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目次
幾何学再入門 正四面体の重心と頂点のなす角度 ベクトル解析入門 部分積分と置換積分
ベイズ統計にチャレンジ

幾何学再入門

 幾何学と言えば、総ての学問の基礎というのが欧米での常識。我が国では最近あまり人気がない。化学のおける立体構造や鉱物の結晶学等、空間図形は結構ややこしい。本当はユークリッド幾何の初歩からやればよいのでしょうが、それはそのうちにKids Roomの方で展開したいと思ってます。

正四面体の重心と頂点のなす角度

正四面体  メタンCH4の立体構造は、真ん中に炭素、正四面体の4つの頂点に水素分子が結合。H―C―Hのなす角度は109.5度となっています。この角度は正四面体の基本的な性質で、化学の問題でなく、自分で計算できる必要があります(化学の教科書には書いていない)。この計算は高1レベルでしょうが、立体図形でもあり結構考えにくいと思います。
 まず、正四面体の重心をG、4つの頂点をA、B、C、Dとします。図を参考にしてください。下図は上の立体の展開図です。正三角形が4つ集まっています。3つのAが折り返しで一つになります。正三角形の一辺をaとします。

さて、BCの中点をMとします。
AM=DM=(√3/2)a
Hを△BCDの重心とすると、DH=(2/3)DM=(2/3)×(√3/2)a=(√3/3)a
AH=√(AD2-DH2)a=√(1-(√3/3)2)a=√6/3a
ここで、重心Gは、AH上にあって、錐体(四面体)の重心であるから、AG:AH=3:4
よって、AG=(3/4)AH=3/4×√6/3a=√6/4a=0.6123a=(1/1.633)a
ここで、△MADを考えると、AG=DG
求めたい角度∠AGD=θとして、余弦定理を適用する。
2AG・DGcosθ=AG2+DG2-AD2
2×(√6/4)a×(√6/4)a cosθ=(√6/4)2a2+(√6/4)2a2-a2
   ∴cosθ=-1/3
ここからは、関数電卓の出番で、cos-1θ=arccosθ=1.9106 rad=109.47°として求めることが出来る。
ここで、錐体の重心位置および体積の求め方をレビューする。
錐体重心 錐体体積
錐体(底面積S)と三角形(底辺b)の比較をしてみると良く似た関係がある。
図形体積重心位置
錐体(1/3)Sh(3/4)h
三角形(1/2)bh(2/3)h
錐体(底面積S)と三角形(底辺b)の比較をしてみると良く似た関係がある。

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ベイズ統計にチャレンジ

ベイズの定理 ベイズ定理の確認 ベイズ定理の拡張 壺でツボを押さえよう
どこで帽子を? 感染症対策 囚人の助かる確率

ベイズ統計にの定理

ベイズの定理が最近見直されているらしい。何故? ベイズ統計というものがITの分野で使われるようになっているらしい。
ベン図 まず始めにベイズの定理のもとになる条件付き確率を復習する。次の定理はベン図を描いてみれば分かる(右図)。
   P(B|A)=P(A∩B)/P(A)…(1)

これどこかでやった。1年間でA=ある感染症にかかるという事象、B=何らかの理由で死ぬという事象。A∩B=ある感染症にかかり、かつ亡くなるという事象。
ところで、P(B|A)が条件付き確率と呼ばれるもの。Aいう事象が生じたという条件のもとでBという事象が生じる確率。P(B|A)は、感染症の致死率とも呼ばれている。

当然新型コロナウィルスにも適用できる。その例も別の項で示したのでご参考下さい。コロナウィルスで誤解されるのは、Aという事象は、PCR検査という検査を受けて陽性の結果の人だけが対象になっている。実際にはもっと感染者がいるはずだという主張は、この統計からは算出できない。

