えたものである。

これらの企業は、企業長、支配人らの旧ノーメンクラトゥーラ層が国営企業とそれらが保有する膨大な国家資産をそのまま受け継ぎ、新興財閥・寡頭資本家に転身した。この典型といえるのが、旧ソ連ガス工業省が中心となって、形成された国家コンツェルン・ガスプロムから民営化により形成されたガスプロム・グループや、旧ソ連時代の三つの石油採掘企業から構成されたルクオイル・グループなどである。

これらの類型には、旧ソ連時代からの豊富な地下資源(石油、天然ガス)に関連した大規模企業や軍産複合体などが入る。統一エネルギーシステム、ソ連冶金工業省が名称を変更したノリリスク・ニッケルもこの類型である。

後者は、ゴルバチョフ時代に協同組合活動の緩和により、従来ソ連で行われていた部門別管理の枠を越えて、経済活動の拡大に成功した企業が新興財閥化していったものである。これらに入るものは、ウラジーミル・グシンスキーのモスト・グループやアレクサンドル・スモレンスキーのSBSアグロ・グループ、ミハイル・フリードマンのアルファ・グループなどがあげられる。

このグループは、銀行を中心とする金融資本が中核となっている形態が多い。1988年の協同組合法によって協同組合の形態をとる銀行設立が認められた。また市場経済導入の過程で銀行は、優遇措置を受けることができたので、このような優遇措置を求めて、銀行中心の企業集団が誕生することとなった。

1993年12月の大統領令によって、これらの新興財閥は、「金融産業グループ」(FPG、フィナンソヴォ・プロムイシュレンナヤ・グルッパ)と認定され、ソ連崩壊後のロシア経済を再建する主体として政府から肯定された。1995年11月には「FPG法」が成立し、新興財閥の投資に対する金融支援、保証、連邦構成体の協力、関税の免除などの優遇措置が盛り込まれた。

政治との癒着
こうして成立した新興財閥は、連邦レベルから地方レベルに至る政治家及び官僚機構との癒着によってその存在を拡大させていった。また、この過程で政治家や官僚に影響力を行使するためにテレビや新聞を中心とするメディア支配に走った。
しかし、エリツィン政権内の急進改革派によるショック療法は、一方で、年金生活者を中心とする低所得者層の生活不安を形成することとなった。
モスクワ騒乱事件における大統領と議会の対立、その後の連邦議会選挙における改革派の後退と極右のロシア自由民主党、次いで極左のロシア連邦共産党の台頭である。特に共産党の政権奪取を恐れた新興財閥は、再選を目論むエリツィン大統領と利害が一致し、1996年の大統領選挙において、エリツィンを支持し、再選に大きな貢献をした。

特に新興財閥は支配下の各メディアを使ってエリツィン支持の世論形成に大きな役割を果たす(情報操作の有効性が確認されたことにより、ウラジーミル・プーチン政権において政治権力によるメディア統制は、一層顕著となった)。

大統領選挙後、新興財閥は影響力を強め、ポターニンは第一副首相、ボリス・ベレゾフスキーは、安全保障会議副書記やCIS執行書記などの政府高官の位置を占めたほどである。

特にベレゾフスキーは、エリツィン選対責任者で、第一副首相、大統領府長官、蔵相となったアナトリー・チュバイスやエリツィンの次女で補佐官となったタチアナ・ディアチェンコと強い結びつきを持ち、「政商」や「政界の黒幕」の名をほしいままにした。彼らエリツィンを中心とした側近集団は、後にセミヤー(Семья:家族の意。俗にエリツィン・ファミリー "Семья" Ельцина)という一大派閥を形成するに至る。

こうした政治と新興財閥の癒着は、腐敗の温床を形成し、大多数の国民は、新興財閥に対して批判的な世論を形成していった。また、エネルギーや資源関連の産業は、構造上、産業分野における独占的傾向が強く、競争原理が働きにくい状況から経営の不健全性、不透明性が問題となっていった。

特に、新興財閥の税金の滞納は政府との間に深刻な亀裂を生じ、事実、エリツィンはガスプロム社長のレム・ヴャヒレフを呼び詰問する様子をテレビで放送させたほどであった。 1998年8月のロシア金融危機によって、多くの新興財閥が経営に打撃を受けた。破綻した企業グループには、SBSアグロ、インコム銀行、ロシースキー・クレジット銀行の各グループが挙げられる。 プーチン大統領就任にともない、政権と新興財閥の蜜月状態に変化が生じることとなった。プーチンは、テレビを始めとするマス・メディアを保有し政治的影響力を行使して政権と対立関係にある新興財閥に対しては抑制策を取った。オルガルヒは西洋かぶれのゴルバチョフ等がまき散らした疫病だ。退治すべし。共産党時代を懐かしむ多数の国民の支持を獲得できる。

2000年6月13日、ロシア検察当局は、ウラジーミル・グシンスキーを詐欺などの容疑で逮捕した。これを手始めとして、7月11日には、ガスプロムに対しては、財務関係資料提出を要求。ルクオイルに対しては、脱税容疑で捜査を開始。インターロスに対しては、ノリリスク・ニッケル株取得の際の違法性を指摘するなど、矢継ぎ早に捜査を展開していった。

グシンスキーやボリス・ベレゾフスキーらは、こうして壊滅的打撃を受けることとなった。しかし、一方で政権と新興財閥は、ボリス・ネムツォフの仲介で円卓会議を開き、席上、プーチンは、エリツィン時代のような財閥の政治介入は容認しないことを告げた。

こうして新興財閥の大部分は、本来の業務である実業に専心することとなった。ただし、2003年プーチン政権は、石油会社ユコスのミハイル・ホドルコフスキー社長に対し圧力を強めていった。これは、ホドルコフスキーが、政権批判を強め、野党に対して資金援助を増強していったことと、政権が望まないユコスを中心とする石油資本の合併を企図したためである。

プーチン大統領を始めとする政権内のシロヴィキは、政治的脅威となる新興財閥に対しては、これを容赦なく抑圧する方針を掲げる一方で、政権に忠誠を誓った財閥とは関係を深めており、新興財閥の政治的影響力は、シロヴィキと相互補完的な形で依然として残っていると言えよう。

2007年から始まった世界金融危機で、多くの新興財閥が没落の危機に瀕した。プーチン政権は、政府の資金でどの新興財閥を救済するかを選定。選定された財閥は生き残ることが出来る(但し、政府のコントロール下に置かれる)が、選定されなければ没落してゆくという過酷な状況下に新興財閥は置かれた。

しかし、2010年に入って石油や株式市況の改善、そして何より政府の富豪救済策もあって財閥たちは息を吹き返した。これは専門家の予想を裏切った形となった。ただし、財閥が政府に従順であることが重要なのには変わりはない。

2014年クリミア危機で新興財閥のアルカディ・ローテンベルクらプーチンに近しい親友や側近が経済制裁を受けた際にはローテンベルク法を通して補償を行い、またしても息を吹き返した。

キリル・シャマロフなどプーチンの親族が富豪化するなど政商が実権を取り戻しつつあるともされている。2018年4月に米国のドナルド・トランプ大統領は「混乱や憎しみの種を撒く勢力」としてプーチンに近しいロシアの新興財閥などに対する制裁を発表した。

ウクライナでもソ連崩壊以降ロシア同様いくつかのオリガルヒが誕生し、2019年現在においても、ウクライナの政治・軍事・経済に強い影響力を持っており、国内の混乱を招いている。 親露派のオリガルヒとしては元大統領のヴィクトル・ヤヌコーヴィチが有名であり、一大グループを形成していたものの、2014年の政変後に資産が没収されるなど、影響力を失ったとされる。 また、元首相で親欧米派のユーリヤ・ティモシェンコも新興財閥の一人であり、1995年から1997年まで、ウクライナ統一エネルギーシステムの社長を務め、1996年には、ロシアからの天然ガスの主要な輸入業者になり「ガスの女王」と呼ばれた他、海賊版ビデオ商品の密造・密輸など違法な方法による収益で多額の資金を得たとされる。

2014年現在で、ウクライナで最大の富豪はタタール人のリナト・アフメトフで東部ウクライナに最も大きな影響力を持ち、もともとはヴィクトル・ヤヌコーヴィチと関係が深かったが、2014年のウクライナ政変後は、その関係は不透明となっている。

第二番目の富豪はイスラエル国籍も持つユダヤ人のイーホル・コロモイスキーで、アメリカやイギリス、イスラエルといった西側諸国と接点が多く、親欧米派オリガルヒの筆頭格である。 2014年に親欧米派政権よりドニプロペトロウシク州の知事に任命され、氏の親衛隊的な独自の軍隊を持ち、親露的な分離独立派に対する強硬的な攻撃の中心的指導者とされる。 前大統領のペトロ・ポロシェンコも国内有数の大富豪で、チョコレートの商売で富をなしたため「チョコレート王」と言われ、元大統領で親欧米派のヴィクトル・ユシチェンコ、親露派の元大統領のヴィクトル・ヤヌコーヴィチの双方のもとで閣僚入りして、ついに大統領となった。
しかし2019年の大統領選でウォロディミル・ゼレンスキー(コロモイスキーとの関係が深いとされる)に敗れた。
その他、レオニード・クチマ元大統領の娘婿のヴィクトル・ピンチュクやパーヴェル・ラザレンコなどのオリガルヒがいる。
ウクライナは依然として、オリガルヒに資金が流れる仕組みができており、国内経済・政治の停滞の要因の一つとなっている。また、それぞれロシアやアメリカ合衆国、イスラエル、イギリスなどとつながりが深く、資金集めを焦点にして、個々の政治的立場に大きく影響している。
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以上は、ウィキペディアの説明。ある意味資本主義社会が勃興していく際には必然的に表れる人達のようでもある。日本の岩崎弥太郎や渋沢栄一だって、ロシアやウクライナに生まれていればオルガルヒに分類されるかもしれない。
ロシアのプーチン氏が国民に圧倒的な人気を得たのは、オルガルヒ退治ということだったらしい。ただでさえ経済崩壊の苦しい生活の中で、欧米資本と結託して自分達だけが金儲けする連中は許せない。ただ政府に協力的なオルガルヒ達はしたたかに生き残ってプーチン政権内で活躍しているかも知れない。ある程度、反欧米的な姿勢(ソビエト連邦に遺産)はロシア国民に自尊心をかき立てる意味で必要なことでもある。

ウクライナの内戦もどうも、オリガルヒ同士の戦いで、国民は単なる犠牲者のようだ。ロシアの軍事侵攻はどうもウクライナ軍の隠れ蓑。戦争の犠牲者はゼレンスキーの自作自演。ウクライナが未だ独立国家としての体をなしていないからだろう。国体は変わっても軍や行政機構はソ連邦のままで残っている。ウクライナ軍がロシアの介入を要請したと考えても何ら不思議はない。

一方、今米国でこの言葉は、ロシアと関係している財界人全部を網羅するらしい。ロシアで使われている意味とどうも異なるようだ。

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航空作戦の常識と乖離

航空作戦の常識と乖離、ロシア空軍の活動が異常に低調なのはなぜか? 持ちこたえるウクライナの空域、「奇跡」を支える5つの要因とは 2022.3.6(日)(数多 久遠:小説家・軍事評論家、元幹部自衛官)

ロシアがウクライナに侵攻を開始して10日以上が経過しました。開戦前、私を含む軍事専門家の誰もが、ウクライナ上空の航空優勢はロシアのものになると予測していました。ウクライナの航空活動はもって数日、早ければ数時間で終了するだろうと予想されていたのです。ところが、ウクライナ空軍は、現在でも活動を継続しています。

 もちろん、状況は苦しいようです。ウクライナ政府はNATOに飛行禁止空域の設定を求め、MANPADS(携帯式防空ミサイルシステム)より強力な対空兵器の供与も求めています。真偽の怪しい「キエフの幽霊」(防空戦で多数のロシア軍機を撃墜したとされるウクライナ空軍のパイロット)の噂を否定しないのも、戦意高揚のためでしょう。

 それでも現在までのところ、ウクライナ航空戦は、ウクライナ側にとって奇跡と呼んでいい状況が続いています。そこで以下では、これまでのウクライナ航空戦を概括し、ウクライナ軍善戦の理由を考察することで、今後の展望を提示したいと思います。

ロシア空軍の活動は低調
 3月6日現在、ウクライナ側の発表によるロシア軍の航空、防空戦力の損失は次の通りです。     ・航空機:44機
    ・ヘリ:48機
    ・UAV(無人航空機):4機
    ・防空システム:21台
 ロシア軍は、ウクライナ周辺に500機の戦闘機/戦闘爆撃機、50機の戦略爆撃機を集めていました。損耗率としては、地上で侵攻しているロシア軍と同程度の損害を受けていると考えて良さそうですが、航空戦力は高価です。かなりのダメージを受けていると言ってよいでしょう。
 しかし、ロシア軍の思考に立てば、航空優勢の確保は、地上での戦局を有利にするために必須のはずです。損害が出ても、ウクライナ空軍を排除するOCA(Offensive counter air:攻勢対航空)、中でも防空網を破壊するSEAD/DEAD(Suppression/Destruction of Enemy Air Defence)は、最優先で完遂すべき作戦だったはずです。それができていれば、UAVの「バイラクタルTB2」によって多数の車両を破壊されることはなかったに違いありません。
実際、上記戦果の内、航空機6機、ヘリ3機は、最新データが更新された24時間以内の数字です。無理を押して攻撃をしかけた結果です。
 しかしロシア軍の航空活動は、成功していないだけでなく、実施しようとする動きも見られません。これは、湾岸戦争以降の航空作戦の常識からかけ離れています。戦闘の開始から、つぶさに状況を見守っていた私は、開戦当日の時点で、このことを奇妙だと感じ、以下のようにツイートしていました。
 海外の専門家も同様に感じたようで「ミステリアスだ」と報じる記事もありました。それくらい、異常なことなのです。ウクライナ空軍の抵抗が頑強だというだけでなく、まるでロシア空軍に積極的な攻撃の意思がないようにさえ見えました。

活動が低調な理由、5つの可能性
 なぜロシア軍の航空活動は低調なのか。その原因として、いくつかの可能性が指摘されています。ここでは以下の5つの可能性を取り上げます。どれも、短期間に改善できる見込みは低く、ロシア軍が活動を活発化させればさらに被害が拡大し、撃墜される可能性が高まるでしょう。
(1)精密誘導兵器の不足
 ロシア軍に「PGM」(precision guided munition、精密誘導兵器)が不足しているのはほぼ間違いありません。特に、防空システムを破壊するための「ARM」(anti-radiation missile:対レーダーミサイル)は、撃ち尽くしてでも投入し、ウクライナの防空網を破壊するために使用するべき弾種ですが、2月24日に首都キーウで「S-300」防空ミサイルに迎撃されてからは、確実な投入実績の確認はされていません。ウクライナ側は「SAM」(地対空ミサイル)用のレーダーだけでなく、警戒管制レーダーさえ運用しているようです。
 そうした状況から、ロシア空軍はウクライナ国内に侵攻しても、中高高度を攻撃できるSAMによる迎撃を恐れ、低高度を飛行せざるをえなくなっています。結果的に、欧米諸国が多数供給した安価なMANPADSに撃墜されることさえ多発しています。

(2)ロシア軍防空システムから誤射を受ける可能性
 ロシア軍防空システムからの誤射の可能性ははっきりしませんが、捕虜となったロシア兵から得られた情報では、ロシア軍の通信が極めて貧弱で、部隊が混乱に陥っている様子です。防空システムからの誤射は、十分にありえる状態なのでしょう。
 ウクライナ側の事案ですが、キーウ上空でウクライナ軍のSu-27戦闘機がウクライナ側の防空システムによって撃墜されています。ロシア側で同様の事象が発生する可能性は高いと言えます。

(3)ロシア軍の練度不足
 練度不足自体は、ロシア軍の飛行訓練の少なさが確認されているため間違いありません。ですが、それがどれだけ航空作戦が低調な理由に結びついているかどうかは不明です。
 とはいえ、基本的な空戦機動などはできるとしても、組織的な防空が行われている空域に対して、多数機を協同させて侵攻する「ストライクパッケージ」の編成、運用ができないという可能性は高く、損害を受けるだけでなく、ロシア空軍の実力が露見することを恐れているとする分析も出ています。

(4)戦闘捜索救難が困難
 航空作戦は、基本的にウクライナ領内、それもウクライナ側支配地域内で発生しています。そのため、撃墜されたロシア軍パイロットが脱出に成功した場合でも、「CSAR」(Combat Search and Rescue:戦闘捜索救難)を行おうとすれば、ウクライナ側の迎撃、もっと言えば、MANPADSによる待ち伏せを受けることになります。
 実際、パイロットを救出するために強行侵入したヘリが、撃墜されています。救出される可能性が低いとなれば、パイロットが尻込みをしても不思議ではありません。

(5)アメリカによる情報提供
 アメリカは、今回の戦闘が始まる前から、ほぼリアルタイムの情報をウクライナ側に提供していることを明らかにしています。ポーランド上空を飛行するAWACS(早期警戒管制機)が得た情報を、ウクライナの防空に活かしているようです。
 開戦初日の2月24日に、キーウ北西にあるホストメリ/アントノフ空港をヘリ部隊が急襲し、占拠しました。そこに、キーウとゼレンスキー大統領を襲撃するため、18機もの大型輸送機IL-76がロシア北方のプスコフから離陸し向かっていました。ウクライナ空軍は、これを迎撃し2機のIL-76を撃墜したため、首都キーウ急襲作戦は、ヘリで急襲した部隊だけで行う結果となり、最終的に全滅しています。これは、AWACSからの情報による迎撃だったと思われます。ただし、AWACSをはじめとした米軍機は、開戦後はウクライナ上空に入っておらず、ドニエプル川以東の監視能力は限定的です。

