ZooPark

勉強は本当はたのしいぞ。好きなところから読んでね。

                         管理人の所在地;埼玉県志木市館志木ニュータウン内 ;      © 2017 Studio Rabotati All Right reserved

 
  

動物園にようこそ

ここでは、実際の動物にはさわれないけど、動物について色々なことが学べます。まず、ここで取り上げた動物達のリストを下に示します。クリックしてもらえばそこに飛びます。これからも数を増やしていきますのでお楽しみに。
昆虫館へもようこそ水族館へもようこそ植物園も面白いも増やしていきましょう。

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動物園にようこそ
鳥類館へもようこそ
植物園も面白い
昆虫館へもようこそ
水族館へもようこそ
古代の海への大冒険
恐竜の世界-中生代をのぞいてみよう
人類の発展
宇宙のお話


動物たちのリスト >  
ライオン ネコ科 オオカミ イヌ ゾウ サイ
牛(うし) 馬(うま) バク
コアラ ハダカデバネズミ
コウモリ クジラ ラクダ
オオアルマジロ アリクイとナマケモノ ツチブタ センザンコウ
単孔類 有袋類 飛べない鳥達 カモノハシとハリモグラ
変わった動物 一番強い動物
ボノボ テナガザル ヒヒ ニホンザル 類人猿
オオアルマジロ ツチブタ タスマニアデビル
爬虫類の仲間
コモドオオトカゲ ヘビ ワニ カメ ウミヘビ
両生類の仲間
両生類 カエル アカハライモリ ガマの油 ガマの油2
無脊椎動物
ダイオウグソクムシ ハワイマイマイ

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裸坊達の部屋

ライオン        lion

lion
獅子ともいう。英語はもちろんlionです。
lion(英語)→狮子Shīzi→лев(ロシア語)→独仏語では男性と女性で呼び名が異なる。
ライオンはどこに住んでいるのかな。アフリカのサバンナという草原です。アフリカの東側(がわ)だね。アフリカは広い。北側は大分部が砂漠(さばく)。サハラ砂漠です。西のコンゴの当たりには大密林(だいみつりん;ジャングル)がある。トラはジャングルに住むけどライオンは草原でないと住めない。ただし、トラはアフリカにはいません。古代にはライオンは、アフリカ以外でも、ヨーロッパ、中東(ちゅうとう)、インドあたりまで広がっていたことが分かっている。現在でもインドには500頭余りのライオンが生息している。お正月に見る獅子舞(ししまい)は、ライオンを見たことがない人が伝説をもとに想像してかいたのでしょう。ライオンがもとだけどあまり似てないね。ライオンが今インドとアフリカにいることは、昔はずっとその間の地域にも住んでいたということだね。
写真はインドライオンですが、今では貴重な絶滅危惧種だ。

動物園にようこそ
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ネコ科

ネコ科の動物達はどれも、肉食で獰猛(どうもう)なハンターとしての素質を備えています。可愛い飼い猫もライオンやトラと同じ、食肉目ネコ科という分類に含まれるのです。でも、ライオンもトラも子供の時は可愛いですね。ネコ科の動物には、飼い猫、ヤマネコ、ライオン、トラ、ヒョウ、チータ、ジャガー、ピューマ(アメリカライオン)、ウンピョウ等たくさんの仲間がいますね。
tiger でも、皆さんが良く知っている猫(ねこ)は、食肉目ネコ科ネコ属に分類されるヨーロッパヤマネコが家畜化されたイエネコのことです。ということはヤマネコなんていうのはイエネコとは似ていても別の種類なんですね。ネコ科の動物は獰猛なハンターだから小さくても結構危険だね。
ネコは人に良くなつくため、犬と並んで世界中でペットとしてたくさん飼われていますが、人の役に立つ仕事はほとんどしてないですね。ゴロゴロ昼寝(ひるね)ばかりしていてエサをタダでもらっていい御身分ですね。君たちの中にも今度生まれ変わったらネコになりたいなんて思っている人もいるかな。
ネコが家畜化されたのは、農業が始まって、収穫した穀物(米や小麦)がネズミに食べられる被害が増えたからと考えられています。日本でも江戸時代まではネコの役割はネズミを捕ることです。ハムスターを飼っている人は気をつけて下さい。ネコはスキがあれば捕まえて食べてしまおうとしているはずです。
tiger写真は東武動物公園のwhite tigerです。トラもネコ科の動物ですね。

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ラクダ

ラクダは、砂漠の舟(ふね)とも言われ砂漠地帯ではなくてはならない生き物だったのです。自動車の無かった時代、商人たちはラクダの背中(せなか)に荷物(にもつ)を積んで、東西の貿易(ぼうえき)を行いました。ローマ(今のヨーロッパ)とインド、中国をつなぐ道、シルクロードをラクダで往復(おうふく)したのですね。
これらの人々は必ず砂漠を通らねばならないのですが、水も食料もない砂漠を通過することは大変だったんですね。ラクダは馬と異なり途中で水や食料が無くても、背中のコブに蓄(たくわ)えた養分(ようぶん)を使って何日も我慢して歩き続けることができるのですね。
ヒトコブラクダヒトコブラクダ フタコブラクダフタコブラクダ フタコブラクダ写真は東武動物公園のフタコブラクダです。
ラクダ(駱駝)は、哺乳類・ウシ目(偶蹄目)・ラクダ科・ラクダ属の動物で、西アジア原産で背中に1つのこぶをもつヒトコブラクダと、中央アジア原産で2つのこぶをもつフタコブラクダの2種が現存しています。砂漠などの乾燥地帯にもっとも適応した家畜であり、古くから乾燥地帯への人類の拡大に大きな役割を果たしているのです。
ラクダ科の祖先はもともと北アメリカ大陸で進化したもので、200万年から300万年前にベーリング海峡(その時は陸地として繋(つな)がっていた)を通ってユーラシア大陸へと移動し、ここで現在のラクダへと進化したようです。北アメリカ大陸ではラクダ科は絶滅ししましたが、パナマ地峡を通って南アメリカ大陸へと移動したグループは生き残り、現在でもリャマやアルパカ、ビクーニャ、グアナコの近縁4種が生き残っています。
リャマリャマ アルパカアルパカ グアナコグアナコ ビクーニャビクーニャ

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アリクイとナマケモノ

アリクイ(蟻食)は、アリやシロアリを食べることからアリクイ、英語でもアントイーター(anteater)と呼ばれているんだ。アリを食べるため独特の形の口をしているね。ミミズのように細長い舌で、粘着力のある唾液(だえき、つばのことだ)で、餌のアリを舌に粘着させて食べるんだ。もちろん噛(か)まずに丸のみだ。だから虫のように小さな餌(えさ)かペースト状の餌(飼育する場合、そんなに沢山のアリは用意できないしね)しか食べることができない。
オオアリクイオオアリクイ     ヒメアリクイヒメアリクイ
***大アリクイ体長1m程度とは大きいけど、ヒメアリクイは15~20cm程度の可愛い動物。****
前足の第3指は強大な鉤爪を持ち、蟻塚(ありづか)を崩(くず)したり、木に登ったり、捕食者と戦う武器として使う。群は作らず、単独か母子で行動する。野生のアリクイは1日に約3万匹のアリを捕食していると言われる。威嚇するときに仁王立ちのようなポーズをとる。
メガテリウムメガテリウム     怒ったアリクイ怒ったアリクイ
今は絶滅してしまったけど、アメリカ大陸には巨大なメガテリウムというアリクイの仲間がいたことが化石から分かっている。ナマケモノの先祖かも。右のアリクイは怒(おこっ)て相手を威嚇しているんだ。でもあまり怖くないね。可愛い感じだ。
アリクイに近い動物にナマケモノがいる。英語ではsloth、ナマケモノという意味らしい。一生懸命生きている動物にナマケモノなんてひどい名前だね。ほとんど一生、木にぶら下がって暮らしている。動きは緩慢(おそいこと)だけど、泳ぐことは得意らしい。生息地のアマゾンのジャングルは雨が多く、しょっちゅう洪水が起こるからね。
ナマケモノ     ナマケモノ     ナマケモノ

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単孔類

カモノハシカモノハシ   ハリモグラハリモグラ
単孔類(たんこうるい)は非常に珍しい哺乳類で、単孔というのは一つの穴(あな)という意味。つまり、「おしっこ」と「うんこ」が同じ穴(あな)から出るんだ。おかしいと思うかな。でも鳥さんもそうだ。空を飛びながら君たちの頭の上に「おしっこ」と「うんこ」の混じった白いふん?をポタっと落とすでしょう。更に、単孔類は鳥のように卵を産んで、生まれた子供におっぱいを与えて育てるんだ。でも、鳥にはおっぱいは無いね。でも、この母乳は乳首がなく体の中の乳腺からじわっーとしみだしてくるんだ。だから進化の相当早い時期に最初の哺乳類が誕生したあたりで、枝分かれした動物だろうとみられている。実際約2億2500万年前に、出現したとされる最古の哺乳類のアデロバシレウスは卵を産んでいたと想定されています。 アデロバシレウス 単孔類のなかまは、カモノハシの仲間とハリネズミの仲間の2つしか現存しておらず、非常に貴重な存在だ。しかも分布がオーストラリアとニューギニアにしか生息していない絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)。カモノハシは名前の通りカモ(鳥の仲間)の嘴(くちばし)のような口だけど、鳥とは縁もゆかりもない。一方の、ハリモグラ類はくちばしを持っていない。何はともあれこの2つの哺乳類は非常に特殊な生き物であるけど、我々の遠いご先祖様から枝分かれした生きた化石だということ理解しておこう。

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有袋類

君たち有袋類(ゆうたいるい)て何か知っていますか。普通君たちが動物園で見る有胎盤類(ゆうたいばんるい)と異なり、お母さんのおなかの中で赤ちゃんが十分大きくなれないため、未熟な状態で生まれた子どもを、育児嚢(いくじのう)で育てる。育児嚢はお腹(おなか)にある袋で、中には乳首(ちくび)があり、子どもはこれをくわえて母乳を摂取する。恒温動物ながら有胎盤類に比べ体温調節機能がやや低いが、カモノハシ目(単孔類)の動物よりはその機能が高いといわれてます。
有袋類と真獣下綱(普通の哺乳類)とが分岐したのが1億2500万年以上前であるといわれている。1億4000万年前の白亜紀に入ると、西ゴンドワナ大陸がアフリカ大陸と南アメリカ大陸に分裂し、その間に大西洋が成立した。また、東ゴンドワナ大陸は、インド亜大陸及びマダガスカル島と、南極大陸及びオーストラリア大陸に分裂しました。中生代白亜紀末(6500万年前)にはアフリカから南米、南極、インド、オーストラリアの各プレートが離れたとされている。6000万年前には南アメリカの有袋類の祖先が当時陸続きであった南極を経由して同じく陸続きのオーストラリア大陸に移住して様々な有袋類へと進化することとなりました。南極大陸は3500万年前には完全に孤立し、オーストラリア大陸も孤立することとなった。この分裂が、オーストラリア大陸でのその後の単孔類の生き残りや有袋類の独自進化につながることになります。
オポッサム 一般に有袋類はオーストラリアに生息するものがよく知られるが、オポッサムは北アメリカ大陸から南アメリカ大陸にかけて生息します。このオポッサム科の種数は70種以上と、有袋類のなかで最大の成功種です。 有袋類は有胎盤類より先に出現し、その後に現われた有胎盤類により生態系の位置を奪われました。しかしオーストラリア大陸と南アメリカ大陸は他の大陸から遠く隔絶していたため、ユーラシア大陸の有胎盤類はこの2大陸に侵入できず、この地域のみ有袋類の世界が生き残りました。オーストラリア大陸は隔絶状態が続いたために、現在でも有袋類は生態系の重要な地位にあります。しかし、南アメリカ大陸は大陸移動の結果、北アメリカ大陸と陸橋で300万年前頃に接続し、これを通って侵入した有胎盤類によって、有袋類中心の生態系は崩壊してしまいました。 しかし、オポッサム類だけは生き残り、逆に陸橋を通って北アメリカ大陸に進出しています。
有袋類の化石が世界中から見つかることから、有袋類はかつて世界中の広い地域に生息していたことが知られているが、現在では主にオーストラリア区(オーストラリア大陸とパプアニューギニア等)および新熱帯区(南米大陸)にのみ生息し、オポッサム類のみが新北区(北米)に進出しています。オーストラリアでは、競争相手となる他の大形哺乳類がいなかったため、他の地域では見られない多様な有袋類が生息しています。
フクロオオカミフクロオオカミ(絶滅?)   タスマニアンデビルタスマニアンデビル(絶滅?)
かつてはフクロオオカミのような大型の肉食有袋類がオーストラリアに生息していましたが、人間が持ち込んだイヌ(野生化したものをディンゴとよぶ)などとの生存競争に敗れてしまいました。フクロオオカミは1936年に死亡した個体を最後に、生存が確認された例はなく、絶滅したと考えられています。同じくオーストラリアの南側の島タスマニア島にいたタスマニアンデビルも絶滅したものとお思われます。
また、長らく他の大陸から孤立していた南米大陸には巨大な犬歯を持った肉食有袋類のティラコスミルスが生息していました。しかし地殻変動によって北米大陸と繋がると、北米に生息していた同じく巨大な犬歯を持つ肉食有胎盤類のスミロドン(サーベルタイガー)が南米に流入し、生存競争に敗れて300万年ほど前に絶滅したと言われています。
ティラコスミルス→ティラコスミルス   スミロドンスミロドン
カンガルーはとても面白い。カンガルーの真似(まね)をして動いてみよう。カンガルーはいつも2本足で立っているけど、必ず2本の足をいっしょに動かし、ピョンピョンと飛ぶでしょう。人が歩くみたいに両足を交互(こうご)に動かすことは無いよ。君達も足を縛(しば)って歩いてごらん。こんな移動をする動物他にいないから良く観察してごらん。後ここにはないけど有袋類はコアラが有名だね。
tiger写真は東武動物公園のKangarooです。

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ゾウ        elephant

恐竜が絶滅してからしばらくすると、哺乳類が適応放散(てきおうほうさん)と言って世界中に広がります。氷河時代は森林が減少し草原が出現します。それとともに哺乳類もどんどん巨大化して行きます。象(ぞう)もその中の代表選手ですね。でも、ゾウ以外にも大きな哺乳類は色々いたみたいです。
毛サイ毛サイ
インドリコテリウムインドリコテリウム
デイノテリウムデイノテリウム
毛サイも氷河時代にいた哺乳類。マンモス象と同じころに生きていました。インドリコテリウム(バルキテリウムとかパラケラテリウムとも呼ばれるが同じものかどうか良く分かっていない)というサイの仲間はゾウよりも大きくキリンよりも背が高かったようです。サイの仲間ですが、角はなく、首と脚が比較的長く、体重は約15~20トンに達したと考えられる。これらは最大級のゾウ目であるデイノテリウムを超えています(100万年前にいたらしい)。
マンモスマンモス
マンモス象は、シベリアの凍土の中から毛や一部肉のついた化石も発見されていて、現生人類と共存していた時期もある。絶滅の理由は色々と考えられているが、人類が狩り尽くしてしまった可能性も高い。雑煮(ぞうに)にして食べちゃったのか。
日本にも何種類かのゾウがいたらしいが、野尻湖発掘で有名なナウマンゾウが有名。旧石器時代に人間たちが狩りをして食べていたらしい。
ナウマンゾウナウマンゾウ
現在生存しているゾウは、おおきく分けて、アジアゾウとアフリカゾウの2種類。アジアゾウはおとなしく人間の仕事を手伝ったり、サーカスの人気者。アフリカゾウはチョット気が荒いようで、家畜には向かないようです。
アジアゾウアジアゾウ アフリカゾウアフリカゾウ

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サイ

白サイ白サイ   黒サイ黒サイ
白サイ、クロサイはアフリカのサイだ。
インドサイインドサイ   スマトラサイスマトラサイ
サイ(犀)は、奇蹄目サイ科に分類される動物の総称と言われるけど、サイと言えば鼻の上に角(2本か1本)を持った、走る戦車みたいな動物だ。世界には5種のサイが現生していると言われている。アフリカ大陸の東部と南部のシロサイとクロサイ、インド北部からネパール南部にかけて生存しているインドサイ、マレーシアとインドネシアの限られた地域にいるジャワサイ、スマトラサイの5種だ。今のサイは体毛がないか、或いはとても薄く、寒冷地域には分布していない。 でも氷河時代には厚い毛の生えた「ケサイ」は、厚い毛を持ったマンモスと並ぶ氷河時代を生き抜いた2大成功種だ。どちらも環境に適応し、繁栄した。人間たちが食べつくさなければ、今でも世界中に象(ゾウ)と犀(サイ)は沢山いることになったかもしれない。
ジャワサイジャワサイ   毛サイ毛サイ
サイ科の仲間の奇蹄目は、始新世から漸新世(恐竜が絶滅して哺乳類が天下を取るまでの時代)にかけて繁栄し、240属と多様性を誇った成功種だった。サイの祖先たちは、世界中のほぼ全ての地域(可住域)に分布した。特に漸新世には陸上哺乳類史上最大の種(パラケラテリウム)が現れるなど、繁栄を極めています。しかし中新世以降は地球の寒冷化と人類の登場によって多くの種が絶滅し、狩猟と乱獲、農業開発によって、現在の分布になったと考えられています。

アフリカにいる白サイと黒サイは良く似ています。シロサイは体長約4m、体重3ton、皮膚が非常に分厚く硬質で、1.5〜5cmの厚み、格子構造のコラーゲンが層をなしており、あらゆる動物の中でも最硬といわれ、肉食獣の爪や牙を容易には通さないらしい。他のサイも同じだ。まさに歩く装甲車(そうこうしゃ)だね。

サイは始新世前期、約4700万年前に他の奇蹄目から分岐したらしい。角のない小さなサイの祖先のヒラコドン科の種は犬程度の大きさだったが、最大のパラケラテリウム(Paraceratherium)で、体長10メートル体高7メートル体重15トン程度と推定されており、これは史上最大の陸上哺乳類であろうと考えられています。首が長いのでキリンのように木から葉を食べたと思われます。でも、この科が今のサイ科の祖先だと想定されてます。パラケラテリウムは、およそ3600万 - 2400万年前(新生代第三紀の始新世末期から漸新世後期)に、ユーラシアの広い範囲に生息していた、史上最大の陸生哺乳類と考えられています。 インドリコテリウム(上野の科学博物館にあった)とかバルキテリウムと言う呼び方で知られている巨大哺乳類も多分同じものと想定されています。 つまり、今はパラケラテリウムに統一されているようだ。でも、現生のサイとはかなり形が異なっているね。
パラケラテリウム   パラケラテリウムパラケラテリウム

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右の図は牛の消化器官(しょうかきかん)を表しています。 牛の消化器官 牛は、草食動物の中でも最も進化して繁栄(はんえい)している種です。イネ科の硬い草でも食べられるように消化器官が特別に進化して、胃が4つもあるんです。その中に特別の微生物を飼(か)っていて、草の中のセルロースという成分を消化してもらうのです。だから牛は微生物がいなくなると草を食べれなくなり死んでしまうんだ。人間には胃は一つしかありません。だけど牛は4つも胃があるので、一度食べた草を胃からもう一度口の中に戻(もど)してモグモグとかんで楽しんでいるんです。
哺乳類は、植物が作った栄養のうちデンプンは消化できますが、良く似(に)た分子のセルローズは消化できません。だからたいていの草食動物はおなかの中に微生物を飼って消化してもらうのです。特に牛の消化器官は特別立派で大きな体な中にものすごく大きな胃と腸がぎっしりと詰め込まれています。つまり、牛は大草原で生き延びるために進化した大型の哺乳類ということです。
オーロックスオーロックス ホルスタインホルスタイン
牛は人類の歴史なかなり初期から家畜化が進んでいたようです。オーロックスという牛は最初に家畜となった牛と考えられています。今の牛と良く似てますね。性格が温和で一日中草を食べている牛は昔から人間のお友達になれたのでしょうね。ホルスタインという牛はミルクをたくさん出すように改良された品種でみなさんが牧場など見るのはたいていはこれですね。
ヤクヤク   アメリカバイソンアメリカバイソン
上の左側のヤクはチベット高原の気候に適応した牛の仲間。寒い所に適応しているんだね。バイソンはアメリカとヨーロッパにいる野生の牛。気が荒いせいか家畜にはできなかったんだね。
ところで、本当のことを言うと、牛の家畜はそんなに簡単ではなかったかも知れないのです。オーロックスという牛の先祖は、今の牛よりも体は大きくて、草原ではとても強い強者なのです。ライオンでも集団で襲わないと反撃を受けてとても危険。恐竜で言えばトリケラトプス見たなものか。西欧では今でも牛は強いものの象徴となってます。スペイン闘牛士でもオーロックスが相手では勝てないかも。だから牛がどのようにして家畜化されたかは結構謎が多いのです。
アジア水牛アジア水牛   アフリカ水牛アフリカ水牛
 スイギュウはアジアでは家畜として飼われている。アフリカスイギュウとは違う種類です。アフリカスイギュウの方は家畜化はできませんでした。野生の動物で家畜として利用できたのは極めて限られた種類だけなんです。

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バク獏

分類:動物界→脊索動物門→脊椎動物亜門→哺乳綱→奇蹄目→有角亜目→バク科
バク(獏、Tapiridae(英語))は、奇蹄目に含まれるバク科の構成種の総称。現生種はすべてバク属(バクぞく、Tapirus)に分類される。
分布:北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、東南アジア
獏 獏 獏
体の特徴は、文章で説明するより写真を見た方がいいだろう。
四肢は短く頑丈。前脚が後脚よりも長いという特異な骨格構造を持つ。これは主な生息域には藪(やぶ)が多く、背丈の長い草を掻き分けて走ることに適した形状と考えられている。前肢の指は4本、後肢の趾は3本。通常奇数の指をもつが、バクの各脚の指の数は、前脚が4本、後脚が3本である。
幼獣の体色は赤褐色で、白い斑点や筋模様が入る。この体色も藪の中では保護色になると考えられている。イノシシの子のウリボウともちょっと似ている。
これらの形態が中国や日本に伝わる幻獣の「獏」に似ていることが名称の由来とされるが、むしろ架空の獏こそが本物のバクをモデルとした動物だという説もある。

**獏(ばく)は、中国から日本へ伝わった伝説の生物。人の夢を喰って生きると言われるが、この場合の夢は将来の希望の意味ではなくレム睡眠中にみる夢。悪夢を見た後に「(この夢を)獏にあげます」と唱えると同じ悪夢を二度と見ずにすむと伝えられている。

**有蹄類:奇蹄類と偶蹄類は共に有蹄類という、蹄(ひづめ)を持った草食動物です。  奇蹄類はウマ・バク・サイの3科、23種が知られいる。一方、偶蹄類は、イノシシ、カバ、ラクダ、シカ、キリン、ウシなどの9科、185種。クジラはDNA解析ではカバの近縁とされていますが、偶蹄類と呼べるかどうかは議論中のよう。偶蹄類の進化に伴って、奇蹄類はやや押されているよう。

 新生代の第三期中頃までは温暖な気候が続き、大陸には大きな森が広がっていました。始新世まではウマの祖先も、ウシの祖先も森の中を歩き回り、柔らかい葉を食べていました。  漸新世に入り気候が寒冷化してくると、生活環境にひとつの大きな変化が訪れる。広く分布していた森が後退し、代わってイネ科植物の草原が広く分布し始める。
 森林と比べると、草原で暮らすには2つの困ったことがあります。それは、草原には身を隠すところがないということと、イネ科の植物は、それまで食物にしていた葉と比べるととても硬く、消化しにくいということです。  また、森林は木の間に身を隠しながら移動していれば敵に見つかりにくい環境でした。草原はずうっと先までひたすら背の低い草が続く場所です。身を隠す木というのは無いか、あってもまばらでしかありません。  従って、草原での生存戦略はごく単純なものとなる。そう、「敵を見かけたら走って逃げる!」ということだね。それは捕食者にとっても同じこと。森の中では待ち伏せ・奇襲の作戦が役に立つけど、草原地帯では身を潜めながら近づいたら、後は走って捕まえなければなりません。食べる側も食べられる側も、走力を向上させる方向に進化。有蹄類の祖先たちも、しだいに速く走るために体のしくみを発達させていきました。 つまり、蹄(ひづめ、hoof)は固い地面を蹴り高速で走るには向いている。

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馬の進化

ヒラコテリウム(Hyracotherium)は始新世(ししんせい)に北アメリカ大陸およびヨーロッパ大陸に生息していた哺乳類。現生するウマ科動物の最古の祖先と考えられており、エオヒップス(Eohippus)という別名(シノニム)でも知られています。和名は「あけぼのウマ」。ヒラコテリウムは約5200万年前にはすでに北アメリカ大陸で生活していたとされ、体はキツネと同じくらい。
馬は、草原が増えるに従って体を大きくし、指の数を減らしていく。現在の馬は1本指で走るんだね。馬の仲間には普通の馬の他、ロバ、シマウマが含まれる。また、ラバはオスのロバと雌の馬との交雑種。
ロバロバ   シマウマシマウマ
****ロバは体は馬より小さいが賢(かしこ)くて働き者だ。シマウマは馬とはいうけど、むしろロバに近い動物らしい。シマウマはどうも家畜としてはうまく行かなかったらしい。*****
馬の家畜化(かちくか)とは、人間が馬を家畜として飼い慣らすこと。ペットとしてではなく、人間の役に立つ存在としてだね。馬の家畜化は紀元前4000年頃に現在のウクライナで始まったと考えられています。多分食肉を得る目的で家畜化されたので、馬の背に跨る騎乗(きじょう)の技術はモンゴルで編み出されたようだ。内燃機関(自動車のことと考えて良い)の登場以前の世界では最速の陸上移動手段であった。
***チョット英語の勉強をしよう。馬は"horse"(ホース)だね。でも、シマウマは"zebra"(ゼブラ)で全然違う。英語を話す人たちにとってはシマウマは馬でないのかもね。ロバは"donkey"'(ドンキー)。このぐらいの英語は覚えておいて損はない。では、竹馬は。"stilts"(スチルツ)。これは私も知らなかった。もちろんこれは動物の馬ではない。2本一組だから最後に"s"がつくんだ。walk on stilts=竹馬で歩くです。

馬が家畜化されたと考えられる紀元前4000年という時期は、ヤギ・ブタ・ヒツジ(紀元前8000年頃に家畜化)や、ウシ(紀元前6000年頃に家畜化)に比べるとかなり遅れている。馬は主にステップ気候の寒冷な降雪地帯の草原に棲息しており、また、ウシ等の反芻動物に比べて消化能力や食性が低く太り難(にく)いため、食肉用の家畜としてはあまり適していなかったためだ。ウクライナの草原地帯に進出した人類は紀元前5000年頃、他の地域から連れてきたウシやヒツジを家畜として飼育していたが、この地域は降雪地帯であり、雪の下にある草を食べる習性のないこれらの動物は人の助けがなければ飢死してしまう。ところが、馬を見れば、蹄(ひずめ)で雪をかきわけて草を食べている。そこで、人類は馬を家畜化する事を思いついたらしい。そう、馬は牛と比べて寒い気候を好む傾向があるんだ。
馬の進化   馬の進化
****左はモンゴル初代皇帝のジンギスハーン、右はコサックの英雄****
でも、馬は食べるためよりももっともっと役に立つことが分かって来る。荷物を運んだり、畑を耕したり。でも、一番重要な利用は自動車の代りだ。馬の背に跨る騎乗(きじょう)の技術はモンゴルあたりで編み出されたようだが、戦争で大活躍。騎兵の登場だね。ジンギスカンのモンゴルが大帝国を築(きず)いたのも、コサック騎兵を使ったロシアが大きな国を作り上げたのも騎兵の活躍があったからだね。

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コアラ        koala

koala

コアラはどこの国に行けば見ることが出来ますか。コアラの一番好きな食べ物は何でしょう。コアラはオーストラリアだけにいる珍(めずら)しい動物です。カンガルー、ワラビーもオーストラリアだけにしかいない動物。これらの動物は有袋類(ゆうたいるい)といっておなかにポケットを持っていてその中で子供を育てます。また、カモノハシやハリモグラは単孔類(たんこうるい)といわれるさらに変わった動物でこれもオーストラリア大陸独特のものです。哺乳類(ほにゅうるい)なのに卵を産むのです。動物園で見る他の哺乳類の動物は有胎盤(ゆうたいばん)類といって、お母さんのおなかの中で赤ちゃんを育てます。哺乳類は、トラや象(ぞう)やシマウマなどです。蛇(へび)やワニやカメは爬虫類(はちゅうるい)、カエルは両生類(りょうせいるい)です。ところで、コアラの好きな食べ物分かりますか。ユーカリの葉です。他のものは食べません。逆に他の動物でユーカリの葉を食べる動物はいません。ユーカリの葉には毒(どく)が含(ふく)まれているからです。コアラは腸の中に特別な微生物を飼(か)っていて、ユーカリの葉の毒をなくして、消化を助けてもらっているのです。コアラはユーカリがないと生きて行けないのです。

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ハダカデバネズミ        heterocephalus

みなさん。ハダカデバネズミという動物を知っていますか。体は普通のネズミ位の大きさで毛がほとんどなく、皮膚(ひふ)がそのまま見えてきれいなピンク色の体をしています。アリの巣(す)みたいな巣穴(すあな)を地面に掘(ほ)って、ありと同じような社会生活をしているのです。なんせ女王アリならぬ女王ネズミ一匹が群(むれ)全体を支配?しており、子供をつくるのはこの女王ネズミに限(かぎ)られる。他のネズミは働きネズミ、せっせと子供たちの世話をします。昆虫(こんちゅう)ではこのような社会生活はアリのほか、ハチやシロアリの仲間も知られていますが、哺乳類では、ハダカデバネズミとこれと良く似たダマラランドデバネズミだけです。こういう生活スタイルを真社会性と言います。
lion lion
左;ハダカデバネズミ、右;ダマラランドデバネズミ

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オオカミ        wolf

wolf  オオカミは犬の先祖(せんぞ)と考えられていて、日本では昔は神様としてあがめられていました。アイヌ等の狩猟(しゅりょう)民族では、今でも神格化(しんかくか)されています。農業を中心に生活している人たちにとっては、オオカミはシカやイノシシなど畑を荒らす動物を狩(か)ってくれるのである程度役に立っていたのですね。明治になってからは、家畜を襲(おそ)うこともあって積極的に駆除(くじょ)するようになり、今では絶滅(ぜつめつ)してしまいました。
ヨーロッパの童話(どうわ)では、「赤ずきんちゃん」、「オオカミと三匹の子豚(ぶた)」、「オオカミと7匹の子ヤギ」などオオカミは悪役で登場しますね。ヨーロッパでは、農業と畜産(ちくさん)が一緒に行われるので、羊やニワトリを狙(ねら)うオオカミは大変嫌(きら)われ者です。オオカミの方だって、森の動物達を人間が狩り尽くしてしまったから、食べ物を求めて人里近くに現れるようになったこともあるのですが。
一方「ジャングル・ブック」や「もののけ姫」などに出て来るオオカミは、人間の子供を育てたりして、感情(かんじょう)細やかな優(やさ)しい面もえがかれていますね。オオカミはお父さんとお母さんを中心に数匹の群れで家族生活しています。「オオカミ王ロボ」は、シートンの動物記に出て来るヒローで、オオカミに気持ちになってかかれています。
オオカミは世界中に分布していて、地域によって少しずつ異(こと)なっています。日本にいたオオカミは日本オオカミと呼ばれます。