   P(A∩B)=P(B|A) P(A)…(2)
   P(A∩B)=P(A|B) P(B)…(3)
(3)は、AとBの役割を交換しただけで、これもベン図から納得できる。(2)(3)の左辺は同じ。    ∴ P(A|B) P(B) =P(B|A) P(A)
これを、P(A|B)=P(B|A) P(A)/P(B) …(4)    P(A|B) をP(B|A)の逆確率と呼ぶら。
Aが起こった時Bが起こる確率P(B|A)に、Bが起こった時Aが起こる確率P(A|B)を対応させる式。
コロナに感染(A)して死ぬ(B)確率に、死んだ時にそれがコロナである確率を対応させるということか。
実際の応用の場面では、(4)式でAを原因、Bを結果と考えることが多いようだ。
だからP(A|B)を原因の確率 とも呼ぶ。
また、P(A)を事前確率、P(A|B)を事後確率 とも呼ぶ。
名前が、どれが原因でどれが結果かなんだか結構ややこしい。

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ベイズ定理の確認

例題 ベイズ定理の確認を確認するための簡単な例題。
箱の中に3枚のカードa、b、c が入っている。カードa は両面が黄色、bは黄と青。cは両面が青だ。 さて、カード1枚を取り出し机の上に置いた。取り出したカードの上面が黄色であったとしたら、そのカードがbである確率は??
A、B、Cをカードa、b、c が取り出される事象とする。また、Y、Sを取り出したカードの上面が黄、青である事象としよう。
求めたい確率は、条件付き確率の記号を使って、P(B|Y)となる。

この確率は、普通の確率の定義から簡単に求まる。P(B|Y)となる事象は次の3つの場合しかない。つまり、a表、a裏、b表の3つの場合しかない。しかも、この3つの場合は同様に確からしいと言える。従って、P(B|Y)=1/3

次にベイズの定理
   P(B|Y)=P(Y|B)P(B)/P(Y) …(1)
カードを取り出す総ての場合を列挙すると、
→→①aの表黄、②aの裏黄、③bの表黄、④bの裏青、⑤cの表青、⑥cの裏青の6通り
従って、P(Y)=3/6=1/2、P(B)=1/3 、P(Y|B)=1/2
であることは、図からも明らか。
これを(1)に入れて、P(B|Y)=(1/2)( 1/3)/(1/2)=1/3
当然とはいえ、一致する。
ここで、カードを選択することは、色の原因であり、色はその結果と解釈する。色という結果から、その原因であるカードを選択する確率を求めている。だから、得られた結果を「原因の確率」と呼ぶのかベイズ流の考えらしい。

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ベイズ定理の拡張

例題 以下は、ベイズの定理  P(A|B)=P(B|A) P(A)/P(B) …(1)
に多少の変形を加えたもの。右図を見て下さい。A=A1+A2+A3 つまり、Aは共通部分の無い3つの部分から(排反事象)なっています。
また、B=B∩A1+B∩A2+B∩A3  
ところで、ベイズの定理もこの場合、P(Ai|B)=P(B|Ai) P(Ai)/P(B)
  (ただし。i=1~3)  …(2)

従って、確率P(B)は、P(B)=P(B∩A1)+P(B∩A2)+P(B∩A3) と表わせる。
右辺の各項に乗法定理を適用する。
P(B)=∑P(B∩Ai)=ΣP(B|Ai)P(Ai) (∑はi=1、2、3の和) これを(2)に代入すれば、
P(Ai|B)=P(B|Ai) P(Ai)/∑P(B|Ai)P(Ai)  (ただし。i=1~3)  …(3)

先の例題に(3)式を用いた場合。
例題 箱の中に3枚のカードa、b、c が入っている。カードa は両面が黄色、bは黄と青。cは両面が青だ。 さて、カード1枚を取り出し机の上に置いた。取り出したカードの上面が黄色であったとしたら、そのカードがbである確率は??

【解】
求める確率は、取り出しがカードが黄だった時、それがb(B)である確率、つまりP(B|Y)が欲しい!
(3)式を利用すると
   P(B|Y)=P(Y|B)P(B)/{P(Y|A)P(A)+P(Y|B)P(B)+P(Y|C)P(C)} …(4) この式が何故便利か?図を見て考えて見れば分かる。
   ① P(Y|A)=1 → aのカード取り出され時、それが黄色の確率
   ② P(Y|b)=1/2→b のカードが取り出されたとき、それが黄色の確率
   ③ P(Y|C)=0→c のカードが取り出されたときそれが黄色の確率
また、P(A)=P(B)=P(C)=1/3 (∵3枚のカードから1枚を取り出す確率は同様に確からしい)
これを(4)式に代入すれば、答えが求まる。
  P(B|Y)=(1/2×1/3)/(1×1/3+1/2×1/3+0×1/3)=1/3
当然ではあるが、これは先ほど求めた結果と一致している。