NATOに求める「飛行禁止空域」設定、武器供与
 ウクライナ側の損害は発表されていませんが、ロシア側の損害をはるかに上回っていることは確実です。ウクライナ側は飛行場の写真を何件か公開していますが、ロシアが強行奪取しようとしたホストメリを除けば、被害の少ない基地を広報の意図で公開したものばかりです。  そのため、ウクライナ側の本当の被害程度はよく分かりませんが、EU諸国から航空機の機体供与を求めていることに加え、3月5日にウクライナ・NATO間の協議で焦点になった飛行禁止空域設定をウクライナ上空に求めていることから考えても、かなり苦しい状況が伺えます。さすがに余力はあまりないのでしょう。航空機自体はかなりの機数が残っているとの情報もありますが、損傷の修復ができず、ミサイル・弾薬や燃料が枯渇しかけているようです。

 この飛行禁止空域は、3月3日あたりからウクライナのクレーバ外相の発言に見られており、NATOがウクライナ上空に飛行禁止空域を設けるというものです。「禁止」と言葉で言うことは簡単ですが、NATOが禁止を唱え、ロシアがそれに違反すれば、NATOがそれを防ぐという措置になります。つまり、これは実質的にNATOの参戦となるもので、現状ではNATOが認めるはずのないものです。

 3月5日にNATOが明確に拒絶したため、今後、ウクライナ側の要望は航空機や防空システムの供与を求める方向にシフトするでしょう。4日の時点で、この話題は現在協議のテーブル上にあり、クレーバ外相がMANPADSではなくもっと強力な防空システムを要求していることが明らかになっています。ただし、アメリカ世論では飛行禁止空域設定に対する賛成が多く、今後事態を急変させる決定が行われる可能性は否定できません。

必要とされる高度な防空システム
 しかし強力な防空システムの供与を受けても、ウクライナ側が使用できなくては意味がありません。そのため、ウクライナが使用した経験のあるロシア系の防空システムを、東欧のNATO諸国から供与を受ける形となるでしょう。

 MANPADSよりも強力な防空システムと言っても多種多様です。ウクライナ側は、「パンツィーリ」などの近距離用防空システムを多数鹵獲(ろかく)していますが、ウクライナ側の兵器として使用を試みている形跡は多くありません。「ブーク」などの中距離に対応できる防空システムは軍の基地に運び込み、使用準備をしているようです。その原因は、恐らくSAM運用経験のある兵が不足していることにあると思われます。

 ウクライナ側の防空システムは最大限稼働させているはずですし、被害を受けた部隊では、兵が死傷してしまっています。兵器が高度化しているため、民間人を動員した郷土防空隊などではMANPADS以外の高度な対空兵器は運用できません。この点を考えれば、筆者は、S-300のようななるべく高度な防空システムの供与を受けるべきだと考えています。

もちろん、高度な防空システムは東欧諸国にとっても虎の子であり、供与を渋る可能性が高いですが、高度な防空システムほど、一度戦闘準備を整えてしまえば、コンソールについて操作する人員の他は装備に給油だけすれば運用を継続できます。特にS-300は弾道ミサイルやARMさえ迎撃できるため、ほぼ固定のままでも運用継続が可能です。

 または、ブークのような、車両1両でも戦闘ができる自己完結性の高いシステムでも良いかもしれません。予備弾の搭載車両などは郷土防衛隊でも支援することができます。 ウクライナ航空戦の今後の展開は?
 ウクライナ航空戦は今後どうなるのでしょうか。現時点ではまだウクライナ中央部でも、ウクライナの航空機が活動できているようです。また、SAMが防空火網を敷いているため、バイラクタルTB2の運用も可能になっています。

 しかし、各地の飛行場で燃料タンクや弾薬庫の破壊されており、継戦能力は徐々に低下しています。航空機も機体故障が多いのか、稼働機数は低下しているようです。ウクライナ中央部ではSAMに防空を頼ることになり、エアカバーの届かない場所では、ロシア軍航空攻撃の被害が増えるでしょう。EU諸国からどれだけの防空火器が供与されるかにかかっています。

最新情報では、ウクライナが運用可能なロシア製戦闘機を東欧諸国が供与し、その補填として、アメリカが東欧諸国にF-16などの米国製戦闘機を供与する、言わば玉突き供与案も出ています。これが実現すれば、航空優勢はさらにウクライナ側に有利となる可能性があります。

 ウクライナ西部では、少々状況が違います。かなり機微な情報だったので、その後の情報が途絶え、真偽がいまだに怪しい状態ですが、ポーランドが機体をウクライナに供与するだけでなく基地をウクライナに提供するという情報が流れています。ポーランド領内基地での供与されたウクライナ機が活動しているとしたら、ポーランドからの義勇兵が、供与機を運用している可能性もあります。またこれが実現していなかったとしても、ロシア側は警戒を強いられているはずです。

結果的に、ポーランドに近いウクライナ西部は、今後もロシア側の航空活動は少なく、航空優勢はウクライナにある状態が続くでしょう。

 なお、このポーランド側が実態的にウクライナ西部にエアカバーを敷き、ロシアの航空活動からリヴィウなどの都市を守っているという事実が、ウクライナ側が飛行禁止空域設置をNATOに要望している背景にあると思われます。「ウクライナ西部だけでなく全土の空域を守ってくれ」ということなのでしょう。

 しかし残念ながら、アメリカ世論に賛同が多くともNATOにそれはできないでしょう。ロシアが核の使用に踏み切れば、対抗策として出てくるかもしれませんが、そのような事態は想像することさえ辛いものです。
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さすがに元自衛官だけあって、詳細な分析ですね。こういう情報はNHKや大手新聞もしっかりとフォローして頂きたいですね。

ただ、ロシアの立場、ウクライナの国軍の立場も良く考えて下さいね。軍と言うのは非常に保守的な組織ですね。彼等がポット出のコメディアン・ゼレンスキーを本気で守ろうと考えている方が可笑しくないだろうか。人脈はロシアやその同盟国だ。ロシア軍人もウクライナ軍人も同じ釜の飯を食った同朋。互いに情報は通々だね。飛行禁止空域設定なんかやったらNOTOからの支援物資など一切入れなくなる。ウクライナ国の防空システムは新生ウクライナにとっては貴重なインフラ、ロシア軍がこれを破壊しようなんて考える方がどうかしている。ウクライナが航空優勢になることはロシアにとっても悪いことではなさそうだ。

陸地戦ではロシアがあれほど簡単に進出できたのは、ウクライナ軍の協力があったからでは。ゼレンスキーが亡命すれば、いずれすべてはウクライナ軍に返還される。つまり、ウクライナ戦争は初めから茶番劇だったようだ。
現実に、米国ではゼレンスキーを早く亡命させ、亡命政権を樹立させようとの動きもあるらしい(NHK)。でも、ゼレンスキーは海外に出てしまえば二度とウクライナの地を踏めないことは分かっているはずだから何と言うかね? 飛行禁止空域設定も米国は熱心だけど、欧州諸国は否定的。米国もウクライナからの完全撤退が必要と認識し始めたか。

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民主主義の幻想

米国は民主主義国家で、中国やロシアは強権主義の独裁国家。中国は毛沢東主義から鄧小平さんの自由化路線、そして習近平氏の格差是正主義、それなりの民主的進化を遂げている。
一方のロシアも、ゴルバチョフ→エリツィン→プーチンと試行錯誤を繰り返しながら進化を遂げてきている。だから、国民の支持率が高く、政権は非常に安定している。一方の米国は戦後大きな政府を目指して多数決一辺倒でやって来た。その結果、ポピュリズムに陥り衆愚政治化しているようだ。米国が民主主義国家と言うのは今や幻想だ。

米国は、多数決で勝てさえすれば正義とばかりに、強権的な政策を繰り返し、今では完全に分断国家となってしまった。まさに衆愚政治の典型例と化している。大統領の支持率は50%を切っている。勿論これにはマスメディアの世論操作の影響が大きいだろうが。 つまりどちらがより国民の幸福に寄与しているかだ。米国が、世界でも指折りの民主的国家と主張できる根拠は何だろう。

世界一の民主主義国家は、間違いなくインドであろう。でも、インドは名高いカースト制度今でも残っているではないか? いや、憲法でも法律でもカースト制度と言う差別は一切存在しない。英国型の立憲主義は簡単には物事を変えられない。三権分立もそうだね。立憲主義は死者の民主主義とも言われる。先人が努力して勝ち取った権利は簡単には覆せない。
イスラム社会は男女不平等と言われる。儒教道徳もそうだろう。では、西欧社会が男女平等なのか? 男女には役割分担が歴史的にある。例えば日本の専業主婦は家内奴隷なのか? 男子厨房に入らずは男尊女卑の現れか?

  こう考えると、西洋型(欧米型)の民主主義が唯一絶対とは言えないのではないか。中国人やロシア人の方が欧米人よりも遥かに民主的な側面もあるように思う。
因みに国民のリーダへの支持率は、中国やロシアでは7割以上だが、欧米では過半数を維持することも大変な技だろう。

経済の話
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総務省

総務省(Ministry of Internal Affairs and Communications、略称: MIC) 日本の行政機関のひとつ。行政組織、地方自治、公務員制度、選挙、政治資金、情報通信、郵便、統計、消防など国家の基本的諸制度を所管する。
元々は、総務庁だったはず。やっている仕事は会社で言えばまさに総務部と言ったものか。何故に庁から省に格上げしてして大きくしたのか? 行政改革の理念に反するのでは?

総務省設置法第3条に規定する任務を達成するため、行政組織、地方自治、公務員制度、選挙、政治資金、情報通信、郵便、統計、消防など、国家の基本的な仕組みに関わる諸制度、国民の政治活動・経済活動・社会活動を支える基本的なシステムを所管する。2001年(平成13年)の中央省庁再編によって、郵政省、自治省、総務庁が統合されて設置された。ちなみに「総務省」という名称は、戦後、GHQによって解体・廃止の危機に瀕した内務省が、組織解体を阻止するために考案した新名称案の一つとされる。国家行政組織法別表第1では、総務省が各省の筆頭に掲げられており、閣僚名簿においても原則として総務大臣は内閣総理大臣の次に列せられる。総務省は全国の地方公共団体に対して強い影響力を保持しており、2020年(令和2年)10月1日現在、都道府県庁には部長級以上を44名(うち副知事が9名)、次長等を7名、課長等を59名出向させているほか、市町村には部長級以上を77名(うち副市長が27名)、次長等を6名、課長等を18名出向させている。また、全国の都道府県知事のうち14名が総務省出身である。
**総務省設置法:総務省の設置について定めた法律。所管官庁は、総務省である。法令番号は平成11年法律第91号、1999年(平成11年)7月16日に公布された。設置の理由はどこに書かれている?

英語表記は、当初「Ministry of Public Management, Home Affairs, Posts and Telecommunications」(公共管理・内務・郵便・遠隔通信省)であったが、2004年(平成16年)9月10日から、現行の「Ministry of Internal Affairs and Communications」(内務・通信省)に変更された。理由は「長すぎて分かりにくい」との意見があったことや、一つの組織としての一体性を醸成していく必要があったためである。

**ようやく総務省設立の意図が見えて来た、GHQによって解体・廃止された旧内務省の復活と言うことだ。官邸主導の行政を目論んでいた安倍内閣、霞が関で最も権限のある財務省(旧大蔵省)の権限縮小を試みていた。経済産業省を利用しようとしたが、菅内閣になって総務省の権限が一躍アピールされるように。自民党としても初めから内務省の復活を企んでいたのかもね。

2005年(平成17年)4月1日から、省の理念のアピール及び職員の一体感を醸成していくことを目的として、シンボルマークを制定するとともに、「実はここにも総務省」というキャッチフレーズを策定した。シンボルマークはヴィヴィッドオレンジで描かれており、四角形が日本の国土を表現しており、そこから飛び出していく球体は、総務省の姿を表現している。2014年(平成26年)1月21日、キャッチフレーズは「くらしの中に総務省」に更新された。また、広報誌として「総務省」を月刊で発行している。

2022年(令和4年)現在、総務省の総合職事務系職員(キャリアの事務官)の採用は一本化されておらず、「行政管理・評価」(旧総務庁)、「地方自治」(旧自治省)、「情報通信(ICT)」(旧郵政省)の3つの区分に分かれている。また、総務事務次官には旧自治省出身者が最も多く就いている。

総務省の設立に関与した元内閣官房副長官の石原信雄は、総務省は組織規模では巨大官庁なので「戦前の内務省を彷彿とさせる」といった見方も出ていたことに対して、「戦前の内務省は、ずば抜けた権限を持つマンモス官庁だったが、(中略)なかでも警察力を握っていることがスーパー官庁としての決定的な要素だった」とし、総務省は旧内務省のようなパワー官庁ではないと語っている。政治学者の飯尾潤は、総務省を「自治省が単独での生き残りが難しいと判断して、総務庁という弱小省庁を吸収してできた省庁」だとしている。

**石原信雄氏の発言はどうも言い訳じみている。内務省の復活は、霞が関の間のバランスではなく、政府の権限自体の大幅拡大を意図しているようだ。戦時の挙国一致を目指す政権のように。そもそも単独での生き残りが難しい組織ならさっさと発展的解消するのが政治家の役割だ。

経済の話
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G7

英語: Group of Sevenの略。フランス、アメリカ合衆国、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダで構成される政府間の政治フォーラム。メンバーは第二次大戦の植民地旧宗主国で戦勝国の米、英、仏に敗戦国のドイツ、日本、イタリアと米英の仲間のカナダを加えた7カ国。
最も裕福な自由民主主義国で、世界をリードできると立場であると自認しており、グローバル経済と言う共通の価値観に基づいて組織されているとしている。メンバーはいずれもグローバル経済で利益を得ていると考えている自称先進国であり、経済、軍事、外交面で緊密な関係を保つことになっている。

G7は、1973年に財務大臣が臨時に集まったことに端を発し、それ以来、貿易、安全保障、経済、気候変動などの主要なグローバルな問題を議論し、その解決策を調整するための場となっている。ロシアは1997年から2014年まで正式メンバーであった。

ただし、近年はBRICs諸国の台頭で、貿易、安全保障、経済、気候変動などの主要なグローバルな問題を議論するには明らかに役不足。G20にその役割を譲っている。

1998年サミットから2014年のロシアによるクリミアの併合まではロシアもサミットに参加していたため、G8(ジーエイト)と呼ばれていた。中国は参加しておらず、ロシアを除いて、ウクライナ親米政権を支援するG7は、米国を中心とする対ロシア中国枢軸国同盟の様相をおびて来ており、加盟国の各々の立場をより鮮明にすることが米国により求められている。自由主義経済を全否定する経済制裁、ブロック経済は、寧ろロシアや中国を利し、明らかにG7諸国の経済を崩壊させ、覇権を失う道になる可能性が高そうだけど。G20に留まりG7からの早期の離脱が必要なようだ。G7は明かに過去の遺物だね。
・原油・ガスなどの天然資源は総てG7以外の国に集まっている。
・G7諸国は原油・ガスなどを通貨ドルでは買えなくなる。
・米ドルは世界の基軸通貨で亡くなる。
・今後消費が伸び高度成長が期待される国は総てG7諸国以外の国。
・経済制裁・ブロック経済を続けることで世界の市場を失ってしまう。

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金本位制の復活

金本位制の復活
残念だが今後の企業防衛または個人生活防衛のためには「金」を買うしかない。やがてアメリカは間違いなく金本位制復帰を宣言し、兌換券である新ドルの発行にふみ切る。旧ドルはデノミを行う。デノミであるから自国民(米国民)には被害はない。しかしこのデノミが仮に1/3(3ドルと新1ドルの交換)であれば世界中の国、企業が持つアメリカへの債権、米国債やドルは7割近くカットされてしまう。この場合最大の被害者は日本政府と日本企業(特に銀行・生保・証券)であろう。日本はアメリカに対し最大の債権国であるからだ。

**実はこういう政策は可能なのかどうかは疑問なのですけど。ドルの購買力が落ちるということは間違いなさそうだ。

 アメリカが自国の経済を守るためには、理論的には金本位制復帰とデノミしか選択の余地がない。現在のアメリカの繁栄は世界最大の借金の上に成り立つ完全なバブルの上の繁栄である。アメリカ経済は経常収支と家計の赤字という膨大な新たな「双子の赤字」の上に成り立っている。ではこのバブルはいつ弾けて、アメリカの株とドル(国債)が暴落するのか。世界中の投資家は絶えず高値に対する期待と併せて暴落に対する不安をもって見守っている。それはアメリカ経済が破綻し、ドルは基軸通貨としての地位を失うことであり、世界恐慌の始まりとなる。