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イヌ      dog

秋田犬 ドーベルマン チワワ
イヌはずいぶん外見の異(こと)なるいろんな種類の犬がいるね。でも、どれもイヌという1つの種なんだ。上の写真は、とても小さくてかわいい「チワワ」、大きくて怖そうな「ドーベルマン」、人懐(ひとなつ)っこくて優しそうだけど、本当は強い秋田犬。他に、トイプードル、スピッツ、チンなんていろんな名前があるよね。
  イヌは、ネコ目(食肉目)- イヌ科- イヌ属に分類される哺乳類の一種です。犬がネコ目というのは犬好きの人には気に食わない分類ですが、進化の系統樹からはこうなるのでしょうか。すると犬と猫は共通の先祖から進化した言うことでしょうか。
皆さんが親しんでいる普通の犬は、古く日本ではヤマイヌ(狼)に対して「イエイヌ」とも言っていた。ということは昔、日本にはオオカミだけでなくヤマイヌもいたんでしょうか。あるいはオオカミとヤマイヌは同じもので地域によって呼ぶ方が違っていたのかも知れません。でも、家犬の先祖もオオカミだったともいわれてますので動物の分類は結構ややこしいですね。
イエイヌは種としては一種しかないのです。体重が100㎏ぐらいある大きな犬も1kgぐらいのコーヒーカップに入ってしまう、チワワみたいな小さな犬も、どちらも同じ犬と言う種なんです。人が長い時間かけて品種改良してこうなってしまったんです。
  犬は英語ではdog(ドッグ)。ロシア語では、Собака(サバーカ)、中国語では、狗(ゴウ)。ところで「狗」という字見たことありませんか。そう、鼻高(はなたか)怪人(かいじん)の天狗(てんぐ)さんです。天狗が中国から日本に伝わる前にはどうも犬の姿をした怪物だったようです。中国のインチキ肉屋さん。「羊頭狗肉(ようとうくにく)」という言葉があります。羊の肉は高級で人気があります。店の看板には立派な羊の頭を見せて、客には羊と思わせて、実際には野良犬を捕まえて犬の肉を売るんですね。見掛け倒しという意味にもなります。 また、広義の「イヌ」として海外では、イヌ科に属する動物(イエイヌ、オオカミ、コヨーテ、ジャッカル、キツネ、タヌキ、ヤブイヌ、リカオンなど)をまとめてイヌ言うこともあるようですが、日本ではあまり一般的ではありません。
ミアキス イヌとネコの共通祖先は、約6500万年前~4000万年前頃にいたミアキスという動物。イタチに似た20~30センチの獣(けもの)で、ヨーロッパから北米にかけて生息していたようです。ミアキスはその後、食肉目という一大グループをつくり、イヌやネコのほか、トラやオオカミ、キツネやタヌキ、クマやパンダ、アザラシやアシカなどへと進化していきます。ネコ目と言わずに食肉目という方が分かりやすいね。どれも肉食動物なんだ。ところがパンダだけは何故が肉食をやめて笹の葉を食べる平和主義者への大変身。
◆そしてイヌは草原へ、ネコは森へ・・・・
キノデスムス ミアキスが登場した新生代第三期の始め頃はまだ森林 が豊かでしたが、第三期の中期、3000万年前頃になると、寒冷化によりヨーロッパや北米の森林が縮小し草原地帯が広がっていきました。そこで、より地上生活に適応した体を持って登場したのがキノデスムスというイヌ科の祖先。一方、森の中に残った者たちはネコ科の祖先になっていきました。草原に追い出されたってことは、当時はイヌの先祖の方が若干弱者だった??でも、森から草原に追い出されていったのは人間様の先祖も同じだぞ。

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両生類       amphibian

皆さん両生類とはどんな生き物か知っていますか。代表的なものはカエルでしょう。君たちが知っているように地球上の陸地に最初に上陸してきたのが両生類ですね。最初といっても脊椎(せきつい)動物としてだ。両生類が後に進化して後に爬虫類や恐竜、哺乳類、鳥類などに進化していく。もちろん、昆虫等はもっと早くから陸に上がって、空も飛んでいたけど。だから、古生代の前半は両生類の天下だったわけで、色々な形の両生類が現れる。でも、カエルは両生類の中では特別うまく進化して生き残っている優等生なんだ。
アカントステガ イクチオステガ ディプロカウルス
古生代の石炭紀にようやく陸へ上がって来る脊椎動物の先祖。アカントステガ(左)もイクチオステガ(中)も良く似ていてどっちがどっちが分からない。何、色が違うって。復元図の色なんて作者が適当につけたもので、化石は骨しか残ってないんだよ。でも、その隣のディプロカウルス(右)はかなり個性的だね。この頭の格好どういう意味があるんだろう。
エリオップス プリオノカス プリオノスクス
左のエリオップスはよく見る絵だね。尻尾(シッポ)が取れれば少しはカエルに似て来るけど、ピョンピョン飛ぶことは無理だ。水の中に隠れていてエサの動物がやって来るのを待ち伏せ。ワニと似ているね。その右の二つはプリオノスクスというワニに似た両生類。ワニみたいに待ち伏せして獲物を捕らえるんだね。似たような環境で似たような生活していると形まで似て来る。こういうのを収斂進化(しゅうれんしんか)というのだ。プリオノスクスはどうも史上最大の両生類らしい(体長は5m以上あったようだ)。外見からは現在のワニとほとんど変わらない。
おおさんしょううお 左は日本にいるオオサンショウウオ。めったに見つからないので天然記念物に指定されている。なんだか本当に生きた化石みたいだね。日本では間違いなく最大の両生類だ。ほんとに石みたいにじっとしていて、ほとんど動かない。
アカハライモリ
アカハライモリは、お腹が赤い。この絵はかわいそうにひっくり返されてお腹が上になっているようだ。背中の側は黒いのだけど。

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カエル       frog

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ゴライアス ゴライアス オタマジャクシ
カエルは、両生類の中では最も大きな進化を遂げた動物だろう。陸上を移動するための重たい尻尾をさっさと失くし、後ろ脚の筋肉を発達させて跳躍する力を獲得した。ゴライアスカエルは世界最大のカエルだろう。アフリカ(カメルーン)に住んでいるらしい。右のオタマジャクシはウシガエルのもの。日本では最も大きなオタマジャクシだ。でも、ウシガエルは戦後日本にアメリカから移入されたもの。食糧難を解消するためだったとか。でも、オタマジャクシは可愛いので食べたいとは思わないでしょう。
カエルの変態
カエルはオタマジャクシから体の形を変える。これを変態(へんたい)という。凄いことだね。でも、君達だってお母さんのお腹の中でこんなことが起こっていたかもしれないんだ。
アマガエル モリアオガエル ヒキガエル
カエルは泳ぐのが得意だ。人が平泳ぎをするのはカエルをまねたのかも。手足に水かきをもっているので結構早いだろう。オリンピックなら金メダルものだね。
カエルも色々な種類がいる。一番左のアマガエルは一番よく見かけるかも。緑色の小さな可愛いカエルだね。その隣の緑のカエルはモリアオガエルという珍しいカエルだ。木の上に泡(あわ)の家を作ってその中に卵を産む。木は水たまりの上にないといけない。卵からかえったオタマジャクシは木の上から水の中に落ちないといけないから。天然記念物になっている。となりのヒキガエルも名前は良く聞くでしょう。でも、最近はなかなか見ることは少なくなった。ガマとかガマガエルともいう。
他にも、ウシガエルとかトノサマガエル、ツチガエルなんていうのあるから自分で調べてごらん。ペットショップに行けば外国の変わったカエルもあるかもね。でも、外国の動物を日本の自然の中に放しては絶対にダメだ。これは犯罪になる。


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アカハライモリ

アカハライモリ アカハライモリ(Cynops pyrrhogaster)は、日本の固有種で本州、四国、九州とその周囲の島嶼に分布する。有尾目イモリ科イモリ属に分類される両生類の一種。ニホンイモリ(日本井守)という別名も。そうだ、両生類と言ってもカエルのように尻尾の無い方が後発組でもともと尾を持った方が本流だ。ヒトも尾が退化しているが尾骶(びてい)骨と言う形で痕跡は残っている。カエルには尾骶骨はあるのだろうか。

全長は10cm前後。サンショウウオ類と異なり皮膚がザラザラしている。背中側は黒~茶褐色で、腹は赤地に黒の斑点模様になっている。赤みや斑点模様は地域差や個体差があり、ほとんど黒いものや全く斑点が無いもの、逆に背中まで赤いものもいる。

アカハライモリ フグと同じテトロドトキシンという毒があり、腹の赤黒の斑点模様は毒を持つことを他の動物に知らせる警戒色になっていると考えられている。陸上で強い物理刺激を受けると横に倒れて体を反らせ、赤い腹を見せる動作を行う。つまり、素手で触ってはいけない?

イモリは脊椎動物としては、特に再生能力が高いことでも知られている。たとえば、尾を切ったとしても本種では完全に骨まで再生するほか、また四肢を肩の関節より先で切断しても指先まで完全に再生し、さらには目のレンズも再生することができる。アカハライモリについて調べて見たのもTVで再生実験の研究が紹介されたこともきっかけ。 多くの脊椎動物ではこれらの部位は再生できない。ちなみに、尾を自切して再生することが知られているトカゲでも、尾骨までは再生しない。イモリの再生能力は、ヒトの皮膚治療など再生医学への応用を視野に入れた研究対象になっている。

アカハライモリ なお、この再生能力の高さは、生態学的研究の立場からは障害になる場合がある。個体識別をするためのマーキングが困難となるため。小型の両生類や爬虫類では様々なパターンで足指を切ってマーキングしたり個体識別(トークリッピング)を行うことが多い、イモリの場合には簡単に再生してしまう。尾に切れ込みを入れても、傷が浅ければすぐに再生する。さらに札などを縫いつけても、やはり皮膚が切れて外れやすく、その傷もすぐに癒えてしまう。この不満は研究者のわがままだね。「イモリの勝手でしょう。」 では、どうやってマーキングするんだろうね。

生態:水田、池、川の淀みなど流れのない淡水中に生息する。繁殖期以外は水辺の近くの林や、クズなどの茂る草地の水気の多い枯れ草の下などに潜むことが多い。本種の成体は繁殖期以外も水中で生活することが多い。ただし雨の日には水から出て移動することもある。冬は水路の落ち葉の下や水辺近くの石の下などで冬眠する。昔は頻繁に見られたようだ。ペットショップでは今でも人気があるか。値段も手ごろ? ユスリカやミズムシ類などの昆虫を中心に、他の両生類の卵や幼生といった小型生物を捕食。モリアオガエルやアベサンショウウオなど、希少な両生類の生息地では厄介者とされる。

和名の「井守」は、野井戸の中にも生息するので「井戸を守る」に由来するという説や、井は田んぼを意味し、水田に生息することから「田を守る」との意味に由来するという説がある。
名前がヤモリと似ている。しかし、ヤモリ(家守)は爬虫類であること、人家の外壁などに生息し一生を通じて水中に入ることがないこと、変態をしないことなどが、イモリとの相違点である。なお、英語でもイモリnewtは、ヤモリはgeckoで区別がはっきりしているようだ。

繁殖行動
春になり気温が上昇し始めると、成体が水中に姿を現す。オスがメスの行く先に回り込み、紫色の婚姻色を呈した尾を身体の横まで曲げて小刻みに振るわせるなど複雑な求愛行動を行う。このときにオスが分泌するフェロモンであるソデフリン(sodefrin、額田王の短歌「茜さす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る」にちなむ)が、脊椎動物初のペプチドフェロモンとして報告されている。メスが受け入れる態勢になると、メスはオスの後ろについて歩き、オスの尾に触れる合図を送ると、オスが精子嚢を落としメスが総排出腔から取り込む。その際にオスの求愛行動に地域差があり、地域が異なる個体間では交配が成立しにくいといわれる。

アカハライモリ 生活史
メスは、寒天質に包まれた受精卵を水中の水草の葉にくるむように1つずつ産卵する。流水に産卵する種類がいるサンショウウオ類に対し、アカハライモリは水たまり、池、川の淀みなど流れの無い止水域で産卵・発生する。
卵から孵った幼生はアホロートルのような外鰓(えら)があり、さらにバランサーという突起をもつ。幼生ははじめのうちは足も生えていないが、やがて前後の脚が生える。ただしカエル(オタマジャクシ)はまず後脚から生えるが、イモリは前脚が先に生える。外鰓があるうちは水中で小動物を食べて成長するが、口に入りそうな動くものには何にでも食いつくため、共食いすることもある。
幼生は十分成長すると、外鰓が消えて成体と同じような形の幼体となり、上陸する。幼生の皮膚は滑らかだが、幼体の皮膚は成体と同じくざらざらしており、乾燥には幾分抵抗性がある。そのため、上陸した幼体を無理に水に戻すと、皮膚が水をはじいて気泡がまとわりつき、銀色に見えることがある。幼体は、森林内などで小さな昆虫や陸棲貝類、ミミズなどの土壌動物を捕食して3-5年かけて成長し、成熟すると再び水域に戻ってくる。

田園地帯や森林に囲まれた水域では目にする機会も多いが、市街地などの護岸された水域では少ない。市街地での個体数の減少に伴い、2006年には環境省レッドリストでも準絶滅危惧種として記載され、埼玉県のように条例で捕獲を規制する自治体も現れた。他地域でも絶滅が危惧されている個体群は少なくない。

一般的に有尾類は温度変化に弱く、摂餌行動が鈍く、人工環境での長期飼育が困難な種が多い。また、現地で法的に保護されている場合も少なくない。しかし日本のアカハライモリやシリケンイモリは温度変化に強く、きわめて貪欲で、飼育に適し、個体数が多く特に保護されていなかったため、ペットとして日本のみならず欧米でも人気が高まった。餌も数日に一度、エアーもいらない、数十年生きるなど初心者でも簡単に飼える。 ただし21世紀初頭の時点では先述のように保護地域も設定されるようになった。また、産地不明の飼育個体が逃げだしたり個体を遺棄したりすることによる地域個体群への遺伝子汚染が懸念されている。

研究対象
イモリ類は胚発生の実験材料としてもよく用いられる。特に、シュペーマンが胚域の交換移植実験などを通じて、形成体を発見するのにイモリを用いた一連の実験が有名である。
近年では、その再生力の強さに注目して、再生・分化などの研究に用いられることも多い。一度精子をオスから受け取ると半年以上も体内で保持されメス単独で産卵することや、卵が透明な寒天状物質に包まれており、容易に観察できる点など利点は多い。そのため、1994年には、スペースシャトル・コロンビアに本種が宇宙飛行士向井千秋博士とともに搭乗し、微小重力下での産卵、発生の実験と観察が行われた。宇宙旅行をした動物?ヒト以外には犬(ライカ犬)、イモリ、他には?

かつて日本では、イモリの黒焼きはほれ薬として有名であり、販売もされていた。竹筒のしきりを挟んで両側に雄雌一匹ずつを分けて入れ、これを焼いたもので、しきりの向こうの相手に恋焦がれて心臓まで真っ黒に焼けると伝える。実際の成分よりは、配偶行動などからの想像が主体であると思われるが、元来中国ではヤモリの黒焼きが用いられ、イモリの黒焼きになったのは日本の独自解釈による。井原西鶴『好色五人女』巻2、落語『いもりの黒焼き』、映画『いもりの黒焼 (映画)』などに、イモリの黒焼きが登場。

【イモリの再生能力の研究】
両生類の多くは子ども(幼生)のころは高い再生能力がある。しかし、変態して体の仕組みや姿形が変わると、その能力を失ってしまう。例えば、オタマジャクシは生えてきた脚を切っても元に戻るが、カエルになってしまうと、こぶのような肉の塊ができるだけだ。メキシコ原産のサンショウウオのアホロートル(ウーパールーパー)は大人になっても再生する。しかし、変態せず体の機能は子どものころと同じなので、特殊なケースとされる。
イモリだけが変態後も何度も再生できる。筑波大の千葉親文准教授は「イモリの再生能力は特別だ」と話す。

千葉准教授らは今春、大人のイモリが再生する仕組みを突き止めた。日本に広く生息するアカハライモリを調べたところ、変態後に新たな再生能力を獲得していた。 イモリの脚を切ると、イボのような「再生芽(が)」がまずできる。そこから新しい脚がニョキニョキと生えてくる。外見の変化は大人も子どもも同じだが、その中で起きていることは違う。

子どものイモリの体には、幹細胞と呼ぶ特殊な細胞があちこちに存在する。幹細胞にはいくつか種類があり、それぞれ筋肉や骨など決まった種類の細胞になる。これらの幹細胞が傷口付近に集まって筋肉や骨などの細胞に変わり、脚が再生する。オタマジャクシやアホロートルでもほぼ同じ仕組みだ。

一方、大人のイモリでは幹細胞の役割は小さい。千葉准教授らは遺伝子改変技術で筋肉の細胞に目印をつけて調べた。動物の細胞は受精卵のときはあらゆる細胞に変化できるが、いったん筋肉などの細胞に成長するともう別の細胞にはなれない。
切断部分付近では、多数の核を持ったチューブ状の筋肉の細胞が変化してバラバラになり、成熟しきっていない細胞に変化した。「脱分化」と呼ぶ現象だ。しばらくすると、脱分化した細胞が再生芽に移動して増殖し、これらを材料にチューブ状の筋肉の細胞ができていった。

切断という刺激をきっかけに遺伝子の働きが変化し、脱分化が起きたとみている。iPS細胞は複数の遺伝子を導入することで脱分化を起こし、あらゆる組織や臓器に変化できる能力を持つ。大人のイモリの体内ではこれと似た現象が起きているようだ。

ただ、脱分化した細胞はiPS細胞のように様々な種類の細胞に変化できるわけではない。実験では、筋肉の細胞は脱分化した後に再び筋肉の細胞に育った。骨や神経などの細胞も同じように脱分化しているとみられる。

先行する目の網膜の研究では、再生に関係する遺伝子が特定されつつある。筑波大と宇都宮大学などのチームは、Pax6という遺伝子が網膜の再生に欠かせないことを突き止めた。脚でも遺伝子の解析を進める計画だ。

基礎生物学研究所なども別の種類のイモリを使って再生能力の仕組みを探る研究を進めている。解明されれば、人の体から今まで隠されていた再生能力を引き出せるようになるかもしれない。

医学系の研究者もイモリに注目している。鳥取大学のチームはマウスとイモリを比べ、心臓が再生する仕組みの解明に取り組んでいる。こうした研究が進めば、将来は体外で臓器や組織を作って移植しなくても、事故や病気で失った手足や臓器の機能を取り戻せる可能性がある。

イモリの再生能力を調べる研究はがんの予防にも役立つかもしれない。がんは細胞が異常に分裂・増殖し続ける病気で、人間でがんにならないのは細胞分裂しない心臓や神経くらいだといわれる。

大人のイモリは切断した体や臓器を再生するときに多くの細胞が必要となり、ものすごい数の細胞分裂をくり返す。ふつう、分裂するほど細胞はがんになりやすくなるが、イモリの体はがんにならないといわれている。異常な細胞を取り除く機能があると研究者はみている。

イモリの再生研究を進めることで、再生医療やがん研究が変わるかもしれない。千葉准教授は「人で応用できるようにするのが最終目標だ」と意気込む。
 植物は失われた体を再生する能力を持っている。例えば、挿し木で増やせるのは、いったん枝に分化した細胞から根が再びできるからだ。水中にすむプラナリアという原始的な生物は体を半分にしても2匹に再生する。
 脊椎動物では、イモリやアホロートルのような尾がある両生類は再生能力が高い。トカゲはしっぽが切れてもはえてくるが、再生するのは1度だけ。骨や神経は元通りにはならない。人間やマウスなどの哺乳類は手足が再生する能力はない。しかし、胎児のころは高い再生能力がある。様々な組織や臓器のもとになる幹細胞が体の中に多数存在するからだと考えられている。
アホロートル 【アホロートル】
 昭和の終わりごろ、日本でブームを巻き起こした「ウーパールーパー」もこの仲間?。名前が差別っぽいとかでいつの間にか名前を変えられてしまったらしい。
かすかに笑っているかのように見えるこの両生類の本当の名は、アホロートル(メキシコサラマンダー)だ。25センチ程度の小さな体に、恐るべき再生能力を秘めている。謎解きの鍵を握るゲノム(全遺伝情報)サイズは、ヒトの10倍を超える。科学者は今年、その情報をついに解読した。

ヒトはけがをすると血を流し、やがて血液中の血小板が傷口に集結して血が止まり、そのうち皮膚が再生して傷が見えなくなる。しかし、この能力はある程度軽微な傷に限定される。
それに比べて、自然界には体のパーツを切り取られても再生する生物がいる。イモリの尻尾切り、数百回も切られてミンチ状になっても復活する扁形(へんけい)動物のプラナリアなどが有名だが、アホロートルも非常に高い再生能力を持っている。このことは科学者の間では古くから知られており、その仕組みなどを研究するために1864年から実験動物として繁殖されてきた歴史がある。

 アホロートルは、自然界では幼生の形のまま成熟する。ネオテニーという現象で、このため基本的には生涯を通じ、外えらをもっている。
彼らの四肢は、切られたり共食いにあったりしても再生する。四肢だけでなく、心臓や目の水晶体、脊髄までも再生できる。

 なぜ、これほどまでに高い再生能力を持っているのか。その分子的メカニズムはどうなっているのか、いったいどのような進化をしてきた結果なのか。アホロートルをめぐる多くの謎を解く鍵は、巨大ゲノムが握っている。

 ゲノム解読は再生能力解明のスタート地点にすぎない。研究チームはその配列を分析した結果もあわせて公表している。
 この結果から、少し不思議なことが見えてきた。ゲノム編集技術を応用して調べたところ、「Pax3」という遺伝子がなく、「Pax7」という別の遺伝子がその役割を担っていることが判明した。Pax3は脊椎動物が受精卵から発生する際に必要とされる遺伝子で、なぜPax7に肩代わりさせているのか疑問が残る。

 謎の解明はこれからだが、高スペック再生能力の解明という点においては、トンネルの先の光が見える段階にたどり着きつつあるのではないか。再生能力の高いほかの生物もゲノムサイズは大きく、詳細に比較すればいろいろなことが分かってきそうだ。例えばイモリも約200億の塩基対という大きなゲノムを持っている。イモリやプラナリアとの比較研究などを進めることで、再生能力の解明や、より質の高い再生医療につながるかもしれない。

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ガマの油

ガマの油 ガマの油(ガマのあぶら)とは、もともとは江戸時代に傷薬として用いられていた軟膏で、のちに、筑波山名物として土産物として販売されるようになったワセリンなどを成分とする商品。
ガマの油の由来は大坂の陣に徳川方として従軍した筑波山・中禅寺の住職であった光誉上人の陣中薬の効果が評判になったというもの。「ガマ」とはガマガエル(ニホンヒキガエル)のことである。主成分は不明であるが、「鏡の前におくとタラリタラリと油を流す」という「ガマの油売り」の口上の一節からみると、ガマガエルの耳後腺および皮膚腺から分泌される蟾酥(せんそ)ともみられる。
**蟾酥(せんそ、英語:dried toad venom)とは生薬のひとつ。アジアヒキガエルやヘリグロヒキガエルの耳腺分泌物、皮膚腺分泌物を集め、乾燥させたもの。toadは英語のヒキガエル。西洋でもガマの油は使われていた?

蟾酥(せんそ)には強心作用、鎮痛作用、局所麻酔作用、止血作用があるものの、光誉上人の顔が蝦蟇(がま)に似ていたことに由来しその薬効成分は蝦蟇や蟾酥(せんそ)とは関係がないともいわれている。主成分については植物のガマの花粉「蒲黄(ほおう)」とする説やムカデを煮詰めた「蜈蚣(ごしょう)」、馬油とする説もある。 **どうも話がインチキ臭くなってきたね。
現在では蟾酥(せんそ)、蒲黄(ほおう)とも医薬品に指定され、同種のものを製造して販売するには薬剤師か登録販売者の資格が必要となる。

ガマの油 戦前、筑波山では「ガマの油」として本物の蟾酥(せんそ)が入っているものも作られていたが戦後になってからは規制のために作られなくなった。だが、筑波山の地元の土産品として陣中膏や陣中油などの商品を売り出す際に「ガマの油」の名称が復活することになった。いずれも蟾酥(せんそ)は用いられてはいないものの、昔から陣中油に使われてきたシコンなども用いられている。各社の商品により名称と配合が異なる。
山田屋薬局ではアドレナリン液、紫根、ホウ酸、酸化亜鉛、ミツロウ、オリーブ油を成分とする「陣中膏・一名蝦蟇(がま)の油」を製造していた(ただし、1998年に倒産)。種村製薬ではワセリン、シコンエキス、スクワラン、尿素、ハッカ油などを成分とする「陣中油(一名ガマの油)」を製造している。

ガマの油売り
江戸時代にガマの油の露天販売を行っていた香具師は客寄せのために大道芸を披露していた。江戸時代に筑波山麓にある新治村永井の兵助が、筑波山の山頂で自らの十倍もある蝦蟇(がま)に諭されて故郷の「がまの油」を売り出すための口上を工夫し、江戸・浅草寺境内などで披露したのが始まりとされている。
香具師は、行者風の凝った衣装をまとい、綱渡りなどの大道芸で客寄せをした後、霊山・筑波山(伊吹山とも)でしか捕獲できない、とする「四六のガマ」と呼ばれる霊力を持ったガマガエルから油をとる方法を語る。四六のガマは己の容貌を今業平(在原業平のような美形)だと信じているが、周囲に鏡を張った箱に入れれば自らの醜悪さに驚き、脂汗を流すという。この汗を集め、一定期日のあいだ煮つめてできたものが「ガマの油」である、という。香具師は、ガマの油は万能である、と語り、まず止血作用があることを示すために、刀を手に持つ。刀には仕掛けがしてあり、切っ先だけがよく切れるようになっている。その刀で半紙大の和紙を二つ折りにし、「一枚が二枚、二枚が四枚、四枚が八枚、八枚が十六枚……」と口上しながら、徐々に小さく切っていく。小さくなった紙片を紙吹雪のように吹き飛ばす。このように刀の切れ味を示したあと、切れない部分を使って腕を切ったふりをしながら、腕に血糊を線状に塗って切り傷に見せる。偽の切り傷にガマの油をつけて拭き取り、たちまち消してみせ、止血の効果を観客に示す。また、ガマの油を塗った腕は、刃物で切ろうとしても切れず、防護の効能があることを示すというもの(刀にガマの油を塗る場合もある)。
がまの油売りの口上は今日まで伝承され伝統芸能となっているが、口上は流派や地方により若干異なる。筑波山ガマ口上保存会が結成されており口上実演や講習などの活動を続けている。 ガマの油売りを題材にとったり、その口上が登場する古典落語が複数ある。代表的なものとして『蝦蟇の油』は酒に酔ったガマの油売りの話であり、『高田馬場』はガマの油売りが仇討ちを挑もうとするシーンから始まる。いずれも落語家による口上が見所になっている。**落語のこの話はかなり有名らしい。

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ガマの油2

大道芸、ガマの油売リ口上。チョットした文芸作品だ。保存しておこう。
第十八代 永井 兵助

ガマの油 【第一段 呼び込み】
さあさあ お立ちあい、御用と お急ぎでなかったら、ゆっくりと聞いておいで。 遠出山越とおでやまごえ笠の内、聞かざる時には、物の出方、善悪(ぜんあく)、黒白(あいろ)がトント分からない。
山寺の鐘がゴォーン、ゴォーンとなると雖も、童子来たって 鐘に撞木(しゅもく)を当てざれば、鍾が鳴るのか、撞木が鳴るのかトント その音色が分からぬが 道理じゃ。

【第二段 足止め】
さて 手前ここに取り出したる これなる この棗(なつめ)、この中には一寸八分 唐子からこ発条ぜんまい の人形が仕掛けてある。
我が国に 人形の細工師(さいくし) 数多あまた有りと雖も京都にては守随(しゅずい)、 大阪表にては竹田縫之(ぬいの)助、近江の大堟(だいじょう) 藤原の朝臣(あそん)、 この人たちを入れて 上手名人はござりませぬけれども、手前のは これ 近江の津守つもり細工(ざいく)じゃ。
咽喉(のんど)には 八枚の小鉤(こはぜ)を 仕掛け、背中には 十と二枚の歯車が 組み込んで ござりまする。
この棗(なつめ)をば、大道に 据すえ置くならば 天の光を受け 地の湿(しめり)を 吸い上げまして 陰陽いんよう合体(がったい)。
パッと 蓋を取る時には、ツカ ツカ ツカ ツカ ツカと 進むが 虎の小走り虎走り、 後ろへ下がって 雀(すずめ) 独楽(こま)どり 独楽(こま)返えし、また孔雀(くじゃく)、霊鳥の舞と十二通りの芸当が ござりまするけれども。
如何(いか)に 人形の芸当が上手であろうとも、投げ銭や 放り銭は お断り。

手前 大道にて未熟な渡世とせいはしているけれども、憚はばかりながら 天下の町人、泥のついた 投げ銭や放り銭をバタバタ拾うようなことは いたしませぬで。
しからば、お前、投げ銭、放り銭 貰わねえで、一体 何を以て 商売としているのかい、 何を以て おまんま食べているのかいと心配なさる方が あるかも知らないけれども、
これなる 此の 看板示すがごとく、筑波山妙薬みょうやくは陣中膏ガマの油。此このガマの油という膏薬をば売りまして 生業なりわいと致してとおりまするで。


【第三段 原料】
さて、いよいよ 手前 ここに取り出とりいだしましたるが それ その 陣中膏はガマの油だ。
だが お立ち会い。蝦蟇(がま) 蝦蟇と 一口に云っても そこにも居る ここにもいるという蝦蟇とは、ちと これ 蝦蟇が違う。ハハア、蝦蟇かい。

なんだ 蝦蟇んか 俺んちの縁の下や 流し下もとにもぞろぞろいる。
裏の竹たけ藪やぶにだって蝦蟇なら いくらでもいる なんていう顔している方がおりますけれども、あれは 蝦蟇とは言わない。ただのヒキ蛙、疣(いぼ)蛙がえる、御玉(おたま)蛙がえるか 雨蛙 青蛙  何の薬石やくせき・効能こうのうはござりませぬけれども、手前のは、これ四六の蝦蟇だ。四六の蝦蟇だ。

四六、五六というのは どこで見分けるかというと、ほら、此の足の指の数。えー、前足の指が四本、後ろ足の指が六本。これを合わせましては、蟇鳴噪しきめんそうは四六の蝦蟇だ、四六の蝦蟇。
また、この蝦蟇の採れるのが五月、八月、十月でござりまするから、 一名これ、五八十(ごはつそう) は四六の蝦蟇だ。四六の蝦蟇。
サテ しからば、此の四六の蝦蟇の棲すむところ、一体、何処いずこなりやと言うれば、 これより遙はるか北の方、北は常陸の国は筑波の郡、古事記・万葉の古から 歌で有名。
「筑波(つくば)嶺ねの 峰より落つる男女(みな)の川(がわ)恋いぞつもりて 渕ふちとなりぬる。」と陽成院(陽成院)の歌にもございます 関東の名峰めいほうは 筑波山の麓ふもと。
臼井、神かん郡ごおり、館野たての、六所、沼田、国松、上大島、東山から西山の嶺にかけまして、ゾロゾロと はえて おりまする大葉子(おんばこ)と言う 露草つゆくさをば 喰くらって育ちまするで。


【第四段 製造】
さてしからば、此の蝦蟇から 此の蝦蟇の油を採るにはどういうふうにするかって 言いますと、先ずは ノコタリノコタリ急ぎ足、木の根・草の根 踏みしめまして、山中深く分け入り、捕らえ来ましたる この蝦蟇をば、四面に鏡を張り、その下に金網、鉄板を敷く。 その鏡張りの箱の中に、この蝦蟇を追い込む。
サア 追い込まれたガンマ先生、己の醜みにくい姿が 四方の鏡にバッチリと写るからたまらない。我こそは今業平と思いきや、鏡に写る己の姿の醜さに、ガンマ先生、ビックリ仰天いたしまして、御体(ぎょたい)から油汗をば、ダラーリ、ダラーリ、ダラーリと流しまする。
その流しましたる油汗をば、下の金網から ぐぐっと抄すき取り集めまして、三七は二十と一日の間、柳の小枝をもちまして、トロリ、トロリ、トローリと煮炊にたきしめ、赤い振砂(しんしゃ)に 椰子油(やしあぶら)、テレメンテイナ、マンテイカという唐から、天竺(てんじく)、南蛮(なんばん)渡りの妙薬をば 合わせまして、良く練って 練って練りぬいて造ったのが、これぞ これ、此の 陣中膏は 蝦蟇の油の 膏薬でござりまする。

サテお立ち会い。これにて、蝦蟇の油の膏薬の造り方 お分かりでござりまするかな。
エー、分かったよ。分かったけれども、どうせ 大道商人のお前の造った蝦蟇の油なんか ろくな効き目なんか あるまいと思っているような顔をしている方が おられるようだけれども、薬というのは 何に効くのか効能ききめが分からなかったら 値打ちがねいよ。


【第五段 効能の説明 】
しからば、蝦蟇の油の膏薬、何に効くかと云いうなれば、先ずは 疾(しつ)に癌(がん)瘡(がさ)、火傷に効く。瘍よう・梅毒・皹(ひび)に霜焼け(しもやけ)、皹(あかぎれ)だ。前へ廻ったらインキタムシ、 後ろへ廻ると 肛門こうもんの病。肛門と云っても 水戸黄門様が病気になったんじゃねいよ。
これを詳しく云うなれば、出で痔(じ)に疣(いぼ)痔・走り痔・切れ痔・脱肛(だっこう)に鶏冠(けいかん)痔。鶏冠痔というのは、鶏の鶏冠とさかのように真っ赤になる痔の親分だ。だが手前の此の蝦蟇の油をば、グットお尻の穴に塗り込むというと、三分間たってピタリと治る。

まだある。槍傷・刀傷・鉄砲傷・擦り傷・掠り傷すりきず・外傷一切。 まだある。大の男が七転八倒(しちてんばっとう)して畳たたみの上をば ゴロンゴロンと転がって苦しむほど痛えのが これ この虫歯の痛みだ。

だが、手前の この蝦蟇の油の膏薬、これをば 紙に塗りまして 上からペタリと貼るというと、皮膚を通し肉を通して 歯茎はぐきにしみる。

又 蝦蟇の油 小さく丸めまして アーンと大きな口開いて 歯の空洞(うつろ)にポコンと入れるというと、これ又三分間 熱い涎(よだれ)がタラリ タラーリと出る共に 歯の痛みピタリと治る。