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壺でツボを押さえよう

壺 【例題1】2つの壺 a、b がある。a の壺には赤玉3個、白玉2個入っている。b の壺には赤玉8個、白玉4個入っている。壺 a、b が選ばれる確率は、1:2 とする。今、どちらかの壺から玉1個取り出したら、赤玉であった。その赤玉が a から選ばれている確率は?? b から選ばれている確率は??
【解】
事象を次のように決める。
A: 壺 a から玉を取り出す。B: 壺 b から玉を取り出す。R: 取り出した玉が赤玉であった。
求める確率は P(A|R)となることは分かる?
ベイズの定理((3)式)から、
   P(A|R)=P(R|A)P(A)/{P(R|A)P(A)+P(R|B)P(B)} …(1)
P(A)=1/3、P(B)=2/3 (∵壺aと壺bが選ばれる確率は1:2)
また、P(R|A)=3/5、P(R|B)=8/12=2/3、これを上の式に代入すれば簡単。
   P(A|R)=(3/5)(1/3)/{(3/5)(1/3)+(2/3)(2/3)}=9/29
同様にして、 P(B|R)は、
   P(B|R)=P(R|B)P(B)/{P(R|A)P(A)+P(R|B)P(B)} …(1)
   P(B|R)=P(2/3)(2/3)/{(3/5)(1/3)+P(2/3)P(2/3)}=20/29 …(1)
P(A|R)=9/29、P(B|R)=20/29、出た玉が赤玉であった時、それは壺aから壺bからのどちらかでしかないから、P(A|R)+P(B|R)=1となります。

壺 【例題2】外見からは全く区別がつかない2つの壺 a、b がある。a の壺には赤玉3個、白玉1個入っている。b の壺には赤玉2個、白玉2個入っている。今、どちらかの壺から玉1個取り出したら、赤玉であった。その赤玉が a から選ばれている確率は?? b から選ばれている確率は??
【解】
外見からは全く区別がつかないということは、P(A)=P(B)=1/2としてしまいます。これを理由不十分の法則と呼んでいる。
   P(A|R)=P(R|A)P(A)/{P(R|A)P(A)+P(R|B)P(B)} …(1)
     =(3/4)(1/2)/{(3/4)(1/2)+(1/2)(1/2)}=3/5=0.6  

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どこで帽子を?

帽子 5回に1回、帽子を忘れて来てしまう、営業マンの王さん。正月年始回りで得意先をA、B、Cと3軒を順に回って家に帰って来て、帽子を忘れたことに気がついた。2軒目のB社に忘れて来た確率は?br> これ、大学入試(早稲田)にも出題された難問らしい?
家を出るときには帽子を確かに被っていて、帰った時には無かった。途中の記憶はないということか。 まず、事象A、B、C、Fを A: A社に入る時には帽子を持っていた。/B: B社に入る時には帽子を持っていた。/C: C社に入る時には帽子を持っていた。/F: 家に帰って帽子を忘れたことに気がついた。
集合に使うベン図を描いてみた。
どうも事象A、B、Cは一見排反事象ではないようだが。ただ、このように事象を設定すれば3軒を回る順番は問題にならないようにも見える。
求める確率は、P(B|F)    P(B|F)=P(F|B)P(B)/{P(F|A)P(A)+P(F|B)P(B)+P(F|C)P(C)} …(1)
P(F|A)=P(F|B)=P(F|C)=1/5、P(A)=1、P(B)=4/5、P(C)=(4/5)2=16/25 

   P(B|F)=(1/5)(4/5)/{(1/5)(1)+(1/5)(4/5)+(1/5)(16/25)}=20/61
同様にして、P(A|F)=(1/5)(1)/(61/125)=25/61、 P(C|F)=(1/5)(16/25)/(61/125)=16/61(1)
P(A|F)=25/61、P(B|F)=20/61、P(C|F)=16/61 となり、P(A|F)+P(B|F)+P(C|F)=1
A、B、C 3社のうちのどれかだから、確率の合計が1になるのは当然だが、先に尋ねた会社ほど確率が大きくなるのはチョット意外かも。事象A、B、Cの生ずる確率が異なるためだ。