 こうした暴落の危機に対しアメリカ政府は当然対策を準備しているはずだ。その対策は1つしかない。債務超過で破綻した国を救う方法は債権放棄しかない。しかし債権国や企業が自発的に債権を放棄するわけがない。とすれば事実上強引に放棄させるしかない。アメリカの株とドルの暴落が始まれば、大統領は直ちに非常事態宣言を下し、一時、国債・ドルなどの支払を停止する。世界の経済混乱を防ぐためと称して直ちに金本位制復帰を宣言して新ドルを発行し、ドルの権威を保ち、紙切れとなった旧ドルのデノミを行う。これしか方法がない。日本政府の姿勢を考えればアメリカの勝手を防ぐ方法はない。残念だが各企業・個人は防衛のためドルや円ではなく金保有割合を高めておくしかない。いま金の価格は史上最低である。これこそ無気味である。 {岩井 義照  祝経営研究所所長 近著『どんとこい銀行』(サンマーク出版)}
**多くの日本の経済専門家が口にマスクして言わないこと。でも確かに今の米国にはこの選択肢しかないかもしれない。ウクライナ問題を口実にして世界中の国に経済制裁の協力を求める。しかし、これで困るのはG7諸国の方だ。資源国や非米国(経済制裁に協力を渋る国)はドルを使わずに金やルーブルや人民元や自国通貨で貿易が自由に継続できる。エネルギー資源は8割以上が非米側。鉄鋼は7割が中国、労働力も非米側。農業すら非米国側。つまり、世界の貿易は事実上金本位制に戻りつつある。事実上ドルの暴落は始まっている。株が暴落すれば非常事態宣言が出されデノミが起こる可能性は極めて大きそうだ。

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終わらないウクライナ内戦

基本的にこの戦争はウクライナ人同士の内戦だ。オレンジ革命、マイダン革命を経て生まれた政権は暴力革命で造られた傀儡政権だから。ウクライナの東半分が元々親ロシア派の人達の集まりだから、そこに軍事攻撃を加えたゼレンスキー側に紛争の原因がある。実際に攻撃を加えたのはアゾフ連隊という海外傭兵や義勇兵の集団らしいが。
つまり、ロシアはウクライナの人達の要請を受けて仕方なしに軍を派遣していることに。
SNS画像を見る限り、大規模な実質的な戦闘はほとんど行われていない。ほとんどが壊された建物の残骸ばかり。
東部のアゾフ連隊は住民(多分親露か中立)を人質の盾として、建物内に立てこもりゲリラ的交戦しているだけだ。だからロシア兵(ウクライナ兵)は手が出しにくい。従って兵糧攻めにしてじっくりと攻めるしかない。余裕があって慌てた様子もない。 たまに、引き上げた振りをしてゲリラ兵達を誘い出す為、あえて負けた振りをして、苦戦しているとの情報を意図的に振りまいているようだ。ゼレンスキーよ、まだ負けてない頑張れ!! クリミア沿岸の住民たちは兵糧攻めのおかげで、食料も無く、電気ガスも止められた耐乏生活を余儀なくされている。早期の解放が必要なのにまだ負けてない頑張れ!!のSNS報道は極めて犯罪的。ロシア苦戦している?とんでもない虚偽報道だね。メディアの説明なんか見ないでしっかり画像の方を見ていれば分かる。
ゼレンスキー政権の唯一の望みはNATO諸国が実際に軍隊を派遣してくれること。アゾフ連隊を使ってわざわざロシアを誘い込んだ理由は、NATO諸国が直ちに動いてくれるとの読みがあったはずだ。つまり、梯子を外された。
では、米国は? 経済制裁一点張り。で、その効果は? どうも百害あって一利無し。普通経済制裁は、物を売らないというもの。ところが対ロシアでは物を買わない。ロシアは資源国だから物が売れないと困る? 実際には欲しい国はいくらでもありドルを使わなければ何の問題もない。
ゼレンスキー政権の「経済制裁は無意味、武器を送れ!兵を送れ!」の要請に答、バイデンさん軍事予算の大規模増額。本気で兵を送る。でも核戦争になったらまずいね。米国内は反戦気分、ベトナム、イラク、アフガンどれも正義無き戦争ばかりでもう戦争は嫌だ。
だからNATO加盟国に膨大な武器を送って、軍事顧問団を派遣。NATO加盟国、誰が猫の首に鈴をつけるネズミの役やるの。とりあえず、標的にされているのはポーランドらしい。ドイツも危ない。G7中ではドイツも日本も敗戦国。何時までも言うことを聞かされる立場らしい。バルト三国、特にエストニアは苦しい立場に、自国は軍事費をかけてないがNATO各国の空軍基地があるとか。当然標的になっている。沖縄と同じか。要は、NATO諸国が核抜きの条件で仕掛けて来ればロシアの思うツボになってしまう。つまり、ロシアは意図的に長引かせている。兵糧攻めに急ぎは禁物だ。

とりあえず、ロシアはゼレンスキー政権が無条件降伏する以外に兵糧攻めは止めない。ウクライナ支援となれば支持率も向上しているようだ。支持率低迷のバイデン氏もここで負ければ、一巻の終わりと認識しているようだ。
「プーチンやトランプが正しく、バイデン氏は大嘘付きだった。」こんな結果だけは残したくないでしょうから。だから、ウクライナ内戦はまだまだ終わらないでしょうね。

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ハイパーインフレーションは何故起こる

ハイパーインフレは、物価が過度に上昇し通貨の価値が暴落する現象。 物価の過度な上昇は、深刻な物不足によって生じます。 戦争や大災害は、それを引き起こす要因となるでしょう。 また通貨価値暴落の原因としては、内紛などによる政府の信用失墜や通貨の発行過多が考えられます。(2021/12/17)

実際これが起こっている、或いは過去に生じた例は数えきれ名ほどある。
第一次大戦前のドイツ、政変のあったジンバブエ、ベネズエラ、以前のトルコ、戦後の日本もそうかも。

・ドイツ
第1次世界大戦に敗戦したドイツは、戦勝国に賠償金を支払うよう求められました。しかし、膨大な軍事費用を投じた当時のドイツに賠償金を支払う体力はなく、債務不履行を理由に主要な工業地帯を占拠されてしまいました。 ドイツは工業地帯の生産を中止せざるを得ず、労働者や企業が生き残るために必要な貨幣を大量に発行したため、通貨の価値が大暴落し、一時1ドル1兆マルクとなるハイパーインフレを引き起こす。
その後、アメリカの支援や新通貨「レンテンマルク」の発行を経てハイパーインフレを脱しました。何故新通貨を発行するとハイパーインフレが脱却できるの? デノミネーションでは、貨幣の単位が変わるだけでは?

・ジンバブエ
アフリカ大陸南部に位置するジンバブエでは、2008年11月に前月比796億%という、とんでもないインフレ率を記録しました。これは、ジンバブエ政府の粗雑な政策が原因といわれています。粗雑な政策とはどんな政策でしょう?

ジンバブエ政府は、2000年代前半に労働者の賃上げ要求や選挙費用の捻出のため通貨を過剰に供給し、通貨価値は暴落。その後白人から農地を強奪することを合法化したり、外資系企業が保有するジンバブエ企業の株式を強制的に譲渡させたりしたため、農業の生産性は低下、外資系企業はジンバブエから撤退してしまいました。 そこから食糧不足、物資不足により物価が大きく上昇するハイパーインフレに突入したのです。
さらにジンバブエ政府は、インフレ対策としてサービスや商品の価格を強制的に半額にする価格統制を敢行しました。その結果、物を作っても利益にならないため企業は倒産するか製造を停止してしまい、ますますインフレに拍車がかかったのです。

**通貨の量を2倍にすれば、価格も2倍になる? でも、無尽蔵にインフレが拡大して止まらなくなる原因は? 何か正のフィードバック機構(発散型)が働いているのだろう。

・ベネズエラ
2013年頃から始まったベネズエラのインフレは深刻度を増し、現在もハイパーインフレが続いています。2019年1月に記録したインフレ率は、年率268万%と発表されました。
南アメリカ大陸の北部に位置するベネズエラは、原油産出国として知られています。ベネズエラ経済は石油の輸出に頼る状況だったため、国際的な石油価格の下落によって大打撃を受けました。
政府の金融政策と原油価格の上昇で一時的に経済が安定しましたが、2014年のシェール革命による原油価格の下落が引き金となり、本格的なハイパーインフレに突入したといわれています。原油価格が回復していった2016年以降も経済成長率はマイナスの一途をたどっています。
ベネズエラのハイパーインフレは、金融政策の失敗のほかに、アメリカによる経済制裁も関係していたといえるでしょう。

・戦後の日本
日本が太平洋戦争のために投じた戦費は当時のGDPのおよそ9倍といわれていて、生産活動や通常の税収で賄えるレベルではありませんでした。
その軍事費用は大量の国債で賄ったため、通貨の価値は下落。さらに戦争で空襲を受けたことにより様々な設備が破壊され、生産能力を失い、深刻な物不足に陥りました。これが戦後日本のハイパーインフレのスタートといわれています。

ハイパーインフレが始まると、物価の上昇は簡単には収まりません。先に挙げたジンバブエやベネズエラでは、レジに並んでいる間に物の価格が2倍になるという話まであります。お金を持っていても、物やサービスが買えない状態です。 経済は大きな混乱に見舞われ、失職する人や家を失う人など生活に困る状態も想像できるでしょう。確かにジンバブエやベネズエラでは、多くの人たちがそのような状態になり、安定した職や生活を求めて国外に移住しています。

今の日本でもハイパーインフレは起こりうるのか
現在の日本は戦後の日本と似たような状況にあると指摘される。政府の債務残高がGDP比で238%(2020年)と、ハイパーインフレとなった戦後のレベルに達しているというだけではない。若年層の人手不足が企業活動を圧迫していることや日銀が景気優先の金融政策を取っていることなどに類似点が見つかると識者は指摘します。つまりQE(量的緩和政策)のこと。アベノミックスとも。

しかし、日本でハイパーインフレが起きるとすれば、戦争などによって深刻な物不足が起き、政府に対する信用が完全に失墜するようなできごとがあって、日本円に対する信用も同時に失われてしまったときです。現状、日本でハイパーインフレが起きる可能性は、非常に低いといえます。普段の生活に支障をきたすようなインフレは起こりづらいといえるでしょう。

→なんだか急に言い訳じみて来たぞ。上の各国のハイパーインフレも別に戦争があったことが原因でもなさそうだ。どうも上記の国は金融政策の失敗というより、アメリカによる経済制裁の影響が最も大きいようだ。そもそもハイパーインフレなんでどこの経済学者も起こる前には予測できなかったはずだ。

まず、基本的な経済学の初歩から考えて見よう。まず、デフレ脱却から。物が売れない。そう工業製品だね。農産物などはお金を沢山供給すれば当然値上がりして物価は上がるはず。統計上は物が売れたことになる。つまりデフレ脱却は可能。しかし、工業製品はそうはいかない。世界では既に鉄鋼は過剰気味、原油価格も安い。多くの企業は労働力の安い海外で生産できる。つまり、価格は下げても売れない。つまり、景気対策のQE政策は逆効果にしかなっていない。
円安は国益?円安が進めば輸出企業は儲かる? 円安が進む中多くの企業が増益に。確かに1ドル=120円で売ったものが、円に戻せば130円になれば増益だ。しかし次に売る時は1ドルでは売れなくなる。つまり円安の利益は極めて短期的で近視眼的な見方だね。
円安はドルの下落を誤魔化す意味もある。ドルは中国ロシアへの経済性制裁で基軸通貨としての価値を失いつつある。原油や食料、工業原料がドルでは買えなくなる。G7各国の同時ハイパーインフレの可能性もある。過去のハイパーインフレもアメリカによる経済制裁の影響が最も大きい可能性もある。

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英国の陰謀

ウクライナ内戦でロシア側が苦戦している? 専ら、英国発の情報だ。歴史を良く学べば何故こんな報道を発信しているのか理解できる。日露戦争を思い出せばよい。英国は戦争の間中、ロシアは負け続けているとの報道を流し続けた。確かに帝国海軍の働きは見事だった。しかし、陸戦ではロシアは負けてはいなかった。戦いの被害は明かに日本が不利だった。戦死者数は圧倒的に日本が多い。しかし、情報戦ではロシアが負けていることが既成事実で、ロシア国内世論すら反戦へ傾く、遂には革命で政権崩壊。英国は結局、手を汚さずにロシアを負かすことに成功。

ウクライナ内戦でロシア側が苦戦している?こちらはどうか。ゼレンスキー側(ウクライナ人の半分は親ロシア派)が反撃に転じた。あちこちで勝利しつつある。 ゼレンスキー側の兵器は米国が事前に供与していたものらしい。最新兵器を揃えているという情報はそのことを示している。つまり、今回の戦争は、ゼレンスキー側が周到に準備して仕掛けたものらしい。つまり、米国が支援するのことが大前提だったはずだ。
しかも、ゼレンスキー側の兵は、外国人の傭兵や志願兵で、後は無理やり徴兵したものばかり、従来の国軍は機能していない(プロの軍人の指示は得られない)。つまり、都市の建物に市民を盾にして立てこもり、ゲリラ戦で応じているだけのようだ。 経済制裁を続けて、メディアでロシアの苦戦を発信し続ければ、ロシア(プーチン)は音を上げ降参するはずと宣伝しまくっている。でも、現実の戦いは完全に封鎖された状態での兵糧攻めだ。つまり、ロシア軍は余り兵力を消耗していない。住民を盾にしているので、ある程度反撃に動いてくれないと戦いにもならない。勢力を温存して反撃を待っているだけだ。
ロシア側が苦戦しているとの情報に、ゼレンスキー側が反撃を試みてくれれば渡りに船。つまり、苦戦しているふりを意図的にやっている。

果たして、英国はゼレンスキーの味方? ゼレンスキーのSOSに本気で対応している。英国の努力で、ロシア包囲網は完成したようだけど。経済制裁も本格化。それでロシアは困っている? 実際困るの制裁した側のようだ。武器を送ると約束しても兵まで出す国どこにある。エネルギーなどの資源輸出能力はいまやほとんど非米諸国側。 武器を搬入するにも兵はいる。つまり、ゼレンスキーはどこかで降参せざるを得ない。米国は許すはずはないが。少なくとも英国は手を汚す気は全く無いはずだ。

このまま続けば、G7諸国は経済的に疲弊し分裂するだけだ。物価は急上昇。株価もどんどん低迷。英国の安全のためにはNATOやEUが崩壊して、米国の覇権が極力小さくなることが最も望ましい。いずれ、ウクライナは中立の国になる。東ヨーロッパも中立の国に。米国の大富裕層達の考えと同じ。ロシア、中国、インドも一緒になったグローバルな社会の建設が資本主義経済のさらなる発展のためには絶対必要だから。

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核シェルター

アゾフ連隊が市民を盾に立てこもるマウリポリの製鉄所の地下はソ連が核シェルターとして大規模に造った地下の秘密基地だったようだ。巨大な地下空間には無数の迷路となっており、売店など色々な施設が整っているらしい。単なる製鉄所と思ったら大間違い。
だからロシア軍は兵糧攻めにする他手段がないので一見攻めあぐねているように見えた。でも、地下の市民達は、長期の地下生活で絶望の中で耐乏生活を送っている。避難を呼び掛けても、ウクライナ兵(多分外国人傭兵達)?は人質を解放するはずが無い。

アゾフ連隊の兵は、多くが外国人義勇兵や傭兵から構成されているため、降伏して捕虜になることを望まない。玉砕してウクライナの英雄として戦う覚悟のようだ。
しかし、アゾフ連隊が降伏してしまったら、欧米からの武器支援の海上ルートは無くなってしまう。港湾都市マウリポリをアゾフ連隊が押さえていたので、欧米各国は志願した義勇兵達にこっそり武器を持たせてウクライナに搬入できたのに。

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宗教的権威の崩壊

宗教的権威は、物事を善と悪とに2分できると信じている。もちろん現実の世界は複雑であり、カオスの世界だ。だから多様な考えが生まれ進化が生じる。
今の米国は、宗教界の教皇と同じになってしまっている。具体的な教皇は、米大統領のバイデンと感染症の神様ファウチだろう。米大統領のバイデン至っては自らの妄想を科学的と断定して権力で世界中の人類に押し付けようを企んでいる。以下、彼の妄想とは。

1. Covit-19は、中国が世界中にばらまいた超特別危険なウィルスで、零コロナを実現しない限り人類の将来は無い。
2. 人類は世界征服を企む邪悪な中国とロシアの勢力が拡大しており、この悪魔の勢力の増長を止めないと世界の平和は訪れない。
3. ウクライナの親ロシア派の住民を助けるためウクライナに軍事的侵攻したロシアは悪の権化であり、根元を断ち切るためには強力な経済制裁を行い、崩壊させる必要がある。
4. 地球温暖化は、人類の未来を脅かす事態であり、可及的速やかに脱炭素社会の実現しなければならない。特に炭素含有量の多い石炭は炭の使用は止めるべき。科学的に証明されている。
5. 米国は民主主義の国である。中国やロシアは存在を否定されるべき邪悪な専制主義の国である。
6. 米国の政策は国民の合意(多数決)に基づいて実施されており、専制主義の国は国民の権利を無視して運用されている。
7. 米国は常に、多数の人々の権利や人権を最重要課題と認識している。だから、他国が人権侵害を行っている事実があれば、干渉する権利と義務がある。 8. 世界は、民主主義と自由な資本主義を理念と掲げる、いわゆるG7と言われる先進国によって運営されるべき。
9. 反共のために造られたNATOは、対中国・ロシアとの対決の為、補強されるべきだ。日米或いは反中反露同盟は強化されるべきだ。反中反露同盟にはインドや東南アジア諸国も巻き込め。そのためには日本はリーダーシップを取るべき。
10. 米国のドルは基軸通貨で、いくらドルを刷りまくっても安全。G7諸国の経済発展は保証できる。