まだある。どうだい、お立ち会い。お立ち会いのお宅に 小さい赤ん坊はいらっしゃるかな。お孫さんでも お子さまでもいいよ。エー。赤ん坊の汗疹あせも、爛(ただれ)、気触かぶれ なんかには、手前の此の蝦蟇の油の入っておりましたる空きは箱・空箱・潰れ箱、此の箱を見せただけでも ピタリと治る。

えー、どうだい、お立ち会い。
こんなに効く蝦蟇の油だけれども、残念ながら 効かねいものが 四つあるよ。先ずは 恋いの病と浮気の虫。あと二つが 禿はげと白髪に効かねえよ。

おい、油屋。お前さん 効かねえものなんか並べちゃって、もう 蝦蟇の油の効能つうのは 終わりになったんじゃねえかと思っている方がおりますけれども、そうではごさりませぬ。も一つ大事なものが残っておるりまする。

【第六段 効能の実証】
刃物の切れ味をば 止めてご覧に入れる。ハイッ。手前 ここに取出したるは、これぞ当家に伝わる家宝にて正宗が暇ひまに飽あかして 鍛えた天下の名刀、元が切れない、中切れない、中が切れたが先切れないなんていう 鈍(どん)刀とう・鈍物(どんぶつ)とは 物が違う。実に良く切れる。
どれ位切れるか 抜いて切って ご覧に入れる。エイ。抜けば 夏なお寒き氷の刃やいば。 津瀾沾沌(つらんてんとん) 玉と散る。ハイ。ここに一枚の紙がござりまするので、これを切ってご覧に入れまする。ご覧の通り種も仕掛けもござりませぬ。ハイ。一枚が二枚。二枚が四枚。四枚が八枚。八枚が十六枚。十六枚が三十二枚。三十二枚が六十四枚。 六十四枚が 一束と二十八枚。エイ。これ この通り細かく切れた。
パーッと散らすならば比良(ひら)の暮(ぼ)雪せつか、嵐山には落花(らっか)吹雪(ふぶき)の舞とござりまする。

どうだ お立ち会い。こんなに切れる天下の名刀であっても、この刀の差表(さしおもて)、差し裏に 手前の この蝦蟇の油塗るときには、刃物の切れ味ピタリと止まる。
塗ってご覧に入れる。 あーら塗ったからたまらない。刃物の切れ味ピタリと止まった。

我が二の腕をば、切ってご覧に入れる。ハイッ。打って切れない、叩たたいても切れない。押しても切れない。 引いても絶対に切れない。
さて、お立ち会いの中には、なあんだ、お前の そのガマの油という膏薬はこれほど切れた天下の名刀を ただなまくらにしてしまうだけだろうと思っている方がおりまするけれども、そうではござりませぬ。

手前、憚(はばかり)ながら、大道商人をしているとは雖いえども、ご覧の通り 金看板天下御免のガマの油売り、そんなインチキはやり申さん。この刀に ついておりまするガマの油、この紙をもちまして、きれいに拭きとるならば、刃物の切れ味 また、元に戻って参りまする。

さわっただけで 赤い血が タラリ タラーリと出る。しからば、我が二の腕をば 切ってご覧に入れる。ハイッ。これ この通り。赤い血が 出ましてござりまするで。だが、お立ち会い、血が出ても心配はいらない。なんとなれば、ここに ガマの油の膏薬がござりまするから、この膏薬をば 此の傷口に ぐっと 塗りまするというと、タバコ一服吸わぬ間にピタリと止まる血止めの薬とござりまする。これ この通りで ござりまするで。


【第七段 値下げ、販売】
さあて、お立ち会い。お立ち会いの中には、そんなに 効き目のあらたかなそのガマの油、一つ欲しいけれども、ガマの油って さぞ高けいんだろうなんて 思っている方がおりまするけれども、此のガマの油、本来は一貝が二百文、二百文ではありまするけれども、今日は、はるばる、出張っての お披露目(ひろめ)。男度胸で、女は愛嬌、坊さんお経で、山じゃ、鶯うぐいすホウホケキョウ、筑波山の天辺(てっぺん)から 真逆様(まつさかさま)にドカンと飛び降りたと思って、その半額の百文、二百文が百文だよ。
さあ、安いと思ったら買ってきな。効能が分かったら ドンドンと買ったり、買ったり。


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ヘビ        snake

みなさんは蛇足(だそく)という言葉を知っていますか。余計(よけい)なことという意味です。中国の昔の話です。
楚(そ)という国の人が先祖(せんぞ)を祭(まつ)る行事(ぎょうじ)をして、召使い(めしつかい)達に酒(さけ)を与(あた)えました。召使いたちは相談しました。「おおぜいで飲(の)むには足りないが、一人で飲むには充分(じゅうぶん)ある。地面に蛇(へび)の絵を描いて、一番先にできた者が酒を飲む事にしよう」。一人の蛇が真っ先に完成し、その男は酒を引き寄せて飲もうとして、左手に杯(さかづき)を持ち、「私はまだ足を描き足す余裕(よゆう)がある」と言って右手で蛇の絵に足を描き出したが、それを描き終わらないうちにもう一人が蛇を描(か)き上げ、杯を奪い取って、「もともと蛇に足はない。そなたに足を描けるわけがない」(蛇に足を描いたら、それはもう蛇の絵ではなくなり、描いた男の勝利は無効になる)と言って酒を飲んでしまった。おかげで、蛇に足を付けた男はついに酒を飲み損なってしまった。このことから「蛇足」とは、わざわざ余計な事までしてしまう意味の熟語となった。また、物事がうまく行っている時に、調子(ちょうし)に乗ってやたらに手を出すべきではないという教訓にもなっています。
この話も蛇足(だそく)かもしれませんが、ヘビは足がないことが最大の特徴(とくちょう)です。ヘビは爬虫類(はちゅうるい)です。両生類から進化したヘビの先祖も足があったはずです。トカゲの仲間が地中あるいは水中で生活するようになった時期があり、手足が退化したのだろうと言われています。でも、アシナシトカゲ(爬虫類)やアシナシイモリ(両生類)もいることが知られています。他にヘビ以外に脚がない動物はいますか。ミミズも足がないね。ヘビといえば「長い体」の次に「毒」が連想され、実際、有毒な爬虫類の99%以上はヘビが占めていると言われる。全世界に3000種類ほどいるヘビのうち、毒を持つものは25%以上。威嚇もなく咬みつく攻撃的で危険な毒蛇もいるので、不用意に近づくのは大変危険です。

ヘビは世界中に分布しておりたくさんの種類がありますが、最大のものはアミメニシキヘビとオオアナコンダで長さは9m位、体重100kg程度のものもいるらしい。日本にいるヘビは、アオダイショウ、ヤマカガシ、毒蛇(どくへび)のマムシ、沖縄の毒蛇ハブ、ウミヘビ等。海外の毒蛇ではコブラ、ガラガラヘビ等が有名。
アミメニシキヘビはインドや東南アジアに生息(せいそく)している。毒は無いのでペットとして飼育されることもある。食べる人もあるようで鶏の肉に似ているとか。大蛇とは大きな蛇のことです。ニシキヘビ、アナコンダ、ボア等が大蛇ですね。
オオアナコンダもアミメニシキヘビに負けずに大きな蛇です。南アメリカ大陸北部 アマゾン川流域に分布する。ボアと言う呼び方もあるけど、 オオアナコンダもボアの仲間らしい。
アミメニシキヘビ アミメニシキヘビ オオアナコンダ

ガラガラヘビは南北アメリカ大陸に生息する毒蛇。尻尾に楽器を持っていて、ガラガラと音をさせるのでガラガラヘビと名前がついた。英語ではrattlesanakeという。ガラガラヘビのことです。
コブラも、猛毒。頭の部分が平べったい独特の形をしているね。インドでは蛇使いがコブラに芸をさせている。危なくないように毒牙(どくが)を抜いているのかもしれない。
ハブは沖縄の蛇だ。いきなり襲(おそっ)てくることがあるから危険な蛇です。沖縄ではこの蛇を駆除するためマングースというイタチのような動物を移入したけどこれがまた増えすぎて鶏などを襲うので困っている。マングースとハブの対決ショーなんかあるけど、自然界ではマングースだって危険なハブには近寄らない。確かに一緒に檻(おり)に入れられると、マングースは簡単にハブをやっつける。
マムシは、日本本土の毒蛇。北海道から九州まで生息している。ハブよりは小さく毒は少ないと言われるが、野外を散策するときは気をつけた方がいい。
ガラガラヘビ コブラ 蛇使い

ハブ マングース マムシ

ヘビがどのように進化して足を失ったのかはよく分かっていないらしい。有鱗目(ゆうりんもく)というトカゲの仲間の一部から進化したと考えられています。1億4500万年前から1億年前の白亜紀(はくあき)前期頃出現したのだろうと推定されています。
四肢を失う進化(退化)自体はそれほど珍しいものではないようです。両生類にも無足類と言うのがいます。現生のトカゲ類においてもアシナシトカゲやヒレアシトカゲのように四肢が無いかほとんど無いいくつかの群があります。鳥類ではモアが前肢(翼)を失い、哺乳類ではクジラやイルカの後肢が退化しています。
地上での移動方法にはいくつかの種類があります。代表的なのは以下のものです。
1.蛇行
2. 直進(腹筋を動かして直進する)
3. 横這い(上半身を移動する方向へ持ち上げた後、下半身を引き寄せる(サイドワインダー)。

体形に合わせて内臓も細長くなっており、2つの肺のうち左肺は退化している。原始的なヘビほど左肺が大きい傾向にある。 蛇は片肺運転なのか。
視力は人間などに比べると弱く、現存する種にも目が退化したものは多い。ただし、立体的な活動を行う樹上棲種についてはこの限りではなく、視覚が発達し大型の眼を持っている種もいる。
ヘビの脱皮

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コウモリ        bat

哺乳類(ほにゅうるい)で空を飛ぶことが出来るのはコウモリだけでしょうか。ムササビもモモンガも木から木へ上手に飛ぶことは出来ます。でもコウモリみたいにパタパタと羽(は)ばたいて長い時間飛ぶことはできませんね。コウモリの羽根は鳥の羽根とはずいぶん異なっていますね。みなさんはコウモリ傘(かさ)を知っていますか。普通みなさんが使っている傘(かさ)です。金属(きんぞく)の細い骨に布が張ってあるあれです。昔、傘の色は大体黒だったので傘を広げるとちょうどコウモリが羽根を広げたようになるのです。

恐竜がいたころには、空は翼竜という空を飛ぶトカゲが支配していました。ケツァルコアトルスというプテラノドンの仲間は羽根を広げると12mもあったことが化石から分かっています。ところで、コウモリの羽は翼竜の羽とよく似てますね。鳥の羽とはチョット違いますね。恐竜や翼竜が滅びて、鳥類が増えていくその合間を利用してコウモリは進化したらしいですね。コウモリは世界中で見られますが、人のいる場所ではあまり見られませんね。人間が一番の天敵(てんてき)なのかもしれませんね。コウモリも環境が良ければ、巨大なコウモリへも進化できたかもね。そんなコウモリならエサは蚊(か)等では足りないので、凶暴な肉食獣になっていたかもね。でも、コウモリは夜暗い時に活躍するのであまり目立たないけど、世界中でかなり繁栄(はんえい)している動物なのです。
ムササビムササビ   コウモリ
コウモリ   翼竜ケツァルコアトルス

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ワニ      crocodile, alligator

日本において「ワニ(鰐)」は、肉食性で水中生活に適応したワニ目の爬虫類の総称で、ワニ目は、「クロコダイル」「アリゲーター」「ガビアル」の3つの科に分類されます。英語では、crocodileと alligatorとの両方を使い分けています。ここで笑い話。「アメリカから日本に来た少女、日本に来て“Thank you”の意味で“ありがとう”と日本語で言いたくてワニをイメージして「アリゲーター」→「アリガトー」と覚えていたのですが、お菓子をもらって嬉(うれ)しくなって、「おー、クロコダイル、クロコダイル」と連発したそう。言われた方??ですね。アメリカの人、ワニを見てドッチがドッチなのか本当に分かるのでしょうかね。良く似ていますね。
ナイルクロコダイルナイルクロコダイル
「クロコダイル」の代表種はイリエワニやナイルワニといった大型の種で、「ワニ」の中でも最も獰猛(どうもう)な種類とされています。河川や湖、池沼、湿原などの淡水域だけでなく、種によっては汽水域や海洋にも生息し、アフリカ大陸、オーストラリア大陸北部、南北アメリカ大陸、ユーラシア大陸南部、インドネシア、キューバ、ジャマイカ、ドミニカ共和国、ハイチ、パプアニューギニア、フィリピン、マダガスカル西部などの世界各地に分布しています。日本で単に「ワニ」といってイメージされるのはほとんどがこの「クロコダイル」の種類で、人や家畜を襲う「人喰いワニ」とされるのも「クロコダイル」です。

アメリカアリゲーターアメリカアリゲーター
「アリゲーター」の代表種はミシシッピワニとも呼ばれるアメリカアリゲーターで、「クロコダイル」の構成種と比較すると温和な種類といえます。河川や湖、池沼、湿地などの淡水域に生息し、南北アメリカ大陸、中華人民共和国の長江下流域に分布しています。
「クロコダイル」と「アリゲーター」の外見上の最大の違いは頭部で、「クロコダイル」はV字型に先端が尖った口を持っていますが、「アリゲーター」はU字型に丸くなっています。カイマンというワニはアリゲーターの仲間。ペットとして飼われているものもおおい。

インドガビアルインドガビアル
もうひとつの科である「ガビアル」はインドガビアル1種のみで、魚を捕らえるのに適した細長い口が特徴です。クロコダイルの仲間という説もあります。とんがった口の形が独特ですね。

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クジラ-鯨     whale

クジラは、魚ではないですね。みんな知っていますか。海にすむ哺乳類です。少し小さいけどイルカもクジラの仲間です。海にすむ哺乳類他にも知っていますか。アシカ、オットセイ、アザラシ、セイウチ、トド。これらは少しですが陸に上がって歩くことが出来ますね。正確には歩くというより赤ちゃんのハイハイみたいなものですが。他の陸の動物達と違って自分の体を地面から持上げることが出来ないのですね。
シロナガスクジラシロナガスクジラ
これらと違って、クジラはもっと魚に近い形をしていますね。昔の人達は、クジラは魚の仲間と思っていたようです。では、魚との違いはどこにあるのでしょうか。まず、魚はエラ(鰓)で呼吸をします。水の中に溶(と)けている酸素を取り入れるのです。それに比べてクジラは、肺(はい)で呼吸(こきゅう)をします。私達人間と同じです。どんなに長いこと水の中にいても、必ずいつかは水面に出て来て呼吸をするのです。その時にクジラの潮吹きがみられるのですね。クジラが息をする時に一緒(いっしょ)に海水を吐(は)き出すのです。
 また、魚は尾びれを、左右に動かして進みますが、クジラは尾びれを上下に動かして進みます。みなさんは、水泳でバタフライという泳ぎ方を知っていますね。こんな感じで泳ぐのです。
マッコウクジラマッコウクジラ
クジラの先祖は、カバのような動物であったと考えられていますが、長い進化の歴史を経(へ)て、体の形が大幅に変わってしまいました。
鯨は音を使って互いに会話をするということが研究されています。そのうち研究が進むと人間とクジラが会話できるようになるのではと期待されています。

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亀カメturtle

亀(かめ)という漢字書けますか。カメは英語でなんて言うの。英語の定義では、カメ全般が「turtle」と呼ばれ、そのうち陸亀(リクガメ)を「tortoise」と呼んで区別します。セーターなんかで首の長いの「タートルネック」なんて言いますね。カメは、ワニや鳥、恐竜などと同じ時代から生息していてすでに今の形で生き続けています。また、色々な種類のカメがいます。
ゾウガメゾウガメはリクガメの代表だね。あなたは、ガラパゴスゾウガメを知っていますか。記録では、体重400kgを超え、体長は1.87mほどに達するようです。名前の通り、ガラパゴス諸島の固有種です。ガラパゴスはエクアドル領で、大陸と陸続きになった歴史のない諸島です(ずっと離れ小島だったわけ)。そのため独自に進化した動物が多いことで有名です。ガラパゴスゾウガメは植物食で、サボテンや草、葉、地衣類、果実などを食べています。彼らは水分のほとんどを露や樹液などから補給しているため、水なしでも6か月以上生きることができます。体内の脂肪を分解すると、副産物として水が生じ、飲まず食わずでも1年ほどまで耐えることができます。また代謝が非常に遅いことも特徴です。

ワニガメワニガメ ワニガメは、名前のとおりワニのように大きな口を持ったカメで、英名もAlligator snapping turtle(ワニのように咬みつくカメ)となっています。ペットとして輸入されて日本国内に持ち込まれました。しかし成長すれば1メートルほどにもなるので飼育は困難で、野生化した個体が定着してしまい、現在大きな問題になっています。口の中には小さくて細い、鮮やかなピンクをしたミミズのような舌があります。ワニガメは水中でこれをまるで小さな生き物かのように動かして、近寄る魚を捕食しています。ワニガメは産卵の時以外は常に水中にいます。しかも綺麗な川ではなく、池や沼のような濁った場所を好みます。つまり、人間のほうからそういった池や沼の中に足を入れなければ、絶対に接触しないわけです。もしワニガメを見かけたなら絶対に手を出さず、警察に連絡するようにしてください。ワニガメは自分の体より大きなワニ以外に天敵がいません。つまり日本では完全に無敵というわけです。

ウミガメ ウミガメは水族館で見かけますね。大変泳ぐのが上手です。でも砂浜歩くことは大変です。卵を産むために砂浜にやって来るウミガメは本当に大変そうです。やっと産んだ卵を鳥や人間たちに食べられたりしてウミガメはずいぶん減ってしまったらしいです。生まれたばかりのウミガメは小さな体で一生懸命砂浜から海に向かって歩きます。無事に海までたどり着いて欲しいですね。

ペットして飼われることが最も多いのはミドリガメでしょう。ミドリガメは20~30年は生きるとされる、とても長生きな動物です。一所懸命に泳ぐ姿や気持ちよさそうに日向ぼっこをする姿などは見ている者に癒(いや)しを与えてくれます。ここで、ミドリガメの上手な飼い方を調べて見ましょう。
ミドリガメ ミドリガメ
1.まず、適当な大きさの水槽が要(い)ります。水槽のレイアウトは基本的に水場と陸場の二つを作りますが、幼体と成体では微妙に違います。幼体ではやや水場のほうを広くしま 成体ではちょうど半々くらいのレイアウトにします。また子ガメは泳ぎが下手なのであまり水をたくさん入れません。溺れてしまう事があります。甲羅が隠れるくらいでちょうどいいくらいでしょう。
2.カメは変温動物なので動き出すためには日向ぼっこして体を温めることが必要です。体を乾かせて日光浴のできる陸地は必ず作ります。これはレンガやそこいらの石を使えばすぐにできます。その際に気を付けることは、ミドリガメが登りやすいように端っこを斜めにしてあげることです。段差がありすぎて登れないことがあると体力を消耗してしまいます。 また、ミドリガメが安心できるように隠れられるスペースも作っておくといいです。水草を浮かべてシェルターにするのもレイアウトが格好良くなりなかなか風流です。
3.水替(か)え
水深が浅い場合は水のろ過装置を付けられませんが、ある程度深いのであればろ過装置を付けたほうがよいでしょう。付けない場合は毎日水を交換しなければなりません。
4.飼育ゲージ
ミドリガメは成長するにしたがって体が大きくなりますから、それにあわせて飼育ゲージも大きくしていきましょう。また、なるべく広い容器で買ってあげましょう。
5.ミドリガメの餌(エサ)
ミドリガメは雑食性で、人間の食べるものなら比較的何でも食べるようです。ただし、お菓子やカマボコ・ハムなど糖分や塩分の多いものを与えるのはやめましょう。
6.ミドリガメの餌の与え方
餌は決まった時間に与えましょう。生後一年目までの子ガメは1日1回カメの頭と同じ大きさを与えます。それ以後は2日に1回、頭と同じ大きさの量を与えます。配合飼料は栄養バランスの優れた主食になります。ですから、なるべく配合飼料を与えるようにします。
初めから配合飼料を食べてくれる場合はそれでかまわないのですが、そうでない場合は魚の切り身や肉の切り身、生餌や乾燥イトミミズや乾燥エビなどを与え、徐々に配合飼料に移っていきます。配合飼料が主食の場合でも、生餌や切り身が主食の場合でも2日に1回レバーを与えると良いようです。エサの食べ残しがある場合は量が多すぎます。残した餌はすぐに取り出しましょう。水が汚れる原因になります。
しかしなかなか食べてくれないことも。
その時は他のエサから徐々に移しましょう。
■生餌
淡水魚(小魚)、ミミズ、イトミミズ、おたまじゃくし、エビ、ザリガニ、ナメクジ、カタツムリ タニシ、水生昆虫など。食欲のないカメには生餌を与えると効果的です。
■肉
鳥のささ身、魚の切り身、牛、豚、鳥レバーなど。
■植物
にんじん、キャベツ、小松菜、りんご、バナナ、アボガドなど。
■加工飼料
乾燥エビ、乾燥イトミミズ、乾燥アカ虫など。
なお、肉の脂身は食べさせてはいけません。白い糞をするのですが、これが厄介です。
水質がめちゃくちゃ悪くなります。まるで石鹸を溶かしたみたいに水面が泡立ちます。
7.ミドリガメの日光浴
日光浴は必ず行いましょう!カメには日光浴が必ず必要です。カメは日光に含まれる紫外線を浴びることによって骨や甲羅の形成をしていますが、これをしないとビタミンDを体内で合成することができず、甲羅の変形や軟化などをもたらします。カメは変温動物ですので自分で体温を上げることができません。午前中に日光浴をすることによって体温を上げ活動に備えます。ですから最低週3回は日光浴をさせます。
夏場、長時間日光に当てていると、温度が上がりすぎてカメが死んでしまいます。水槽の温度は日中26度~30度、夜は18~23度くらいに保つようにしましょう。40度を超すと泡を吹いて死ぬことがあります。
8.保温について
カメは変温動物ですから、ちゃんと保温してあげるようにしましょう。保温にはスポットライトを用います。専用のスポットライトを甲羅干しをする岩場に当たるように設置します。 9. さわっても大丈夫? ミドリガメはサルモネラ菌を保有していることがあるので、触ったら必ず石鹸で手を洗いましょう。そのままの手で食事をしたり目をこすったりすると、病気が移ります。
10.水替え
カメは大量の糞をするため、すぐに水が汚れてしまいます。また、水槽の水がカメの飲み水です。汚いとカメが水を飲むことができずに脱水症状を引き起こします。色々な病気にかかってしまいます。目安としては夏場は水替えが二日に一回、掃除は一週間ごと。冬は1週間に水かえがいっぺん、掃除は二週間に一回行うと良いでしょう。しかし、汚いと思ったらすぐに交換したほうがいいです。
以上、専門家の意見をまとめたものですが、結構気を使うことが多く大変みたいですね。どんな生き物でも飼う時は注意が必要です。それは人間の子供を育てるのも同じことです。でも、生き物は話をすることが出来ないので、より深い知識が必要なのです。でも、手間をかければそれだけ可愛(かわい)くなるものですよ。

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ウミヘビ

この話は、「さかなクン」の本から知った話です。みなさんはテレビで良く「さかなクン」を見かけるでしょう。面白いキャラクターですがお笑い芸人ではありません。魚に関する知識は生半可でない魚博士で研究者。魚のことみんなに知ってもらいたくてあんな仕事しているんだよ。好きな魚の仕事しているので楽しそうですね。仕事が大変だとぼやいている大人達、本当は好きじゃない仕事しているのかもね。仕事も勉強も楽しくなくちゃうそだ。イヤイヤ勉強していると自分の身につかないぞ。
さて、これから紹介する「ウミヘビ」。ヘビなの。魚なの。答えはどちらも正解です。ヘビの仲間のウミヘビと魚の仲間のウミヘビの両方がいるのです。
クロガシラウミヘビクロガシラウミヘビ エラブウミヘビエラブウミヘビ
まず、ヘビの仲間のウミヘビ。毒があってかみつくものが多いから要注意だ。クロガシラウミヘビはコブラ(インドあたりに住むマムシより猛毒)のヘビ)よりさらに強い毒を持っている。エラブウミヘビも毒蛇、どちらも沖縄に行けば会えるよ。会いたくないけどね。
シマウミヘビシマウミヘビ
魚の方のウミヘビは、細長い魚だ。ウナギ、ハモ、ウツボ、ドジョウ等と同じだね。シマウミヘビは、毒蛇のクロガシラウミヘビと良く似ているね。毒蛇の真似(まね)をして天敵(てんてき)から身を守る。自然界ではよくあるパターンだ。どんな魚かは、ネットで画像を探してみると分かるよ。

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飛べない鳥達

ニワトリやアヒルもあまり飛ぶのはうまくなさそう。でも、これらの鳥たちが飛ばなくなったのは最近のこと、ニワトリなんか野生化すると結構飛べるようになるんです。野良犬(のらいぬ)とか野良猫(のらねこ)がいることはご存知でしょうが、野良ニワトリなんて言うヤツもいるんです。昔はお祭りなんかでヒヨコを売っている人がいて、子供たちがペットとして買って帰ります。大抵はこういうヒヨコは卵を産まないオスなんです。結構大きくなると気が荒くなって子供の手に負えなくなるのでこっそり捨ててしまうのでしょう。こうして野生化したニワトリは、飛ぶことを覚(おぼ)えて仲間を集めて強力な暴力集団となって近隣の人達を困らせます。犬や猫も頭の上から攻撃されてはかないません。最近は、ヒヨコを売っている店も無くなりましたが。
でも、ここで紹介する飛べない鳥は、ずっと昔に飛ぶことをあきらめてしまった鳥の仲間たちです。まずは、走鳥類(そうちょうるい)。名前のとおり走るのが得意なのですね。走鳥類には、ダチョウ、エミュー、レア、キュウイなどがあります。既に絶滅したエピオニルスやモアもこの仲間ですね。
ダチョウ
漢字では駝鳥と書きます。駱駝→これはラクダ。住んでいるのはアフリカ。
ダチョウダチョウ
ヒクイドリ
ヒクイドリはインドネシア、ニューギニア、オーストラリア北東部の熱帯雨林の高山地帯に分布していますが、絶滅が危惧されている種です。体重はダチョウに次いで重い。ヒクイドリは、見かけ以上に恐ろしい鳥で、ナイフのようによく切れる足の爪で腹部を蹴られたりすると内臓が飛び出し死者が出るとか。
ヒクイドリヒクイドリ
エミュー
これもオーストラリア。身長はダチョウについで高いが、体重はヒクイドリよりは軽い。
エミューエミュー
レア
南米のダチョウに似た大型の走鳥類です。
レアレア
キュウイ
ニュージーランドに生息する飛べない鳥類です。果物のキュウイと似ていてとてもかわいいね。果物「キウイフルーツ」は、ニュージーランドからアメリカ合衆国へ輸出されるようになった際、ニュージーランドのシンボルであるキーウィに因んで1959年に命名されということ。やっぱり似ているはずか。
キュウイキュウイ
上の鳥たちはみな走鳥類に属しますが次のペンギンは異なります。走ることはあまり得でなく、泳ぐ方が得意みたいですね。南極に住んでいるのが皇帝ペンギンとアデリーペンギンの2種。ガラパゴスペンギンのように赤道直下にも住んでいます。たくさんの種類のペンギンがいますが、ペンギンがいるのは南半球だけ。北半球にはいません。だからペンギンはホッキョクグマに食べられる心配はないわけです。
皇帝ペンギン皇帝ペンギン

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カモノハシとハリモグラ

 みなさんは、カモノハシとハリモグラと言う動物を知ってますか。この二種類の動物はオーストラリア(タスマニア島を含(ふく)む)とニュージーランドだけに住んでいる生きた化石ともいわれるものすごーく珍(めず)らしい動物なのです。オーストラリアは、他の大陸とは長い時代切り離されていたため、他にも珍しい動物がたくさんいます。代表は、有袋類(ゆうたいるい)という哺乳類(ほにゅうるい)の仲間です。カンガルー、ワラビー、コアラが有名です。これら有袋類は、みなおなかの外側に袋(ポケットみたいですね)をもっていてこの中で赤ちゃんを育(そだ)てます。タスマニア島にはタスマニアデビルという肉食の有袋類がいましたが、白人が持ち込んだ犬が野生化して、タスマニアデビルは絶滅してしまったようです。

 ところで、カモノハシとハリモグラは、単孔類(たんこうるい)と言って哺乳類なのに卵を産み、くちばしを持っているんです。単孔類の母親はおっぱいをもたず、子供は皮膚(ひふ)から分泌(ぶんぴつ)してくるミルク状の汁をなめて大きくなります。

最初の哺乳類は、単孔類だけだったのが、有袋類が出現して単孔類を追いやり、オーストラリア大陸以外の大陸では、その後出現した有胎盤類(ゆうたいばんるい)に有袋類が追い出されてしまったのです。有胎盤類とは、おなかの中で赤ちゃんを育てる普通の哺乳類で、ゾウ、キリン、サル、人間、たいていの哺乳類はこの中に含(ふく)まれます。
【問題1】右と左を線で結びなさい。
  コアラ・              ・有胎盤類(有胎盤類;おなかの中で子供を育てるよ)
  ライオン・             ・爬虫類(はちゅうるい)
  ペンギン・             ・単孔類(たんこうるい)
  ハリモグラ・            ・有袋類(ゆうたいるい)
  タスマニアデビル・         ・鳥類
  イグアナ・             ・両生類
  カエル・              ・人類
【問題2】次の漢字を練習しましょう
(1)ほにゅうるい(      )、(2)ちょうるい(    )、(3)ひふ(    )、(4)たんこうるい(     )、
(5)はちゅうるい(      )、(6)たいりく(   )、(7)りょうせいるい(     )、(8)そだてる(   )、(9)たまご(   )
生物の勉強するならこんくらいの漢字はちゃんと書いてね。

【問題3】写真の動物は何でしょうか。
      タスマニアデビル カモノハシ ハリモグラ

左上→タスマニアデビル、右上→カモノハシ、左下→ハリモグラ

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変わった動物

この動物園にしかいない特別変わった動物を紹介しよう。名前をアニマルXという。類人猿に属するXは、ゴリラやチンパンジーとは遺伝子の差は数%程度なのでかなり知能は高いと思われるし、当園のX本人自身は動物の中では、最優秀と信じている。非常に几帳面(きちょうめん)な性格で、朝に家を出ると夜には自宅に必ず帰ってくるので檻(おり)に入れて飼育(しいく)する必要はまったくない。ただ、ラベルを付けて黙(だま)って観察していればOKだ。トラやシマウマと違って、将来大人になったらどうなるかという明確なビジョンがなかったため、親や調教師(先生)の薦(すす)めどおりに、有名私立の学校を卒業し、大手で安定しているといわれる会社に所属している。会社には上司(じょうし)と言われる調教師がたくさんいる。だから日中は、飼育の手間は全くかからず会社に任せておけば安心だ。本人は頭が良く知識が豊富だと思っているが、その中身はみなテレビやネットの受売(うけうり)りで自分というものが全くない。基本的には自分からは何も学ばない。ただ、教えられたことは忠実に守るので調教の効果は大きい。自分より権威があり偉いと思われる人のいうことは良く聞くが、子供や貧しく弱い人の言うことは無視する。Xという動物は社会を作って生活しており、科学技術とやらを発達させているが、個人レベルでは全く無能で残念(ざんねん)な生き物だ。

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一番強い動物は何ですか

野生の動物達は皆住んでいる場所が違うし、必要もないのに戦うことは無いでしょうから、野生の生き物同士が戦う所はめったに見ることはありません。でも、とりあえず無理に決着をつけるとすると、現在は陸上ではアフリカゾウ、海ではシャチというのが定説になっているようです。
まず、陸上ではカバは大型のナイルワニを簡単に噛み殺し、ワニが最大級でも互角以上の戦いとなりそう。ライオンやアフリカスイギュウはシロサイやクロサイに歯が立たないらしい。シロサイとクロサイはカバに対してやや優勢。アフリカゾウはサイを一方的に攻め、殺してしまうことも多い。動物は強そうな相手にはめったに近寄らないでしょうが。ヒグマはトラと互角かやや優勢、ホッキョクグマはセイウチのオスに勝てないので、どちらもカバやサイ、もちろんアフリカゾウには勝てないと思われています。
次は海の動物。まず、シャチはホオジロザメに圧勝。マッコウクジラとは互角で大型のオス同士が戦うことは無いが、動きの速さと有効な攻撃手段(肉を食いちぎるのに向いたアゴと歯)でシャチ有利かもね。なお、海にも入るイリエワニはホオジロザメと互角か少し優勢くらいなので、シャチには勝てないと思います。