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感染症対策

感染症対策 ある病気を発見するT検査法に関して、次のことが知られている。
①病気にかかっている人に、この検査を行えば98%の確率で病気であることが正しく診断される。見逃すのはたったの2%。
②病気に罹っていない人に、T検査を実施すると、5%の確率で謝って病気にかかっていると診断される。
③母集団においては、病気にかかっている人の比率は3%、つまり97%の人は健常者ということ。


【普通の確率的手法】
母集団として、仮に10000人(1万人)とする。すると、
・病気に罹っていない健常者の人数=10000×0.97=9700人
・病気に罹っている人の人数=10000×0.03=300人
・健常者が病気と診断される人数=9700×0.05=485人
・病気に罹っている人が本当に病気と診断される人数=300×0.98=294 人
・T検査で病気と診断される人数=485+294=779人
従って、T検査で病気に罹っていると診断される人が、本当に病気に罹っている確率は、
  病気に罹っている人が本当に病気と診断される人数/T検査で病気と診断される人数=294/779=0.377→約38%、後の62%は健常者なのに病気を判断されてしまうことに。
98%の確率と言われれば医師も患者も、つい信頼してしまうでしょうが。半分以上が誤判断。一番騙されやすいのがマスコミ関係者や政治家のようですが。

【ベイズの定理を使った解法】
事象の整理→U=母集団、A=感染者、AC=健常者、A∩AC=∅、B=感染症と診断
求めたい確率は、P(A|B)、 するとベイズの定理から
   P(A|B)=P(B|A)P(A)/{P(B|A)P(A)+P(B|AC)P(AC)}
となり、P(A)=0.03、PAC)=0.97、P(B|A)=0.98、P(B|AC)=0.05
∴ P(A|B)= (0.98) (0.03)/{ (0.98) (0.03)+ (0.05) (0.97)}=294/(294+485)=294/779=0.377→約38%
これを見るとベイズの定理を使った方が、分かり易いかも知れない。
【追記】
感染症でも、今流行の新型コロナな場合は厄介でしょうね。感染者の数が皆目見当がつかない。PCR検査で陽性の者をとりあえず感染者としているらしい。検査の精度も100%でには及ばないらしいし。しかし、潜伏期間を過ぎると一時的に陽性のものも何事もなく陰性に転じ健常者に。

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囚人の助かる確率

「3人の囚人の問題」というのはちょっとしたパラドックスのような問題です。
3人の死刑となる囚人がいた(A、B、C)。一人だけ恩赦されることに。恩赦される囚人は無作為に選ばれる。誰が恩赦されるか看守だけが知らされている。そこで囚人Aは、看守を買収して言った。「BとCのどちらかは必ず処刑されるんだ。どちらが処刑されるかを教えてくれ。それなら私に情報をくれたことにはならないだろう。」看守は考えた。「うん。それなら教えたことにはならないね。処刑されるのはBだよ。」
囚人Aは、考えた。「初めは自分が処刑されずに助かる確率は1/3だった。でも今度は処刑されるのは自分かCだ。助かる確率は1/2に増えた。」買収の成果はあったと言えるのでしょうか。

【解】次のように事象を定義する。 A: Aが助かる。B: Bが助かる。C: Cが助かる。 SA: Aが処刑されると看守から教えてもらう。SB:Bが処刑されると看守から教えてもらう。SC: Cが処刑されると看守から教えてもらう。
Bが処刑されると教えられたという条件の下で、Aが助かる確率は本当に1/2になるのでしょうか。

【解】
まず、P(A)=P(B)=P(C)=1/3、看守の言ったことから、P(SB|B)=0、P(SB|C)=1、 P(SB|A)=P(SB|A)=1/2
求める確率はP(A|SB)であるから
    P(A|SB)=P(SB|A)P(A)/{ P(SB|A)P(A) +P(SB|B)P(B)+ P(SB|C)P(C)}
     = (1/2) (1/3)/{ (1/2) (1/3) + (0) (1/3)+ (1) (1/3)}
     =1/3
当たり前なのか、チョト不思議な気もする。情報を得て得したような気になる実際は無意味だった。

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