ここまでは、米大統領のバイデン氏の考えを代弁したものとして了承してもらえるだろう。明らかに科学の入り込む余地のない宗教だ。更に、

1. Covit-19の為に開発されたワクチンは科学的に効果があることが証明されている。だから法令化して打たせるべきだ。
2. Covit-19の感染者発見には、PCR検査が有効だ。陽性者は全員隔離すべし。

この二つは、実際には科学的には証明されていない。だから、これに反対するものが多数現れるのは当然だ。PCR検査が有効でないことは、PCR法の発明者ノーベル賞学者のマリス博士が明言している。本人が言っている以上確かだ。つまり、PCR検査で何を検出しているかすら分かっていない。有効でないことを示す証拠はいくらでもある。単に目をふさいでいるだけ。PCR検査をまじめにやれば、マンゴーの実やハムスターも感染しているらしい。つまり、検証することは別に難しいことではない。
ガリレオが望遠鏡で月の表面を見せたが、当時の聖職者たちは望遠鏡をのぞくことすら拒否したのと同じ構図だ。

ワクチンは科学的に効果があることも現実は否定的。ワクチン打ってもPCR検査で陽性になることは防げない。と言うより所詮PCR検査とはそういうもの。ワクチンに関してはもう議論にもならないか。中国もインドも独自にワクチンを開発済みで、米国製薬会社の優位性はない。今後はどんな予期せぬ副作用が現れるかの方が心配だね。

PCR検査を否定できないのは訳がある。今まで3年間やって来た感染対策は何だったのか。単なる茶番。多分。Covit-19の正体すら未だ不明なのが現実のようだ。Covit-19の感染拡大を理由に、対策不十分を訴えて郵便投票に持ち込み大統領になったバイデン氏。今頃、PCR検査なんてウソでした何て言えるはずも無かろう。

でも、中国政府は知っている。零コロナを旗印に急に感染の危機を訴えだした。おまけに北朝鮮までお手伝い。感染が大拡大。過去の例からしてどんなに水際対策取っても世界中に感染することは明白。つまり、PCR検査を増やせば必ず欧米でも感染拡大は避けられない。
マスクを外し始めた欧米で再度感染対策。国民が納得できる。つまりPCR検査がフェィクだった。これが現代のガリレオたちの反撃だ。バイデン教皇は間違っている。

ロシアへの経済制裁は上手く行っている。ロシアは経済的に困窮して、ゼレンスキーが勝利との妄想だろうか。まさか、米国自身が武力侵攻するわけがない。核兵器を使えなければ勝てる見込みがない。ウクライナを救うという大義名分がある以上、空爆の様な過激な戦いは不可能。ロシアですらウクライナ民間人へ被害を恐れて、極めてゆっくりと戦っているのだから。いわゆる兵糧攻め。つまり、ロシアはそんなに兵力を投入していない。ロシアは疲弊しているは英国メディアのプロパガンダだ。いずれ、ゼレンスキーは負けることは自明。でも負けを認めればバイデン教皇の権威は無くなってしまう。だからゼレンスキーはどんなに窮地に立っても負けるわけにはいかない。気の毒な話だけど。「経済制裁は無意味、経済支援も無意味、武器を送ってくれ。」本音は兵力を送ってくれ。これは彼の本音だろう。
結局、ウクライナ紛争はバイデン氏(オバマ大統領の副大統領)の自作自演だったというのが本当なのかも。バイデン氏の息子もかかわっていた、ウクライナ疑惑そのもの。

経済制裁を続ければ、ドルの優位性は無くなる。産油国はドルを使わずにルーブルや金塊、自国通貨でエネルギーを購入せざるを得なくなう。ドイツも英国も密かに原油確保に動いている。G7以外の国にとっては歓迎すべき動向だ。これも現代版ガリレオの反撃だ。

中国やロシアは実際には国民の支持率が高い。70%は越えている。一方の欧米側は過半数をするのがやっと。しかも国民が分断されて満足な話し合いすら行われない。今ではバイデンの支持率は40%を切り、11月の中間選挙での大崩れが懸念されている。中国やロシアが専制主義の国で米国が民主主義と言うのも、明かに神話だ。つまり、習近平さんもプーチンさんも国民の良きリーダと言うカリスマ性は維持しているようだ。

新型コロナも自作自演。温暖化もかなり自作自演の感じが出て来た。宗教的権威が崩壊すれば、世界には新しい改革・新ルネッサンスが生じて、世界は活気を帯びて来るだろうね。

経済の話
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SWIFT

国際銀行間通信協会(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication、略称: SWIFT)は、銀行間の国際金融取引を仲介するベルギーの協同組合。この組織によって提供される決済ネットワークシステムも「SWIFT」と呼ばれる。金融機関向けに主に自社開発の「SWIFTNet」、「SWIFTコード」として一般に知られているISO 9362ビジネス識別子コード(BIC)を使用するソフトウェアやサービスなどを販売している。Swift Transferは、International Money Transferとも呼ばれている。

SWIFTは資金移動を促進するわけではなく、正しくは支払い命令を送り、その命令は金融機関同士が持つコルレス口座で決済されなければならない。銀行取引をやり取りするためには、各金融機関は、銀行として法的に組織されているか、少なくとも1つの銀行と提携していることによって、銀行取引関係を結んでいる必要がある。SWIFTは、金融メッセージを安全な方法で伝送する一方で、加盟機関の口座を保有したり、何らかの形で清算や決済を行ったりすることはない。

2018年現在、世界中の高額なクロスボーダー決済の約半分がSWIFTネットワークを利用しており、2015年には200以上の国や地域の1万1000以上の金融機関を結び、1日平均3200万通以上のメッセージを交換していた(1995年の1日平均は240万通程度であった)。2022年現在、1日の決済額は約5兆ドルとなっている。

国際金融取引に広く活用され、加盟していなければ貿易が困難となるほどであるが、その非効率性には批判がある。2018年、ロンドンに拠点を置くFinancial Timesは、送金が頻繁に「最終目的地に到達するまでに複数の銀行を経由するため、時間がかかり、コストが高く、相手側にどれだけのお金が到着するのかの透明性に欠けている」と指摘した。SWIFTは2017年1月に「Global Payments Innovation」という改良型サービスを導入、約4000(2020年10月現在)の金融機関に採用されていて、支払いの38%が30分以内に、92%が24時間以内に完了している。

ベルギー法に基づく協同組合として、SWIFTは加盟金融機関によって所有されている。本社はベルギーのブリュッセル近郊のラ・フルペにあり、本館はリカルド・ボフィル・タラー・デ・アルキテクチュラの設計で1989年に完成した。 SWIFTの会長はパキスタンのYawar Shah、CEOはスペインの Javier Pérez-Tasso。SWIFTでは毎年Sibosという金融サービス業界向けの特別会議を開催している。

この説明でSWIFTの役割分かるかな。ウクライナ問題に絡み欧米各国の主導でロシアをSWIFTから除名したらしいが、経済制裁としてどの程度の効果があるんでしょう。基本的には送金が難しくなる? ロシアや中国の製品を買わないなら送金の必要もない。

【沿革】
1973年5月、国際証券集中保管機関のセデル(現クリアストリーム)とユーロクリアの主要株主が設立した。設立当初は15ヶ国の239銀行が会員株主であったが、その数は年々増加した。
1975年に利用ルールが制定された。1976年、協会はオランダ・ベルギーに最初の有人オペレーティング・センターを開設。ここでソフトウェアの開発などが行われた。サービスは1977年5月に始まった。1979年、合衆国に新たなオペレーティング・センターを設置。1980年、香港とシンガポールでサービス開始。

セデルは1981年に、ユーロクリアは1982年にシステムへ参加している。日本スイフトの開通は1981年3月9日である。1982年に単年度収支が黒字化。1986年に付加価値サービスとして二つの取り組み。一つは金融取引の照合サービスを開始。もう一つ、国際決済銀行と提携し欧州通貨単位の決済を手がける。1987年、証券会社・証券取引所をユーザーに加えた。

1992年、投資顧問会社を利用者に加える。1993年、ICカードと相互鍵交換を導入、セキュリティを向上させた。1995年総会の承認によって、2001年から条件をクリアした一般法人もアクセスしている。1998年、決済インフラなども利用するようになる。 2001~2004年にかけて、スイフトネットへ移行。2005年には202の国と地域の7800を超える金融機関が接続している。

2006年6月23日付のニューヨーク・タイムズは、スイフトのクラウド上で交換されていた情報が、中央情報局などによりテロ資金対策に利用されていたと報じた。アメリカ同時多発テロ事件を受けて始まったテロ資金追跡プログラムが、スイフトの送金データを使って遂行されていたという。ここで露呈したセキュリティの脆弱性はオペレーティング・センターが二つしかないことによるとされた。

そこで2009年、スイスに三つ目のオペレーティング・センターが設置された。これに併せ、香港にスイフトネットの運用をモニターする管制塔を新たに設けることが決まった。従来は欧州と合衆国に一つずつおかれていた。

2007年からスイフトネットが個人メールをあつかうようになり負荷を増大させていたが、オペレーティング・センターの増設は結果的に負荷を分散させた。この個人メールはスイフト自身も利用しているが、他に6つの金融機関がユーザーとなっている。クリアストリーム、HSBC、DNB (ノルウェーの企業)、残りは全部アフリカで、ボツワナ第一国立銀行、ネドバンク、スタンダード銀行。

2013年9月15日付18日更新のデア・シュピーゲルは、アメリカ国家安全保障局がスイフトを通じて広範囲の銀行取引とクレジットカード決済をモニターしていると報じた。エドワード・スノーデンのリークによると、スイフトは狙われていたという。 2016年2月、バングラデシュ銀行経由でハッキングを受けた。これにより同行が8100万ドルを不正送金され損害を被った。シマンテックによると、後に同じマルウェアで数十の銀行がハッキングを受けた。

【制裁での利用】
2022年2月26日、アメリカと欧州各国は、ロシアがウクライナへ侵攻したことに対する金融制裁として、一部のロシアの銀行をSWIFTから排除することを決定した。

2012年、SWIFTはイランの核開発に対する制裁措置として、すべてのイランの銀行を国際ネットワークから切り離していた。ただし、2016年の時点で、国際的な制裁リストに含まれなくなったイランの銀行はSWIFTに再接続された。これにより、これらのイランの銀行との間の資金の移動が可能になったが、外国の銀行はイランとの取引に警戒を続けている。一次制裁により、米国の銀行とイランとの取引または米ドルでのイランとの取引はどちらも禁止されたままとなった。 対イランでは2018年にも切り離しが行われた。この際にはイランの通貨であるリヤルが大暴落し、価値は制裁前の約6分の1となった。 **イランはリヤルが大暴落しても、中国ロシアと非ドルベースの取引をすれば良いので制裁の効果はあまりない。

2014年、SWIFTは、イスラエルの銀行のネットワークへのアクセスを取り消すための親パレスチナ人活動家からの電話を拒否した。
同様に2014年8月、英国はウクライナへのロシアの軍事介入により、制裁措置としてのロシアによるSWIFTの使用を阻止するようEUに圧力をかけることを計画した。しかし、SWIFTはそうすることを拒否した。 ロシアを拠点とするSWIFTに相当するSPFSは、バックアップ手段としてロシア中央銀行によって創設された。

2021年から2022年のロシア・ウクライナ危機の間、米国はロシアに対する暫定的な制裁措置を策定したが、ロシアをSWIFTから排除することは除外した。 2022年のロシアによるウクライナ侵攻に続いて、バルト諸国の外相はロシアをSWIFTから切り離すよう求めた。しかし、他のEU加盟国は、欧州の貸し手が300億ドル近くの外国銀行のロシアへのエクスポージャーの大部分を保有していたことと、ロシアがSPFSの代替案を開発したことの両方のために消極的であった。欧州連合、英国、カナダ、および米国は、2022年のロシアのウクライナ侵攻に対応して、SWIFTメッセージングシステムから一部のロシアの銀行を削除することに最終的に合意した。フランス、ドイツ、イタリア、日本の政府は、EUとともに声明を個別に発表した。これを受けて、SWIFTは3月12日にロシアの7銀行をシステムから排除した。また、3月20日にベラルーシの3銀行を排除予定と表明した。

経済の話
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マリウポリ陥落

久しぶりの朗報か。地下壕に閉じ込められた人達が解放される。アゾフ連隊の兵達も気の毒だろうが。任務終了だと。例えばウクライナ政府から義勇兵募集で日本から参加した兵士たち(基本的には大部分がNOTO国だろうが)。捕虜になれば国際法による保護規定はないらしい。ウクライナ兵なら助かるだろうが、そうでなければ戦争犯罪人として処刑されることが目に見えている。そもそもウクライナ人が皆親米アメリカ大好き人間とばかりとは限らない。住民の人民裁判が恐ろしい。ロシアがウクライナを侵略。誰がそんなデマを信じているのか。そんなデマが通るのは対米従属の国の中だけだ。
でも、これで問題解決が早まることはいいことか。ウクライナ住民も大喜び。
製鉄所の地下壕、実はこれが巨大な核シェルター、の中で長期にわたって食料も電気も水道も無い状態で人質として監禁されて来た。
次はキエフか。アゾフ連隊無しでキエフの防衛は不可能。また、兵糧攻めで困るのは市民だけだ。早く、ゼレンスキー(既にロシアの了解は取っているようだ)を中心にして内閣改造、中立派の政権を確立する以外にウクライナの活きる道はなさそうだ。現実を見つめないものは滅亡の道しかない。

経済の話
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ワグナー・グループ

ワグナー・グループ(ロシア語: Группа Вагнера、英語: Wagner Group)? 最近ニュースでもチョコチョコ名前がでてくる。ロシアの民間軍事会社(PMC)? と言うより国際的に活躍する多国籍軍事会社。多額の費用を払ってくれればどんな戦争でも請け負って勝たせてあげます。

複数の紛争にて、ロシア連邦政府の対外政策に沿う形で傭兵として派遣され、親ロシア系武装勢力や外国軍と共に戦うことが多い準軍事組織だと(NATO 諸国によって)推定されている。2014年クリミア危機やシリア内戦、リビア内戦で活動したとか。

ただし、ロシア連邦大統領報道官ドミトリー・ペスコフは記者団に対して、「ロシアには民間警備会社はあるが、民間軍事会社はない」と説明している。確かに今のロシアや中国ではこんな会社は存在すれ許されないだろう。

ワグナーと言う名作曲家の名も、意味ありげだ。ワグナーはたまたまナチスドイツのヒットラーに曲が愛されたため、ワグナー好き→ヒットラー好き→プーチン氏もワグナー好き(それ会社名だろ)→プーチンはヒットラー好き→プーチン氏はヒットラーと同じだ。 これがゼレンSNSのヒットラー悪玉論の根拠? 確かにイスラエルではワグナーの音楽の演奏はされないとか。少なくともプーチンさんがヒットラーを尊敬していることは100%あり得ないだろうが。

香港に拠点を置いていたスラヴ軍団に所属していたドミトリー・ウトキン(GRU麾下の元スペツナズ中佐)により創設されたと言われている。組織名はアドルフ・ヒトラーが好んだ作曲家ワグナーを意味し、これをウトキンがコールサインとして使っていたことが由来である。5000人以上いる社員のうち2000人ほどが戦闘要員であり、ロシア連邦軍および警察の出身者以外にもチェチェンやイングーシなどの親露派元民兵なども所属している。確かにソ連邦崩壊で多くの職業軍人が職を失ったことは事実だろう。 グローバル経済の元では軍事も資本主義も元では金儲けの手段になり得る。自国で軍隊を持つよりも外注した方が遥かに安上がり?

経営者はウラジーミル・プーチン大統領と懇意なオリガルヒのエブゲニー・プリゴジンという説が一般的であり、主にロシア連邦軍が公式には介入していない状況において、特殊部隊や民兵、サイバー戦争、プロパガンダ工作などを組み合わせて展開されるハイブリッド戦争に従事していると推測されているようだ。2013年にはウクライナ内戦でロシア軍がウクライナ領内で活動していない状況を作るため投入され、シリア内戦において、ロシア連邦軍が直接介入する前に要員を派遣していたとか。また、これらの海外での活動において、ワグナー社はGRUより支援・調整を受けているといわれている。逆にウクライナではロシアの侵攻を誘発するためゼレンスキーが先に東ウクライナ民兵を攻撃させたアゾフ連隊の形成にも民間軍事会社の大規模な参加が推定されているようだ。

2021年12月13日、欧州連合(EU)はワグナーなど3社と創業メンバーである元GRU将校らへの経済制裁を発動した。プリゴジンの活動にはロシア企業だけでなく、香港の企業も支援しているとされ、アメリカ合衆国財務省は香港の企業にも経済制裁を行っている。 また、中央アフリカ共和国での内戦でワグナー社を取材しようとしたジャーナリストが死亡しており、彼らが暗殺に関与した疑いが推定されている。

2020年以降、ワグナー社が軍事クーデターとイスラム勢力の攻勢に揺れるマリ共和国で活動していることが判明。マリ政府とロシア政府は否定しているもののアメリカアフリカ軍(AFRICOM)の司令官は、インタビューにて「ワグナーはロシア軍の支援を受けている。ロシア空軍機が彼らを現地へ移送している」とロシア政府が関与していると示唆。また、フランスの外相は、ワグナーの傭兵がイスラム過激派との闘いを口実にマリ暫定政権を支援していると非難するとともに、「ロシア機で移送されてくる傭兵について、ロシア当局が知らないとしたら驚くべきことだ」と言及している。

当然のことだろう。戦争請負人は請負金額に見合う戦闘の成果だけが製品だ。詳細は当然企業秘密であろうから、ロシア当局にも何も知らされるはずはない。しかも、状況次第で戦闘のどちらサイドにも寝返るのは当然の資本の論理だろう。 自分は直接武力介入しないで、こっそり大量に武器支援だけをして誤魔化す欧米流の身勝手な行動が、戦争請負人や軍事専門会社の巨大化の原因となっている可能性がある。

経済の話
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敗者は誰?