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ダイオウグソクムシ

ダイオウグソクムシ ダイオウグソクムシは、等脚目スナホリムシ科に属する海生甲殻類の1種です。最大の等脚目として知られています。と言っても分かりにくいが節足動物の一種。分かりやすく言えばワラジムシ、フナムシ、ダンゴムシなどの仲間です。陸上に生息するワラジムシ、ダンゴムシは小さな動物なので皆さん良く知っているでしょう。ダンゴムシはチョット触るとクルット団子のように真ん丸になってしまいますね。小さい子供は大好きな虫だね。良く似ているのに団子にならないのがワラジムシだ。
*等脚目は実はワラジムシ目とも言われる分類群で、最初に陸に進出した甲殻類の仲間達。ワラジムシ、ダンゴムシ、フナムシなどが含まれる。最大のものがダイオウグソクムシ。

ダイオウグソクムシは、メキシコ湾や、西大西洋周辺の深海200~1000メートルほどの深さの海底砂泥地に生息しているらしい。等脚類としては世界最大であり、体長は20~40センチメートルで、最大50センチメートル近くにもなる。日本近海に生息する最大の等脚類として知られるオオグソクムシが最大15センチメートルほどなのと比べて、はるかに大型となり、体重は1キログラムを上回る。外見はダンゴムシのようだが、分類ではフナムシに近いとされる。
ダイオウグソクムシ 足は7対ある。外敵や攻撃を受けた場合は背面にはならず泳いで逃げることもあり、不完全ながらダンゴムシのように身体を丸め、背甲で身を守るともいわれる。 三重県の鳥羽水族館の名物だね。今では他にもけっこう他の水族館でも飼育しているみたいだ。調べてごらん。
何を食べて生きているのでしょうか。「深海の掃除屋」と呼ばれる本種は、深海底に沈降してきた大型魚類やクジラなどの死骸や弱った生き物等の有機物を摂食する。他の等脚類のように弱った仲間や死体を食べる共食いを行っている可能性もあるけど真相はよく分かっていないらしい。 本種は大型の割に極めて少食で飢餓(きが)に強い。鳥羽水族館において2007年9月から飼育されていた体長29センチメートルの個体「No.1」は、2009年1月2日に50グラムのアジを食べて以来、2014年2月14日に死亡するまでの5年1か月間(1869日間)にわたり餌(えさ)を口にしなかったという。2013年2月に飼育を開始し、4か月間絶食した後に死亡した個体「No.9」を解剖したところ、消化管に未消化の魚が106gほど残っていた。
しかし、餌(えさ)の少ない環境でここまでの巨体になることは、ダイオウイカと並んで深海生物の巨大症(deep-sea gigantism)の例としてよく引用されるが、その巨大化のメカニズムについては未だに多くの部分が解明されていない。
本種は1878年にオスがメキシコ湾の海底から発見され、1891年にはメスも発見された。漁網や篭(かご)にかかった有用魚類を食い荒らすことから、漁師達には嫌われている。 本種は巨躯の割に肉が少なく、臭みも強いために食用には適さないといわれるが、地域によっては食用利用されるという。素揚げにすると旨みが強く美味という話もある。どちらが本当なのか食べてみないと分からないですね。

**分類
節足動物門→軟甲綱→等脚目→ウオノエ亜目→スナホリムシ科→オオグソクムシ属→ダイオウグソクムシ(種)
等脚目は、ワラジムシ目とも称され、ワラジムシ、フナムシ、ダンゴムシが含まれる。どれも小さな生き物だけど、等脚目最大のダイオウグソクムシは50cm以上にもなる。

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ハワイマイマイ

ハワイマイマイ Achatinella(アカティネラ)
(From Wikipedia, the free encyclopedia)
Achatinella is a tropical genus of colorful land snails in the monotypic Achatinellidae subfamily Achatinellinae.
*カタツムリなら英語でsnailなのでachatinellaはハワイのカタツムリ類の学名らしい。ハワイのカタツムリはハワイの固有種で独特なものということ。
* monotypic→単系の
Species are arboreal pulmonate gastropod mollusks with some species called Oʻahu tree snails or kāhuli in the Hawaiian language.
*mollusk→軟体動物、gastropod→腹足類、arboreal→樹上性の、pulmonate→胚の

種は樹上性の肺性腹足類の軟体動物で、一部の種はオアフツリーカタツムリまたはハワイ語でカーフリと呼ばれます。カーフリと呼ぶのが一般的かもしれない。
Achatinella species are all endemic to the island of Oahu in Hawaii, and all remaining extant species are endangered. They were once abundant and were mentioned extensively in Hawaiian folklore and songs, and their shells were used in lei and other ornaments.
*endemic→地域固有の、extant species→現存種 Many of the species are sinistral or left-handed chirality in their spiral shell coiling, whereas most gastropod shells are dextral, with a right handed spiral.
* sinistralは邪悪なと言う意味だけど、意味は単に左利きと言う程度で、左利きの人に対する差別用語でもある。 *chiralityは適当な日本語訳は無いようですが、鏡に映った実態と像の関係のような非対称性。カタツムリの貝殻の巻き方に右巻きと左巻きがあるけど、
*dextral→右巻き、日本のカタツムリは右巻き(こちらが普通)でハワイのカタツムリは左巻きなんでしょうか。

ハワイマイマイ 種の多くは、螺旋状の殻の巻き方においてシストラルまたは左巻きのキラリティを持っていますが、ほとんどの腹足動物の殻は右巻きで右巻きです。

Distribution
There were 41 species of Achatinella endemic to the Hawaiian island of Oʻahu, though only 13 species survive. Some species have less than 50 remaining individuals, and others have +300; many species fall in between.
*分布と言ってもハワイ固有種だから、ハワイにしかいない。ほとんどは絶滅危惧種だ。かっては日常どこにでも見られたようです。
ハワイのオアフ島には 41 種のアカティネラ属が生息していましたが、生き残っているのは 13 種だけです。 残りの個体数が 50 未満の種もあれば、+300 の個体もいます。 多くの種はその中間に位置します。

ハワイマイマイ Conservation status
All 13 species are listed under United States federal legislation as endangered. The IUCN lists a number of Achatinella species as extinct and the remainder as critically endangered. The main cause of decline has been attributed to over collection. In addition, invasive species such as rats, Jackson's chameleons, and the highly predatory snail Euglandina rosea have been involved in the extinctions and declines of the native tree snails.
13 種すべてが米国連邦法に基づいて絶滅危惧種に指定されています。 IUCN は、多数のカーフリ種を絶滅種としてリストし、残りの種を絶滅危惧種としてリストしています。 減少の主な原因は過剰な収集に起因すると考えられています。 さらに、ネズミ、ジャクソンカメレオン、および非常に捕食性の高いカタツムリであるユーグランディナ・ロセアなどの外来種が、在来のカタツムリの絶滅と減少に関与しています。
ハワイマイマイ *これらの外来種は総て、ペットなどとして欧米人によって持ち込まれたものですね。
* IUCN: 国際自然保護連合とは、1948年に創設された、国際的な自然保護団体。国家、政府機関、NGOなどを会員とする。本部はスイスのグランにある。日本は1978年に環境庁が日本の政府機関として初めて加盟、1995年に国家会員として加盟した。また、日本国内の18団体が加盟している。

Shell description
Achatinella species shells are diverse in patterns, colors, and shapes, but all average about 0.75 in (1.9 cm) in length. Most have smooth glossy, and oblong or ovate shells which show a variety of colors, including yellow, orange, red, brown, green, gray, black, and rainbow.
* glossy→光沢のある、oblong→楕円形の(英国英語では長方形の) 、ovate→卵形の
シェルの説明
カーフリ種の貝殻は模様、色、形が多様ですが、長さはすべて平均約 1.9 cm です。 ほとんどの貝殻は滑らかで光沢があり、長楕円形または卵形で、黄色、オレンジ、赤、茶色、緑、灰色、黒、虹などのさまざまな色を示します。

There are three recognized subgenera within the genus Achatinella. Subgenera are distinguished according to shells characteristics only.
カーフリ属には 3 つの亜属が認められています。 亜属は殻の特徴のみに従って区別されます。 *と言うことは体本体にはほとんど差が認められないということだ。

Genus Achatinella Swainson, 1828: The dextral or sinistral shell is imperforate or minutely perforate, oblong, ovate or globose-conic; smooth or longitudinally corrugated, with only weak traces of spiral sculpture. Shell color is in spiral bands or streaks in the direction of the growth lines. The lip is simple or thickened within and sometimes slightly expanding. The columella bears a strong callous fold. Type species of the genus Achatinella is Achatinella apexfulva (Dixon).
属 Achatinella Swainson、1828: 右または左の殻は穴がないか、またはわずかに穴があり、長方形、卵形、または球形円錐形です。 滑らかまたは縦方向に波状で、螺旋状の彫刻の痕跡が弱いだけです。 殻の色は成長線の方向に螺旋状の帯または縞模様になっています。 唇は単純であるか、内側が厚く、場合によってはわずかに広がっています。 柱状突起には強い硬骨ひだがある。 Achatinella 属の基準種は Achatinella apexfulva (Dixon) です。

Subgenus Bulimella Pfeiffer, 1854: Shell shape is oblong-conic or ovate. The spire is obtuse, rounded or convexly-conic near the apex. The outer lip is thickened by a strong callous rib within the aperture (except in Achatinella abbreviata and Achatinella lila). Type species of the subgenus Bulimella is Achatinella byronii Newcomb.
亜属 Bulimella Pfeiffer、1854: 殻の形は長円錐形または卵形です。 尖塔は鈍角で、頂点付近は丸い、または凸状の円錐形です。 外唇は開口部内の強い硬骨肋骨によって厚くなっています(Achatinella abbreviata と Achatinella lila を除く)。 ブリメラ亜属の基準種は、Achatinella byronii Newcomb です。

Subgenus Achatinellastrum Pfeiffer, 1854: The shell is imperforate, ovate-conic or oblong-conic and smooth. The embryonic whorls are not flattened. The outer lip is thin or only slightly thickened within the apex but not expanded. These are the most generally distributed of the Achatinella species and show a prolific area of intergrading color patterns. Type species of the subgenus Achatinellastrum is Achatinella stewartii (Green, 1827).
亜属 Achatinellastrum Pfeiffer、1854: 殻は穴がなく、卵形円錐形または長円錐形で滑らかです。 胚の渦巻きは平らではありません。 外側の唇は薄いか、頂点内でわずかに厚くなっているだけですが、拡張されていません。 これらはアチャティネラ種の中で最も一般的に分布しており、相互に変化する色のパターンが豊富に見られます。 Achatinellastrum 亜属の基準種は Achatinella stewartii (Green、1827) です。

Ecology
Habitat 生息地
These snails live in trees. Currently they are only found in mountainous dry to moist forests and shrublands above 1,300 ft (400 m). Most individuals spend their entire life on just one tree.
これらのカタツムリ樹上生活者です。 現在、彼らは標高 400 m (1,300 フィート) を超える山岳地帯の乾燥した森林から湿った森林と低木地帯でのみ見られます。 ほとんどの個体はたった 1 本の木の上で一生を過ごします。 Feeding 食事 These tree snails are nocturnal, and feed by grazing fungus which grows on the surface of native plant leaves.
これらのカタツムリは夜行性で、在来植物の葉の表面に生える食草菌を食べます。
*日本のカタツムリは何を食べているのでしょうか? Although these tree snails are occasionally found on introduced plants, it is unknown whether or not the fungus which grows on these plants can provide long-term support for healthy breeding populations of these snails.
* introduced plants→外来植物
これらのカタツムリは外来植物で時々見られますが、これらの植物で増殖する真菌がこれらのカタツムリの健全な繁殖個体群を長期的にサポートできるかどうかは不明です。

In captivity Achatinella feed on fungus growing on leaves of Metrosideros polymorpha. They also feed on cornstarch, which can be spread in terraria with water and on cultures of sooty mold grown on laboratory agar. In captivity, cuttlebone is used as a source for calcium.
*in capitivity→飼育下では、* agar→寒天、*テラリア??、* sooty mold→ススカビ

飼育下では、アチャティネラはメトロシデロス・ポリモルファの葉に生えている菌類を食べます。 彼らはまた、水と一緒にテラリアに散布できるコーンスターチや、実験室用寒天上で増殖したすす状カビの培養物も食べます。 飼育下では、イカの骨がカルシウム源として使用されます。

Life cycle 生活環
Adult snails are hermaphroditic (having both male and female reproductive organs) and can live for many years. These are live bearing snails (give birth to live snails instead of laying eggs).
* hermaphroditic→雌雄同体
成体のカタツムリは雌雄同体(雄と雌の両方の生殖器官を持つ)であり、何年も生きることができます。 これらは生きたカタツムリです(卵を産むのではなく、生きたカタツムリを産みます)。
*多分、日本のカタツムリも雌雄同体なんでしょうね?

Predation and other threats 捕食とその他の脅威
Because growth rate and fertility are very low, these snails are especially vulnerable to loss of individuals through human collection, through predation, or because of other disturbances.
これらのカタツムリは成長率と繁殖力が非常に低いため、人間による採集や捕食、その他の妨害による個体の喪失に対して特に脆弱です。

The most serious threats to the survival of Oʻahu tree snails are predation by the introduced carnivorous snail Euglandina rosea, by rats (Rattus exulans, Rattus norvegicus, Rattus rattus), and loss of habitat due to the spread of non-native vegetation into higher elevation forests.
carnivorous snail→肉食性のカタツムリ

An additional threat is Jackson's chameleon (Trioceros jacksonii) that were introduced to Hawaii in the early 1970s are a serious threat to Achatinella, because the chameleons directly prey on them and other snails species. Other predators of Achatinella include the land planarian Platydemus manokwari.
さらなる脅威は、1970年代初頭にハワイに導入されたジャクソンカメレオン(Trioceros jacksonii)であり、カメレオンや他のカタツムリ種を直接捕食するため、アチャティネラにとって深刻な脅威となっている。 アチャティネラの他の捕食者には、陸上プラナリアの Platydemus manokwari が含まれます。
*アフリカマダガスカル島の固有種であるカメレオンがどうして遠く離れたハワイ島で繁殖?
Hawaiian folklore ハワイの民間伝承
According to Ancient Hawaiian folklore, the kāhuli are known as the pūpū kani oe, which translates to "shell that sounds long" or the "singing shell". They are believed to be able vocalize and sing at night. Experts have attributed this association to the chirping of crickets at night when the snails are active. Native Hawaiians used the shells of the snails to create kahuli shell lei and their status as coveted souvenirs in the 19th-century may have contributed to the decline of the species. The summer palace of King Kamehameha III was called Kaniakapupu ("the singing of the land shells") because of the many snails which once inhabited the area during his lifetime.

古代ハワイの民間伝承によれば、カーフリはププ カニ オエとして知られており、これは「長く聞こえる貝殻」または「歌う貝殻」を意味します。 彼らは夜に声を出し、歌うことができると考えられています。 専門家らは、カタツムリが活動する夜にコオロギが鳴くことがこの関連性であると考えています。 ハワイの先住民はカフリ貝の殻を使ってカフリ貝レイを作りましたが、19 世紀にはカフリ貝が切望された土産物としての地位を占めていたことが、この種の衰退の一因となった可能性があります。 カメハメハ 3 世の夏の宮殿は、彼の生前にこの地域に多くのカタツムリが生息していたことから、カニアカププ (「陸の貝の鳴き声」) と呼ばれていました。

追記
カタツムリは、ハワイに限らずポリネシア地域に広く分布しているらしい。もちろん日本にも固有のカタツムリが生息している。でも、その多くは今では絶滅危惧種に指定され種の存続が危ぶまれている。
一方、「種の起源」の著者ダーウィンも、ガラパゴス島で生息場所の異なる地域での独自の進化を遂げたカタツムリを観察したという。ただし、彼の興味はカタツムリよりもその地の独特の鳥の変異により興味が向いたようだ。それよりも彼の興味は、空を飛べないカタツムリが絶海の孤島にどのようにしてたどり着いたのか。確かにこれもあるいいかなりの謎である。

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ボノボ

ボノボ ボノボ(Pan paniscus)は、哺乳綱霊長目(ほにゅうこう・れいちょうもく)ヒト科チンパンジー属に分類される霊長類。アフリカのコンゴ民主共和国の密林の中で見つかりました。ピグミーチンパンジーと言う名前がありますが、近くにピグミー族という比較的小さな人たちが住んでいるためで、ボノボの名前とは関係がありません。
チンパンジーよりは、体が細く手足が長い。体型的には人に近く二足歩行も上手なようです。ボノボが最初に発見されたのは、アフリカでなくて、ベルギーの博物館だったようです。どうしてアフリカでなくで、ヨーロッパのベルギーなのか。アフリカのコンゴを植民地として支配していた人たちはベルギー人だったからです。ベルギーの博物館で研究していた人がボノボの標本をみてどうも体型が違うので別の種ではないかと気がついたのがキッカケです。
右の写真を見て下さい。上がボノボ、下がチンパンジー。チンパンジーはガッシリしていて強そうだ。


系統図 最近生物の研究が進歩してきて、色々と新しいことが分かってきました。進化の系統図を見てごらん。最初に分かれるのがオランウータン。オランウータンはアフリカを出て今アジアに生息しています。次に人はゴリラから枝分かれして、その後チンパンジーやボノボとも枝分かれしています。ボノボとチンパンジーが分かれるのはその後です。遺伝子の研究からはゴリラから後の生物の遺伝子はほとんど一緒です。また、脳(のう)科学の点からも脳の構造は皆同じ。彼らは人と同じように感情を持って、ルールを作って社会生活をしています。
**ちょっと待った。オランウータンがアフリカを出たとするのはかって読みでしょう。類人猿の先祖たちは一度世界中に広まっていて、何度も訪れた気候変動(氷河期など)で絶滅し、ゴリラ達の先祖は辛うじてアフリカで生き残ったとする方が自然かもしれない。一般の猿たちが世界中に拡散しているのに対し、類人猿の先祖は負け組で辛うじてアフリカで生き残ったとるのが事実かも知れない。

だから、今生物学の世界では、類人猿を霊長目ヒト科の生き物を人と定義して、オランウータン、ゴリラ、チンパンジー、ボノボ、サピエンス(人の別名)は皆兄弟なのだという考えに変わっている。京都大学の人類科学研究所の方々がアフリカでゴリラ、チンパンジー、ボノボの野生生活の研究をしています。もちろん欧米の研究者達も負けてはいないでしょう。
日本の研究者が有利な点は、人間と動物は兄弟だという考えを素直に受け入れることが出来る点です。キリスト教世界で育った、人達は人間と動物は異なったものと見なしたい傾向があります。だから動物には感情が無いなんて平気で言うんです。仏教徒は違います。「一寸の虫にも五分の魂(たましい)」なんて。自然界の総ての物に魂(たましい)を感じるんです。
日本の研究者達は、ボノボ、チンパンジー、ゴリラの研究をする時には、彼等が食べる葉っぱや果物を自分でも食べてみるんだそうだ。研究者が友好的な態度を示すと彼等は自分から心を開いて色々な事を教えてくれる。多分、私達は人類の兄弟達から今後色々な事を学ぶことが出来ます。そのためには彼らの考え方をしっかり学ぶことが大事ですね。

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テナガザル

テナガザル テナガザル テナガザル
テナガザルは類人猿の仲間。テナガザル科はヒト上科に属しているが、同じくヒト上科に属するヒト科から分岐したのは2000万年から1600万年前と言われている。つまり先祖をたどると人と共通の先祖に行きつく。日本猿だって霊長目(れいちょうもく)で更に時代を遡れば共通の先祖ではあるけど。

英語では猿のことをmonkey、類人猿はapeとして区別している。類人猿の特徴としては尻尾(しっぽ)が無い。でも、類人猿というとオランウータン、ゴリラ、チンパンジー、ボノボ、ヒトと5人組で語られるけど、テナガザルはいつも仲も外れにされていて可哀そうだ。他の5種と比べて体が小さくて、手が異常(いじょう)に長い。

テナガザルはアジアの熱帯雨林の中で生活している。地上は毒蛇や毒虫、洪水など危険がいっぱいだけど、木の上は安全。つまり、テナガザルの生活の場は木の上で、地上には降りて来る用事がない。人は2本の足で歩くけど、テナガザルは2本の手で木にぶら下がって、移動する。2足歩行と言うよりは2手歩行だね。テナガザルはオランウータン以上に森の人なんだね。オランウータンと言う名は現地の言葉で森の人と言う意味だったね。

もし、地球がもっと温暖で湿度(しつど)の高い環境で、陸地が総て熱帯雨林で覆(おお)われている世界なら、テナガザル達は進化の大成功者として、今頃は彼らが唯一(ゆいいつ)の知的生命として世界に君臨(くんりん)していた可能性もあったはずだ。しかし、実際には、地球は寒冷化して森林は草地に代わり、今でも熱帯雨林は次々と焼き払われ、畑地や牧場に変化している。テナガザル達も今は絶滅危惧種で保護の対象だ。元々、霊長類(れいちょうるい)は樹上生活者として進化してきた歴史がある。先祖の生き方をしっかりと受け継いで守り育てて進化してきたその頂点にいる生き物だね。テナガザルは本当に美しく可愛い生き物。移動する姿もとても優美だ。歌を歌うサルとしても有名です。

【樹上生活】 ヒトが直立二足歩行をするのは樹上生活が長かったからとの仮説も。ヒトの二足方向は鳥や恐竜と比べて明らかに異なったもの。人より早く草地に進出したゴリラもチンパンジーも移動する際は4足歩行に戻っている。いわゆるナックル歩行。手の裏側を地面につけて歩く。テナガザルなら木の上では直立の姿勢で歩ける。ヒトが直立二足歩行を身に付けた後、草地に進出した可能性を裏付ける。もし、地球が寒冷化せずに大森林でおおわれる世なら、テナガザル達は哺乳類の覇者になれたかもね。

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ヒヒ

マントヒヒ マンドリル マントヒヒ
ヒヒって知ってますか。日本猿と同じような猿の仲間です。人間のご先祖たちが類人猿から分かれて、森から草地に出たように、ヒヒの仲間達も森から草地に進出して来たのです。人間は直立二足歩行をするようになったのに、ヒヒたちは四足歩行に戻り、オオカミみたいに集団で生活しています。チョット見かけは怖いけど、チンパンジーたちに食べられちゃたり、可哀そうな面もあるんだ。森の中と違って草地の生活は楽ではないんだ。

ヒヒ(狒々)は、サル目オナガザル科ヒヒ属 Papio に属する哺乳類で、主にアフリカに住んでいます。地上で生活し、高度な社会を形成する。オスとメスの性差が大きい動物である。英語ではBaboon(バブーン)と言います。

マントヒヒ(Papio hamadryas)は、代表的なヒヒ。住家はイエメン、エチオピア、サウジアラビア、ジブチ、スーダン西部、ソマリア等。だいたい東アフリカの地域だね。
体長オス70~80 cm、メス50~60 cm。体重オス20kg、メス10kg。メスよりもオスの方が大きい。顔や臀部には体毛がなく、ピンク色の皮膚が露出している。尻だこが発達している。 オスは体毛が灰色で、特に側頭部や肩の体毛が伸長する。この体毛がマントのように見えるのでマントヒヒ。メスや幼体の体毛は褐色らしい。
草原や岩場に生息する。昼間は1頭のオスと数頭のメスや幼獣からなる小規模な群れで移動しながら食事を取り、夜になると100頭以上にもなる大規模な群れを形成し崖の上等で休む。威嚇やコミュニケーションとして口を大きく開け犬歯を剥き出しにする行動を行う。 食性は雑食で、昆虫類、小型爬虫類、木の葉、果実、種子等を食べる。
一夫多妻のハーレムを形成し、おとなのオスは、メスがまだ幼いときに親元から連れ去ってハーレムのメスを増やしていく。メスがハーレムを離れようとした場合、オスはすぐにメスの首にかみついて、ハーレムにとどめようとする。このとき、あまりにも強くかみついたために死んでしまうメスもある。
古代エジプトでは神や神の使者(トート、ヘジュウル等)として崇められ、神殿の壁やパピルスにも記録され、聖獣として神殿で飼育されミイラも作られている。でも、現在のエジプトでは本種は絶滅したらしい。

マンドリルは、哺乳綱霊長目オナガザル科マンドリル属に分類される霊長類。これも広い意味でのヒヒの仲間だろう。体長オス約81cm、メス56cm。尾長9cm程度。体重オス25キログラム、メス12キログラム程度。メスはオスの半分程度の大きさ。
オスの成獣は鼻筋は赤く、これは皮下に毛細血管が発達しているため血の色が透けて見えるため。鼻の両脇は青く、縞模様が入る。このような派手な色彩は、昼間でも暗い熱帯雨林のなかで仲間を見分けるのに役立つであろう。オスの方が色鮮やかなのは孔雀などと同じでメスを引きつけるためだね。なんせ顔が特徴的だ。

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ニホンザル

ニホンザル ニホンザル(学名:Macaca fuscata)は、霊長目オナガザル科マカク属に分類されるサルの一種。つまり英語のmonkey でapeにはしてもらってないようだ。ほぼ日本全土(北海道・沖縄を除く)に生息しており、人類が日本列島に来る前から生息していた先住者でもある。
アカゲザル、カニクイザル、タイワンザルなどが近縁の猿とされている。本種の化石は中期更新世以降の地層から発見されている。
ニホンザルは常緑広葉樹林や落葉広葉樹林に生息する。しかし地表でも生活できるようだ。地上では完全な4足歩行でテナガザルの2手歩行とは対照的だ。
ニホンザルは基本的に群れで生活し、かなり高度な社会構造を持っているらしい。今西博士等の京都学派の研究者達によってかなりのことが知られるようになった。 なお、欧米諸国ではサル類が生息しないため、いわゆる先進諸国で野生のサル類が国内に生息する日本とニホンザルは特別視されてきた。ニホンザルのことを英語で Snow Monkey と呼ぶのは、サルが熱帯の動物と考えられていたためである。
今西博士等は、高度な知性を持った個体群を維持するために社会構造が進化したと考え観察を推し進めた。サル一匹一匹に名前を付け識別し各々の行動を観察する。サルの社会構造はある意味各々の群れの文化であり、環境が変われば社会の形も変化する可塑性を持っている。リーダもいるが必ずしも弱肉強食の世界ではなく弱者を保護する社会的・文化的な知恵も有している。
ヒトだけが選ばれた存在と信じたい欧米諸国の研究者達には受け入れがたい考えだったようだけど、進化生物学の進歩も相成り、寧ろ自然な考えだと見なされるようになってきた。

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類人猿

ニホンザル 類人猿(るいじんえん、ape)は、ヒトに似た形態を持つ大型と中型の霊長類を指す通称名で生物学的な分類名称ではない。ヒトの類縁であり、高度な知能を有し、社会的な生活を営んでいるものとされる。ヒトにとって生物の分類上都合が良いので霊長類学などで使われている。一般的には、人類以外のヒト上科に属する種を指すが、分岐分類学を受け入れている生物学者が類人猿(エイプ)と言った場合、ヒトを含める場合がある。ヒトを含める場合、類人猿はヒト上科(ホミノイド;テナガザル科とヒト科が含まれる)に相当する。
類人猿の身体的特徴としては次のようなものが挙げられる。
テナガザルを含めた現生類人猿では尾は失われている。
オランウータンは赤褐色・褐色の毛を持ち、チンパンジー・ゴリラは黒色の毛を持つ。
大型類人猿の手と足の構造については、ゴリラ、チンパンジー、オランウータンの順に次第に、手は親指が小さく全体に細長い構造となり、足はヒトの手に近い(物を把持するのに有利な)構造となる。
類人猿には現生の次の動物が含まれる。

小型類人猿(lesser ape):テナガザルとフクロテナガザルを含むテナガザル科
大型類人猿(great ape):オランウータン、ゴリラ、チンパンジー、ボノボ(+ヒト)

大型類人猿のうち、ゴリラ、チンパンジー、ボノボ(とヒト)はアフリカ類人猿と呼ばれる。オランウータンはアジア類人猿と呼ばれる。アジア類人猿で現生するのはオランウータンだけであるが、絶滅種のギガントピテクスなども含まれる。以前の分類では、オランウータン科にはオランウータン属・ゴリラ属・チンパンジー属を含めた。しかし、DNAの進化分析を考慮した新しい分類では、オランウータン科はオランウータンのみとなり、ゴリラ属・チンパンジー属はヒト科に分類される。さらに、オランウータンもヒト科に含めると考え、ヒト上科はテナガザル科とヒト科に、ヒト科はオランウータン亜科とヒト亜科に、ヒト亜科はゴリラ族とヒト族に、ヒト族はチンパンジー亜族とヒト亜族に分類するのが一般的となり、この学説が正しければオランウータン科は消滅することになる。

ギガントピテクス **ギガントピテクス
ヒト上科の絶滅した属。身長約3m、体重約300 ~540kgにと推測されている。史上最大のヒト上科動物で、かつ、史上最大の霊長類だったようだ。
約100万年前(新生代第四紀更新世前期後半カラブリアン)前後に出現したと見られ、中国南部から確実な記録が知られ、タイやベトナム、インドネシアなどからも同属のものとされる記録があるが、30万年前(更新世後期前半イオニアン、中期旧石器時代の初頭)あたりを境にしてそれ以降確認されない。本種の生存期間はホモ・エレクトゥス類が栄えていた時期と重なり、両者の生息域はかなり重複していたようである。
大型類人猿のオランウータン、ゴリラ、チンパンジー、ボノボは野生で絶滅の危機に瀕している。理由としては、性成熟が遅いこと、森林伐採などによる生息地の減少や分断、密猟などが挙げられる。

類人猿の定義は以上の通りであるが、この中には高度な知的活動が出来るとか、高度な社会をつくるとか直立二足歩行をして手を自由に使えるなどの人の特性は一切含まれていないことに注意すべきだ。
なお、人類の起源についてはアフリカ発生説が定説に近いようであるが、類人猿の共通の先祖はアジア起源かも知れない。

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コモドオオトカゲ

コモドオオトカゲ 日本ではトカゲはとても小さい生き物だけど、コモドオオトカゲは世界一大きなトカゲだ。有鱗目(ゆうりんもく)オオトカゲ科オオトカゲ属に分類されるトカゲ。コモドドラゴンとも呼ばれる。ドラゴンとは英語で竜(りゅう)のこと。
インドネシア(コモド島、リンチャ島、ギリダサミ島、ギリモタン島、フローレス島南部)に住んでいる。超巨大な怪物との伝説もあって、10m位と思いきや、2~3mぐらいが普通か。でも体重は100kg以上のものもありやはり、トカゲとしては巨大だ。イノシシやシカなどを襲う肉小獣。獲物を待ち伏せ、通りかかった獲物を捕食する。走るのは速くなさそうだ。しかし毒を持っているので要注意だ。

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オオアルマジロ

オオアルマジロ オオアルマジロ(大犰狳Dà qiú yú、Priodontes maximus、Giant armadillo)は、被甲目オオアルマジロ属に分類される哺乳類。本種のみでオオアルマジロ属を構成する。NHKのe-テレでパンタナル平原での大アルマジロの観察している記録が紹介された。

形態は、非常にユニーク。体長は1m弱、体重50kgぐらいか。アルマジロ類は他にもいるが最大の種。全身は体毛が変化した鱗状の板(鱗甲板)で覆われる。この硬い装甲で身を守ることが出来るようだ。説明するより写真を見た方がはやい。環境にはよく適応しているけど、子供を残すのが少なく絶滅危惧種だ。同じ場所にやはり貴重な大アリクイも生息している。 オオアルマジロは、強力な鉤爪(かぎづめ)が特徴で、穴掘りの名人だと。月にいくつもの穴を掘っては住所を変更する。残された巣穴は他の動物達に有効に利用されている。危険を感じると穴を掘って隠れるという。

大アルマジロは主にアリ類やシロアリを食べる。甲虫類・ゴキブリ類などの他の昆虫、クモ、サソリ、多足類、小型のヘビ、動物の死骸なども食べる。しかし、最大の御馳走は蟻、シロアリのようだ。例の巨大な鉤爪で、シロアリの城をぶち壊す。その後を大アリクイがチャカリご馳走にありつく。大アルマジロは大アリクイから何か見返りを貰えるのだろうか? 野生生物みんなのために頑張っている大アルマジロ。何とか絶滅の危機から救ってあげたい気がする。

***アルマジロ (Armadillo)という英名はスペイン語で「武装したもの」を意味する armado に由来する。時には銃弾を跳ね返すほどの硬度も有しているとも。一般には、敵に出会うと丸まってボール状の形になり身を守ると言われるが、完全なボール状になることができるのはミツオビアルマジロ属 Tolypeutes の2種だけである。

オオアリクイ 【パンタナル】
パンタナルの名前の由来は、ポルトガル語の pantano(沼地)。水文学、地質学、生態学の側面においてパンタナールは特異な性質を持つ貴重な世界遺産。パンタナル地域には12種類の生態系が存在していると定義されている。大部分がブラジルのマットグロッソ州とマットグロッソ・ド・スル州に所属し、一部がボリビアとパラグアイにまたがる。総面積195,000平方キロメートルであり、そのうち1,878平方キロメートルが2000年に「パンタナル自然保護地域」としてUNESCOの世界遺産に登録された。また、ラムサール条約の登録地でもある。
雨季の間、パンタナルの80%以上が水没し、地球上で最も水量が多い平原と化す。乾燥と洪水を季節的に繰り返すパンタナルのような生態系を「洪水平原生態系」と定義する。具体的にはこの生態系は水が溢れる洪水の段階から元々あった土壌の高さまで水位が下がり、乾燥状態になっていることを繰り返す。土の状態で説明すると砂から粘土、シルト状態になる。 だから熱帯雨林のように背の高い大きな木は生えることが出来ない。パンタナルは、海抜80メートルから150メートルに広がる平原地帯。1986年の観測によると、11月から3月の間に1,000ミリメートルから1,500ミリメートルの降水量が観測される。パンタナルを流れるパラグアイ川の水位は、季節的に2メートルから5メートルの間で上下する。溢れ出した水の速度は非常に遅い。その理由は、植物が密生しているため。