ウクライナ侵攻の敗者は西欧、金融マーケットが示す冷徹な現実
ECBの利上げが迫る中、停戦を切望する西欧諸国

金融マーケット ロシアによるウクライナ侵攻が長期化する中、世界経済の変調が伝えられている。インフレや資源・食料の供給に懸念が台頭する中、当のロシアは自給自足体制を構築。外貨準備高は世界5位、ウクライナ侵攻の数年以上も前から米国債はほぼ全額売却済み。外貨準備高の2割超は金。経常収支は常に黒字で、政府債務残高も国内総生産の19%にとどまる。財政赤字が膨らむ西側諸国とは対照的(図1)。
 そんなロシアに対し、西側諸国はウクライナに大量の武器を送り支援すると同時に経済制裁。国際決済システム(SWIFT)からロシアの銀行を排除するなどの経済制裁を実施。一向のこれを変えずに長々と愚策を続けている。明らかな戦闘行為で当然ロシアもこれに対抗。穀物や肥料の輸出を制限するなど。経済制裁と言っても、資源国相手では物を売らないのではなく物を買わない。「欲しがりません勝つまでは? で勝つ見通しは?」

 過去を振り返るならば、1989年に冷戦が終了して以降、東側諸国に販路が拡大し、そうした国々の安い労働力で物価は低下、そして何よりも平和が持続したことがグローバル経済発展の原動力となる。ところがその結果、G20諸国の経済発展とG7諸国の経済凋落、G7諸国の目論見は見事に破綻して、時計の針を30数年前に戻して、新たな冷戦状態を造り出さないと覇権の維持が不可能になってしまった。その結果、中国、ロシア、インド、イラン、ブラジル、アフリカなど新興勢力を敵視、G7追従諸国とそれ以外の非G7諸国に世界を2分する状態に。

 G7西側諸国の最大の弱点は巨額の債務に支えられた金融。ところが石油や穀物の一大輸出国であるロシアとの交易が途絶えたことで物価は急騰、つれて金利も上昇、株価は暴落の危機。
ウクライナでは、現実には外国からの傭兵部隊が殲滅されて徐々にウクライナ軍は撤退しているのが現状。つまり、ウクライナ軍の構成はほとんどが外国人傭兵で、現実ウクライナ東部で起こっていることは海外傭兵の残党狩りの段階らしい。だから、ウクライナは絶対に負けを認めない。所詮戦っているのは海外からリクルートした傭兵部隊で、資金も兵器も欧米の拠出。戦争なので多少の犠牲者は出るものウクライナ軍の兵士が殺されている訳でもない。キエフの街は意外と正常のようだ。所詮ウクライナ戦争は米国対ロシアの代理戦争。

つまり、こんな戦争につき合わされるNATO諸国(例外的に日本も)は、自国の経済的自滅以外に何も得るものは無いということらしい。経済制裁への協力や武器供与などの愚劣な戦争延命策を続けて自滅への道を早く止めないと大変なことになりそうだ。

それにしても、日本政府の借金はダントツだね。デフレ対策だの円安誘導だの、コロナ対策、ウクライナ支援で、超大盤振る舞いの支出を続けているけど、本当に国の財政は破綻しないのでしょうかね。

経済の話
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ロシアの報道の信頼性

2022年4月11日「マリウポリに外国人ジャーナリスト」
(ロシアテレビニュース冒頭より)
「マリウポリできょう、ドネツク人民共和国が港湾を完全掌握したと、人民共和国の首長が発表しました。この戦略的成功のおかげもあり、きょう、多数の外国人ジャーナリストの訪問が実現しました。ロシア軍の安全対策は、決して過剰なものではありませんでした。というのは、すぐ隣のアゾフスターリ工業地区にはネオナチが立てこもっており、今もそこから銃撃が行われているからです。西側メディアを含む外国メディアの代表は現状を目にし、地元住民の声も聞くことができました」
**フェイクがあるとすれば? 完全掌握とは親ロシア派の住民達を安心させるためには100%でなくても発表は概ね満を期して発表したようだ。立てこもっているのは外国人傭兵だろうがこれをネオナチと呼べるかどうかはまあ立場の相違。

「今回の取材も、厳しいルールが設けられたはずで、インタビューを受けたとされる市民も、ロシア側が用意した人物だと考えられます。こうした様子を伝えることで『世界のメディアもロシア軍を信用してマリウポリ入りしているんだ』という安全性と、ロシア側の『東部住民を守る』という主張に客観性を持たせることを意図しているとみられます」
**とはいえ、あくまでの戦地の取材だ。記者の安全を考慮したものとの説明はつく。ロシア軍に解放されたと感じていない人間がインタビューに応じる道理もない。

4月13日「マリウポリでウクライナ側の兵士1000人投降」
(ロシアテレビニュース冒頭より)
「旅団のうち残っていた1000人の海兵隊が、武器を置いてマリウポリのイリイチ製鉄所の敷地から出てきました。キエフの司令部が裏切り行為のようにけしかけた突破が失敗した後、彼らは状況が絶望的で、これ以上の抵抗は無意味だと気づいたようです
。 およそ300人が負傷しており、全員に治療が行われました。投降した捕虜の中からネオナチを見つけ出す作業も続いています」 

(冒頭に続くリポートより)
「捕虜およそ300人が負傷しており、90人が自力で動けないため、仲間の兵士が運びました。『生き抜いて家に帰りたい。死なないことが一番大事』(捕虜とされる兵士のインタビュー)」
「『家に帰りたい。死なないことが大事』といった発言は、見ている人に『ウクライナ人も無理やり戦わされているんだ』という印象を与えます。

**こういう発言は全く人間性を疑う。太平洋戦争の多くの徴用された兵隊さん達だって同じこと言うだろうに。勝ち目のない製鉄所の地下に食料医薬品も無しに人質として何カ月も閉じ込められていたんだから。

市民を戦わせているウクライナのゼレンスキー大統領こそが『ネオナチ』であり、ウクライナ兵士たちも犠牲者だと見せることで、『東部の兵士や市民を助けることにつながる正義の戦い』だと印象づけていると考えられます」→印象付けているのではなく証明しようとしている。

国際社会(最近はG7諸国とすべき)からロシアへの非難が相次ぐ一方、民間の世論調査機関「レバダセンター」(※)が5月に行った世論調査では、「ロシア軍の行動を支持するか」という質問に「明確に指示する」と「どちらかといえば支持する」と答えた人は合わせて77%でした。これは、前の月に比べて3ポイント増えています。
**反米非米諸国の国民の反応もこんなもの? いやもっと支持が多いかも。

一方、アメリカ政府は5月に発表したロシアに対する追加制裁で、ロシア国営などのテレビ局3社について「プーチン大統領による残忍な侵略をうそで隠し、プロパガンダの道具にもなっている」などとして、アメリカの企業が中継技術やカメラといった機材などを提供できないようにしました。

これに対して、ロシア外務省は、6月6日、モスクワに拠点を置くアメリカの報道機関各社の代表を呼び、ロシアメディアに対する厳しい措置が改善されなければ、ロシアでの取材活動ができなくなる恐れがあると警告しています。

※「レバダセンター」
2016年、プーチン政権によっていわゆる「外国のスパイ」を意味する「外国の代理人」に指定され、圧力を受けながらも、独自の世論調査活動や分析を続けている。

国際社会からロシアへの非難が相次ぐ一方、民間の世論調査機関「レバダセンター」(※)が5月に行った世論調査では、「ロシア軍の行動を支持するか」という質問に「明確に指示する」と「どちらかといえば支持する」と答えた人は合わせて77%でした。
これは、前の月に比べて3ポイント増えています。

一方、アメリカ政府は5月に発表したロシアに対する追加制裁で、ロシア国営などのテレビ局3社について「プーチン大統領による残忍な侵略をうそで隠し、プロパガンダの道具にもなっている」などとして、アメリカの企業が中継技術やカメラといった機材などを提供できないようにしました。

これに対して、ロシア外務省は、6月6日、モスクワに拠点を置くアメリカの報道機関各社の代表を呼び、ロシアメディアに対する厳しい措置が改善されなければ、ロシアでの取材活動ができなくなる恐れがあると警告しています。

4月12日(火)
冒頭
「特別軍事作戦は、参謀本部の当初の計画通りに進んでいる。もっと早く終わらせることもできたが、そうすれば損失はもっと大きくなっただろう」
プーチン大統領がボストーチヌイ宇宙基地でメディアの質問に答えて、このように語りました。
プーチン大統領は、ガガーリンの飛行記念日にベラルーシのルカシェンコ大統領と宇宙基地を訪問しました。
リポート
ロケット「ソユーズ」の組み立て工場です。同盟国の首脳であるプーチン大統領とルカシェンコ大統領は、共同記者会見の会場にここを選びました。
このロケットは模型ではありません。まさにこのロケットが「ルナ25」ミッションに参加し、人工衛星を打ち上げます。
人工衛星は南極付近で水を探します。2人の大統領は、この宇宙基地で1日を一緒に過ごしました。
プーチン大統領とルカシェンコ大統領は宇宙のことを話し合っただけではありません。 プーチン大統領はルカシェンコ大統領に、ドネツクとルハンシクを守るための特別軍事作戦の進捗状況を詳細に説明しました。

そして、それをジャーナリストらにも語りました。
「特別軍事作戦は計画通りに進んでいる。世論に隠していることはない。兵士の勇気に感謝している。ロシアの国益を守っている」(プーチン大統領)
「ロシアが特別軍事作戦を少しでも遅らせていたら、ロシアが攻撃されていただろう」(ルカシェンコ大統領)

「ルカシェンコ大統領の言うとおり。選択肢はなかった」(プーチン大統領)
西側は、ウクライナとロシアを分断する試みを100年以上続けています。その目的のためならどんな危機でも利用してきました。

**共産主義となったロシアを破壊するため、英米は意図的にナチスヒットラーを経済的に支援し拡張主義を容認した。多大な人命を失いながらナチスヒットラーを打ち破ったのはロシア軍だ。

「ウクライナのナショナリズムは19世紀からある。西側は『分断して統治せよ』でロシア民族を分断しようとしてきた。
特別軍事作戦をスピードアップさせることもできた。けれど、損失を最小におさえて目的を達成することを優先した。
第1次世界大戦のときも、大祖国戦争のときも、ウクライナは利用されてきた。今もそう。
西側はウクライナを支援しようとしているのではない。ウクライナとは全く関係のない目的のためにウクライナを利用している」(プーチン大統領)

ナショナリストに少しでも譲歩すれば、すぐに挑発が行われます。ブチャでの出来事がそれです。ロシア軍が撤退したときには、大量の犠牲者はいなかったのに、ウクライナ軍が入るやいなや、遺体が現れたのです。
**SNS投稿写真ではそのようだ。ゼレンスキー側は国際機関に調査を依頼したものの結局は遺体を埋めて隠蔽してしまったようだ。

ウクライナ軍によるこの犯罪がどのように準備されたのか、両大統領は詳細に協議しました。
「ルカシェンコ大統領から書類を受け取った。それをロシア諜報部に渡した。誰がどう関わっていたのか、傍受してある」(プーチン大統領)
「(ブチャのことは)イギリスの心理作戦だ。準備に使われた車のナンバーも分かっている」(ルカシェンコ大統領)
これまで西側の政治家や世論が、第三世界の民間人の犠牲者を気にしたことなどなかったのは象徴的です。
**パレスチナ、アフガニスタン、イラク、シリアでの空爆等。
「西側の首脳と会談することがある。ブチャの話になると、アメリカ空軍がイラクを攻撃し、街中に数か月も遺体が放置されていたのを知っているのか、と聞く。アフガニスタン、シリアも同様だ。
イスタンブールの停戦交渉では、ウクライナの安全保障にクリミア、セバストポリ、ドンバスが入らないことで一定の合意ができていた。

それなのに、ブチャでの挑発が起こり、ウクライナ側は合意をほごにした。ウクライナ側のこのような行動は合意を遠ざける。合意が得られるまでは軍事作戦は続く。課題を達成するまで続くのだ。

ヨーロッパはアメリカのいいなりだ。一致団結してロシアに制裁することで、アメリカの利益に資そうとしている。西側による経済の突撃戦は失敗した。ロシアの金融・産業・経済は安定している。物流の問題はある。ロシア船が港湾に入れなければ、ロシアとベラルーシの肥料が世界市場で不足する。
そうなれば、農業がダメになり、食料不足になり、飢きんが起きて、難民が出る。どこかで売買できなくなれば、ほかの国に売買する。世界は冷戦時より複雑化している。一極世界は成り立たない」(プーチン大統領)
**世界は多極化すべし。カントの平和論の国際機関が理想。覇権主義は止めよう。

「欧米には『さようなら』と言えばいい。ルーブルで決済する」(ルカシェンコ大統領)
「ロシアでハイテク製品の製造業が育ってきたら、西側は複合材料の納入をストップさせた。ロシアを抑止するためだ。ベラルーシは兄弟だ。ベラルーシは助けてくれると確信していた」(プーチン大統領)

「ロシアとベラルーシの軍は共通だ」(ルカシェンコ大統領)
「西側はインフレで内政が不安定化する。西側はロシアの内政の不安定化を狙っているようだが、ロシアは苦しいときには団結する。ロシアに問題を起こしてやろうとして、自分たちが問題に直面する。ロシアは切り抜けられる」(プーチン大統領)

ロシア側は、来年にもベラルーシの宇宙飛行士を乗組員に加えることを提案しました。
ロシア側発信の情報のいくつかを拾ってみた。発信者はロシア側の情報はデマが多いと言うつもりらしいが、どうも情報は正確で誇張も少ないようだ。プーチンロシアの一人勝ちの構図で世界は進みそうだ。

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ジャベリン

ジャベリン FGM-148 ジャベリン(FGM-148 Javelin)は、アメリカ合衆国でドラゴン対戦車ミサイルの後継として開発された歩兵携行式多目的ミサイル。最近は一般紙の新聞でも解説無しに対ロシアの決定的兵器として記載されている。
普通名詞として、ジャベリン、ジャベリンと絶賛されて、最終決着兵器として早くゼレンスキー軍に送るべきとの西側の論調が頻出しているが、いったい何者なのか?

基本的には、1~2人で操作可能な、歩兵携行式多目的ミサイルということらしい。歩兵に一般の銃を携行させる代わりに、これを持たせようということらしい。 主目標は戦車などの装甲戦闘車両であるが、建築物や野戦築城、さらには低空を飛行するヘリコプターへの攻撃能力も備える。完全な「撃ちっ放し」(ファイア・アンド・フォーゲット)機能、発射前のロックオン・自律誘導能力、バックブラストを抑え室内などからでも発射できる能力などを特長とする。携行時や運用時に精密な発射管制装置の部分を損傷させないために、ボルトに装着したナットのようなシルエットを持つリテーナーを前後部もしくは後部のみに装着して供給される。

ジャベリン ミサイルの弾道は、装甲車両に対して装甲の薄い上部を狙うトップアタックモードと、建築物などに直撃させるためのダイレクトアタックモードの2つを選択できる。最高飛翔高度は、トップアタックモードでは高度150m、ダイレクトアタックモードでは高度50m である。射程は、初期バージョンでは 2,000m で、最新バージョンでは 2,500m である。ミサイルは、赤外線画像追尾と内蔵コンピュータによって、事前に捕捉した目標に向かって自律誘導される。メーカー発表によれば、講習直後のオペレーターでも94%の命中率を持つという。
弾頭は、タンデム成形炸薬を備えている。これは、メイン弾頭の前に、より小さなサブ弾頭を配置したもので、サブ弾頭により爆発反応装甲などの増加装甲を無力化した後にメイン弾頭が主装甲を貫通するように設計されている。

FGM-148は、CLU(Command Launch Unit)と呼ばれる発射指揮装置の部分と、弾薬の部分(LTA(Launch Tube Assembly)と呼ばれる発射筒体と、発射筒に収められたミサイル本体)から構成されている。総重量は22キログラム。ミサイル本体は射出用ロケットモーターによって発射筒から押し出され、数m飛翔した後に安定翼が開き、同時に飛行用ロケットモーターが点火される。これにより、バックブラストによって射手の位置が露見する可能性を抑え、後方が塞がっている室内(高さ7フィートx幅12フィートx奥行15フィート)などからも安全に発射することができる。ミサイルは完全自律誘導のため、射手は速やかに退避することができる。
運用は1名でも可能であるが、通常は射手と弾薬手の2名で行う。弾薬手は、発射時の周囲警戒も担当する。

ジャベリン では、米国はこれをゼレンスキーに無理やり徴兵されたウクライナ人兵士に持たすのか。明らかに不可能だろう。これは少人数で何倍もの敵を殺傷できる危険な大量破壊兵器だ。どこの国でも徴兵達は訓練を受けても実際の現場で銃を発射することは何らかの躊躇を感じる者。除隊後も色々な精神的トラウマを抱えるもの。ましてロシア軍と言っても多くのウクライナ民兵も参画している。ウクライナ人兵士たちがこれを使うことを拒否することは当然で、ウクライナ政府自身これを渡すのは外国人傭兵だけに規制しているはずだ。

この兵器は、どう見てもテロ対策ではなく、テロ支援用の兵器となっている。少人数で何倍もの敵を殺傷できる危険な大量破壊兵器で、核兵器や生物化学兵器と同様に危険で、これを拡散してはいけないもの。つまり、世界的に条約を造って禁止兵器にしないといけない。

事実、ウクライナの東部戦線では、ウクライナの反撃とは都市部に少人数で散発的に立てこもり住民を盾にしたテロ的な攻撃となっているようだ。射手は速やかに退避するため、正規軍にとっては絶滅には大変時間がかかる。では、何故ウクライナ軍の攻撃は成功しないか?

射手が絶対的に不足だ。射手となるためには、いかなる大量殺人も正義の為なら許されるという強い精神的な洗脳を行わないとならない。これが可能なのは、自ら海外から志願した義勇兵、実際には金でリクルートされた傭兵達にしか可能でない。東部戦線は武器が不足だ?
しかし、本当に不足しているのは追加の傭兵達だ。どんどん殲滅されてしまう。 従って、米国で大量にウクライナに供給される最新兵器は、傭兵をリクルートするため、闇の兵器市場で転売され、世界各地のテロリスト集団の手に入る可能性が高い。
基本的にはジャベリンは、北朝鮮が何度も発射実験を繰り返しているミサイルの小型版。核兵器を使うのは絶対ダメ、生物化学兵器もだね。だったら、ジャベリンなんてとんでもない話だ。ジャベリンは、弾頭に小型核兵器や生物化学兵器を搭載できる。核拡散防止条約を実質的に骨抜きに出来る。

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日本以上の大きな反響

凶弾に倒れた安倍晋三氏に米国が発した強いメッセージ
日米同盟強化の立役者、甘すぎる警備、保守王国の基盤強化
以下は、JBpress 2022.7.10(日)高濱 賛氏の論文を引用

 米メディアは、「日本の安倍晋三元首相が暗殺された」と報じた。「撃たれて殺された」(was shot and killed)のではない。「暗殺された」(was assassinated)と報じた。
 エイブラハム・リンカーン第16代大統領(1865年4月)やJ・F・ケネディ第35代大統領(1963年11月)と同じように暗殺された、と報じたのだ。
 日常茶飯事で起こっている大量殺害乱射事件の米国でも、ここ59年間現職を含む大統領経験者が暗殺されたことはない。ただし、ロナルド・レーガン第40代大統領は1981年3月暗殺未遂事件に遭遇したとか。
 米当局が殺人に関与した疑いは、米ノーベル賞学者キャリー・マリス博士の不審な死ぐらいでしょう。これに関しては、検証は行われないでしょうが。

**「暗殺された」(was assassinated)と言う言葉の持つ意味は非常に重い。山上徹也容疑者(41才)について日本のメディアはどれも暗殺者と言う表現を用いていない。個人的な恨みでの殺害だとしたいようだ。しかし、米国人の多くはそれに疑いを持っている。暗殺である。裏に政治的信条を共有する支持母体がある。右翼か左翼か宗教団体かは不明であるが。

 しかも銃規制の厳しい日本で政治家が選挙キャンペーン中に銃で殺されたのだ。米国での安倍晋三氏への評価は特に高い。日本から見れば、「米国の要求を何でも受け入れたのだから好かれるのは当たり前だ」といった解釈もできる。多くの日本人から見れば対米従属一辺と日米同盟推進の旗手。米国人も同様か? どうしてなかなかのやり手と映っていたようだ。
 しかし、それを割り引いても日米問題で日本のメディアや学界が一定の評価をしている米国の識者たちの評価となれば、その理由を聞いてみてもよいのではないだろうか。

 ジョー・バイデン米大統領は安倍元首相の死去について「驚き、憤り、深く悲しんでいる。暴力は容認できない」との声明を発表した。「安倍氏は日米同盟の擁護者だった。『自由で開かれたインド太平洋』という彼のビジョンは、今後も続くものだ」「銃による暴力は、常に社会に深い傷跡を残す。米国は、この悲しみの瞬間にある日本とともにある」

 バラク・オバマ元大統領はツイッターにこう投稿した。 「友人であり、長年のパートナーだった安倍氏が暗殺され、衝撃と悲しみを感じている」「彼とは、広島とハワイ・真珠湾をともに訪問した。日米同盟を強化するための我々の活動や感動的な経験を、ずっと心に留めている」

 大統領就任直前に安倍氏の訪問を受け、2度にわたり訪日したドナルド・トランプ前大統領は、7月8日、SNSにこう書いた。「安倍氏の死は、世界にとって本当にバッドニュース以外の何物でもない」「彼を知っている人はそう多くはないかもしれないが、歴史は彼が偉大なことをすべての人間に教えてくれるだろう。歴史は彼を優しく受け入れてくれるだろう」「彼のように国を統一したリーダーはほかにいない。何よりも彼はあの立派な日本という国を愛し、大切にした」「われわれは彼を失い寂しくなる。彼のような人物は二度と現れないだろう」

安倍氏が心肺停止状態で病院に担ぎ込まれるのを知るや、アマゾン・ドットコムは「Pray For Abe」と印刷したTシャツをオンライン販売した。 安倍氏の似顔絵と日の丸をあしらったデザインで19ドル99セント。売れなければ作らないだろう。つまり安倍氏の知名度はある程度あるわけだ。もっとも、逝去が伝えられるや、このTシャツ販売は中止され、安倍氏の顔を印刷したものに切り替えられた。値段は16ドル99セント。米国は世界一のTシャツ国家。自分の主張やメッセージが書かれたTシャツを着るのは一種の「表現の自由」だ。 安倍氏のことを思い、回復を祈る米国人はどのくらいいたのだろうか。米国人が銃撃された日本人政治家のために祈ると公言したTシャツを着てくれるケースなど安倍氏以外にあるだろうか。

 米国民がショックを受けたのは、日本の有力政治家、特に総理大臣経験者が銃で撃たれたことだ。しかも参院選の応援演説中に暗殺されたのだ。

 問題点は2点。
 戦後、日本で総理大臣経験者が選挙期間中に殺害された例がなかった。米国にとっては治安があれだけ良いはずの日本でなぜだと思っても当然だ。
 岸田文雄首相は首相官邸で記者団に、「民主主義の根幹である選挙が行われている中で起きた卑劣な蛮行で、決して許すことはできない」と非難した。  容疑者は奈良市大宮町の職業不詳、元海上自衛隊員の山上徹也容疑者(41)。動機についてこう供述している。
「特定の団体に恨みがあり、安倍元首相とつながりがあると思って犯行に及んだ。(安倍氏の)政治信条への恨みでやったわけではない」

 ということは、容疑者は左翼ではなく、安倍氏と同じように保守主義者だ。保守系団体同士の政治路線をめぐる確執が背景にあったのだろう。警察は、山上容疑者の自宅など2カ所から手製の銃のようなもの数丁やパソコンを押収している。犯行は前から周到に計画していたことがうかがえる。銃創は首に2カ所あり、一部の傷は心臓に達する深さだった。開胸手術を施したが、銃弾は確認できず、1発は左肩から貫通した可能性があるという。つまり経験豊富な銃の使い手だったのだ。
**銃弾は執刀医が取り出し、奈良県警が受け取ったが遺失したらしい。そんな馬鹿な話があるだろうか? それでは犯人を隠蔽しているようなものだ。

 容疑者は2002年に任期制自衛官として採用され、2005年に3年間の任期を満了して除隊した。配属された海上自衛隊の部隊では実弾の射撃訓練も受けていた。警察はこんな危険極まりない男をなぜ野放しにしていたのか。安倍氏は襲撃当時、駅の北口ロータリーで演説中だった。現場に居合わせた聴衆は銃声を2回聞いており、容疑者は安倍氏の背後から発砲した。SPを含め大勢の警察関係者が警備に当たっていたというが、安倍氏はまさに狙撃者に背を向けて演説していた。
 安倍氏の背後を盾のように守るSPは一人もいなかった。「米国では考えられない警備体制だ。発砲された瞬間、身を挺して安倍氏を守るSPは一人もいなかった。甘い護衛態勢だ」(米主要メディア治安担当ジャーナリスト→つまり意図的な手抜き?)  今米国では、大統領の身辺警護するシークレットサービスの在り方が問題になっている。 その意味では安倍氏を無防備のまま暗殺された今回の事件は、別の面からも注目を浴びている。

**911同時多発テロの件を思い出して欲しい。犯行の計画の概要は99%近く、諜報機関によって把握されていた。米FBIは、情報に基づいて対策を提案。しかし、米CIAはあり得ないこととして100%無視した。もちろん米CIAが意図的に無視したという証拠は無い。ただ、CIAの構成員たちが皆同一の思想の持ち主たちで多様性が欠如していたことが原因として挙げられている(「失敗の科学」)。そう言う意味では日本の警備関係者も構成員が同一思想の持ち主で、犯人の異常な行動の意味を事前に察知できなかった可能性もある。米国は同時多発テロ以降警備体制の見直しを図っていたが、日本は平和だったためか安全対策に落ちがあったようだ。

 日米関係にとって、安倍氏の業績をたたえる声は日米関係専門家の間で定着している。
 新進気鋭のジャパノロジスト、トビアス・ハリス氏は2020年、安倍氏の日米関係への貢献を高く評価した著書『The Iconoclast: Shinzo Abe and the New Japan』(因習打破主義者:安倍晋三とニュー・ジャパン)を著している。

 本の趣旨は一言でいえばこうである。
1. 健康を害して一旦は政権を放り投げた安倍氏が再び政権に返り咲き、それまで誰も成し遂げられなかった日本型民主主義を確立した。
2. 台頭する中国によって激変してきたアジアで日本のリーダーシップをみごとに発揮した安倍氏は、「扱いづらいトランプ」の米国との関係強化を巧みに実現、日米同盟関係を揺るぎないものにした。

 本書についてはジャパノロジーの大御所ジェラルド・カーティス・コロンビア大学名誉教授やエズラ・ヴォ―ゲル・ハーバード大学名誉教授(2020年12月20日逝去)が絶賛している。安倍氏が暗殺されたとの報に接した元国務省高官の一人A氏は筆者に次のようなメールを送ってきた。
「安倍暗殺は、われわれ日本を知る外交官にとっては、ショック、戦慄、悲しみという3つの表現以外には見つからない」
「安倍氏の首相在任中から現在に至る日本の内政外交を振り返ってみると、同氏ほど重要な首相(Consequential Prime Minister)はほかにいない」「そのバイタリティから90歳まで生き続けて日本の政治をリードしていくものと思っていた」

「通常、米国人一般には日本の首相はあまり関心がない。メディアも日本の首相について注意することはまれだった」「だがその中で例外的な首相は3人いる。中曽根康弘、小泉純一郎、そして安倍晋三の3氏だ」「3人はともにビビッドなパーソナリティを有し、パートナーとなった大統領たちを惹きつけた」「特に安倍氏は、毀誉褒貶が激しく、朝令暮改を繰り返すトランプ氏との個人的関係を見事に築き上げた」
**日本人にとって個性が強く嫌われがちな政治家ほど、米国人にとっても噛み応えがあるということだろう。

「米国人の中には忌み嫌った人もいるトランプ氏とこうした関係を持とうとした安倍氏のモチベーションは何か」「それは一にも二にも日本の国益を守ることだった。トランプ氏もその安倍氏の愛国心に痺れたはずだ」「一切の妥協を嫌ったトランプ氏が安倍氏には譲歩した。その結果、日米は緊張関係を和らげ、同盟関係を強化した」
**トランプ氏だって、米国人の半数近い支持を持っている。対米従属が国是の安倍さんとしては、当時トランプ氏との強い絆は国政を遂行する上では欠かせない手段だ。

 安倍なき日本はどうなっていくと、米国は見ているのだろうか。リベラル系のサイト「Democracy Now!」の編集主幹、エイミー・グッドマン氏は、すでに紹介した主流メディアやエスタブリッシュメントの学者、外交官とは異なる安倍首相論を繰り広げている。
**リベラル系ということは、心情がリベラルではなく、民主党系と言う意味。

 上智大学の中野晃一・国際教養学部教授との対談では、「安倍氏は海外、特に米国では自由民主主義の英雄のように評価されているが、国内ではスキャンダルだらけの毀誉褒貶の激しい人物」といった評価を引き出している。
中野氏は、熱心な野党共闘推進派であり、野党共闘派のロビー団体「市民連合」の設立に呼びかけ人として関与。日本共産党の機関紙のしんぶん赤旗の2020年元旦一面特集では、志位和夫委員長と対談し、「文明を壊す安倍政治と決別する『覚醒の年』にする」と発言していた。

 同サイトは安倍暗殺後についてこう結論づけている(中野氏の発言を直接引用する形で)。
1. 日本のテレビ各局は安倍氏にへつらうようなニュースを垂れ流している。
2. その結果、参院選挙は有権者の同情を買って自民党が圧倒的勝利を収める。
3. 有権者は自民党に空手形を差し出す結果、自民党一党民主主義はますます強固なものになるだろう。

 日本在住のジャーナリスト、ジェイク・アデルスタイン氏も「安倍なき日本」についてこう言い切っている。
「安倍がいようといまいと、日本の『自民党一党独裁の民主主義』は、今後数十年は続くことに変わりはない」
「野党勢力は立ち直れず、メディアは尻尾を丸めて両脚の間にしまい込んだまま、政府与党を批判できないからだ」

**安倍暗殺後の国政がどうなるか、中野晃一の結論めいた説は頂けない。実は、今米国覇権が崩壊し、ドルの基軸通貨が崩壊し、多極化世界が進展していく中で、日本の立ち位置が国民の中でも明確になっていないことが問題だろう。実は米国も同じだ。覇権を放棄したいという動きもある(American First)。トランプ氏が見捨てられたようにバイデン氏も今年一杯だろう。大幅な政策転換が予測される。
自民党も野党も巻き込んだ既存政治集団の再構築が求められている。
対米従属、日米同盟を堅持して、ロシアや中国やイラン等の非米諸国と戦争(経済制裁)を続けて米国覇権を守るか、ロシアや中国やインドとも友好関係を築き国連中心の多極的世界構築に寄与するか。世界は明かにG7対G20諸国の対立へと向かいつつある。

経済の話
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戦術核兵器

戦術核兵器は、戦場単位で通常兵器の延長線上での使用を想定した核兵器である。戦略核兵器や戦域核兵器(中距離核兵器)に対して射距離が短い。米ソ間の核軍縮協定などでは射距離500km以下のものが戦術核兵器であると定義されている。つまり、通常兵器と同等と見なされているのか?