開発と危機
パンタナルは生物多様性の宝庫であるが、農地や牧草地を開発するための野焼きを原因とする野火が多発しており、2020年時点で湿原の1割に相当する約1万9000平方キロメートルが焼失した。世界自然保護基金(WWF)ブラジルは生態系の破壊と煙害を警告し、自然保護団体や国際投資機関はブラジル政府に対策を求めた。ジャイール・ボルソナーロ大統領は2020年7月、アマゾン熱帯雨林とパンタナルで乾季が終わる11月まで野焼きを禁止する措置をとったが、どうも効果は今一つのようだ。 ***原住民による野焼きと異なり、大規模な牧場を作る目的なのでその環境破壊も馬鹿にならない。

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ツチブタ

ツチブタ分布 奇妙な動物である。ツチブタ (土豚 Orycteropus afer) は、哺乳綱管歯目ツチブタ科ツチブタ属に分類される哺乳類。現生種では本種のみで管歯目ツチブタ科ツチブタ属を構成。 なお、現生哺乳類で1目1科1属1種なのはツチブタのみ。少なくとも豚とは全然似てない。サハラ砂漠以南の、アフリカ大陸に広く分布しているようだ。サバンナの乾燥地帯が住処のようだ。
ツチブタ分布 全長140~ 220センチメートル。尾長44.3~71センチメートル。肩高60~65センチメートル。体重40 ~ 100キログラム。耳介(外見で分かる耳と考えてよい)はウサギのように長い。吻(ふん:前の方に突き出ている口)は長い。鼻孔は体毛で被われ、土を掘る際(鼻で土を掘る)に砂塵が侵入しづらくなっている。門歯や犬歯はなく、セメント質で覆われた歯根のない臼歯(小臼歯上下4本ずつ、大臼歯上下6本ずつ)がある。舌は細長く粘着質で覆われ、唾液腺が発達する(これでシロアリを付着させてそのまま飲み込む。アリクイ等と同じ方法だ。)。胃の幽門部は筋肉質となっており、咀嚼をしなくても獲物をすりつぶすことができる。これ以外に内臓では真獣類には珍しく(有袋類には普通に見られる)子宮が2つある。
前肢に4本、後肢に5本の指がある。爪は長くスプーン状になり、外縁は鋭い。前足で土を掘り後足で土をかき出しながら掘り進むが、極めて力が強く動作が敏捷なため、この時あたかも体が地中に沈んでいくように見えるという。サバンナの穴掘り名人と言うことか。

ツチブタ分布 分類上の問題
歯が貧弱なことから、かつては貧歯目(現在のアリクイ目(異節目))に分類されていたが、体制が第三紀初めに絶滅した髁節目(かせつもく、Condylarthra)に似ていることから独立した原始的な有蹄類の「管歯目」として分類され直された。管歯目自体は第三紀の地層からはヨーロッパや北アメリカからも発見されているが、その後それらの地域では絶滅し現在はアフリカのみに生息している(つまりツチブタだけが生存、生きた化石に近い?)。
近年の遺伝子解析に基づく研究により、長鼻目、カイギュウ目、イワダヌキ目などとともに、白亜紀のアフリカで分化したアフリカ獣類と呼ばれる系統に属すことがわかって来ている。

開けた森林や低木林・草原などに生息。単独で生活する。夜行性。採食や一時的な隠れ家・住居として巣穴を掘る。出産などに用いられる巣穴とは別に、行動圏内には臨時の際に避難場所となる巣穴をいくつも掘る。古巣は他の動物に利用されたり、野火の際の避難場所を提供している。南アフリカ共和国での発信機を用いた調査では一晩に2 ~5キロメートル以上の距離を移動していたという報告例があり、10時間で15キロメートルを歩いた例もある。ずいぶん働き者の生き物ですね。

主にアリ科Formicidaeやシロアリを食べる、ある程度大型の虫ではイナゴ類も食べ、飼育下ではひき肉・卵・牛乳・米飯も食べることが確認されており、野生でも糞からある程度は植物質も摂取していることが確認されている。乾季には主にアリ類を、雨季には主にシロアリ類を食べる。嗅覚と聴覚を頼りに、獲物を探すと考えられている。前肢で蟻塚を破壊したり地面を掘り返し、長い舌を伸ばして獲物を捕食する。主な捕食者はブチハイエナだと考えられているが、チーター・ヒョウ・ライオン・リカオン・大型のニシキヘビ類に襲われることもある。
繁殖様式は胎生。妊娠期間は7か月。1回に1頭の幼獣を産むが、まれに2頭の幼獣を産むこともある。
【追記】
ツチブタの生態を見ていると、アルマジロを思い出す。どちらも働き者の穴掘りの名人でアリやシロアリが大好物。ツチブタはアフリカ大陸の内で進化し、一方のアルマジロは南米大陸。隔離状態のままで並行して進化してきた。その結果、異なった種が似たような形態となる。これを収斂進化(しゅうれんしんか、英: convergent evolution)とか言うらしい。

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タスマニアデビル

タスマニアデビル タスマニアデビル (学名: Sarcophilus harrisii) は、哺乳綱フクロネコ形目フクロネコ科タスマニアデビル属に分類される有袋類。フクロアナグマ(袋穴熊)とも呼ばれる。以前はオーストラリア南部広域に分布していたが、今はタスマニア島にだけ? フクロオオカミ絶滅後は、現生では最大の肉食性有袋類。黒色(または黒褐色)の毛に覆われており、たいていは胸・腰のあたりに白い模様がある。耳の被毛は薄く、興奮すると血色が透けてピンクや赤色が鮮明になる。
夜行性で、昼間は穴ぐらや藪の中に潜んでいるが、夜になると餌を求めて1晩に16 kmほど移動することがある。食性は肉食で、主には死肉を食すが、およそ肉食に分類される獲物ならば何でも食べ、ポッサム・小型のワラビーなどの哺乳類、鳥類、昆虫類等を捕食する。ウォンバットは脂肪を多く含むため好むようで、タスマニアデビルよりも2 - 3倍以上も体の大きなウォンバットの成体を襲った記録もある。野生のデビルの胃からホヤが見つかったこともある。
タスマニアデビル
体の割に大きな頭が骨をも噛み砕く顎の強さを生み出しており、骨・皮・毛・羽等、何でもバリバリと噛み砕いて食べてしまう。顎の力については、体の大きさと咬む力の強さの比率で言えば現生の哺乳類では最強、あるいは、タスマニアデビルの6倍以上大きい体格のハイイロオオカミとほぼ同じという説もある。標準的には1日に自身の体重の15%ほどの食餌を要するが、体重の実に40 %近い獲物を30分でたいらげてしまうことが可能である。動物の死体を処理することで、公衆衛生やスムーズな食物連鎖の回転に寄与しているとも考えられている。確かに小柄で可愛い動物であるが歯を剥きだしてにらまれたら結構怖いでしょうね。

気性が荒く、個体同士が餌の奪い合いで激しい争いになることもある。鳴き声が非常に特徴的で、「背筋の凍るような」「数 km先まで響き渡る」と形容されるうなり声・叫び声を上げる。争いなのかコミュニケーションの一環なのか、恐ろしげな威嚇の鳴き声・ジャブの応酬・果ては本格的な喧嘩や多少の怪我はタスマニアデビルにはつきものである。顔や腰周辺の傷跡の多寡で年齢や性別を推測できたりもする。自分より上位の個体との対決は避ける傾向にあるため、顔周辺の傷が少ない方が若く、背中や腰に傷があると繁殖行動を経た雌の成体であることが多い。

一方で、自分より大型の動物に対しては臆病で、格上の個体や人間等に対して牙をむき出してうなるのは攻撃性のゆえではなく、むしろパニックになっているか直接的な争いを避けるためのハッタリである。大きく口を開けて叫びつつ今にも襲いかかってきそうな野生個体に遭遇したら、そのまま距離をおいて黙って待つことである。攻撃しなければ、逃げていく。

縄張り意識はさほど強くはなく、数匹の縄張りが重なり合っていることもある。腐肉の臭いに誘われて集まった同格の個体が、争ったり威嚇したりしながらも、ひとつの獲物に同時に食らい付いていることもまれではない。そのような時には、ヒゲで他の個体との距離を測りつつ食べては争う。

上顎部の2本の鋭い牙は、一生伸び続ける。尻尾には脂肪がためられるようになっており、栄養状態の悪い個体の尻尾は細い。
走るときには後ろ足を揃えて出すため、後ろ足よりも前足の方がやや長いことと相まって、ユーモラスな動きになる。四肢に鋭い爪を備えているが、攻撃用ではなく、巣穴の土掘りに活躍する。子供の頃は身が軽く、低木によじ登ることもできる。若い個体が木登りできるのは、母親の背中によじ登る習性の故か。

有袋類の特徴である育児嚢は、カンガルーと異なり、後ろ向きについている。これは四足歩行で土を掘り返す習性のためで、袋の中に土が入らないようになっている。本種よりも穴掘りがずっと得意なウォンバットや木登りをするコアラの育児嚢も同じく後ろ向きである。

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センザンコウ

センザンコウ 鱗甲目(りんこうもく、Pholidota)は、もちろん哺乳綱に分類される。現生種ではセンザンコウ(穿山甲)科センザンコウ属のみで本目を構成。以前は有鱗目とされることもあった。鱗甲目の現生種8種を総称してセンザンコウ(穿山甲)と呼ぶ。

哺乳類でありながら硬い鱗で覆われているのが特徴で、丸まって外敵から身を守る。典型的なアリ・シロアリ食者であり、歯がなく、長い吻、長い舌、強力な前肢、長い爪、鋭い嗅覚を持つ。中華圏、インド文化圏などで鱗や肉に薬効があると信じられているため、アジアとアフリカ大陸に生息する8種全てが密猟により絶滅の危機にある。

形態や食性から、古くは貧歯目に含まれていた。体の構造が異なるため別の目として独立させられた。従来の化石研究では食肉目に最も近い動物群であることが知られていたが、近年の遺伝子研究に基づく新しい系統モデルでも、4つの大グループのうちローラシア獣類の一つとして、食肉目や奇蹄目などの近縁グループとされている。多数の絶滅群を含むキモレステス目内の有鱗亜目・鱗甲亜目とされることもある。

センザンコウ 要するに今までの、動物の分類は現生種と化石種の体の構造を基に分類されて来た。だから新種の発見や化石の発見で、分類の大枠もガラリと一変する事態もやむを得ない事情がある。近年の遺伝子研究に基づく新しい系統モデルはまだ研究途上でしょうから、今後の研究を期待しておきましょう。
哺乳類が発展したのは、白亜紀が終わって新生代に入ってからであるから、巨大大陸パンゲアの分裂がほぼ終了して今の大陸分布に近い形になった。各大陸に住み着いた哺乳類たちは各々互いにあまり交流が無く独自の進化をしてきている。ただ、氷河期などでは各大陸は陸橋(ベーリング海峡、パナマ地峡、スエズ地峡)などで全く移動が出来なかったわけでもなさそうだ。

センザンコウ、アルマジロ、アリクイ、ツチブタは全然別種の生き物でありながら、共通の親しみやすさを感じる生物である。典型的なアリ・シロアリ食者であり、歯がなく、長い吻、長い舌、強力な前肢、長い爪、鋭い嗅覚を持つ。弱肉競争の哺乳類の世界で、平和裏に生きる温厚な生物と言うことか。

 センザンコウは中国南部に生息し、肉が珍味とされるほか、硬い鱗(うろこ)が薬の材料として重宝されてきた。乱獲が続いたため、中国政府は2007年に猟を禁止し、18年には貿易取引を全面停止した。ワシントン条約でも商業目的の国際取引が禁止されている。  センザンコウは、新型コロナウイルスのヒトへの感染に関係した可能性も指摘されており、感染リスクの観点からも管理強化が図られているようだ。

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目次
鳥類館とは エピオルニス モア カラスバト コンドル カササギフエガラス ハシビロコウ

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鳥類館とは

鳥類とは哺乳類とは別のグループに属する。鳥類に特殊化した施設を英語ではaviary(エイビアリィ)と言うようだ。動物園はzoo 、水族館はaquarium、植物園はbotany
An aviary is a large enclosure for confining birds, although bats may also be considered for display. Unlike birdcages, aviaries allow birds a larger living space where they can fly; hence, aviaries are also sometimes known as flight cages or bird cages in some places in the United Kingdom. Aviaries often contain plants and shrubbery to simulate a natural environment.

鳥小屋は鳥を閉じ込めるための大きな囲いですが、コウモリも展示用に考慮される場合があります。 鳥かごとは異なり、鳥小屋では鳥が飛べる広い居住空間を得ることができます。 そのため、英国の一部の地域では、鳥小屋はフライト ケージまたはバード ケージとしても知られています。 鳥小屋には、自然環境を模倣するために植物や低木が含まれることがよくあります。

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エピオルニス

aepyornis1 アフリカのマダガスカル島に17世紀頃まで生息していたと考えられている地上性の走鳥類。古顎類エピオルニス目エピオルニス科に分類される。非常に巨大であり、史上最も体重の重い鳥であったと言われる。
マダガスカル島の固有属。かつては無人島であったマダガスカル島で独自の進化を遂げ繁栄していたが、2000年ほど前からマダガスカル島に人間が移住・生活するようになると、狩猟や森林の伐採など環境の変化によって生息数が急速に減少し、最終的に絶滅してしまった。ヨーロッパ人がマダガスカル島に本格的に訪れるようになった17世紀には既に絶滅していたと言われるが、1840年頃まで生存していたとする説もある。
伝説の巨大な鳥・ロック鳥のモデルだったのではないかとも言われている。ただし、エピオルニスは伝説のロック鳥と違って翼が退化しており、空を飛ぶことは全くできない。
頭頂までの高さは3〜3.4m、体重は推定400〜500kgあり、ダチョウを大きく上回る(ダチョウは大きい個体でも身長は約2.5mで体重は135kg程度)。また、卵も巨大であり、現在知られている最大の卵の化石は長さ約33cm、直径約24cmで、ダチョウの卵(長さ約17〜18cm)の2倍近くもある。また卵の殻の厚さは3〜4mmで、重さは約9〜10kg(ダチョウの卵の約7個分で、ニワトリの卵の約180個分)と推定されている。こんな分厚い殻を破って出て来るヒナも大変でしょうね。なお、写真のエピオルニスの像は上野動物園の不忍池のそばにあるものです。
aepyornis1 aepyornis1


巨大な走鳥類は、マダガスカル島から数千km離れたニュージーランドにも生存していた。これは初期にこの地に入植した白人達にも目撃されている。モアという鳥だ。何故このような鳥が進化したのかは従来から謎であったが、その謎も遺伝子調査が出来るようになって解明されつつある。

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モア

aepyornis1 ジャイアントモア(Giant Moa、Dinornis maximus)は、ニュージーランドに生息していた、飛べない大型の鳥類、モアの一種。和名はオオゼキオオモア(大関大モア)。ジャイアントモアには南島に生息した最大のサウスアイランドジャイアントモアとそれよりやや小柄な北島に生息したノースアイランドジャイアントモアの二種類がいるが、主にジャイアントモアと呼ばれるのはサウスアイランドジャイアントモアである。絶滅種の一つ。

鳥類ダチョウ目モア科に属し、頭頂までの高さは最大で約3.6m、体重は250㎏ほどであったと推定されている。現存する最も大きな鳥であるダチョウよりもはるかに巨体であり、絶滅種を含めると世界で最も背の高い鳥であったとされる(体重はエピオルニスの方が重い)。繁殖力は低く一度の産卵数は2~4個といわれ、また長いくちばしの先が下に曲がっていた。明確な性的二型性を持ち、オスよりもメスのほうが大型で、高さで1.5倍、重さで2.8倍程度の差があったとされる。食性は草食で普段は大人しい性格で天敵と言えるのはハーストイーグルのみであったが、その性格故に人間に容易く乱獲され、絶滅した。

aepyornis1 ダチョウと違い主に森林に生息していたが、草原にも生息していた。メスは特大のものは体長4メートルで体重は300キログラム近い巨体になり故に最初は別種と考えられたほどの雌雄での性差があり、その為、エミューなどと同様に抱卵は主にオスが行っていたという説もある。ハーストイーグルや人間などの外敵に対してはその強靭な両脚で立ち向かい、さらに時速50キロに達したとされる走力で逃げるなどの自衛を行っていた。反面、ほぼ無敵の存在故に繁殖力は低かった。

自然環境の温暖化や繁殖力の低さ、(隕石説もある)が一番の原因は移住したマオリ族による乱獲(砂嚢に小石を溜める習性と嘴は熱さを感じない事を利用し、焼け石を呑ませて殺す)や棍棒で脚を殴り付ける、槍や弓矢で攻撃するなどの捕殺、さらには卵や雛までも根こそぎ捕獲するやり方により1500年代よりも前には他のモア種も含めて最短50年で絶滅したと推測されている。ただし後述の足跡など痕跡も含む目撃情報も配慮に入れると絶滅したのは1800年代である可能性もある。

Moa 「モア」の呼称の由来については、ヨーロッパ人が原住民(モア・ハンターと呼称されるマオリ人以前の原住民)にモアの骨を集めさせた折に「もっと骨をよこせ」(More bones!)と言ったのを、原住民が鳥の名前と勘違いしたのだと言う説を始め、幾つかの巷説が存在する。ちなみにマオリ人はこの鳥の仲間を「タレポ」と呼んでいた。

ニュージーランドのモアとマダガスカル島のエピオニルスは共通の先祖を持っているのか。確かにこの2つの場所は過去にはともに超大陸ゴンドワナの一部であった。でも、この2つの種が確立したのはどうも大陸が分裂した後のようだ。最近面白い仮説が登場した。飛べない鳥は始めは飛べたというのだ。巨大恐竜が絶命した後、そのニッチを貰った鳥たちは強大化の道を辿り、体が重くなって飛べないように進化したらしい。

【ハーストイーグル】
ハーストイーグル(英語: Haast's Eagle)は、かつてニュージーランドの南島に生息していた大型のワシ。ハーストイーグル(英語: Haast's Eagle)は、かつてニュージーランドの南島に生息していた大型のワシ。
翼を広げた長さが3メートルに達したとも言われる史上最大級の猛禽類だった。一説には同じく巨大な鳥類として知られるモアを捕食していたとも考えられ、ニュージーランドにマオリ族が入植し、乱獲によってモアが絶滅した後、本種も西暦1500年頃には絶滅したと考えられている。

発掘された骨格から推測される体重は、メスで10~15キログラム、オスでは9~10キログラムほどと考えられている。全高はメスで140cm以上、オスでも90cm以上とされ、さらに翼幅はおおよそ2.6~3mほどに及んだと考えられている。翼幅そのものは巨大だが、現存する猛禽類の体重比率からすると決して突出した数値とも言えないらしい。
肉食猛禽類である本種もモア共々、マオリ族にとっては貴重な食料の一つでありマオリ族の貝塚からはモアと共にハーストイーグルの化石も発掘されている。
本種はヒメクマタカの近縁だが生態や狩りはオウギワシに酷似していた。ヨーロッパ人が入植する近年以前は、ニュージーランドにおいて確認されている陸生の哺乳動物は3種類のコウモリのみだったため、本種には哺乳類との生存競争の脅威がなく、ニュージーランド生態系の頂点に存在していたと考えられている。同じく巨大生物であったモアは草食であり、生態的にはゾウやウシに近かった可能性が高いのに対して、本種は現在におけるトラやヒグマに近い生態的地位にいたと推測されている。つまり捕食者(敵)がいなかった。

肉食猛禽類である本種もモア共々、マオリ族にとっては貴重な食料の一つでありマオリ族の貝塚からはモアと共にハーストイーグルの化石も発掘されている。
本種はヒメクマタカの近縁だが生態や狩りはオウギワシに酷似していた。ヨーロッパ人が入植する近年以前は、ニュージーランドにおいて確認されている陸生の哺乳動物は3種類のコウモリのみだったため、本種には哺乳類との生存競争の脅威がなく、ニュージーランド生態系の頂点に存在していたと考えられている。同じく巨大生物であったモアは草食であり、生態的にはゾウやウシに近かった可能性が高いのに対して、本種は現在におけるトラやヒグマに近い生態的地位にいたと推測されている。つまり捕食者(敵)がいなかった。

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カラスバト

カラスバト カラスバトは、ハト目ハト科カワラバト属に分類される鳥類。あなたは一体カラスなのハトなの。名前からして間違いなく鳩である。烏ならハトガラスと命名しないといけない。小笠原諸島にのみ生息が確認されている大型のハトで、体は黒く、頭部は赤褐色で、体全体に光沢がある。木の実を主な食物とする森林性の鳥類であるが、詳しい生態は不明。
伊豆諸島などの島嶼部に生息し、準絶滅危惧種に指定されているカラスバトの研究に東京都立国分寺高校の生物部が取り組んでいる。この鳥は警戒心が強く、深い森にすんでいることから「幻のクロバト」などとも呼ばれている。生物部は伊豆大島で十年以上にわたって調査を続けており、鳴き声の種類や好みの環境を分析している。
国分寺高校生物部

【青ヶ島】
青ヶ島(あおがしま)は、伊豆諸島に属する火山島で、本諸島の有人島としては最南端。日本で最も人口が少ない市町村(170人)。産業がほとんど存在せず、現在は、放棄状態で到達不可能な埠頭もある。
カラスバト 本州から遥か南方の太平洋上に位置する。最も近い八丈島からは南へ約60キロメートルほど離れている。気候は温暖湿潤気候(Cfa)。本州よりは暖かい気候であるが、沖縄やハワイ等と比較して緯度が高いため、常夏の島といえるほど暖かくはない。孤島であるため、天候が変化しやすいほかに、海からの強風に常に晒され続けており、自動車が飛ばされるほどの風が吹くこともある。日本の気象庁によって火山活動度ランクCの活火山に指定されており、常時観測火山にも選定されている。外輪山によって周囲の海から隔てられ、カルデラ底が陸上に露出しているという特異な地形を持つ。

全島が東京都青ヶ島村に属し、住所は全世帯で無番地である。産業に乏しく本土との往来も難しいため、人口減少が続いており、2019年(令和元年)7月1日現在の人口は170人、世帯数は113世帯。現在、青ヶ島村は日本の市町村の中で最も人口が少ない。また、全人口が島の高地である外輪山側に住み、そのほぼ全員が標高100メートル以上の海を見渡す高台に居住していることから、「海上のマチュピチュ」「東洋のマチュピチュ」などと呼ばれることがある。島内に小中学校は存在するが、高校以上の教育機関が存在しないため、進学する生徒は島を離れなければならない。 青酎(あおちゅう)という島特産の焼酎があり、杜氏の数だけ個性がある。青酎のなかには杜氏の高齢化、後継者不在によって製造継続が不可となり、現存しないものもある。
島内の電力は、島北部の集落にただ一つ存在する東京電力パワーグリッドの内燃力発電により供給されている。
いつから人が本島に定住するようになったかについては不明であるが、徐福伝説によれば、男女が同じ島に住むと神の祟りがあると信じられた時代があり、女人禁制の島だったとされる。本島が歴史上に表れるのは15世紀頃からであるが、海難事故を記録したものがほとんどである。『保元物語』に登場する源為朝が訪れた鬼島を青ヶ島とする説がある。

島までの交通機関はすべて八丈島を経由して発着する、いわゆる「二重離島」である。連絡船のあおがしま丸やくろしお丸(2022年2月より就航)は悪天候による欠航が多く、ヘリコミューターの「東京愛らんどシャトル」は、船より速いものの定員が少ないという往来の困難さゆえに、観光目的で島を訪れる人は、年間900~1,800人程度。
2010年代に入って、インターネット経由で世界的に存在が認知されたことで、島内のキャパシティを超える観光客が押し寄せている。特に、2014年から2016年に掛けてアメリカの著名な組織のWebサイトで記事が相次いで掲載されたことで、世界中から取材班や観光客が集まるようになり、数少ない交通機関の予約(特に東京愛らんどシャトル)はさらに困難になった。愛らんどシャトルは島民の生活にも欠かせない手段であり、予約が取りづらくなったことで、島民の往来にも支障が発生している。また、青ヶ島村において外国語での電話取材や外国人観光客への対応で問題が発生している。

実はこの青ヶ島、カラスバトの生育には最適な場所らしい。まず、地形が素晴らしい。外輪山に囲まれたカルデラで海からに強風を遮断してくれる。絶海の離島で天敵となる捕食生物もいない。食料となる木の実も豊富らしい。また、人口が少ないことも野生生物の保護には最適な条件と言える。

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コンドル

コンドル 鳥綱タカ目コンドル科コンドル属に分類される鳥類。本種のみでコンドル属を構成する。全長1.2メートル。翼開長3.2メートル。体重7.7 ~ 15キログラム。メスよりも、オスの方が大型になる。頸部には襟巻状に、白い羽毛が生える。 翼長ではもっと大きい鳥もあるが、翼の幅(前の縁から後ろの縁までの長さ)が極端に大きく、翼の面積がたいへん広くなっている。これは上昇気流に乗って空高く舞い上がるのに適している。
成鳥の羽は黒く、首の付け根にある帯状の白い羽毛と、特に雄鳥の羽の白い班または帯だけが例外である(この白い班または帯は、成熟してから初めての換羽を終えるまで現れない)。 真ん中の指が大きく発達しており、後ろ指はわずかに現れている程度である。爪はまっすぐであまり鋭くない。すなわち、足はコウノトリのように歩く事に適していて、タカやワシなどのように攻撃に用いたり餌をがっちり捕獲するのには適していない。
コンドル 無羽毛頭部の意味は? どうして頭が禿げているのか? 衛生を保つ適応として、頭と首には羽毛が生えていない。これは大型動物の死体に頭を突っ込んで餌をとる際に、自己消化や腐敗で発生する浸出液や血液などが羽毛に染み込んで不衛生になるのを避けるためらしい。羽毛がなければ皮膚に付着した液の乾燥が容易であり、さらには高地の強い紫外線に当てることで殺菌を行うことも可能であると考えられている。さらに禿げている部分に血管が密集していることから体温の調節のためとする説、または、羽毛が無いことで見方によってはかなり目立つ存在となり、そのことが特別な意味を持つとする説がある。 頭の上は平たく、雄の場合イボ状かクシ状になっており、首の肉がたるんで肉垂になっているのと対照的である。顔と首の部分の皮膚は感情の起伏に応じて血流が変化し、よく赤くなる。これは個体間のコミュニケーションに役立っている。 主に動物の死骸を食べるが、小型哺乳類や鳥類を捕食することもある。食性の多くを家畜や、狩猟用に移入された外来種が占める。海岸で、鯨類などの海洋哺乳類の死骸を食べることもある。でも、基本的には死骸の捕食者のようだ。

コンドル 1個の卵を産む。抱卵期間は54 ~ 58日。生後6~11年で性成熟する。5~6歳になるまで性的な成熟が見られず、繁殖行動がない。50年以上生き、一生涯連れ添う。南米コンドルは巣作りと繁殖を3,000mまたは5,000mの標高の場所で行う。人間などが近寄れない絶壁の岩陰で、巣には卵の回りに何本かの棒切れを置く。卵は1~2個で、青白く、280g位の重さと75~100mmくらいの長さを持ち、2年毎に2月から3月の間に生まれる。ひな鳥または卵が失われると、新たな卵を産む。研究者が人工飼育をするときには、この習性を使って2倍の成果を得ることが出来る。すなわち、最初に生まれた卵を後ろに隠して2つめの卵を産ませる。 幼鳥は親と同じくらいの大きさになるまで白っぽい産毛に覆われている。幼鳥には半ば消化した餌が与えられる。このため、コンドル類の幼鳥を人工保育するときには、マウスの子供を消化酵素などと共にミキサーにかけてつくる、特別に調整した餌を与えなければならない。タカ目の幼い幼鳥を人工保育するときは、動物の新鮮な肉や、レバーのような内臓を与えれば済むのと対照的である。6カ月ほどで飛べるようになるが、2歳になるまで自分が生まれた巣で暮らし、親と共に餌探しを行う。その後、自分の親が育てる新しいヒナに巣を譲りあけることになる。
大きな集団の中には、よく整った社会構造が見られる。ボディーランゲージによる「つつきあい順」を決めるやり方であるとか、競技を催す習性であるとか、鳴声による交信は発達していないものの、多岐にわたるコミュニケーション能力が複雑な社会構造を持っていることを物語っている。
羽を広げ、雄大な円を描くように飛ぶ様は、まさに優雅そのものである。コンドルの胸骨はその大きな羽の筋肉を支えるには不十分な大きさであることを見ると、生理学的に羽ばたき飛行ではなく、高空での滑空飛行に適応していることがわかる。コンドルも含め、鳥は地面から飛び立つ時に羽ばたかなければならないが、こうした滑空飛行に長けた鳥類は、適度な高さに達してしまえば上昇気流や風に乗るだけで十分になる。チャールズ・ダーウィンは、半時ほど観察をしている間に1度しか羽ばたかなかったと報告している。彼らが高所に巣作りをするのは、あまり羽ばたかなくても楽に飛びたてる適応の意味もあるのである。
巣やねぐらの周囲に広い行動圏を持ち、死肉を探して日に250kmも移動することがしばしばある。彼らは鹿や牛などの大きな死体を好む。これらの大型獣の皮膚は強靭で、喰い破るのがたいへんなので、小型の肉食、あるいは死肉食の動物が利用するのは困難となり、また高空から餌を探すことによっていち早く死体を発見できることとも相まって、コンドルが独占できる食物となるのである。野生においては常時食物が得られるとは限らず、しばしば何も食べずに数日過ごすこともある。一方、食べる時には2~3kgくらいをガツガツと詰め込み、まれに体重が重くなりすぎ飛び立てなくなることもある。こうした点はタカ目である旧大陸のハゲワシ類とよく似ている。
病気や怪我などで弱った家畜を襲うことから、害鳥とみなされることもある。しかし、元気な家畜を襲うことは無いようだ。害鳥としての駆除、害獣とされるピューマやイヌ科の構成種に対する毒餌、鉛中毒、農地開発やプランテーションへの転換による生息地の破壊、送電線への衝突、ペットとしての採集、イヌとの競合などにより、生息数は減少している。食物が家畜を含めた外来種の死骸に偏っているため、家畜の飼育になんらかの変化が起こった場合に本種に対する影響も懸念されている。1975年のワシントン条約発効時から、ワシントン条約附属書Iに掲載されている。
日本では2021年の時点で、ヴルトゥル・グリュフス(コンドルの別名らしい)として特定動物に指定されており、2019年6月には愛玩目的での飼育が禁止された(2020年6月に施行)。
ボリビア、チリ、コロンビアおよびエクアドルの国鳥であり、南米の神話やフォルクローレの中で重要な役割をはたしている(これはアメリカ合衆国に於けるハクトウワシと同じ位置づけである)。また、インカ帝国最後の皇帝トゥパク・アマルが死後、コンドルに生まれ変わったという伝説も残っている。またナスカの地上絵の一つにコンドルがある。

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カササギフエガラス

カササギフエガラス カササギフエガラス(鵲笛鴉、学名:Gymnorhina tibicen)は、スズメ目フエガラス科に分類される鳥。
分布はオーストラリア及びニューギニア島南部。分布域内ではユーカリの疎林や川沿いなどに分布するが、都市化、開発によく適応し、都市部でもよく観察される。日本の真っ黒なカラスと良く似ている。旧北区のカササギ(Magpie)とは外観は似ているものの、類縁関係はない。ただし現地での会話の中では“マグパイ”(Magpie)と呼ばれる。産卵育児期には気が荒くなり人も襲うので嫌われ者でもあるがかなり知能の高い鳥である。NHKで紹介されていた。いきなり空から降りてきて人の後頭部を狙うので恐怖の鳥とも言われ毎年怪我人も。でも産卵期なら日本のカラスも相当危険なんですが。
カササギフエガラス カササギフエガラスと言う名前は明かに烏である。「烏」という漢字は「鳥」と比べて点一つ足りない。色が真っ黒でどこに眼があるのか分からないからだそうだ。でも烏が真っ黒と言うのは日本だけか? 英語ではカラスはcrow。他の言語では
乌鸦(Wūyā)(中国語)、ворона(ロシア語)、cuervo(西)、corbeau(仏)、Krähe(独)、…


ムナジロカラス アフリカのムナジロカラスは胸の所が白い。日本でもごくまれに真っ白なカラスが発見されることがあるが、これはアルビノと呼ばれる突然変異。オーストラリアのカラスは白黒のお洒落なカラスだ。



カササギ 【カササギ】
カササギ(鵲、Pica pica)は、鳥綱スズメ目カラス科に分類される鳥類。世界的には北アメリカ西部、欧州全域、中央アジア、アラビア半島南西部、極東、オホーツク海北部沿岸等、旧北区の広範囲に分布。しかし、本種を複数種に分割するなら、日本の個体群を含む亜種は別種となり、その分布域はほぼ東アジアに限られる。
北海道、新潟県、長野県、愛媛県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県の各県で繁殖が記録されている。秋田県、山形県、神奈川県、福井県、兵庫県、鳥取県、島根県、宮崎県、鹿児島県の各県、島嶼部では佐渡島、対馬でも生息が確認されている。
人里の大きな樹の樹上に球状の巣を作り繁殖する。ハシブトガラスのように群れを作らず、主にツガイ、もしくは巣立ち前の雛と少数単位で暮らす。また、ハシブトガラスよりも一回り小さく、黒地に白い羽を持つ。1960年代に行われた調査では、標高100m 以上の山地には生息せず人里を住みかとしており、広い森林が覆う山地は分布障壁となっている。
なお、和名「カササギ」はサギの音を含むが、分類学的にはサギ(鷺)と遠く離れている。もちろん詐欺(サギ)とは関係ない。
穀類や昆虫、木の実などを食べる雑食性。ケラやハサミムシ、コオロギなど地面に生息する虫も捕食する。秋にはイナゴなどの害虫を食べることから、益鳥とされる一方で、果物や野菜も食べるので害鳥とされることもある。戦前の調査では、全羅南道(k韓国)のカササギの砂嚢から、ジャガイモや大豆が見出されている。
ムナジロカラス 日本に生息するほとんどの個体は古い巣の再利用はせず10月下旬頃から営巣地を探しはじめ、3月中旬頃までにはカキノキ、エノキ、クスノキ、ポプラなどの樹高8m以上の樹木に、木の枝や藁などを用いて直径60cm~1m程度の球状の巣を作る。日本に生息する個体が作成する巣は屋根を有する構造であるが、ヨーロッパに生息する個体では屋根の無い構造の巣も作成すると報告されている。また、屋根があってもカラスによる卵や雛の捕食を完全に防ぐことはできない。
地域的にあるいは生息環境により、電柱や鉄塔などの人工物に巣を作る個体がみられる。樹木が少ないため人工物を用いると考えられ、都市部でも樹木が多いヨーロッパでは人工物への営巣が少なく、また日本(九州北部)では都市化が進んだ1980年代頃から電柱巣が急増した。電柱巣はネコなどの地上の捕食者を完全に阻止出来る利点があり、雛が巣立ちする割合は樹木巣よりも電柱巣のほうが高い。九州北部では電柱巣の傾向が顕著になっており、樹木が多い山麓や農村でも電柱巣の割合は住宅地とあまり変わらないという調査がある。日常目にすることも可能なようだ。
なお、樹木が少ない環境では金属製ハンガーや針金などを巣材とする場合があり、時として停電を招くこともある。そのため、九州電力などは、電柱上の変圧器付近に黄色い風杯型風車を取り付けるなどして、カササギなどの鳥に巣を作られないよう対策を講じている。また、行政では針金などの金属ゴミを放置しないよう環境美化を呼び掛けている。 産卵は、営巣後すぐに行なわれ、楕円形の薄い緑色をした卵を6 – 7個産む。雌が抱卵し、最終卵産卵後17 ~ 18日で孵化。各卵は日を置いて逐次孵化するため、雛の成長度には差が生じ、遅れて孵化した雛鳥の多くは死亡する。孵化後約4週間で1 ~ 4羽が巣立ちし、5月下旬には巣立ちも終わり、巣は放棄される。巣立ち後の若鳥の生存率は30%程度で12月頃まで集団でねぐらにつくが、その後番い(つがい)を形成して分散し、個別の縄張りを持つようになる。なお、番いの関係は一生続く。

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ハシビロコウ

ハシビロコウ
ペリカン目ハシビロコウ科ハシビロコウ属に分類される鳥類。本種のみでハシビロコウ科ハシビロコウ属を構成する(単型)。英語ではShoebill。靴の嘴(くちばし)? では中国語では鲸头鹳(Jīngtóuguàn)、ロシア語ではголова кита(whale head)。
アフリカ大陸東部から中部の湿地帯に棲息し、ゆったりとした動きで、餌とするハイギョが水面に浮かんでくるまで数時間動きを止めることがあるため、「動かない鳥」として知られる。餌となる程沢山のハイギョが住んでいるんでしょうか?

アフリカ大陸東部から中部の熱帯にある淡水の沼に生息し、南スーダンからコンゴ民主共和国、ルワンダ、ウガンダ、タンザニア西部、ザンビア北部に分布。西ナイル地方と南スーダンの隣接地域に最も多く、ウガンダとタンザニア西部の湿地帯にも相当数がいる。離れた地域では、マラウイ、ケニア、中央アフリカ共和国、カメルーン北部、エチオピア南西部で記録がある。また、迷鳥としては、オカバンゴ盆地、ボツワナ、コンゴ川上流域で目撃されている。この分布は、植物のカミガヤツリ(パピルス)と、ハイギョ(肺魚)の分布とほぼ一致するようである。 ハシビロコウは、渡りを行わない留鳥で、生息地の状況が困難になったり、人間によって生活環境が乱されたりするなどした場合に、季節性の限定的な移動を行う。
ハシビロコウ
広大で鬱蒼とした淡水の湿地帯で繁殖し、ハシビロコウが好むほぼ全ての土地には、カミガヤツリと、ヨシやガマの葦原が広がっている。ハシビロコウの分布が、中央アフリカにおけるカミガヤツリの分布とほぼ一致しているとはいえ、カミガヤツリだけが茂る湿地は避け、植生の混在する地域に引き付けられることが多いようである。稀に、水田や氾濫した農園で採餌する姿が観察されている。
上野の動物園では結構な人気者だ。大型の鳥類で、頭頂までの高さは110~140センチメートル、中には152センチメートルに達するものもある。翼開長230~260センチメートル。体重4~7キログラム。オスはメスよりも大きい。
巨大な嘴を持ち、淡黄色に不規則な灰色の模様がある。和名は「嘴の広いコウノトリ」、英名の Shoebill は「靴のような嘴」を意味している。また、学名はラテン語で「クジラ頭の王様」という意味。
夜行性で、昼間はヨシやパピルスなどの草の間などで休む。単独で生活。基本的には単独行動。頸部をすぼめながら飛翔。羽ばたきの回数は1分間に150回と、鳥類の中では非常にゆっくり。長い飛翔は稀だが、興奮した際には、元いた場所から100~500メートルほど飛ぶ。鳴管が退化しており鳴くことは少ないが、嘴を打ち鳴らしたり(クラッタリング)飛翔中に鳴いたりすることもある。クラッタリングは嘴を叩き合わせるように激しく開閉して音を出す行動で、ディスプレイや仲間との合図に用いられる。
ハシビロコウ
食性は主に魚食性で、ハイギョの他、ポリプテルス・セネガルス、ティラピア、ナマズなどを食べる。カエル、水棲のヘビ、ナイルオオトカゲ、ワニの子供など、湿地に住む脊椎動物を食べることもある。嘴を下方へ向けたまま直立して動かずに、足元を通りかかった獲物を頸部を伸ばし嘴で咥えて捕食する。捕えた獲物は嘴を動かして破砕する。獲物を狙うときはじっとして動かず、これは大きな体で動き回って魚に警戒感を起こさせることを避けるためと考えられる。大型のハイギョなどを好み、ハイギョが空気を吸いに水面に浮かび上がる隙を見て、素早く嘴で捕まえ丸呑みする。消化には数時間を要し、その作業にそれなりのエネルギーが費やされる。カバが水中にいる際に魚を水面に追いやることがあり、その行動が期せずして、餌を獲ろうと水辺に立つハシビロコウのためになることがある。普段は物静かでおとなしいが正確は結構攻撃的のようだ。
草の間に水生植物を積み上げた産座の直径が1メートルに達する巣を作る。ペアの間ではクラッタリングやおじぎのようなディスプレイを行う。1 ~ 2個(3個の例もある)の卵を産む。雌雄交替で抱卵し、抱卵期間は約30日。生後3年で成熟。

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目次
昆虫とは チョウチョ セミ ゴキブリ ハチ ハエ カイコとクワコ 養蚕
シロアリ ハキリアリ 甲虫 紙魚 カマドウマ

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昆虫とは

動物園と言えば動物がいるところ。でも昆虫というのは種類がものすごく多いし、哺乳類や爬虫類と比べで体のつくりも全くことなっているし、またサイズもかなり小さい。でも昆虫を通して世界を見るととても面白い。まず、生物の分類から昆虫を見てみよう。
   真核生物ドメイン→動物界→節足動物門→昆虫綱
まず、生物は真正細菌、古細菌、真核生物に分類される。真核生物は動物、植物、菌類、原生生物などに分類されるが、君たちが知っているのは動物と植物だろう。あと、キノコは植物でなく菌類だ。ここは、動物園なので植物界や菌界は置いておいて、動物界を見てみよう。昆虫は節足動物門に含まれる。普通の動物園で見られる哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類は、すべて脊椎動物門に含まれている。「門」の数は他にたくさんあるのですが、これは別のところで勉強してください。たいていは海の生き物ですが陸にもいろいろ変わった生き物がいるのです。例えば、ミミズ、ヒトデ、ウニ、クラゲ、サンゴなど。でも、脊椎動物門と節足動物門は最も成功している仲間たちだ。

節足動物門の先祖は既(すで)に古生代カンブリア紀には登場する。例えば、アノマロカリスや三葉虫がそうだ。古生代のデボン紀になると節足動物門の仲間はいち早く陸上に進出。脊椎動物門の先祖たちがまだ足を持たずに水辺でゴソゴソ動いている時代だ。古生代石炭紀になると節足動物門からは昆虫が出現し大繁栄する。昆虫は陸上生活大変うまく適応した。昆虫は現在でも陸上か淡水の池、川に生息し、海を住家とする昆虫は知られていない。
昆虫
節足動物とは足が節状の関節でできており、体の外側に殻を持ち、体の中には骨を持っていません。節足動物には昆虫以外にもカニ、サソリ、クモ、ムカデ、ダンゴムシ等沢山いるよう。
昆虫の特徴は、
1. 体が頭、胸、腹の3つに分かれている。
2. 胸には3対に脚と2対の羽がある。
3. 頭には触覚というヒゲみたいなものがある。
4. 目は複眼というもので、多数の目が集まって一つの目を作る。
以上のことを頭に入れて昆虫の世界を探検してみましょう。

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裸坊達の部屋
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チョウチョ

チョウチョは何を食べる。花の蜜だ。他の物を食べる種類もいるかも知れないが、普通ストローのような口を伸ばして花の蜜を吸ってるね。チョウチョの先祖が出現するのは恐竜時代の末期、白亜期で花を咲かせる植物の誕生にあわせて出てきたようだ。被子植物の誕生と一緒だね。でも幼虫は葉っぱを食べる。だから野菜を作っているお百姓さんにはあまりうれしくない存在かも。
蜜を吸う
節足動物の昆虫は、成長するときは脱皮といって体の外側の皮を何度も脱ぎ捨てて、新しいを皮膚を作って成長する。脱皮というのは蛇や一部の爬虫類両生類もやっていることでそんなに珍しいことではない。でも、昆虫の場合、幼虫(ようちゅう)から成虫(せいちゅう)になるときの変化は半端でない。君たちは土の中にいたセミの幼虫が穴から出てきて木にとまって脱皮するところを見たことがありますか。親と子は全く異なった形だね。チョウチョの場合、もうひとつ蛹(さなぎ)という段階があるんだ。チョウチョの幼虫は、自分の周りに殻を作ってその中で冬眠してしまう。春になって暖かくなると青虫のような醜(みにく)い幼虫は、美しいチョウチョに大変身して出てくるのだ。
ナミアゲハナミアゲハ(成虫)   キアゲハキアゲハ(成虫)   クロアゲハクロアゲハ(成虫)   カラスアゲハカラスアゲハ(成虫)  
ナミアゲハナミアゲハ(幼虫)   キアゲハキアゲハ(幼虫)   クロアゲハクロアゲハ(幼虫)  
 チョウチョはたくさんの種類がいて、皆少しずつ色や模様が異なっている。有名なのはアゲハチョウ。ナミアゲハ、キアゲハ、クロアゲハ、カラスアゲハなどがいる。モンシロチョウやモンキチョウはよく見かけるね。
モンシロチョウモンシロチョウ(成虫)   モンシロチョウモンシロチョウ(卵→幼虫)   モンシロチョウモンシロチョウ(幼虫)   モンシロチョウモンシロチョウ(蛹(さなぎ))  
モンキチョウモンキチョウ   モンキチョウモンキチョウ  
シジミチョウ、セセリチョウも小さいけど立派なチョウチョだ。
ベニシジミベニシジミ   セセリチョウセセリチョウ  

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セミ

セミは何を食べるんでしょう。セミの成虫は針のような口で木の汁を吸うんだ。でも幼虫は土の中で生きている。まるでモグラみたいに土の中にトンネルを掘って暮らしている。数年間土の中の暗闇で過ごし、成虫になって地上に出てきて、せいぜい1週間程度で死んでしまう。この1週間の間で、交尾をして子孫を残さないといけない。だから、オスのセミは一生懸命(けんめい)鳴いてメスを呼び寄(よ)せているんだ。幼虫はどうも木の根の汁を吸っているらしい。だから脱皮して成虫になるときはその木に登ってくるんだね。
ニイニイゼミニイニイゼミの脱皮   ニイニイゼミニイニイゼミの脱皮  
クマゼミクマゼミ   ミンミンゼミミンミンゼミ   アブラゼミアブラゼミ  
ツクツクボウシツクツクボウシ   ヒグラシヒグラシ   ニイニイゼミニイニイゼミ  
セミの名前、日本で見られるのはクマゼミ、ミンミンゼミ、アブラゼミ、ツクツクボウシ、ヒグラシ、ニイニイゼミだろう。全部知っている人いるかな。どの蝉も泣き方は個性的だね。「シャー、シャー」「ジャワ、ジャワ」「ミンミン」、「ホーシツクツク」、「カナカナ」、「チーチー」。このように擬音語(ぎおん語)を使っても本当の鳴き声は分からないよね。やっぱり本物の鳴き声を聞いてみないと。
クマゼミはもともと西日本でしか見られませんでしたが、最近は気候の温暖化のせいか関東地方でも声が聴けることがあるらしい。クマゼミは本当はミンミンゼミよりも少し大きいのですがこの写真では大きさは分かりませんね。

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ゴキブリ

クロゴキブリ

ゴキブリは凄い。古生代の石炭紀ぐらいから余り形も変えずにずっと、地球上に生きてきているんだ。ほとんどのゴキブリたちは森の中でひっそりと生きているのに、ごくのわずかな仲間たちが人間の住んでいる世界、特に一番虫嫌いの人が多い台所に侵入して人間に嫌われている。あなたの家族で一番虫が嫌いな人、何故かお母さんが多いね。でも、いいゴキブリもいるかもね。
チャバネゴキブリ 一番上のがクロゴキブリ。一番ポピュラーかな。お尻に卵をつけている。次がチョト小さめのチャバネゴキブリ、アフリカ原産の帰化昆虫らしいが、こちらの方が退治が難しくタチが悪いかもね。小さくてすばしっこいので捕まえにくい。
チャバネゴキブリ この美しい色のゴキブリはベトナムの森の中で、ひっそりと暮らしていたのでしょうが、マニアの中で人気者になったため、結構高値で取引されているようです。ニジイロゴキブリとか言うらしい。家の中を荒らしまわるゴキブリはごめんだけど、森の中にはペットにしたいような大人(おとな)しくて綺麗(きれい)なゴキちゃんもいるらしい。

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ハチ

ハチが好きな子供はあまりいない。一番いやなことはハチはお尻についた針で人を刺(さ)すことこと。刺されたら大抵はとても痛い。たくさん刺(さ)されると命にも危険だ。蚊も刺すけど刺すのはメスだけ。血を吸うのが目的。だから針は口についているけど、ハチの針はお尻についている。
ミツバチ ミツバチの巣 ミツバチの養蜂
まず役に立つハチ。代表はミツバチだね。美味しいハチミツを私達に恵んでくれる。熊(くま)さんもハチミツが大好きです。刺されても平気なのかな。
スズメバチ ハチの巣は沢山の六角形が集まって出来ている。この巣の中にハチの卵や幼虫と一緒にハチミツが蓄えられている。ハチは自分の子供達にハチミツを食べさせようと貯えているんですが、人がそれを横取(よこどり)りしてしまうんだね。
ミツバチは大昔から人に飼われている。ハチを育てるのを仕事にしている人を養蜂家(ようほうか)と言うんだ。ハチに刺されないようにネットを被っているね。

スズメバチは体も大きくて毒も強いので大変危険だ。毎年スズメバチに刺されて命を落とす人の数は、熊(くま)に襲(おそ)われて命を落とす人よりもずっと多いらしい。スズメバチは巣の回りに半径1km 程度のテリトリー(縄張り)を持っている。ハチは巣を守るために必死に戦う。スズメバチは脅(おど)かしても逃げてくれない。近寄らないことが安全だ。もし、スズメバチが家の近くで飛んでいるのを見たら市役所の人に連絡して駆除(くじょ)してもらうことが必要だ。

ハチは昆虫の仲間でももっとも繁栄している種です。ハチは植物が花を咲かせるようになってから大繁栄しました。花は花粉を運んでもらうため、ハチが大好きな蜜(みつ)を作るように進化したんです。でも、ハチの仲間には他の昆虫を襲っ(おそっ)て食べる種類もおり、食べ物の好みは色々だ。
トンボやゴキブリの様な昆虫は、古生代に大繁栄したけど、ハチの進化はもっと後。花を咲かせる植物が生まれてからみたいだ。
アシナガバチ クマバチ トックリバチ
アシナガバチはよく見かける普通のハチ。クマバチも花畑でよく見られる。トックリバチは陶芸家(とうげいか)だね。土をこねて上手に巣をつくる。
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ハエ、アブ、蚊

蠅 蚊
ハエ目は、昆虫類の分類群の一つで、カ、ガガンボ、ハエ、アブ、ブユなどを含むグループで、双翅目(そうしもく)またはハエ目と呼ばれる。双翅とは羽が2枚と言う意味で、普通の昆虫は羽がはっきり4枚あるのに、ハエやアブは羽が2枚しかない。進化の途上でどこかで羽が2枚になってしまったようだ。でも後ろの羽の痕跡(こんせき)は残っている。
この仲間はどう分類されるか。まず動物界。これは分かる。次に節足動物門。エビ、カニの仲間。もちろん昆虫は総て含まれる。昆虫綱ハエ目(双翅目)。ちなみにハチはハチ目(膜翅目)。羽は2枚しかないが、飛ぶ力は昆虫の中でも高いと。一部の種は人が棲むところに住むので衛生上の問題として害虫とされています。
他のハエ目昆虫と同じく、卵→幼虫→さなぎ→成虫という成長段階を踏む完全変態を行う。 ハエの幼は虫蛆(ウジ)と呼ばれる。
虻(あぶ) 蠅 蠅 カガンボ
ハエはとにかく人間の周りにまとわりつくように飛び回るうるさい存在です。古くから身の回りの衛生を守るためにハエを嫌ってきた。虫除けは往々にしてハエの名を持ち、蠅叩き・蠅取り紙等が考えられてきました。 ただし、具体的な形でヒトを害するものではないため、どこかユーモラスで気の毒な気もする。 「アブ」と「ハエ」の区別は結構難しいらしい。アブは人を刺したりするがハチと違って口で刺すようだ。ハチはお尻の針だ。
カ
蚊の最も古い化石は、1億7,000万年前の中生代ジュラ紀の地層から発見されているらしい。映画ジュラシックパークでは、琥珀(こはく)の中に閉じ込められた蚊の血液を多分恐竜の血を吸ったものとして仮定して、DNAを取り出して恐竜を再現したことになっている。こんなことが可能がどうかはまだ分かっていません。右のハマダラカは人の血を吸ったせいか体が真赤になっている。血を吸うのはメスだけでオスは人を刺さない。卵を産むために栄養が必要なためらしい。なお、蚊が動物に寄(よ)って来るのは皮膚から呼吸(こきゅう)のため排出されるCO2を感知するためらしい。
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カイコとクワコ

蚕
カイコガは人と最もかかわりの深い家畜何だそうだ。品種改良が進んだ結果、何と自然環境では自力で生きていけない。それどころか人の手を離れたらもはや生存すら出来ない、いわゆる「残念な生き物の典型らしい」
蚕 カイコは人に家畜された唯一の昆虫。でも、ミツバチなんかも家畜と言えるのでは。生活環が短い(短命)生き物なので、進化の速さもとても速かったようだ。
残念な生き物としても特徴
① 成虫の蛾はモフモフの可愛い姿だけど、何と昆虫なのに飛翔能力がない。つまりカイコガは飛ぶ必要性を失っているので全く飛べない。
② 蛹(サナギ)から羽化する際にも自分から出てくることはほとんど出来ない。人が繭を切って手伝ってやる必要があるらしい。
③ 幼虫は、クワの木から直接葉を食べることができない。そもそも足を使って木につかまって姿勢を保つことができないから。だから風が吹いただけで木から落ちてしまう。人が刈り取った桑の葉に依存する以外に食料を調達する手段がない。
④ そもそも繁殖のため交尾することも不可能。交尾もヒトの手が必要らしい。また、成虫になったカイコは全く餌を食べない。

数ある家畜の中でもカイコ程、自然回帰の能力を失ったものは他にないらしい。豚や鶏や犬だって、野生化して生きて行くことは可能だのに。
蚕 では、最初のカイコはどうだったでしょう。自然界には今カイコのご先祖のような野生のカイコは存在していないらしい。
そもそも人とこの昆虫の関わり合いはおよそ5000年以上前に遡るらしい。舞台は古代中国。宮廷の后が庭で繭を作る昆虫を見つけて飼い始めたの始まりらしい。
カイコの先祖に当たる昆虫はクワコと言う虫だった。成長過程で繭になるため糸を吐く。糸を吐く昆虫は他にいなかったんでしょうか。クワコは今でもカイコとは別の種として存在している。
【クワコ】
蚕 クワコは鱗翅目(チョウ目)カイコガ科に属する昆虫である。カイコはクワコを家畜化した種として知られている。クワコはカイコよりくすんだ灰色がかった茶色で、胴は細い。カイコと異なり、一般的なチョウ目のように人間の活動なしに生存でき、飛ぶことができる。漢字では桑子、もしくは野蚕と書く(ただし野蚕はクワコだけでなくヤママユなどを含む「家畜化されたカイコ以外の野生の蛾の繭の絹糸としての利用」を指す言葉でもある)。クワコは中国、台湾、朝鮮半島、日本列島およびロシア極東部に生息する。また、名前にクワコと付く昆虫としては他にインド北部から東南アジアに生息するインドクワコ(Bombyx huttoni)やウスバクワコ(Rondotia menciana)が存在する。
クワコの生態は地域や環境による差が大きく、野生下で通常は年に3回発生するとされるが、年に2回や1回の地域もあり、また中国江蘇省無錫地方で4回であると言う。幼虫は通常は4齢で終齢だが5齢の場合もある。蛹の期間は通常2、3週間だが、日長条件で変化する系統も存在し、そうした系統の個体では場合によっては2、3か月に及ぶ。
染色体数は中国のものではカイコと同じ2n=56本だが、日本のものは2n=54であり1対少ない。韓国では2n=56のものと2n=54のものの両方が見られる。2n=54の日本のクワコと2n=56の中国のクワコの系統の分岐は数百万年前に遡ると考えられている。
クワコとカイコは共にカイコガ属の一種である。カイコの起源にはいくつかの説がある。クワコの祖先種から分化したという説は両種の分化後、等しい速さで分化していったとする分子時計説に基づいているが、人為選択の影響により現代の分子系統学の手法を用いてもカイコの起源を探求するには困難な点まで進化が加速していることに留意しなくてはならない。
そのためカイコの祖先は、クワコとは近縁だが別種の、未発見ないしすでに絶滅した昆虫ではないかという説も存在する。しかしゲノム情報を基に系統樹を作成すると、カイコはクワコのクレード(分岐群)の一部に収まるため、この仮説は支持されない。
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養蚕

養蚕の起源は中国にあります。浙江(せっこう)省の遺跡から紀元前2750年頃(推定)の平絹片、絹帯、絹縄などが出土しています。殷時代や周時代の遺跡からも絹製品は発見されていることからずっと昔から養蚕(ようさん)が行われていたのでしょう。 あんな虫を利用しようと考えた最初の人は凄(すご)いですね。
蚕 蚕 蚕

中国では養蚕技術の国外への持ち出しは固く禁じられていました。国家秘密だったんですね。特に秦による中国統一(紀元前221年)以後は統制が強くなります。また、2週間足らずで孵化(ふか)してしまう種(卵)の運搬や餌(えさ)となる桑(くわ)の調達(ちょうたつ)などの技術上の問題もあり、長い間、養蚕技術は中国の外へ出ることはありませんでした。朝鮮半島(楽浪郡)へ伝播したのは前漢の頃(紀元前108年頃)とされ、同じ中国でも南部の雲南省には後漢の頃に伝わったそうです。中国からヨーロッパへの伝来は紀元後の6世紀頃とされています(東ローマ帝国の養蚕伝来)。
養蚕業(ようさんぎょう)は、カイコ(蚕)を飼ってその繭から生糸(絹)を作る産業である。現在は、遺伝子組み換えカイコを用いた医薬素材の生産や、カイコ蛹を利用して冬虫夏草(茸)を培養するといった新しいカイコの活用も進められています。
養蚕 養蚕

養蚕業は蚕を飼うためクワ(桑)を栽培し繭を生産する。繭(まゆ)を絹にするために製糸工場で繭から生糸へと加工され、生糸をさらに加工して絹織物などの繊維になる。なお、日本では蚕を使ったタンパク質の生産の研究が主になっているが、培養細胞によるタンパク質の生産効率の高まりとともに、蚕を用いる優位性は下がってきている。

かつて養蚕業は日本の主要産業であった。しかし、世界恐慌以降の海外市場の喪失、代替品の普及などで衰退していった。繭の生産は中国、インド、ブラジルなどで盛んに行われている。
日本へは弥生時代に中国大陸から伝わったとされる。秦による中国統一(紀元前221年)によって統制が厳しくなったことから、蚕種はそれ以前の時代に船で運ばれたと考えられており、日本が桑の生育に適していたこともあってかなり早い時期に伝来した。養蚕の伝播経路については諸説ある。朝鮮半島への養蚕技術の伝播との比較などから、中国大陸(江南地方)から日本列島(北部九州)へ直接伝わったとする説などがある。
195年には百済(くだら)から養蚕の新しい技術が伝わり、283年には秦(はた)氏が養蚕と絹織物の技術を伝え勢力を誇っていました。奈良時代には全国的(東北地方や北海道など、大和朝廷の支配領域外の地域を除く)に養蚕が行われるようになり、租庸調の税制の庸や調として、絹製品が税として集められた。
時期にもよるが江戸中期までは日本の方が質は悪かったみたいだ。だから日明貿易なんかで中国の古着がよく売れていたらしい。古着というのがポイントで中国は原則生糸輸出を認めていないので、古着という形で輸入し、それを糸に戻して国内で織りなおすということだ。西陣とかも当初は中国産の糸を使っていたそうだ。
しかしながら国内生産で全ての需要を満たすには至らず、また品質的にも劣っていたため、中国からの輸入は江戸時代に至るまで続いた。やはりこの頃までは中国の方が技術が上だったらしい(中国の方も教えないようにしていた)。代金としての金銀銅の中国への流出を懸念した江戸幕府は養蚕を推奨し、諸藩もが殖産事業として興隆を促進する。その結果、幕末期には画期的養蚕技術の開発・発明がなされ、中国からの輸入品に劣らぬ、良質な生糸が生産されるようになった。日本が鎖国から開国に転じたのはこの時期であり、生糸は主要な輸出品となった。当時の日本は生糸の他海外に売るものが無かったからだ。

明治時代に至り養蚕は隆盛期を迎え、良質の生糸を大量に輸出した。養蚕業・絹糸は「外貨獲得産業」として重視され、日本の近代化(富国強兵)の礎(いしずえ)を築きます。日露戦争における軍艦をはじめとする近代兵器は絹糸の輸出による外貨によって購入されたといっても過言ではありません。“お蚕様々”の時代だったんですね。明治時代には養蚕はすごく儲(もう)かる産業だったんですね。
富岡製糸工場 富岡製糸工場 富岡製糸工場

群馬県に世界遺産の富岡製糸工場が有名でしょう。この頃造られたのですね。農家にとっても養蚕は、貴重な現金収入源であり、農家ではカイコガについては「お蚕様」と接頭辞を付けて呼称したほどである。1900年頃には中国を追い抜き世界一の生糸の輸出国になり、1935年前後にピークを迎える。
だが1929年の世界大恐慌、1939年の第二次世界大戦、そして1941年の太平洋戦争によって、生糸の輸出はほとんど途絶してしまった。一方で1940年には絹の代替品としてナイロンが発明された。戦災もあって日本の養蚕業は、ほぼ壊滅に至る。 敗戦後、食料増産を優先したため養蚕業の復興は遅れる。1950年代に復興するが、しかし戦前のようには輸出できず今はかなり衰退(すいたい)してしまった。 でも、復活の動きもない訳ではないよ。
数万頭の蚕の生育度合を調整して同じタイミングで成長させるなど、日本の養蚕農家には世界にも誇れる技術・知恵が残っている。 ナイロンなどの化学繊維に対して現代では天然繊維の良さが見直されてきている。概ね化学繊維は石油などの枯渇資源を利用し、環境に対する影響も無視できない。やはり天然の素材はいいね。それと人と昆虫の共生(きょうせい)の関係からも養蚕は理想的な産業だ。昆虫を利用することは他にも養蜂(ようほう)と言うのがあるね。ハチミツを取るんだ。他にも可能性がないか調べてみるのも面白いかもね。デパートなんかで売られているカブトムシ、クワガタムシも最近ではほとんど養殖らしい。でも、これらはペットとし買われているだけで何かに役立つわけではないね。

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シロアリ

シロアリ(白蟻)は、昆虫綱ゴキブリ目シロアリ科 (Termitidae) 、あるいはシロアリ目の昆虫の総称。つまり色々シロアリがいるんだろう。また、名前がシロアリでも蟻(アリ)とは、全然異なったゴキブリに近い昆虫なんですね。
シロアリ 主に植物遺体を食べる社会性昆虫。でも、社会性昆虫としては蟻や蜂よりはずっと先輩だろう。それどころが最初の社会性の生活を始めた動物と言えるかも知れない。
世界のあちこちにあるいわゆる蟻塚のほとんどは、シロアリによって作られるものだそうだ。それでは哺乳類のアリクイが食べているのはシロアリかな。

アリとはまったく異なる系統の昆虫だが、アリのように(シロアリの方が先輩なのに)女王シロアリを中心としたコロニーを形成し、コロニーには数百から数百万の個体が生息している。女王シロアリは世界で最も長寿の虫の一つとされ、30~50 年間生存しているものもあると伝わっている。

シロアリ4 木造家屋などに棲みつき木材(場合によってはコンクリートやプラスチック、動物の死骸なども)を食い荒らす害虫として忌み嫌われるが、自然界においてはセルロースの分解に携わる重要な働きを持つ。彼らがいなければ地球はゴミの山になっているということだ。実は、セルロースの分解はシロアリの消化器官内に住み着いている共生菌によってなされていて、白アリ自体にはセルロースの分解能力は無い。でも、これはシロアリに限ったことではなく、牛や羊だって、草を食べても自分自身はセルロースの分解能力は無いので腸内の共生菌によって分解して貰っているんだ。林や草原における枯木や落葉などの16~60%が、シロアリの身体を通ることで一般の動植物が再利用できるものに変えられ、生態系維持にとても重要な役割を果たしているらしい。 また、シロアリによるセルロース分解プロセスがバイオマスエタノールやバイオガスの製造にも役立つ事が期待され、白アリの役割は見直されつつある。

白「蟻」と名がつけられているが、アリはハチ目の昆虫で、翅を退化させた社会性のハチであるのに対し、シロアリは朽木などの植物遺体を食べるゴキブリの中から社会性を著しく発達させた別系統の昆虫だ。不完全変態のため、幼虫は成虫とほぼ同じ姿。そして、ある程度成長すればニンフという段階を経て生殖虫(いわゆる羽アリで成虫に該当する)となって巣外へ出て行く。この生殖虫の翅は細長くて柔らかく、4枚がほぼ同じ大きさをしている。「等翅類」という名称は、この4枚ともほぼ同じ大きさをしている翅に因んだものである。この翅は折り重なるように畳んで背中に平らに寝かせることができる。ただし飛行後間もなく根元で切れて脱落する。種によって異なるが、それ以外の兵蟻や職蟻は終世翅を持たない。

社会の仕組みについて、アリは雌中心で女王と不妊の雌である働きアリ(職アリ)で構成され、雄アリは一時的にしか生じないのに対し、シロアリでは生殖虫(女王・王)、働きアリ(擬職アリ)、兵アリ(兵隊アリ)などの階級それぞれに雌雄が含まれている。

熱帯域ではその現存量が多く、また集中しているため、食料として有望であるが、地下や蟻塚の中など、手に入れるのが容易でない上、兵アリがいる。そのため、これを専食する動物には独特の適応が見られる。典型的な例がアリクイであり、前足の強い爪は蟻塚に傷を付けるのに有効で、長い吻とさらに長い舌はそれをこの傷に突っ込んで舌でシロアリを吸着させて集めるのに役立つ。チンパンジーは蟻塚に唾液で湿らせた小枝を差し込み、シロアリを釣り出して食べるが、これは上記の適応を道具でなぞったと取れる。 やはり、そうだった。アリクイとは実際にはシロアリクイだった。さらに、アリはシロアリにとっては天敵でシロアリを捕食(ほしょく)するアリもいるらしい。

日本にもいるイエシロアリは地下に穴を掘り、木くずや土でかためられた大きな巣を作り、この中に女王がいる。この巣を中心にしてトンネルを掘り、あちこちを食うので木造家屋などでは大きな被害が出る。根絶は難しいが、巣を発見・摘出することによって被害の進行をある程度止めることが出来る。なお、イエシロアリはIUCN(国際自然保護連合)により、世界の侵略的外来種ワースト100に指定されている。シロアリの食害により木造建築物の柱脚、小屋裏、畳、基礎などに被害を与える(蟻害)。文化財建造物の柱や壁、調度品などに対しても蟻道をつくったり、木材の隙間などに蟻土を詰めたり、盛り上げたりして汚染する。 悪いのは蟻ではなくシロアリ、それもごく一部のもの(イエシロアリ)だけだ。他のシロアリは地球環境を保全するため頑張ってくれているんだ。

【シロアリの社会】
シロアリについて分かり易い説明がありました。女性のシロアリ好きの研究者が書かれたもののようです。
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シロアリ2  クロアリの中に女王アリ・働きアリ と聞くように、シロアリの世界にもこのような役割があります。クロアリの社会はメスが中心なのに対して、シロアリの社会はオスとメスが同じくらいの割合で存在し、繁殖能力のない労働階級と繁殖階級に分かれます。
 王・女王(生殖虫)から生まれ、卵からかえった幼虫は既にシロアリの姿をしており、幼虫から働きアリ(職蟻)・兵隊アリ(兵蟻)・ニンフ(生殖虫候補)と役割が分かれます。その後、ニンフは羽アリ(有翅虫)・副王、副女王(副生殖虫)と役割が分かれます。

 羽アリ(有翅虫)は時期が来ると一斉に群飛し、地上に降り立つと羽を落として結婚相手を探して地上をさまよいます。そうして結婚相手が見つかると『タンデム歩行』(メスの後をオスが追いかけて歩く)で巣を作るのに適した場所を探し、巣を作ります。この巣を作ったカップルが、新しい巣の王・女王となるのです。一方、副王・副女王は王・女王が死んだときの代わりとなり、巣の繁栄に貢献します。
人間の社会と比べると男女同権差別はない。男女とも王や女王でなければ一生働かなくてはならない。でも、王や女王の役割は子供を造るだけ。あなたならどちらになりたい?