この分類は使用目的と運用方法によるもので、必ずしも核弾頭の威力の大小とは一致しない。大型の核弾頭でも前線の敵部隊に使用すれば戦術核兵器であり、逆に小型核弾頭でも相手国本土の都市などへの戦略爆撃に使用した際は戦略核兵器となる。現在では米ソ冷戦の終結と核拡散によって、定義は更に曖昧になりつつある。 戦術核兵器には地上配備の核砲弾や短距離弾道ミサイル(SRBM)及びロケット弾、核地雷、航空機搭載の核爆弾や空対地ミサイル、空対空ミサイル、海戦で使われる核魚雷、核爆雷などがある。

歴史
第二次世界大戦後、ソビエト連邦は特にヨーロッパ方面において通常戦力で圧倒的な数的優位に立っており、膨大な兵員数を持つ中国も共産化した。アメリカ合衆国は自らが優位にある核兵器による報復でソ連の侵攻を抑止する戦略を持っていた。しかし、ソ連の核武装強化により戦略核兵器の使用は即全面核戦争となり、お互いの破滅につながることが確実視された。

米国は核によってソ連の通常戦力による侵攻の抑止という効果が期待できなくなった。また、二大国の直接対決は避けられたものの、朝鮮戦争のような限定戦争に対しては抑止力とならなかった。危機感を持った米国は核兵器の小型化を進めた。全面核戦争のような世界大戦争から局地戦まで、様々な規模の戦争で使える核兵器を開発することで戦争を抑止し、中ソを封じ込める戦略を立てた。また、ソ連も米国に対抗するために戦術核兵器の開発を進めた。

米国のこの戦略は成功しなかった。米国の戦術核兵器および戦域核兵器の使用に対して、ソ連が戦略核兵器で報復する可能性が排除できなかったからである。結果的に、米ソ双方は核兵器による相互確証破壊戦略をとることになった。戦術核兵器は今日まで実戦で使われることは無かったが、通常兵器による小規模な戦争も無くならなかった。

アメリカの国際政治学者ジョセフ・ナイによると、1950年代半ばまで戦術核兵器は通常兵器の延長と見なされていた。アメリカ軍部などは、フランス軍が危機に陥ったディエンビエンフーの戦いや台湾海峡の金門島危機で核使用を進言したが、ドワイト・D・アイゼンハワー大統領が拒否。その後の時間経過とともに、戦術核を含めて「核兵器不使用の規範」が成立したと述べている。

ソビエト連邦の崩壊による冷戦終結後の1991年、米国は一方的に地上発射式および軍艦搭載の戦術核兵器の撤去宣言を行い、翌1992年に撤去完了を宣言した。撤去された弾頭は保管される。これは、ソ連が持っている戦術核兵器の流出防止が主たる目的であった。ロシアも1992年に艦隊配備の戦術核兵器を撤去している。
21世紀に入り、戦術核兵器の保有数は減少してきており、2018年1月頃では米国は約150発、ロシアは約1,830発の戦術核弾頭を保有しているとされる。

核兵器の開発は、①核爆弾の製造と②その運搬や使用法の問題に分けられる。
例えば、今北朝鮮が日本海に立て続けに発射実験を繰り返しているのは、もちろん②の改善の為で、出来れば米国の中心を直接ミサイルで攻撃するためである。発射実験はあくまでも核兵器搭載用のミサイルの開発であり、核実験そのものではない。だから北朝鮮側は宇宙開発用のロケットだとの言い訳も可能な訳だ。

同様に危険な技術開発は短距離弾道ミサイル、例えば最新鋭のジャベリン(FGM-148 Javelin)を米国はウクライナに武器支援で送り込もうとしているらしい。携行用で二人(場合によっては一人)でも、自由に操作できるらしい。しかも発射後避難すれば、誰が何処から発射したのかも隠蔽できる。弾頭には当然、普通の火薬以外に核弾頭や生物化学兵器も搭載可能。つまり、使用の権限は一切個人に委ねられている。まさにテロリストにとっては理想の最終兵器だろう。

いま、米国はこれをウクライナに運び込んでいることになっている。でも、核軍縮を求める世界の世論に完全に逆行する新兵器を本当に運び込むことに成功したのだろうか。現時点では脅しの段階かも知れない。ロシア側からは当然対抗措置として、より長距離弾道ミサイルが直接都市部へ飛んでくる羽目になる。こんな携行用の兵器では場所を特定することも困難であろうから。こんなことは、軍事専門家なら言わずともことかも。

日本では安倍元首相の暗殺の調査が進んでいるが、海外メディアが最も心配するのは、こんな技術(Javelin)は丁度、他国の要人を暗殺するのに最適な技術を提供していることだろう。誰にも気づかれずに、簡単に暗殺できる。真の犯人は絶対に分からない。
なお、通常の兵器での戦いでは、NATO軍はソビエト崩壊後のロシアと戦っても、やはり不利であろう。だからNOTO軍は、戦争を避け経済制裁の道を選んだ。その戦略もどうも資源国で元々経済的に豊かでないロシアに対しては効果が無かったようだ。
しかし、だからと言って、最終兵器を繰出すことは核廃絶に逆行する危険な賭けであり、同盟国の理解も得られそうもない。

経済の話
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経済制裁は戦闘行為と同じ

露軍は首都キーウ周辺から撤退し、東部ドンバス地方(ドネツク、ルハンスク両州)制圧のため戦力を集中していたが、ラブロフ氏は「ロシアの戦略は、米欧が射程の長い重火器をウクライナに供与してから変わった」と述べた。また、米欧がウクライナ軍に射程の長い重火器を提供すれば「進軍地域はさらに拡大する」とけん制した。
 一方、米国のオースティン国防長官と米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長は20日、オンライン形式で開かれたウクライナへの軍事支援会合に参加後、記者会見し、新たに高機動ロケット砲システム(HIMARS)4基を追加供与する方針を明らかにした。(読売新聞 2022/07/21)
対ロシアへの経済制裁が逆効果になり、欧米だけでなく世界中の親米国家がエネルギー食料価格の高騰物価高に悲鳴を上げ始めた。
多くの国が経済制裁やウクライナの経済援助に協力したのは、経済制裁をすればロシアが音を上げてすぐに負けを認めるという大前提があったから。明らかに経済制裁を続けること自体著しく愚劣なことになってしまった。
では、武器の供与は? これも大々的に実施した。けれども現状は良くならなかった。 射程の長い重火器、これでは自らが戦闘と同じことになってしまう。でも、現状を逆転するにはこれ以外に選択肢はなさそうだ。最終的には核戦争? 米軍のトップは、明かに現状を自らの戦争そのものと理解していることに。それ以外の米国が勝てる勝算はない。
でも、それでは他国の軍隊に戦いを強制して、自身は高枕では極めて卑劣なやり方だ。でも、最初は安易に考えていた経済制裁と言う戦闘行為がだんだんエスカレートして最後には核戦争にまで発展しかねない危険な戦略であったことが自明になって来る。

事実、ウクライナ東部での戦いは、外国人の傭兵部隊のテロ活動でようやく支えられているのが現状で、西部のウクライナ人民の大半は、戦争前と同じ生活を続けているのが現状らしい(キエフの街中の取材)。たまにミサイルの予告があり実際に着弾することを除けば。

現実には戦いは既に米国対ロシアになっており、東のウクライナ人も西のウクライナ人も蚊帳の外。だから、ゼレンスキーは連日戦いのアジ演説を飛ばしても今は国民から非難されない。

ロシア外相、欧米の対ウクライナ重火器提供で「戦略変わった」…進軍「拡大も」とのけん制は的を得ている。ウクライナに危険な長距離ミサイル(戦術的核兵器になり得る)が運び込まれて、本格的な大戦争を防ぐためには、その前に徹底的に搬入を阻止しないといけない。

事実、今まで安全だった、西側のキエフやリビウ等の大都市にも長距離ミサイルが降り注ぐようになり、西側のウクライナ人も安全ではなくなっている。ゼレンスキーの足元にも火が付き始めたようだ。
G7以外の国、いやG7の国内の多くの勢力は、速くゼレンスキーが降伏し和平が進むこと願望しているはずだ。G7以外の国では、既に米国離れが進行している。ゼレンスキー氏自身にとっても本当はそれが最善なようだ。

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戦争は人間がするもの?

米軍が供与すると言われる最新兵器、ジャベリンだのハイマースだの。操作は1~2人で出来る。後は総てAIが行う。ある意味ロボット兵器だ。誰がこんなもの操作できる。特別に雇い入れた傭兵部隊? 普通の精神の人間には操作は不可能だ。ただ、ただ目標の人や建物を破壊しつくすだけだ。こんな危険な武器をウクライナ軍が求めている? ウクライナ全土が破壊されて民族が滅んでもAI兵器が勝利すれば良い?

  これに対抗するにはより射程距離の長いより強力なミサイル兵器で広範囲を破壊する以外にない。なんせ最新兵器は小型で発見が難しそうだ。ウクライナの都市が次々に破壊されて行く。最新兵器には最新兵器で対抗。戦争はエスカレートするだけで終戦は見えない。

こんなAI同士の戦いを際限なく続けていれば、人類の死骸の山と都市の廃墟だけになってしまう。AIは総ての人類が破壊されつくされても、相手方のAIを殲滅するまで戦いを終了しない。何故、米英はこんな危険な最新兵器の供与にエールを送り続けるのか。日本のメディアですら、ウクライナ軍は、最新兵器のおかげで反撃を開始している? でも、これは相手方の占領地の建物や人民をテロ的に破壊するだけで、失地回復には繋がらない。

一方のロシア軍も超最新兵器を持って入り込んだ外国人傭兵を特定できないので、基地となりうる西部の都市への攻撃を次々と加速している。つまり戦線は拡大している。ここでも廃墟の山が出来る。多くの民間人が犠牲になる。でも、米英はそれでも兵器の供給を続ける。ゼレンスキーが強く要求しているから? 人類が滅びてもAI最新兵器は負けを知らない。

最新兵器の供与は戦争を拡大するだけで、何も解決しない。戦争は既にAI対AIの戦いに移りつつある。ウクライナへの武器供与は破壊の連鎖、人類は犠牲になるだけで、勝者は軍事産業が開発したAI兵器だけが残るという筋書きか?

既に、ウクライナ兵もロシア兵も無い。飛びかうのはミサイル兵器ばかりで、次々と廃墟が造り出されている。

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ウクライナの原子力発電所

原子力発電所 サポリージャ原発を巡るウクライナ・ゼレンスキー軍とロシア軍との攻防が続いているが現在どうなったんでしょうか。もし、格納容器が破損すればヨーロッパやシベリアを巻き込む大惨事となる。偏西風によって放射能がやってくる可能性のある日本も他人ごとではない。とりあえず、サポリージャ州は東ウクライナに属してロシアが実質ロシア管理下にあるので、発電を止めて互いに攻撃を中止することで危機を回避したようだ。
でも、サポリージャ原発は、なんと欧州最大の原子力発電所。ここが送電を止めればウクライナは深刻な電力不足に悩まされるはずだ。でも、ロシア側は攻撃を受けるまでは送電を続けていたという。つまりまじめに管理していたということか。チェルノブイリ原発は既に廃炉作業が進展中なので紛争の争点にはならないだろう。

しかし、一般社団法人日本原子力産業協会によるとなんとウクライナは世界第8位の原子力発電大国だったようだ。国のエネルギーの半分は原子力で賄われている。しかも、まだまだかなりの数の原子力発電が稼働中と言う。運転中の原子炉は総てロシア製となっているが、正確にはソビエト製ということだろう。もし、ウクライナ・ゼレンスキー軍が言うようにロシアが原子炉破壊を試みている(多分逆だろう)主張が本当なら、国内十数か所の原発の稼働を止め、戦闘が終わるまでしっかり防御を続けてもらわないと大変なことになる。

ウクライナの今後のエネルギー事情はどうなるんでしょう。ドイツはロシアからのガス供給を断った。ガスパイプラインはウクライナを経由しているので、ウクライナはロシアからのガス供給も失う。一体全体、どうやって冬を乗り切るのか?

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バフムトの攻防

バフムトの攻防 バフムトの完全掌握が民間軍事会社に外注されている? ある意味当然だろう。ウクライナ側も民間軍事会社が提供する武器や傭兵・義勇兵で闘っていることは自明だから。そもそも同じスラブ人のウクライナ人とロシア人、その他のスラブ系の人達が本気で闘う気なんかある道理もない。バフムトは人口7万人程度の小さな都市。それが何カ月も籠城戦を持ちこたえられる筈はない。テレビの映像でも町中が廃墟で人の気配もない。
ウクライナ報道官は「しかし、補給路はまだ開いており、ウクライナ軍は陣地を維持している」と語った。補給路はわざと開けてあって、NATO系の民間軍事会社がいくらでも武器と人員の補給が可能なようにしてあるようだ。プロの戦闘集団がわざわざ補給路を開けて敵の支援部隊の導入を可能にしているのはどう見ても変だ。つまりゼレンスキーが反抗を叫んでいる間は、NATOは武器と人員の支援を続けざるを得ない。どうも戦力が枯渇しているのはNATO諸国軍の方らしい。ドイツは戦車部隊を派遣できるのかしら。
広大な国土を有するウクライナがこの小都市の防衛にここまで拘り続ける理由は何なのでしょう。ウクライナ軍(実態はNATO軍)の最後の基地なんでしょう。つまり、バフムトの陥落はゼレンスキー政権の崩壊を意味する。ゼレンスキーが政権を投げ出せば、後継のウクライナ政権は遠慮なくロシアと和解することが可能になる。米国にとっては最悪のシナリオかも知れないが、停戦の為にはそのシナリオしかないかもしれない。(2023.5.9)

経済の話
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お金を使わないのは良いことだ

江戸博物館 お金を使わないのは良いことだ!
お金を使わないのは良いことだ!!
国民がドンドンお金を使えば経済成長する。ホント? 経済成長すれば豊かになる。豊かになれば幸せになれる。デフレを脱却すれば再び経済成長できる。
いま、日本政府の言っていることを要約すればこう言うことか。でも、一方ではSDGsとか言って廃棄物の少ない節約社会がベストとも言われる。「もったいないの思想だ。」
  「もったいないの思想」は、「GNPを経済の指標とする成長理論と真逆に思想だ」 節約社会の代表例が江戸時代の江戸の街。江戸国立博物館の展示にもある。

江戸の街にはゴミが落ちていない。歴史上最も清潔で美しい都市。ゴミは貴重な資源だ。子供でもそれを拾えば適正な価格で買い取ってくれる業者も存在。そのような買い取ってくれる人の生活も保障できる社会システムが出来ていたそうだ。
私なんか子供頃は未だ日本が貧しかったこともあるが、街に落ちている鉄釘や金物類を拾い集めると例え少量でも買い取ってくれる業者いた。これでおやつを買うことも出来た。このような業者さんは経済的に採算が合うかどうかは別にして、SDGsの大切さを子供達に教える大切な教育者としての役割を果たしていた。
台風で山から沢山の折れた木の枝が都市部に飛んでくる。河川にも洪水の際には倒木やゴミが流れて来る。少なくとも江戸時代にはこれも貴重な資源だ。一般家庭の燃料は大抵薪(まき)だろう。折れた木の枝を拾って来れば大いに燃料費が節約できる。でも、これは消費者が自分で一々拾うのは大変なことだ。でも、こんな仕事は適切な賃金さえ払えればやりたい人は五万といる。

江戸博物館 当時の江戸では人々の排泄物は貴重な資源(金肥)であった。当時の農業は化学肥料を使わない環境配慮型の有機農業そのもの。近郊の農村では争って江戸の町から肥料を買い集めたものだ。私の住んでいる埼玉県の東武東上線の駅にもこの金肥を取り扱う施設がもうけられていたようだ。河川交通も近郊からは農作物、江戸からは金肥が運ばれる。金肥は江戸の町の貴重な収入源。
敗戦後の日本は、金肥を禁止して水洗トイレで河川や海へ廃棄物として流すことを奨励し続けた。一般の家庭ごみを一緒に下水処理場に運ばれ処理される。この処理水からどれだけの貴重な資源が回収されているのか。おそらく下水処理場の費用はかかるけど、回収できるものは無価値に近いだろう。

この見直しは、宇宙生活が現実化することで行われている。宇宙船から排出されるゴミは一切船外には捨てることは禁止されている。地上では普通に行われていることが許されない。何故?
だから、宇宙では自分がした小便を飲み水として再利用しないといけない。もちろんこの飲み水は、完全に処理され元の小便とは全く別の物質と認識されているが。
でも、このことは上の金肥にも当てはまる。金肥を使って健全の育てられた野菜や作物には人体起源の細菌やウィルスが含まれている筈もない。しかし、人間の偏見はなかなか科学では割り切れないものらしい。
こうして見ると江戸の街は、理想的なSDGs社会であったようだ。

経済の話
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荻原重秀

知恵泉 荻原重秀(おぎわら しげひで;1658~1713年)は、元禄時代に貨幣改鋳を指揮した勘定奉行。小判に含まれる金(ゴールド)の割合を減らし、その分、発行枚数を増大させた。 差額は幕府の収入となる。 江戸時代は、初期を除いて、恒常的に貨幣が不足した時代だった。現在までの日本史では、彼は貨幣の改悪をして経済を混乱させた大悪人扱いであったが、実は幕府の財政を大幅に改善し、経済を潤し、元禄文化を花開かせた異次元の経済政策を世界最初に造り出した有能な財政マンだったと再評価されている。

旗本・荻原十助種重(200俵)の次男として江戸に誕生。本来のエリート官僚の生まれではなく、才能を見いだされて若くして抜擢されたようだ。延宝2年(1674年)10月26日に幕府勘定方に列し、将軍・徳川家綱にはじめて謁見。幾多の実績を示し、勘定奉行まで上り詰め大経済改革を実行に移す。

金貨 宝永6年(1709年)に将軍・徳川綱吉が死去し、同年2月3日に、将軍職に就く運びとなった徳川家宣が重臣を集めて代替わりの諸費用について尋ねたとき、重秀は窮地に陥った幕府財政を救うには金銀改鋳しかないと申し述べたところ、新井白石が強く反対。銀座に内々に永字銀を鋳造させた。これが重秀・白石の直接対決の始まり。これより新井白石などの家宣近臣達との関係が悪化。宝永7年(1710年)4月25日、張り紙値段を勝手に引き下げようとして、将軍・家宣への拝謁を禁止されているが、わずか4日後の29日には許されている。12月11日には500石の加増を受けており、都合3,700石を領した。さらに正徳元年(1711年)7月18日にも評定所での精勤ぶりをもって熨斗縮絹紬、越後縮などを与えられている。

しかし朝鮮との貿易で人参代往古銀の鋳造を余儀なくされるなど貨幣の悪鋳を国辱と受け止めた新井白石の憎悪は深く、度重なる弾劾を受けて、「荻原を罷免しなければ、荻原と刺し違えをする」と迫られた病没寸前の家宣はついに折れ、正徳2年(1712年)9月11日に勘定奉行を罷免された。嫡男の荻原乗秀には辛うじて越前国坂井郡で700石の相続が許された。正徳3年(1713年)9月26日に死去。絶食して自害したとも言われる。東京都台東区谷中の長明寺に葬られた。法名は日秀居士。妻は青柳勘右衛門道孝の娘、後妻は高木忠右衛門定清の娘。なお嫡男・乗秀の母はそのいずれでもなく、某氏の娘。