シロアリ3 王・女王(生殖虫)
 シロアリの社会では1つの巣に王・女王は1匹ずつ。人間と同じ一夫一妻制の社会になります。シロアリの種類にもよりますが、女王は多いものだと1日に数万個もの卵を産みます。王・女王には体の大きさに違いがあり、女王は産卵のために腹部が肥大しているので見分けは簡単です。

 女王は単為生殖と言って、1匹でも卵を産むことが出来ます。これは老化と共に行うようで、単為生殖によって生まれた子どもたちは副女王となり、王のDNAが入っていないので女王のコピーと言えます。女王の死後、副女王のうちの1匹が2代目の女王となるのですが、女王のコピーであるため近親婚が免れ、巣の繁栄へと繋がっていくのです。

副王・副女王(副生殖虫)
 副王・副女王は、王・女王が死んだときに後継者となります。
 副女王のほとんどは女王の単為生殖で生まれた子で、のちに王との子を作っていくわけですが、女王のコピーであるため女王はDNAとしては永遠に生き続けるのです。

羽アリ(有翅虫)
 シロアリの羽アリは時期になると群飛(群れで巣から飛び出すこと)するため、紫外線から身を守らないと死んでしまいます。そのため外皮にメラニンを持ち、体は黒色をしています。
 羽アリは、種類により違いはありますが、日本で被害報告の多い『ヤマトシロアリ』『イエシロアリ』は4月下旬から7月にかけて群飛します。

 羽アリを発見したり羽が大量に落ちているのを発見し、家のシロアリ被害に気付かれる方はたくさんいます。気持ち悪いかもしれませんが、羽アリの羽や体を観察することでそれがシロアリなのかクロアリなのか区別することが出来ます。

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ハキリアリ

ハキリアリ(葉切蟻):
中南米にハキリアリというアリがいる。ハキリアリは名前のとおり、葉を切るアリだ。とても変わったアリで、切った葉を使って農業をする。ハキリアリの農業が進化したのはおよそ5000万年前と考えられるので、人間の農業よりもはるかに古い。

ハキリアリ 葉っぱが歩いて行進しているように見えることから有名に。ハキリアリは葉を切って巣に運ぶ。でも、葉の方がハキリアリより大きいので、まるでたくさんの葉が自分で地面を歩いていくように見える。

ハチ目(膜翅目)アリ科フタフシアリ亜科ハキリアリ族の下位に人為分類されているアリ(新世界蟻;アメリカ大陸のアリ)2属の総称。北アメリカ東南部から、中南米の熱帯雨林帯を中心とした地域に広く分布している。
体色は赤褐色、体長は3~20ミリメートルと各アリの大きさに非常にばらつきが目立つのが特徴で、最大は女王アリから、大型兵隊アリ、大型働きアリ、中型兵隊アリ、中型働きアリ、小型兵隊アリ、小型働きアリ、そして繁殖に生まれるオスアリなどといった具合に、多くのバリエーションに分かれるのは、このアリが持つ一つの特色が持つものである。つまり社会的役割分担が進んでいる社会的な昆虫。

ハキリアリ 生態
他のアリには見られない特異な生態を持つ事で有名で、働きアリは列を成して、様々な木に登り、そこにある葉を切り落として次々と巣へと運んでいく。その姿は葉が独りでに歩いているように見える光景になる。そして切り落とした葉を巣へ持ち運ぶが、この葉をエサにする訳ではなく、地下の巣の広大なスペースに葉を運んで、その葉に特殊な菌類を植え付ける。

この菌類は「アリタケ」と呼ばれるハラタケ科菌類。植物の葉を栄養源にして菌類は増殖し、育っていくが、そのためにアリ達は葉を運び、この菌類を餌にしている。地下のこの菌類を栽培するスペースは、生育に適した温度と湿度が保たれ、アリ達はその環境を維持するために葉を運び続ける。そしてアリタケもハキリアリがいなければ生息と増殖が出来ない相利共生の関係にある。 また、養分の尽きたいわゆるごみとなった葉はそこから運び出され、特定の場所に捨てられ、そこでゴミの山のように積もっていく。なお寿命が尽きたり、身体欠損などで生きられなくなったハキリアリもここへ運ばれ、そこで一生を終える。つまり生活の中の農耕を取り入れている。
*縄文時代の貝塚と似ている。でも貝塚では死体処理はしなかったでしょうね。

ハキリアリ 大中小の様々な大きさのアリがいるのは、硬い大きな葉を切り落として運んだり、巣の拡張や、葉を運ぶ運搬路確保の土木工事を行う大型の働きアリ、大型アリの切り落とした葉が大きすぎた場合に分断し、運びやすい大きさにして運んだり、大型アリに出来ない作業をこなす中型の働きアリ、更に細かい作業で活躍する小型働きアリという分業体制になっている。大型の兵隊アリは巣を警備したり、外敵から守る役割を持ち、中型の兵隊アリは葉を運ぶ働きアリをガードし、小型の兵隊アリは働きアリに並行して、絶えずに回りを警戒する。警備アリと呼ばれる小さいアリは巣に運ばれる葉の上に乗っているが、これはハキリアリに卵を産み、幼虫と共に伝染病を送る寄生バエ警戒の為で、小型警備アリはこのハエが近付くと大きく顎を開いて追い払う。巣の中でも中小の様々な働きアリ達が働いており、女王や幼虫、蛹の世話をするヘルパーアリ、アリタケを栽培する作業に従事する農耕アリ、巣から出たゴミを処分するアリなどが動いている。

硬い葉を切り落とす作業では片側の顎をカギ状にして体を支え、もう一方の顎をカッターナイフのような具合で葉に当てて切れ目を入れ、てこの原理を応用している。寿命は女王アリが10~20年と昆虫類としては長寿なのに対し、その他のアリは半年程度しか生きられないという。 女王の死後は、巣は衰退し、生き残ったアリ達の活動も鈍くなり、やがて死滅するといわれる。
アリは社会生活をする生き物! こんな社会を人間に当てはめてみてあなたは女王アリのような身分になりたいでしょうか?

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甲虫

ハキリアリ 甲虫類(こうちゅうるい)は、昆虫綱・有翅昆虫亜綱・コウチュウ目(甲虫目、鞘翅目)に分類される昆虫の総称。カブトムシ、クワガタムシ、カミキリムシ、ゲンゴロウ、オサムシ、ホタル、テントウムシ、ゾウムシなど、非常に多様な昆虫が所属する。
昆虫類のみならず動物全体においても最大の目である。種名のあるものだけでも35万種以上が知られており、未だに次々と新しい種類が報告されている。食性も多様で、虫食、腐肉食、糞食、葉食、樹木食、樹液食、菌食、蜜食などがある。 成虫はクチクラで形成された頑丈な外骨格が発達しているため、「甲虫」の名がある。前翅が硬化して、「鞘翅(さやばね、ショウシ)」という器官になっているのが特徴で、薄くて大きい後翅と腹部を保護する役割をしている。鞘翅目という名称もこの前翅の形状からつけられた。ただし一部には前翅が薄いものや、ハネカクシやツチハンミョウのように腹部が大きくはみ出たものもいる。 飛ぶ時は前翅にしまわれていた膜状の後翅を広げ、羽ばたかせて飛び、前翅は主に平衡を保つのに使われる。ただしツチハンミョウや一部のホタル(ヒメボタルなど)のメスのように翅が退化したもの、一部のオサムシやゴミムシのように2枚の前翅が互いにくっついて後翅が完全に封印されたものなどもおり、これらは飛ぶことができない。その一方で、ハナムグリのように、前翅を開くことはできなくても、その下から後翅を出して飛べる種類も存在する。 変態は卵 - 幼虫 - 蛹 - 成虫という完全変態を行う。幼虫には翅はなく、成虫とは似つかない姿をしており、成虫とは食物が違うものが多い。なおツチハンミョウなどは成長段階に応じて幼虫の期間内でも形態が変化するので「過変態」とよばれる。

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シミ

シミ シミ目は、昆虫綱の1目。「シミ(衣魚、紙魚)」と総称される。当初は人家に生息して本を食害すると思われていたため、「紙魚(シミ)」と書かれる。英語では「silverfish」という。
かつては、昆虫でないが近縁とされていたが、これらは現在ではシミ目より基盤的な昆虫の系統として分けられているようだ。
シミ目は原始的な特徴を持った昆虫の1つである。地球に存在する100万種ともいわれる全生物種の約6割を占める昆虫類のうち、シミ目はごくわずかであるが、これは進化の過程で無翅類が短期間で翅を獲得したためと考えられている。

シミ目は昆虫としては原始的な無変態であり、卵から孵化した幼虫は成虫とほぼ同じ形で、蛹などの段階を経ないまま脱皮を繰り返し、成虫となる。脱皮によって変化するのは大きさだけで、形態の変化はほとんど見られない。しかも、成虫になっても絶えず成長し続けるため、一生脱皮し続ける。さらに、生まれたばかりの幼虫でも生殖器は発達しており、交尾・産卵が可能である。
体はやや偏平で、細長い涙滴形をしている。頭には長い触角が伸びている。胸部から腹部にかけては、滑らかにつながっている。腹部には各体節に1対の腹毛がある。これは腹部体節の付属肢の痕跡と考えられており、この類の原始的特徴と見られる。腹部の末端には、1対の尾毛と1本の尾糸という細長い突起がある。体表面には鱗片が一面に並んでいる。この鱗片は翅が進化する以前の形態をとどめているといえる(実際に、シミ目の昆虫はすべて翅を有していない)。
7~8年生き、昆虫としては比較的寿命が長い。屋内に生息するほか、野外にて樹皮下などに生息する個体や、アリの巣に侵入する個体もいる。負の走光性を持っているため直射日光には弱く、死ぬこともある。動きが速く、くねるように走るため、「魚」の字を充てられている。

書籍や古文書などを食害することで知られる。特に糊付けされた紙を好み、本の表紙や掛軸などの表面を舐めるように食害する。ただし、シミ類による食害には表面を浅くかじり取る特徴があり、穿孔食害することはない。書籍や古文書、掛軸などの表面に直径1mm程度の虫孔を穿ち、そこから掘り進めて食害するのは、シバンムシ類(甲虫の仲間)による食害の特徴である。

シミ 【ニューハクシミ】
無変態昆虫で幼虫から成虫までほとんど形態的な変化がない。物陰を好み、明るい場所では隅を好む。メスしか見つかってきておらず繁殖力が強い。紙資料の表面を食害し表面の紙に穴を空ける。段ボールの中がとてもいい住処になる。 一度増えてしまったらなかなか減らすことができない。
**実はメスだけでも繁殖が可能(無性生殖)なのも厄介な点だ。どうも日本の固有種ではなく、どこか海外から紛れ込んだか?大変な問題らしい。

極力段ボールでの保管をやめ、スチール製やプラスチック製のものに資料を移し替える。段ボールを使用する場合にも床置きはやめて、棚などで一段高いところに置くようにする。
文化財の資料自体に留まることがないため、小規模な燻蒸はあまり意味がない。大規模燻蒸を行う事で全館的な駆除は可能。もしくは徹底的な温湿度管理と除塵清掃に加え、毒餌(ベイト剤)やピレスロイド系薬剤を併用することで徐々に減らしていく。

東京文化財研究所からの発信。紙資料の保管が大切な業務のこの研究所では、シミ対策はとても重要な仕事となっている。

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カマドウマ

カマドウマ カマドウマ(竈馬)はバッタ目カマドウマ科 (Rhaphidophoridae) に属す昆虫の総称。姿や体色、飛び跳ねるさまが馬を連想させ、古い日本家屋では竈の周辺などによく見られたことからこの名前が付いた。「竈(かまど)」①かまど。へっつい。物を煮炊きするところ。「竈突」 ②かまどの神。「竈君」。

昔は、土間の台所の薄暗いとこに沢山いた気もするが、残念なことに今はほとんどお目にかからない。

脚が長く、背が曲がり、触角が長い種が多い。キリギリスやコオロギ、ウマオイに似るが、成虫でも翅をもたず専ら長い後脚で跳躍する。その跳躍力は非常に強く、飼育器の壁などに自ら激突死してしまうほどである。
顔は前から見ると下方に細まった卵型で、口付近には1対の長い小顎鬚(こあごひげ)がある。体長の3倍以上ある触角で、暗所でも体の周囲全体を探れる。3対ある脚のうち後脚は特別に発達して跳躍に適した形になっており、多くの種で腿節は体長とほぼ同じ長さがあり、脛節は体長よりも長い。跳躍力を発達させたおかげで飛ぶ能力を失い羽が退化したらしい。
カマドウマ科は世界に1100種以上が存在する。日本には南日本から南西諸島にかけて特に多くの種がいるが、近年新種が発見されており、まだまだ未知の種が多いようである。今は台所では見かけなくなったけど、真理kんなどのじめじめした場所にはまだ沢山生息しているかもしれない。

カマドウマ科の昆虫は互いに似たものが多く、日本産のカマドウマ科だけでも3亜科70種以上が知られ、専門家以外には正確な同定は難しい。単なる絵合わせによって正しく同定をすることは不可能で、脚の棘や交尾器の形態などの詳細で正確な観察に基づいて同定しなければならず、それほど簡単ではない。特に幼虫の場合は専門家でない限り正確な同定はほぼ不可能と考えてよい。 家屋や納屋などに見られるカマドウマ科のうち、胴体や脚に濃淡の斑紋が明らかなもの多くはクラズミウマかマダラカマドウマである。また一つの地域に生息する種は限られるので、産地や環境からある程度の種に絞り込むことも可能らしい。

主に身を隠せる閉所や狭所、暗所、あるいは湿度の高い場所などを好むため、木のウロ、根の間、洞穴などに生息し、しばしば人家その他の建物内にも入る。また時には海岸の岩の割れ目に生息することもある。マダラカマドウマは古墳の石室内にも群生し、しばしば見学者を驚かせる。夜行性のため日中はこれらの隠蔽的な空所にいるが、夜間は広い場所を歩き回って餌を探す。夜に森林内を歩けば、この仲間がよく活動しているのを見ることができる(特に夏季)。また樹液にも集まるため、カブトムシ等の採集のために設置したトラップに大量に集まるということも珍しくない。

光には鈍感で撮影にフラッシュを焚いても物怖じしないが、触感には鋭敏で息を吹きかけた程度の刺激でも跳び上がって逃げ出す。 極めて広範な雑食性。野生下ではおもに小昆虫やその死骸、腐果、樹液、落ち葉などを食べている。飼育下ではおおよそ人間が口にする物なら何でも食べる。動物質、植物質、生き餌、死に餌を問わない。野外でも共食いがしばしば発生しているという。繁殖は不規則で、常に卵、成虫、様々な齢の幼虫が同時期に見られる。天敵はヤモリ、トカゲモドキ(南西諸島のみ)、ネズミ、カエル、各種鳥類、寄生蜂、ゲジ、カマキリ、アシダカグモ等。
竈馬は古くから存在を知られた昆虫であり、古名である「いとど」は秋の季語とされる。カマドウマが周辺の森林などから侵入し、多くの日陰や空隙と共に餌も得られやすい土間の隅などに住み着くことも多かった。俗称として「便所コオロギ」「オカマコオロギ」、長野県や群馬県の一部では「シケムシ」と呼ばれる。 屋内に出没する虫としては比較的大型であることや跳躍力の高さなどから不快害虫と見られることもある。

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水族館

目次
マグロ 肺魚 サメ/エイ オヒョウ
ヤガラ ワラスボ 古代魚ガー タツノオトシゴ
肉鰭類 ヤツメウナギ アロワナ シシャモ
クシクラゲ類 クラゲ類 タコ イカ
ダイオウグソクムシ 海老すくい ミヤイリガイ

マグロ

マグロ 【マグロ完全養殖】
完全養殖とは、人工ふ化させた卵を成魚にまで育てて産卵させる養殖技術。乱獲による資源量の減少でクロマグロの漁獲規制が強まるなか、天然資源への影響が少なく安定供給につながるとして期待され、水産各社などが事業化を急いでいると言う。近畿大学などではかなり前から研究に取り組んでいるというが。

 日本の食卓になじみ深いマグロは分類学上、スズキ目サバ科マグロ属に属する。よく食べられるのはクロマグロ、ミナミマグロ、メバチマグロ、キハダマグロ、ビンナガマグロの5種類。広い海域を回遊し世界中に分布。クロマグロは北半球の熱帯・温帯海域、ミナミマグロは南半球の温帯海域を中心にそれぞれ生息。スーパーで刺し身として売られることが多いメバチマグロとキハダマグロは赤道に近い熱帯域に、缶詰などに使われるビンナガマグロは熱帯・温帯の海に広く分布する。
 マグロ類の中で最高級とされるのが「本マグロ」とも呼ばれるクロマグロ。かつては日本の近海や遠洋の漁場でとれる天然物が中心で、高級すし店などでしか食べられず、庶民には高根の花だった。しかし近年、天然のクロマグロの未成魚を生け簀で育てて出荷する「蓄養」と呼ばれる養殖が普及し、低価格で販売されるようになり、スーパーや回転ずし店などにも出回るようになったようだ。

マグロ  天然の稚魚に依存する蓄養に対し、卵を人工ふ化させて育てた魚から卵を採ってふ化させる養殖法を「完全養殖」と言う。完全養殖は多くの魚でできるようになっているが、マグロは完全養殖が極めて難しいとされている。マグロがとても繊細なためとか。稚魚は特に皮膚が弱く、人間の手が触れただけで死んでしまう。光や音に過敏ですぐにパニックに陥り、生け簀の網などへの衝突死も頻発。肉食のため共食いの習性もある。完全養殖を実現するにはこれらの壁を乗り越える必要があった。
*本当にほとんどの魚が完全養殖出来るようになったのでしょうか。一般の消費者には理解できない。少なくともウナギの人工孵化は未だではないか。トラフグは完全養殖でき、しかも毒が無くて安全とか。

 天然のマグロは近年、健康志向の高まりや和食ブームを背景に世界的に消費量が増えたため、乱獲により資源量が減少しています。日本近海を含む太平洋のクロマグロの資源量は20年ほど前から減少が続き、現在は約2万6000トンと過去最低水準近くまで落ち込んでいます。
 クロマグロの資源量減少の深刻化で、「大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)」「全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)」「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)」などのマグロ資源の国際管理機関は漁獲規制を強めています。太平洋の西側の未成魚(30キロ未満)の漁獲量は2015年から、02〜04年の平均の半分に減らされ、太平洋の東側でもこれまでの半分以下をめざす予定です。一方、いち早く未成魚の漁獲を禁止した大西洋では資源量が回復しており、15年から漁獲枠を段階的に増やします。日本は大西洋産の蓄養クロマグロを大量に輸入しており、国内のマグロ消費量も減少傾向にあるので、規制強化が直ちにクロマグロの供給不足や価格高騰を招くことはなさそうです。
 マグロ好きにとって気がかりなのはクロマグロの国際取引規制です。国際自然保護連合(IUCN)は11年に大西洋のクロマグロを、14年11月には太平洋のクロマグロをそれぞれ絶滅の恐れがある野生動物を指定する「レッドリスト」に加えました。野生動物の国際取引を規制するワシントン条約はレッドリストを保護対策の参考にしており、将来的に禁輸など保護対策が強化される可能性がある。

マグロ  マグロ資源の先行きに対する懸念が広がるなか、天然資源に依存しない完全養殖が注目を集めています。2002年に近畿大学が世界で初めてクロマグロの完全養殖に成功。同大がクロマグロの研究を始めたのは40年以上前に遡る。1970年に水産庁が複数の研究機関によるクロマグロ養殖の研究プロジェクトを開始。近畿大もこれに参加しましたが、養殖に必要な天然幼魚を生け簀に移した後の生存率が低く、3カ年のプロジェクト終了後には撤退する機関が相次ぎ、最終的に続行したのは近畿大だけでした。
 その後、近畿大は釣り針を工夫するなどして天然幼魚を傷つけずに釣りあげて生け簀に移す方法を開発したほか、水槽内の水流コントロールや大量の給餌で衝突死や共食いを防止するなど、地道に成果を積み上げて完全養殖の実現にこぎ着けました。現在では年5万〜10万尾の幼魚を養殖業者に出荷し、育てたマグロを提供する飲食店も展開しています。
 マグロの完全養殖は飼育コストが高いなど、まだ課題が少なくありませんが、近畿大の成功を受けて国内の水産各社も事業化に向けて動き出しています。極洋と日本配合飼料は14年に、人工ふ化のクロマグロ同士から生まれた稚魚を陸上の生け簀から海上の生け簀に移すことに成功。17年から完全養殖クロマグロの出荷を年間200トン規模で始める計画です。この規模は現時点で国内最大級です。マルハニチロは完全養殖のクロマグロを6000匹規模で育てており、16年から本格的に出荷する計画です。計画通りに進めば、民間企業が卵から成魚まで育てて販売する初めての例となります。日本水産はふ化して数日たった稚魚向けの配合飼料を開発し、初期の飼育コストの半減をめざしています。このほか、豊田通商が近畿大と提携してクロマグロ養殖に乗り出すなど、マグロの完全養殖を巡る競争は今後、本格化しそうです。

 販売でクロマグロの完全養殖を後押しする小売りも出てきました。イオンはマルハニチロの本格出荷に先行して、同社の完全養殖クロマグロを15年6月から全国の最大2000店のスーパーで販売する予定です。完全養殖マグロを量産できれば、将来は海外への輸出も視野に入ってくるでしょう。日本が生み出した完全養殖技術で、安くておいしいマグロを世界中の人々が味わえる日が来るのはそう遠いことではないかもしれません。
*完全養殖魚の事業化の最大の課題は、養殖の技術ではなく、

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肺魚

肺魚 肺魚は形だけ見るといかにも古代魚と言った感じで、「生きた化石」といわれるのもうなずけますね。実際に古生代のデボン紀、約4億年前には地球上に生存していたんだ。肉鰭類(にくきるい)という種類に属しており、魚類よりも四足歩行の動物に近く、ヒレは手足のように長く発達しています。つまり他の魚よりも我々のご先祖に近いということだね。

ハイギョは鰓(えら)を持っているけど、成長に伴って肺(はい)が発達し、酸素の取り込みの大半を鰓ではなく肺に依存するようになる。だから数時間ごとに息継ぎのため水面に上がる必要があるんだ。そんな時、鳥さんに狙(ねら)われると危険だね。

肺魚 その代わり、乾期に水が干(か)れても次の雨期まで地中で「夏眠」と呼ばれる休眠状態で過ごすことができる。空気を呼吸できるからね。この夏眠の能力により、雨期にのみ水没する氾濫(はんらん)平原にも生息できる。アフリカハイギョが夏眠する際は、地中で粘液と泥からなる被膜に包まった繭(まゆ)の状態となる。「雨の日に、日干しレンガの家の壁(かべ)からハイギョが出た」という逸話(いつわ)はこの習性に基づく。

進化の話を付け加えましょう。硬骨(こうこつ)魚類は肉鰭(にくき)類と条鰭(じょうき)類の2系統に分かれます。四足類(カエル、鳥、ヒト等)は肉鰭類から進化したと考えられています。肉鰭類の魚類は、現在はシーラカンスとハイギョだけです。君達の晩ご飯に食べる普通のお魚はみな条鰭(じょうき)類だ。他に軟骨(なんこつ)魚類があって、サメとかエイが含まれる。硬骨(こうこつ)魚類は体の中にカルシウムで出来た硬い骨があり、浮袋を持っているのが特徴だ。デボン紀の巨大魚ダンクルオステウスは堅い鎧(よろい)を被(かぶ)っているけど体の外側なので、軟骨(なんこつ)魚類に含まれるのでしょうね。

肺魚 【エラとは何でしょう】
えらは、漢字で鰓と書きます。覚え方は「魚が思うこと」。エラは水中で生活する動物が、水中の溶存酸素を取りこみ、体内の二酸化炭素を排出して呼吸(ガス交換)を行うための器官です。もともと生命は海中で誕生しました。体が小さくて動きも鈍いうちは皮膚から直接酸素を取り入れるだけでこと足りていましたが、やがて大型化し、行動も活発になるにつれ、酸素が不足するので呼吸器としてえらが誕生します。実際に鰓(えら)が誕生したので大きくなれたのかも。
小さなえらでも多くの酸素を一度に取り込めるよう形に発達してきました。えらは動物の種類によって様々な形がありますが、より多くの酸素を取り入れるために表面積を増やす構造になっています。 陸上動物は、鰓(えら)よりも更に効率良く空気中から酸素を取り込むために肺(はい)を発達させていきます。

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サメ/エイ

サメ/エイ ジンベイザメ
サメの起源は約4億年前の古生代デヴォン紀に遡る。最初のサメは浅い海で進化したといわれている。サメは淡水との親和性が高く、今も淡水湖などで取れることがあるという。
サメはデヴォン紀の頃からほとんど形を変えていないので生きた化石等と言われて、原始的な生き物のように思われているが、世界中にたくさんの種類がいて大変繁栄している魚だ。うまく海の生活に適応していたので形を変える必要が無かったということだね。
ジンベイザメ マンタ シュモクザメ
サメは軟骨魚類に属し、カルシウムで出来た硬い骨を持っていない。でも頭蓋骨や歯はしっかり固いカルシウムで出来ている。軟骨は化石として残りにくいので、サメの化石は歯だけのことが多いね。 サメは獰猛で危険な生物というイメージが強く、人が殺されることもあるけど、そういう獰猛な種は500種の中で20~30種程度らしい。最大のジンベエザメ(体長およそ14メートル)はプランクトンを食べる大人しいサメで水族館の人気者。
エイもサメと良く似ているが形が平べったいものが多い。マンタという愛称で呼ばれるイトマキエイは泳ぐ姿が優雅で美しくこれも水族館やタイバーの人気者。
サメもエイもは浮き袋がないため水より密度が高く、泳いでないと沈んでしまうらしい。

**分類: 脊索動物門→軟骨魚綱→板鰓亜綱 鰓列が側面に開くものがサメで下面に開くものがエイと区別されるらしい。ほとんどの魚類は条鰭綱という"綱”に分類されている現在、サメ/エイの仲間は少数派のようだ。古代では多数派だったかもしれないが。

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オヒョウ

Halibut Halibut Halibut

オヒョウ(大鮃、英: halibut):
Halibut カレイ目カレイ科オヒョウ属の海水魚であり、形状や生態はヒラメに似ているものの1mを超える大型のカレイの仲間である。
世界には複数の種が存在し、日本の北洋からオホーツク海、大西洋、ベーリング海、北極海などの冷たい海の水深400mから2000m付近の大陸棚に生息する。日本近海では東北地方以北の各地と日本海北部に、タイヘイヨウオヒョウ Hippoglossus stenolepis が生息している。

全長は1-2m以上で大きいものは3mを超え、体重は200kgを超える。但しこのサイズになる大物はメスであり、オスは大きくてもメスの1/3程度の大きさにしかならない。目のある側は暗褐色で、反対側は白色。本種はカレイ目で最大の種類で、体長2mを超える場合もある。(右は身長150cmだったフィオレロ・ラガーディアニューヨーク市長、1939年撮影)
150歳を超える寿命をもつものも生息する。 肉食で獰猛なため釣り上げた時に暴れ、漁師が怪我をすることもある。

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ヤガラ

Halibut Halibut

あまり聞きなれない名前だけど、NHKでさかなクンが紹介していた。なんでも料亭などではとても高級魚で、魚屋の店頭ではめったにお目にかからないらしい。細長い独特の体型。愛くるしくとてもユーモラスだね。
ヤガラ科の魚類はすべて海水魚で、太平洋・インド洋・大西洋の熱帯・亜熱帯域に広く分布。日本近海からはアカヤガラおよびアオヤガラの2種が知られ、前者は高級食用魚として珍重される。アカヤガラは味の良い魚で入荷量が少なく、白身の高級魚。椀物、鮨種、刺身で食べられる。つまり、刺身にしても天麩羅にしてもとても美味。
本科魚類はサンゴ礁や岩礁などの比較的浅い海で生活し、小魚や甲殻類を主に捕食。細長い筒状の口を使って、岩やサンゴの間に潜む獲物を吸い込むことに適応している。

分類を見て見ると
動物界→脊索動物門→脊椎動物亜門→条鰭綱→刺鰭条目→トゲウオ目→ヨウジウオ亜目→ヤガラ科→ヤガラ属
とても長いが動物の種なんてみんなこんなもの。多分ヒト(ホモサピエンス)だってこんなもの。タツノオトシゴ等も近縁とか。因みにタツノオトシゴはヨウジウオ亜目→ヨウジウオ科となっている。条鰭綱は魚類の大部分を占めるとされているので、条鰭綱に属さない魚を調べてみる方が手っ取り早そうだ(例えばサメ、エイなど)。

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ワラスボ

ワラスボ ワラスボ

ワラスボ(藁素坊、藁苞、Odontamblyopus lacepedii)は、スズキ目ハゼ科に分類される魚の一種。日本では有明海のみに分布し、食用に漁獲される。
成魚は全長40センチメートルに達し、オスの方が大きい。体形はウナギのように細長く、背鰭・尾鰭・尻鰭も繋がる。体色は青みがかっており、青灰色や赤紫色にも見える。目が退化していて、頭部にごく小さな点として確認できるのみである。上向きに開いた大きな口には牙が並び、独特の風貌をしているが、噛まれてもあまり痛くはない。鱗も退化していて、体の前半部に円形・後半に楕円形の鱗が散在する。これらの外見が海外映画『エイリアン』シリーズに登場する宇宙生物の頭部に似ていることから、メディアで採り上げられる際はしばしば「エイリアンのような魚」と比喩され、地元に漁場がある佐賀市もそう宣伝するようになった。
有明海 ハゼ科の魚ではあるが、腹鰭が吸盤になっていること以外はハゼに見えないような外見をしている。和名「ワラスボ」は、稲藁を束ねて作る筒の様な形に似るための名称と考えられる。チワラスボ(Taenioides cirratus)に似ているが、チワラスボは下顎に3対の短いひげがある点で区別する。
日本、朝鮮半島、台湾、中国に分布し、日本では有明海奥部の軟泥干潟のみに生息。八代海の前島でも見つかったことがあるが、記録地は生息に適した軟泥干潟ではなかったため偶発的な記録と考えられる。ムツゴロウやハゼクチなどと同じく、中国大陸と九州が陸続きだった頃に有明海へ定着した大陸系遺存種と考えられている。
干潟の泥中に巣穴を掘って住み、潮が満ちると海中に泳ぎだす。食性は肉食性で、小魚や貝類、甲殻類、多毛類など小動物を幅広く捕食する。漁業者の間ではアゲマキガイを食害するとも言われていたが、胃内容物の調査では多様な小動物が検出されていて、アゲマキガイは選択肢の一つにすぎないと考えられる。
産卵期は夏で、巣穴の壁に長径2.3~ 2.6ミリメートル、短径0.6 ~ 0.7ミリメートルの水滴形の卵を産卵する。3日ほどで全長3.3 - 3.5ミリメートルの仔魚が孵化する。仔魚は一般的な魚のように大きな丸い目と水平に開いた口を持つが、成長するにつれ目が退化し、口が上向きになり、牙が発達する。