経済政策
家綱の代の延宝5年(1677年)幕府は太閤検地以降80年もの間一度も検地を行わなかった五畿内の検地を実施。事後の人事動向から見て、検地の細かい業務立案者は荻原重秀であったと推定される。重秀は、五畿内の土豪出身の世襲代官の妨害を排するため、近隣の諸大名に検地を行わせることを提言し、同時に勘定所からも巡検団を派遣して現地調査を行うことで、より正確に現地の状況を把握することに努めた。さらに重秀は、これらを円滑に行うための全29条の検地条目を策定し、見事に検地をやり遂げることに成功した。

この結果を受けた重秀は、延宝8年(1680年)に将軍の座に就いたばかりの綱吉や幕閣に対し世襲代官制の弊害を提言し、それを受けた幕府は世襲代官達を一掃して、代官の完全な官僚化を推し進めた。この結果幕府は当然増収、政権内の支持者も増える。

佐渡金山再生
元禄3年(1690年)に佐渡奉行に任ぜられた重秀は、当時生産量が落ち込んでいた佐渡金山を再生させるために、翌元禄4年(1691年)佐渡へと渡海した。現地にて金山の状況を調べ上げた重秀は、坑内に溜まった地下水を排出するための排水溝を掘削することを決める。その5年後の元禄9年(1696年)に「南沢疏水坑」が完成し、これにより佐渡金山は生産量が回復した。でも、これは経済官僚と言うより土木技術者としての能力かも。残念ながら、その後生産量は衰退、鉱脈自体が枯渇したようだ。
重秀は2ヵ月間の滞在の後に江戸へと帰還し、以後は佐渡に渡海することは無かったものの、21年間に亘って佐渡奉行として現地との連絡を欠かさずに取りながら、佐渡の治世や金山管理に勤めた。

地方直しは幕府財政の立て直しのため、生産性の高い地域や運上金が上がる地域を幕府領に編入し、年貢米の運搬費用を削減するなどの目的があり、質地取扱の覚は田畑永代売買禁止令に基づいた従来の制度を変更し、質流れによる田畑の所有権移転を実質的に認める政策であった。

貨幣改鋳
元禄時代になると新たな鉱山の発見が見込めなくなったことから金銀の産出量が低下し、また貿易による金銀の海外流出も続いていた。
**オランダとの貿易では、日本は海外に売るものが無く、金銀を商品として海外の珍しいものを購入。オランダは貿易で得た金銀で清や東南アジア諸国から茶や生糸等を買いまくる。日本はそれを買うため、また金銀が流出。
その一方で経済発展により貨幣需要は増大していたことから、市中に十分な貨幣が流通しないため経済が停滞する、いわゆるデフレスパイラルの危機にあった。それをかろうじて回避していたのが将軍綱吉とその生母桂昌院の散財癖だったが、それは幕府の大幅な財政赤字を招き、このころになると財政破綻が現実味を帯びたものになってきていた。そうした中で、綱吉の治世を通じて幕府の経済政策を一手に任されたのが重秀だった。

重秀は、政府に信用がある限りその政府が発行する通貨は保証されることが期待できる、したがってその通貨がそれ自体に価値がある金や銀などである必要はない、という国定信用貨幣論を200年余りも先取りした財政観念を持っていた。しかも海外の経済理論を学んだわけでもなく、自己の経験をもとに独自に理論を編み出している。従前の金銀本位の実物貨幣から幕府の権威による信用通貨へと移行することができれば、市中に流通する通貨を増やすことが可能となり、幕府の財政をこれ以上圧迫することなくデフレを回避できる。そこで重秀は元禄8年(1695年)、慶長金・慶長銀を改鋳して金銀の含有率を減らした元禄金・元禄銀の鋳造を金座・銀座に命じた。

元禄年間には産出銅は銅座が一括管理して金銀に代わり銅を輸出することとし、銅の需要が高まった。その一方で参勤交代などがもたらした全国的市場の発展による銭需要の増大、および金銀改鋳により銭相場が高騰したため、薄小化した寛永通寳の増鋳を命じた。訊洋子が著した『三王外記』には、このときの重秀の決意を表した「貨幣は国家が造る所、瓦礫を以ってこれに代えるといえども、まさに行うべし。今鋳るところの銅銭は悪薄といえども、なお紙鈔に勝れり。之を行ひとぐべし。」という有名な言葉を伝えている。この薄小な銭は俗称「荻原銭」と呼ばれた。

幕府の改鋳差益金は金銀合せて528万両余ともされる。従来この貨幣改鋳は経済の大混乱を招き、未曾有のインフレ(元禄バブル)をもたらしたと考えられてきたが、金沢大学教育学部教授の村井淳志の研究によれば、元禄期貨幣改鋳の後11年間のインフレ率は名目で平均3%程度と推定され、庶民の生活への影響はさして大きなものではなく、また改鋳直後の元禄8・9年に米価が急騰したのは主に冷夏の影響としている。その一方で、改鋳により豪商や富裕層が貯蓄していた大量の慶長金銀の実質購買力は低下し、商人たちは貨幣価値の下落に直面して貯蓄から投資へ転じた。こうして従前は幕府の御金蔵から商家の蔵へ金銀が流れる一方だった経済構造に変化が生じ、これ以上幕府財政に負担をかけずに緩やかなインフレをもたらすことが実現された。その結果経済は元禄の好景気に沸いたのである。現代の観点から、重秀の最大の業績はこの改鋳であり、この改鋳を「大江戸リフレーション(通貨膨張)政策」と評価する説もある。綱吉時代が終わり、新井白石らがこの政策を転換し、徳川吉宗が強硬に推進した良貨政策以降の経済停滞は「白石デフレ」とも呼ばれる。

災害対応
しかしこの時期は、関東の元禄地震、東海 - 南海の宝永地震、富士山の宝永大噴火など大規模な自然災害に加え、宝永の大火による内裏焼失や将軍代替わりによる出費が続いたこともあり、幕府の赤字財政からの脱却は困難を極めた。重秀は、これらの災害復興も担当し、元禄地震では江戸城および周辺の破損箇所の修復を命じ、宝永地震では被災した東海道筋の宿場町の修復について各大名らの手伝い普請の指導的役割を担った。

重秀は一方では佐渡金山にテコ入れ策を講じ、また一方では長崎貿易を増加して運上金を徴収、幕府史上初めての大名への課税、さらには全国の酒造家にも50%の運上銀をかけるなど、一貫して幕府歳入の増加に努めた。そこで財政赤字の補填を目的として元禄の改鋳に続いて、宝永年間には銀を中心に更なる改鋳を命じた。宝永3年(1706年)には宝永銀、宝永7年(1710年)には宝永金・永字銀と立続けの貨幣改鋳を行った。撩乱した元禄文化は終止符を打ったのである。

【正徳の治(しょうとくのち)】
1709年から1716年の間、江戸幕府において、6代将軍徳川家宣、7代将軍徳川家継のもとで、儒学者新井白石が進めた文治政治である。5代将軍徳川綱吉の政治を立て直すため、貨幣の質を戻したり、貿易を制限したりした。
家宣が将軍に就任すると、綱吉期に老中格であった柳沢吉保は隠居し、側用人松平忠周、松平輝貞ら先代の5代将軍徳川綱吉の権臣を更迭したが、勘定奉行には他に適任者がいないということで引き続き荻原重秀が留任していた。

荻原重秀は元禄期、今までの高純度の慶長金銀を回収し金銀含有率の低い元禄金銀を発行し、家宣時代になってからも将軍の承諾を取り付けることなく独断で宝永金銀を発行し、幕府財政の欠損を補うという貨幣政策をとった結果、約500万両(新井白石による推定)もしくは580万両(荻原重秀による推計)の出目(貨幣改鋳による差益)を生じ、一時的に幕府財政を潤したが、一貫して金銀の純度を下げる方向で改鋳をし続けた結果、実態の経済規模と発行済通貨量が著しく不釣合いになりインフレーションが発生していた。また、荻原は御用商人からの収賄や貨幣改鋳に関して巨額の利益を収めたなど汚職の噂が絶えなかった荻原敵視を続けた新井白石側の資料であることにも留意)。一方で、荻原の政策によるインフレは経済成長に伴う常識的な範囲でコントロールされており、それらは市場経済の発展で「通貨」の需要が増えていった時代のニーズをとらえていたという論考もある。

白石は荻原を「有史以来の奸物」「極悪人」と断じ、荻原を罷免すべきという上申書を提出すること3度におよび、最後には荻原を罷免しなければ殿中で荻原を暗殺すると迫った。ため、家宣は正徳2年(1712年)に荻原を罷免した。その後、荻原は罪を問われ下獄するが、取調べのやり方などは極めて異例で、白石の政治的陰謀を指摘する説もある。 **新井白石は、江戸時代に重んじられた儒学の大家。彼は「貨幣の改鋳は人を騙す巨悪」との固い信念のもとに行動したようだ。儒学は宗教とは異なるかも知れないが、「本来こうあるべきだ」を前提で論を展開したのではこれは科学的とはいえず宗教的な神がかりの論理だね。そもそも白石は荻原を蛇蝎のごとく嫌っていたが、荻原の方は全く気付いていなかったようだ。
他にも様々な説があり、歴史解析が待たれている。 ようやく貨幣政策に関してイニシアティブを握った白石は貨幣の含有率を元に戻すよう主張。有名な正徳金銀は新井の建言で発行されたもので、これによって当然のこととして悪性のデフレーションが発生する。市場の貨幣流通量を減らすべくその方法として貨幣純度を元に戻す必要は感じていたが、これを一気に行えば経済界に与える悪影響は計り知れず、元禄金銀・宝永金銀の回収と新金銀の交換は少なくとも20年はかけて徐々に行うように提言はしている。

徳川吉宗が将軍に就任し、新井白石が罷免された後、吉宗は白石の良貨政策については引き継ぎ、むしろ正徳金銀の通用について一段と強力な措置を講じた。享保3年(1718年)に通用金銀を正徳金銀にした上で、享保7年末(1723年2月4日)に元禄・宝永金銀の通用を停止させた。吉宗が推進した享保の改革の緊縮財政により米価の下落、本格的なデフレ不況となった。実際には幕府の損失を伴う良貨への改鋳はなかなか進捗せず、正徳年間の正徳金銀の鋳造量は極わずかで、元禄・宝永金銀各種との混在流通が続く状態だったようだ。

貨幣は国家が造るもの。紙幣という便利なものが発明される以前の話であるから、通貨の量を増やすためには貨幣の質を落として量を増やすという考えは寧ろ自然な発想で、将軍を含む幕閣の一部には十分に受け入れられるもので、勘定奉行として彼が活躍できた一因でもあろう。これで幕府の収入も増えるのだから彼らにとっても悪い話ではない。 ところで、金貨と言う貨幣は実は商品そのものと言う面があったことも見逃せない。1両の金貨は鋳つぶした金塊でも1両の価値がある。家康が造らせた慶長小判は、純度は高い。なぜなら、経済の中心大阪で慶長小判を流行らせるためには、秀吉の作った同額の小判の品質を上回る必要があったから。さもないと、商人たち代金の受取りには秀吉の小判を選択してしまう。ある意味一種の芸術品。これを粗悪な金貨に改鋳することは徳川大権現様への冒涜だと白石は感じたのかもしれない。

徳川期の貨幣は金本位制だったかと言うとどうだろうか。慶長小判も元禄小判もともに1両相当の金塊との交換が可能だとしたら。これなら小判でなくても紙幣でも同じことになる。実際に交換を希望する人はいないとしてもこれが暗黙の了解事項となっていたら、ある意味金本位制と言えそうだ。 また、江戸時代は米本位制だったとも言える。大名の格式も米の石高で換算される。米の価格が基準とすれば、米価が上がった時代はインフレーション、米価が下がった時代はデフレーション。大雑把な話としては米1石が1両に相当。と言うより1両はこの値段に相当するように決められたのかも。この辺の事情は、米価の時代的変動を調べて見れば分かるのかも。

経済の話
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ナワリヌイ死去

ナワリヌイ ナワリヌイ死去:2月16日(2024年)
ナワリヌイナワリヌイ:ロシアの反体制・野党活動家のアレクセイ・ナワリヌイが、西シベリアの北極圏にある監獄で死亡した。ナワリヌイはもともと、リベラル派が極右とかネオナチと非難する民族主義者・ナショナリストで、2007年ごろから野党人士として有名になり、プーチン(メドベージェフ)政権を汚職理由で辞任要求する反政府運動を強めた。

2020年に露国内を飛行機で移動中に体調が悪化して瀕死になり、ドイツに移送されて治療したが、体調悪化は露当局から毒物(ノビチョク)を投与されたからだと欧米側が言い出し「プーチンが自分を鋭く非難する反体制派を殺そうとした事件」として欧米で喧伝され、それっぽい映画も作られた。
注目されるのは、ロシア政府がナワリヌイの死を発表した時、NATOなど米国側諸国がドイツに集まって対露関係などを話し合う年次のミュンヘンに安全保障会議がちょうど開かれており、会議にナワリヌイの妻ユリア(Yulia Navalnaya。夫を補佐する共闘者)が招待され、ロシアから来て出席していたことだ。ミュンヘン会議の主催者は、露政府が発したナワリヌイ死去の発表を、すぐに議場で発表した。そして議事進行を変更し、ユリアを登壇させて演説をさせた。ユリアはプーチン政権を強く非難し、議場の一同がロシア敵視を強め、プーチン打倒を誓った。これおかげでナワリヌイ氏はロシア政府と戦うG7諸国の英雄に変身できたらしい。

これが事件の真相らしい。つまり、プーチンさんや別のロシアの主導者達にとってには全く彼を殺害しなければいけない動機はない。そもそもナワリヌイは欧米のリベラル派が極右とかネオナチと非難する民族主義者で、ウクライナ戦争に反対していた訳でもない。寧ろその反対でメドベージェフ政権を汚職理由で辞任要求する反政府運動を強めて人気を取っていたようだ。全然政権に取って脅威でも何でもなかった。毒を盛ったのか誰なのかも不明。ドイツ政府も関与?
 
ロシアで最初にナワリヌイの死を発表したのは西シベリアの監獄当局だったが、その数分後には露大統領府(クレムリン)が記者発表し、話はすぐにミュンヘンの安保会議に伝わった。露政府は、ミュンヘンの議場にユリアがいる時間を狙ってナワリヌイの死を刑務所に発表させ、ユリアが情緒的な演説をするように仕向け、米国側が露敵視とウクライナ戦争支援を強めるように画策したのでないか。

ウクライナ戦争は昨夏からロシアの勝ちが確定し、米欧がいくらウクライナを支援しても挽回不能になっている。米政府も、挽回困難と認めているが、同時に、負けるわけにいかないと言って露敵視とウクライナ支援を続け、NATO傘下の欧州諸国にもそれを強要している。
米国(諜報界と軍)は、開戦当初からウクライナ軍に稚拙な戦略をとらせて戦力を浪費してきた。稚拙な策ゆえに負けているのはウクライナなのに、露軍が稚拙なので負けていると正反対のウソを米欧政府内やマスコミ権威筋に流し、多くの「専門家」たちが「ロシアはもうすぐ負け、プーチンは追放される」と大間違いを言い続けた。でも、ロシア国内ではプーチンさんの人気は逆に上昇してますね。
*確かに、日本のマスメディアもロシアはもう持たないと言い続けてますね。ウクライナは今は負けているようだが、そのうちに反撃に転ずるはずだ。軍事支援を惜しんではならない。まるで、日本の敗戦前の大本営発表のようなニュースばかりが飛びかっている。
ウクライナ開戦後、ロシアは米欧から強烈に経済制裁されているのに経済成長している。米欧が中露を敵視するほど、中露と非米側が経済結束して米欧抜きの世界経済を作って発展していく。プーチンの露政府は、この状態をもっともっと続かせたい。その方が発展できる。習近平も似たような戦略だ。
*それどころか、非米世界の経済は好調のようだ。最近は北朝鮮も経済成長は著しい。あれだけ宇宙開発ロケット発射実験(国内向けにはそう発表)を行う経済力はどこから来るのか。インドやインドネシアも経済発展している。

米大統領選挙は、どうもG7諸国の期待通りにバイデンさんが圧勝という訳にはいかないようだ。もし、トランプさんが辛勝すれば、ウクライナ戦争は終結する。彼は公約を守ることはきちんとする。でも、それを許さない動きもある。

NATO加盟国のエストニアのような国が国内のロシア系住民への弾圧を強め、ロシアが邦人保護策のためにエストニアに軍事進出(侵攻)せねばならない状況を作り、対立激化の中でエストニアあたりにいる米軍特殊部隊が匿名的にロシアを攻撃してロシアとNATOを開戦させるシナリオだ。
ウクライナはNATOでないので、戦争になってもNATO5条の参戦義務が米国やEUに生じなかった。だが、エストニアやポーランドやルーマニアはNATO加盟国で、これらがロシアと交戦すると5条が「自動発動」されて、米露が戦争に入ることになっている。こうなればトランプさんとてロシア敵視策を放棄できないかも。ルーマニアのような東欧の経済的後進国は、多民族国家としての人種的対立が過激化しやすいため、あり得ないシナリオではない。(2024.2.23)

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