ワラスボ 有明海沿岸域ではチワラスボとともに各地で食用にされ、満潮時は「あんこう網」、干潮時は「すぼかき」などの伝統漁法で漁獲される。すぼかきは棒の先に付けた鉤にワラスボを引っかける伝統漁法で、潟スキーに乗って移動しながらワラスボを漁獲する。
新鮮なものは刺身、にぎり寿司、煮付け、味噌焼きなどにする。少し泥臭さ、あるいは干潟の藻のような臭いがあるが、その元は皮であるため、皮つきで調理するか否かで臭いの感じられ方は異なる。ほとんどは内臓を取り除き干物にされる。干物を短冊状に切って素焼きや素揚げなどにし、酒肴として供されることが多い。白い牙をむいた灰黒色の干物は、見た目が悪いものの香りと旨味がある。地元の土産物店や料理店では干物を販売する所もある。
かつては干物も安価で、出汁を取るのにも使用されていた。生の状態では臭みがあり、出汁には使えないという。長崎県島原半島の郷土料理六兵衛にも用いられたが、現在は鰹節などに取って代わられている。
生命力は強く、活き造りにされても頭部が動いて人を噛むことがある。前述のようなエイリアンを思わせる外見を生かして、エイリアンを商品名に冠したスープ、ラーメン、煎餅、栄養ドリンクが販売されている。かつては地元でも漁師らを除きあまりなじみはなかったが、佐賀市がエイリアンになぞらえたプロモーション映像を公開した2015年頃から知名度が高まった。
日本では有明海固有種だが、干拓や環境の変化が脅威となっている。日本の環境省が作成した汽水・淡水魚類レッドリストでは2007年版から絶滅危惧II類(VU)として掲載された。有明海特有の珍魚で是非見てみたい食べてみたい魚ですね。

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古代魚ガー

ガー 古生代の魚たちが地球動物総ての王者であった時代の、生き残りの魚。2億年以上前から生存しており、今でも生きている。NHKでは米国フロリダ半島に生息しているものが紹介された。いや、多分まだ他の地域でも生存しているかも。ペルム紀大絶滅、三畳紀大絶滅、白亜紀大絶滅(恐竜の滅亡)といった3回の大量絶滅を経験しているが、それらを生き残ることができた。ガー類以外では、シーラカンスやチョウザメも古代魚に含まれるかもしれない。
【ガー目】
ガー目(学名:Lepisosteiformes)は、条鰭綱(現在に魚の大部分が含まれる)に所属する魚類の分類群の一つ。ガー科 (Lepisosteidae)1科のみで構成され、スポッテッドガー、アリゲーターガーなど2属7種が記載される。また、学名に従ってレピソステウス目、レピソステウス科と表記されることも多い。新鰭亜綱に含まれる現生の魚類として、アミア目と並び最も原始的な一群とみなされている。新鰭亜綱の下に、ハレコストーミ類と呼ばれる区分があり、それに属している。
学名は、Lepis(鱗の意)とosteus(骨の意)の合成語から成る。学名を直訳し、鱗骨魚科またはリンコツギョ科と書かれることもある。硬鱗(ガノイン鱗)をもつことから、またそれが光沢を放つことから硬鱗魚(こうりんぎょ)または光鱗魚(こうりんぎょ)とも呼ばれる。ただし、硬鱗をもつ魚類には、アミア目、チョウザメ目、ポリプテルス目などの異なる系統も含まれる。

ガー 現生のガー目の魚類は北アメリカ東部・中央アメリカおよびキューバに分布し、ケベック州南部に生息するロングノーズガー、コスタリカのトロピカルガーがそれぞれ北限と南限になっている。基本的にすべて淡水魚であるが、汽水域でも観察されることがあるほか、キューバンガーなど一部の種類は海域にも進出したことが知られている。

ガー類は水草の生い茂る浅場や三日月湖(河跡湖)、バイユーとよばれる湿地帯など、流れの緩やかな静水域に生息することが多い。食性は肉食性で、ある程度まで成長したものは他の魚類や甲殻類を主に捕食する。孵化した仔魚は他の魚と同様に卵黄が付いており、それが吸収されるとアカムシ、ボウフラ、ミジンコ、その他の動物プランクトンを食べる。稚魚になると水に落ちた昆虫、水生昆虫や小型の甲殻類も食べる。

水域の生態系では上位捕食者に位置する。特に、アリゲーターガーは成魚になれば、ほとんど外敵に襲われる心配がなくなる。しかし、ヤツメウナギ類の攻撃からは逃れることができない。硬い鱗も破られてしまう。一方でヤツメウナギは皮膚から毒を含む粘液を分泌することで、ガーなどに捕食されることを防いでいる。
**でも、一方、ガーの卵は有毒で鳥類などの捕食者から身を守っているとも。

硬骨魚類(ほとんどの魚)および軟骨魚類(サメ、エイ等)において現生する目の中では、シーラカンス目、ギンザメ目に次いで早く出現した。Semionotiformes目は古生代ペルム紀後期の地層から最古の化石が見つかっている。

Lepisosteus 属は南北アメリカ大陸・ヨーロッパ・インド、Atractosteus 属は南北アメリカ大陸・ヨーロッパ・アフリカからの報告がある。ガー科に属する種は、白亜紀前期の約1億1000万年前に初めて現れたとされる。古代における本目魚類の生息範囲は現代よりも広く、特に中生代白亜紀から新生代始新世にかけては世界の大部分に分布していたとみられている。しかし、現時点においてはオーストラリアと南極大陸からは化石が発見されていない。日本を含むアジア地域には現生のガー科魚類はいないが、北九州の白亜紀の地層から化石種が発見されている。

ペルム紀後期からジュラ紀にかけては変化があったものの、白亜紀以降は形態においてほとんど変化がない。故に、古代の形態をとどめていることから、生きた化石(有名な例としてはシーラカンス(ラティメリア)やカブトガニなどがある)と呼ばれている。この形態が成功したものであるためか、現在までにペルム紀大絶滅、三畳紀大絶滅、恐竜や首長竜などの爬虫類が絶滅したことで知られる白亜紀大絶滅といった3回の大量絶滅を経験しているが、それらを生き残ることができた。**つまり、進化の系統の成功者と言うこと。

ガー目の仲間は細長い体と、吻(口先)の突出した著しく細長い両顎をもつ。下顎のみが長いサヨリ科などとは異なり、上顎の方がやや長く突き出る。最大でも全長88cmのショートノーズガーを除く6種はいずれも全長が1mを超える記録があり、最大種であるアリゲーターガーは最大で3.05m、体重ではこれよりわずかに小さい個体で137kgの記録がある。細長い顎には、針のように鋭い歯が並ぶ。

背鰭は体の後方に位置し、臀鰭と互いに向かい合う。尾鰭は上下非対称の異尾となっているが、より古い系統の魚類と比較しその形状は簡略化されている。骨格は完全に硬骨化し、鰓条骨は3本で、間鰓蓋骨を欠く。両側に2個以上の上側頭骨をもち、鋤骨は対となる。主上顎骨は小さく不動性で、前上顎骨をもたない。椎骨は前方が突出し、後方が窪んだ後凹性で、他の魚類にはほとんど見られない特徴となっている。
**魚類の解剖に詳しい専門家でないと理解できない話であるが。
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タツノオトシゴ

ガー 今年、2024年は辰年。魚の中で辰(タツ)に最も近いとすれば、何と言ってもタツノオトシゴ(龍の落とし子)でしょう。トゲウオ目ヨウジウオ科タツノオトシゴ属 Hippocampus に分類される魚の総称。狭義にはその中の一種 Hippocampus coronatus の標準和名としても用いられる。およそ魚には見えない外見と、オスが育児嚢で卵を保護する繁殖形態が知られた分類群。

別名はウミウマ(海馬)、カイバ(海馬)、ウマノコ(馬の子、日本各地)、ウマノカオ(馬の顔、富山)、リュウノコマ(竜の駒、神奈川県三崎)、ウマヒキ(馬引き)、リュウグウノコマ(竜宮の馬、和歌山)、ウマウオ(馬魚)、タツノコ(竜の子、高知)などがある。英名でも Seahorse(シーホース : 海の馬)と呼ばれる。とは言え、食用にされるわけでも無し、水族館でお目にかかる変わった魚と言うイメージしかないが。

ガー すべてが熱帯から温帯の浅い海に生息する海水魚で、一部の種は汽水域にも進入する。成魚の大きさは全長1.4cmのインドネシア産 H. satomiae から全長35cmに達するオセアニア産 H. abdominalis まで種類によって差があり、体表の色や突起なども種類間、または個体間で変異に富む。

同じ科に組み込まれたヨウジウオ類と同じく、体は鱗が変化した環状の硬い甲板に覆われ、凹凸がある。口は小さいが管状の吻が前方に突き出ていて、吻のつけ根に目がある。尾鰭はないが尾は長く、普段は尾を海藻やサンゴなどに巻きつけて体を固定する。ほとんどの魚は前後に伸びた姿勢をとるが、タツノオトシゴ類は体を直立させ、頭部が前を向く姿勢をとる。この姿が竜やウマの外見に通じることから「竜の落とし子」「海馬」「龍宮の駒」、あるいは "Seahorse" などの名前がつけられたものとみられる。およそ「魚」の概念からかけ離れた外見ではあるが、よく見ると前に曲がった首のあたりに小さな鰓孔と胸鰭があり、背中にもこれも小さな背鰭がある。

主に熱帯・温帯域の沿岸浅海、尾を絡めて身を隠せるものがある岩礁域・藻場・サンゴ礁などの環境に適応している。ただしいくつかの種類は流れ藻について外洋を漂うことがある。泳ぐ時は胸鰭と背鰭を小刻みにはためかせて泳ぐが、動きは魚にしては非常に緩慢である。しかし体表の色や突起が周囲の環境に紛れこむ擬態となっており、海藻の茂みなどに入りこむとなかなか見分けることができない。

ガー 食性は肉食性で、魚卵、小魚、甲殻類など小型の動物プランクトンやベントスを吸い込んで捕食する。動きは遅いものの捕食は速く、餌に吻をゆっくりと近づけ瞬間的に吸い込む。また微細なプランクトンしか食べられないと思われがちだが意外に獰猛な捕食者で、細い口吻にぎりぎり通過するかどうかというサイズの甲殻類でも積極的に攻撃し、激しい吸引音をたてて摂食する。水族館で飼育する場合はアミ類などの生餌が与えられる。タツノオトシゴがこのような変わった体形に進化した理由は、獲物を待ち構えて捕らえる捕食スタイルにあると考えられている。

繁殖行動
タツノオトシゴ属のオスの腹部には育児嚢(いくじのう)という袋があり、ここでメスが産んだ卵を稚魚になるまで保護する。タツノオトシゴ属の体表は凹凸がある甲板だが、育児嚢の表面は滑らかな皮膚に覆われ、外見からも判別できる。そのためこれがタツノオトシゴのオスメスを判別する手がかりともなる。オスが育児に貢献するイクメン魚と言うことだ。

繁殖期は春から秋にかけてで、メスは輸卵管をオスの育児嚢に差しこみ育児嚢の中に産卵し、育児嚢内で受精する。日本近海産のタツノオトシゴ H. coronatus の場合、メスは5-9個を産卵しては一休みを繰り返し、約2時間で計40~50個を産卵する。大型種のオオウミウマ H. kelloggi では産出稚魚が600尾に達することもある。産卵するのはあくまでメスだが、育児嚢へ産卵されたオスは腹部が膨れ、ちょうど妊娠したような外見となる。このため「オスが妊娠する」という表現を使われることがある。

種類や環境などにもよるが、卵が孵化するには10日-1か月半ほど、普通は2~3週間ほどかかる。仔魚は孵化後もしばらくは育児嚢内で過ごし稚魚になる。

「出産」する時は、オスは尾で海藻などに体を固定し、体を震わせながら稚魚を産出する。稚魚は全長数mmほどと小さいながらも既に親とほぼ同じ体型をしており、海藻に尾を巻きつけるなど親と同じ行動をする。

ヨウジウオ科タツノオトシゴ属は1属のみでタツノオトシゴ亜科 Hippocampinae を構成し、50種類ほどが知られる。ヨウジウオ科ヨウジウオ亜科にもタツノイトコやリーフィーシードラゴンなどの類似種が多いが、首が曲がっていないこと、尾鰭があること、尾をものに巻きつけないことなどの差異で夫々タツノオトシゴ属と区別する。

タツノオトシゴ属は外見が互いに似る上に個体変異も大きいため同定が難しく、21世紀に入ってもなお新種が報告されている。これらの同定は体輪数(体を覆う環状甲板の数)、頭部突起の長さ、体の各所にある棘、胸鰭や背鰭の鰭条数などで区別している。
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クシクラゲ類

フウセンクラゲ 有櫛動物(ゆうしつどうぶつ、学名:Ctenophora)は、クラゲ様の動物を含む動物の分類群の1つ。クシクラゲ類とも呼ばれる。櫛(くし)とは頭の毛を梳(と)かす櫛だね。 名前に「クラゲ」の字が付いてはいるが、クラゲ類(刺胞動物)とは別のグループの生物。多分水族館で見ることが出来るだろう。クラゲのようでクラゲでない。しかし名前にはクラゲがつく。
刺胞動物が漂泳性(クラゲ型)と付着性(ポリプ型)という生活様式の異なる2つの型を持つのに対し、有櫛動物は全て前者。つまり漂泳性(クラゲ型)。二放射相称で透明な脆弱な体を持ち雌雄同体。
全てが海に生息し、一部を除いてはプランクトン生活(浮遊生活)をする動物。熱帯から極地地方まで、また沿岸から深海まで様々な環境に生息しており、世界で100~150種程度の現生種が知られている。

多くのものは体に色素がなくほぼ無色透明。組織のほとんどが水分からできている点はクラゲ類と同様。体はいわゆるクラゲのような傘状ではなく、球形や楕円形に近い形のものが多い。下端に口が開く。カブトクラゲ類では口の周りの部分は袖(そで)状に広がり(袖状突起)、口はその内側に位置する。クラゲムシなどではこの部分を広げて平らになり、基盤上に吸着してはい回る。ウリクラゲ類やヘンゲクラゲなどでは体の下端に大きな口が位置する。

カブトクラゲ カブトクラゲ オビクラゲ ウリクラゲ 体の表面の周囲を放射状に取り巻いている光るスジ「櫛板列」が8列あることが特徴。その点ではクラゲ類やイソギンチャクなどの刺胞動物、ウニ、ヒトデ類(棘皮動物)と同様に、放射相称の体を持つ。櫛板列には微細な繊毛が融合してできた「櫛の歯」に相当する櫛板が配列している。クシクラゲ類は、この櫛板の繊毛を波打つように順々に動かすことで、活発に移動することができる。撮影された画像では櫛板列がネオンサインのように虹色に光って見えることがあるが、これは生物発光ではなく光の反射によるもので、色は構造色である。

生活
大部分のものはプランクトンであり、海中を漂って生活している。多くは櫛板列によってゆっくりと泳ぐ。オビクラゲは例外的に扁平で長い体をくねらせて遊泳することができる。クラゲムシなどは這い回る生活をするが、その移動速度はごく遅く、あまり動き回らずに触手を伸ばしている。これは浮遊型のクシクラゲが咽頭を広げて基質面に張り付いた形である。これと浮遊方の中間的なのがカブトヘンゲクラゲで、咽頭面を広げて底質の上に張り付いており、刺激を受けると水中に泳ぎ出す。

触手を長く伸ばし、それに触れた微小な生物を餌にしている。しかしウリクラゲ類は、他のクシクラゲ類を丸飲みにすることが知られている。 また、生物発光をするグループとして知られる。発光物質から出される光は、櫛板の反射による光よりもずっと暗いので暗黒下でないと見えない。水中に発光物質を分泌して、捕食者への目くらましに使うという。種類によっては体全体を動かして泳ぐものもいる。

有櫛動物は、独立の動物門として扱われることが多い。かつては、刺胞動物とともに腔腸動物として分類されてきた。
なお、この有櫛動物は体が極めて脆弱である。採取などの際には網を使うと体が壊れてしまうため、柄杓(ひしゃく)のようなものを使わなければならない。また、薬品に触れると体が壊れてしまうために標本にできず、生体のスケッチに頼らざるを得ない場合がある。

**腔腸動物:
腔腸動物とは、クラゲやサンゴ、イソギンチャクを含む刺胞動物とクシクラゲを含む有櫛動物をまとめた動物のグループ。かつては1つの門 とされたが、この2つのグループをそれぞれ独立の門とする立場が有力になり、使われることは少なくなった。 刺胞動物の別名として用いられることもある。

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クラゲ類

ミズクラゲ クラゲ(水母、海月、水月、蚱)は、刺胞動物門に属する動物のうち、淡水または海水中に生息し浮遊生活をする種の総称。体がゼラチン質で、普通は触手を持って捕食生活をしている。また、それに似たものもそう呼ぶこともある。

**刺胞動物(しほうどうぶつ、英: Cnidaria);
刺胞動物門に属する約11,000種にのぼる動物の総称である。ほぼ全てが水界に生息し、大部分が海産である。触手に「刺胞」と呼ばれる、物理的または化学的刺激により毒液を注入する針(刺糸、しし)を備えた細胞内小器官をもつ細胞がある。放射相称、二胚葉性。体腔はなく、唯一の腔所である胃腔の開口は口と肛門を兼ねる。つまり、食物の入り口と出口が一緒。雌雄異体。漂泳性(クラゲ型)と付着性(ポリプ型)という生活様式の異なる2つの型を持ち、両者は上下を逆さにした形である。つまり、クラゲ型は口が下でポリプ型は口が上ということか。単体と群体がある。
中胚葉が形成されない二胚葉性の動物であるとされるが、細胞性である間充織を中胚葉とみなし、ヒドロ虫綱以外の刺胞動物を三胚葉性とみなす事も多い。

かつては有櫛動物(クシクラゲ類)と共に腔腸動物門として分類されていたが、有櫛動物は刺胞動物とは体制が大きく異なることから、現在では異なる門として整理されている。刺胞動物は先カンブリア時代の地層にも、化石として姿をとどめている。

生活環 オワンクラゲ カツオノエボシ クラゲ料理

クラゲといわれる動物は刺胞動物門のヒドロ虫綱、十文字クラゲ綱、箱虫綱、鉢虫綱 にわたって存在する。広義には有櫛動物門(クシクラゲ)も含まれる。有櫛動物は、かつては腔腸動物として刺胞動物と一緒にまとめられていたが、刺胞を持たず雌雄同体である刺胞動物とは異なる水管系を持つなど、全く体制が異なることから、20世紀初頭には別の門に分けられた。また、クラゲは刺胞動物における基本的体制の名としても使われる。対になる語はポリプ。

刺胞動物、有櫛動物以外にも、クラゲの名前を持つ生物が複数の門にわたって存在する。軟体動物門のゾウクラゲは刺胞動物と同様、ゼラチン質で浮遊生活である。キクラゲ、ツチクラゲは菌類、イシクラゲは藻類である。キクラゲは中華料理の定番だ。

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タコ

タコ タコ(蛸、鮹、章魚、鱆、学名:octopoda)は、タコ目に分類される軟体動物の総称。英語ではoctopus(オクトパス)です。正式に書くと、
動物界→軟体動物門→頭足綱→鞘形亜綱→八腕形上目→タコ目(八腕目) 海の動物でも、魚以外は結構分類がややこしい。

軟体動物とは、体の外側や内側に骨格を持つ、節足動物(昆虫やカニ等)や脊椎動物(魚、鳥、ヒト)を除く多数の仲間たちが含まれている。でも、貝のように固い貝殻で身を守るものも多いね。 頭足類(とうそくるい)は、軟体動物門 頭足綱に属する動物の総称。 イカ、タコ、オウムガイ、コウモリダコや絶滅したアンモナイト等が含まれる。 体は胴・頭・足に、足も多数に分かれている。タコはここに所属している。ヒトとは異なった系統なので、原始的な生き物と勘違いする人も多いが、タコはタコなりに進化の頂点に君臨している成功者なのです。

恐竜が生きていた時代、海はアンモナイト類の天下です。世界中から沢山の化石が発見されます。頭足類の仲間たちは、始めは硬い殻で守られていたのでしょうが、捕食される側から捕食する側に回ったことで、タコやイカ等は殻を失ったとされています。重たい殻を背負って動き回るのも大変かも。
タコは結構、知能も高い生き物としても知られています。イラストなどに出て来る多くの宇宙人がタコの形に似ているのも偶然ではないようですね。

生物的特徴
海洋棲で、主に岩礁や砂地に生息。淡水を嫌い、河口などの汽水域には棲息しない。生理的に淡水は受け付けられないからか?
複数の吸盤がついた8本の腕を特徴とする。動物学的には足であり、一般には「足」と呼ばれるが、物を掴む機能などにより、特に頭足類における足は「腕」とも表現される(英語でも arm 腕と呼ぶ)。 動物の観察で、では手と足は何が違うの? 手の方が、足より頭に近い側にあることは確かだけど。そんなことも考えずに、タコの足は8本、イカは10本、昆虫は6本だけど、クモ8本なんて言っていたらそれこそチコちゃんに叱られるね。
では、ムカデは何本? 蛇は? クジラは? では人は何本?

見た目で頭部に見える丸く大きな部位は実際には胴部であり、本当の頭は腕の基部に位置して眼や口器が集まっている部分である。すなわち、頭から足(腕)が生えているのであり、同じ構造を持つイカの仲間とともに「頭足類」の名で呼ばれる理由がここにある。

イカの仲間との違いは腕の数(タコは4対8本なのに対し、イカは触腕2対を加えた5対10本)のほか、ミミ(鰭)がないことであるが、これらには例外もある(腕が8本のタコイカやミミのあるメンダコなど)。このほか吸盤の構造もイカの仲間とは違うらしい。また、タコもイカもスミを吐くことでも知られているね。でもスミの種類は異なる。

その柔軟な体のほとんどは筋肉であり、ときには強い力を発揮する。体の中で固い部分は眼球の間に存在する脳を包む軟骨とクチバシのみである。そのため非常に狭い空間を通り抜ける事ができ、水族館で飼育する場合は逃走対策が必要である。つまり、全身筋肉、体脂肪率ゼロの海のアスリート。ジェット推進機構も持っていて活動力も半端でないぞ。

比較的高い知能を持っており、一説には最も賢い無脊椎動物であるとされている。形を認識することや、問題を学習し解決することができる。例として、密閉されたねじぶた式のガラスびんに入った餌を視覚で認識し、ビンの蓋をねじって餌を取ることができる。また、白い物体に強い興味を示す。身を守るためには、保護色に変色し、地形に合わせて体形を変える、その色や形を2年ほど記憶できることが知られている。 また、1998年には、インドネシア近海に棲息するメジロダコが、人間が割って捨てたココナッツの殻を組み合わせて防御に使っていることが確認され、2009年12月、「無脊椎動物の中で道具を使っていることが判明した初めての例」として、イギリスの科学雑誌『カレント・バイオロジー (Current Biology) 』に掲載されたでは特集が組まれた。今後研究が進むと更に面白い発見がありそうだ。
ヒトと全く違った体型の宇宙人を描きたいSF作家達がタコに注目するのはわけがある。

血液中にはヘモシアニンという緑色の色素が含まれており、そのため血液は青く見える。ヘモシアニンは魚類のもつヘモグロビン(人も同じだ)に比べ酸素運搬能力に劣るため、長距離を高速で移動し続けることができない。ならば、短距離は得意なのかな? さらに、海水のpH濃度にも影響を受けやすく、海水が酸性化すると酸素運搬能力が低下する。

鰓は外套膜内に格納されており、漏斗のポンプで海水を取り入れて鰓に当てることにより酸素と二酸化炭素の交換をする。漏斗から噴き出す水は遊泳時の主な推進力となるほか、二酸化炭素のみならず排泄物や後述の墨の排出に利用される。

墨を墨汁嚢に蓄えており危険を感じると括約筋(かつやく)を使って漏斗から黒い墨を吐き姿をくらます。タコ墨はイカ墨よりアミノ酸や多糖類、脂質が少なくさらさらしている。タコはさらさらの墨を煙幕のように利用し敵を一時的に麻痺させる成分を含む(イカの場合は墨の塊を出現させ敵から逃げるオトリ作戦)。タコ墨が料理にあまり用いられないのは、イカ墨と比べて墨汁嚢が取り出しにくく、さらに一匹から採れる量もごく少量であることが理由だ。

外敵に襲われた際、捕らえられた腕を切り離して逃げることができ、その後、腕は再生するが、切り口によって2本に分かれて生えることもあり、8本以上の腕を持つタコも存在。極端なものでは、日本で96本足のあるタコが捕獲されたことがあり、三重県の志摩マリンランドに標本として展示されているそうだ。

タコと言う生き物知れば知るほど、不思議な生き物なんですね。

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イカ

イカ イカ(烏賊・鰞・柔魚・魷・墨魚 英語:squid(ツツイカ)またはcuttlefish(コウイカ))は、海生軟体動物の一群。分類学上は軟体動物門頭足綱(ここまではタコと同じ)十腕形上目(または十腕形目)とされる。英語では体内に甲を持つものを英: cuttlefish、ないものを英: squidと呼んでいる。外見では区別付かないか?
形態
神経系や筋肉がよく発達していて、たいていの種類は夜に行動する。漏斗からの噴水と外套膜の収縮・ひれを使って前後に自在に泳ぐ。 10本の腕は筋肉質でしなやかに伸縮し、腕の内側にはキチン質の吸盤が並んでいる。吸盤にはスパイクのような歯の付いた角質の環がみられ、筋肉の収縮を利用するタコの吸盤とは構造が異なる。実際の腕は8本で、残りの腕2本は吸盤が先端に集中する「触腕(しょくわん)」とよばれる構造である。この触腕を伸縮させて魚類や甲殻類を捕食するが、釣りの時に触腕をちぎって逃げることや、テカギイカの仲間では成長に伴い触腕を欠くことから、必ずしも必要というわけではないのか。

イカ タコの仲間との違いは腕の数(イカは8本の腕に加え、1対の触腕をもつ)のほか、ミミ(ヒレ)を持つことであるが、これらには例外もある(腕が8本のタコイカやミミのあるメンダコなど)。

体内には貝殻を持つが、種によって組成や形状が大きく異なる。閉眼目・開眼目では有機質の薄膜で、軟甲(gladius、イカの骨)と呼ばれる。コウイカ科では石灰質の舟形で、甲 (cuttlebone, sepion)と呼ばれる。トグロコウイカでは、オウムガイのように巻貝状で内部に規則正しく隔壁が存在し、細かくガスの詰まった部屋に分けられている。

皮膚には色素細胞がたくさん並んでおり、精神状態や周囲の環境によって体色を自在に変化させる。調理に際して、両目の間にある神経系の基部を刺してしめると、ただちに体色が白濁する。

イカは本来の心臓の他に、2つの鰓(えら)心臓を持っている。鰓心臓は鰓に血液を急送する働きを担っている。 イカの血は銅タンパク質であるヘモシアニンを含むために青色(タコも同じだね。)である(ほとんどの脊椎動物血液中に含まれる鉄タンパク質のヘモグロビンは赤色)。

ダイオウイカ 特にダイオウイカなど一部の深海イカは、浮力を得るために、塩化アンモニウムを体内に保有している。特定のイカにある“えぐみ”はこのためである(特にダイオウイカなどは辛臭くて食えたものではないという報告もある。でもマッコウクジラは好物としているようだが。)

体の大きさに対しての眼球の割合が大きいことから、行動の多くは視覚による情報に頼っていると思われる。イカやタコの眼球は外見上脊椎動物の眼球とよく似ている。まったく異なる発生過程を経て生まれた器官であり、内部構造に明確な違いがある(眼の進化)。研究によると同じタンパク質とツールキット遺伝子によって並行に獲得された器官である。脊椎動物と違い視神経が網膜の背面側を通っており、視認の邪魔にならない。そのため視力に優れ、盲点が存在しない。嗅覚や味覚に関する研究はほとんどない。

敵に襲われた時など、漏斗から水を勢いよく噴出し、ジェット噴射の要領で空中に飛び出し、腕とヒレを広げた状態で滑空する種もいる。

解剖 学術的には、「頭足綱」の名のとおり頭部に足を持つと解釈されているため、イカを縦長に表示する際には足がある方を上に配置する。以下の絵を描いてどっちが上? 足のある方が上なんだ。

最後に、イカは解剖が簡単にできるので、子供の理科の実験に最適です。鋏一つで色々以下の体の作りを見ることが出来ます。そのうち、やってみたいと思ってますが。

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海老すくい

 “海老すくい”とは、作中(NHK大河ドラマ「どうする家康」)で、度々登場している宴会芸の踊りのこと。歴史上では徳川家康の叔父である酒井忠次が宴会芸として披露し、場を盛り上げたというエピソードが残っている。作中でも酒井忠次役を演じる大森南朋さんが海老すくいを舞い、逸話が作中で忠実に再現されているようだ。  話題を呼んでいる海老すくいだが、実はどんなものだったかは正確に伝わっていない。今でいう「どじょうすくい踊り」のようなものだったのではと言われているが、詳細は不明。作中でコミカルに表現し、視聴者の心を掴んでいるのは見事。

ところで、ここで登場する海老とはどんな海老。どうもあの踊りから見て海老は海の海老ではなく、川海老のようだ。現在の河川や沼地では外来のザリガニしかお目にかからないが、ザリガニは戦後の食糧難解消を目的として米国から導入された帰化動物だ。戦国時代は、きっともっとおいしい小ぶりの川海老が何処でも沢山取れたようだ。

手長エビ 高知の清流が育んだ川の恵み「川海老」。四万十川、仁淀川などで春から夏にかけて漁獲されます。雄のハサミが体長を超えるほど長いので「手長エビ」という名前が付けられています。どんなに頑張っても一日1キロも採れない貴重品。れでも、昔ながらの漁法にこだわり、自然と向き合い、こだわっています。から揚げや煮物にしていただくと、一噛みごとに、美しい情景が浮かぶような滋味あふれる味わい。
豊かな風土が生み出した川の幸を、川漁師の伝統の技で捕り、自然の営みに感謝しつつ噛みしめる。土佐の昔ながらの食文化です。でも、川海老は土佐だけの特産物ではないはずだ。
四万十川の川海老は、テナガエビ、ヒラテ(ヤマト)テナガエビ、ミナミテナガエビの3種類。体長は9センチほど。カルシウムやタンパク質も豊富で栄養満点です。四万十川の川海老は、その大きさとプリプリとした食感、香ばしさで人気です。今では、川海老は土佐の特産?のようだけど、帰化生物のザリガニが繁栄する以前は全国いたるところに生息していた普通の海老だったのではないかと想像される。「えびすくい」の海老は、テナガエビ?そうとは限らない。ザリガニでないことだけは確かですが。

手長エビ 【テナガエビ】
テナガエビ(手長蝦、草蝦)はテナガエビ科テナガエビ属 Macrobrachium に分類されるエビの総称。熱帯・温帯の淡水域や汽水域に生息する大型のエビで、和名通り第2歩脚が長く発達する分類群。多くの種類がある中、日本ではその中の1種 Macrobrachium nipponense に「テナガエビ」の和名が充てられている。
熱帯から温帯に広く分布し、熱帯にいる種類が多い。たとえば日本の九州以北では通常テナガエビ、ヒラテテナガエビ、ミナミテナガエビの3種しか見られない一方、南西諸島では前述の3種を含めた15種が分布する。
体長は3cmほどのものから20cmほどのものまで種類によって差がある。成体は全身が緑褐色から灰褐色。若い個体は半透明の体に黒いしま模様があり、スジエビ類に似る。
手長エビ 一番の特徴は、和名通り長く発達した鋏脚(きょうきゃく)である。これは第1歩脚が大きいザリガニやカニなどと違い、第2歩脚が大きくなったもので、よく見ると大きな鋏脚の内側にもう1対の小さな第1鋏脚がある。成体のオスの鋏脚は種類によっては体長よりも長い一方、メスや若い個体は細く短い。この脚は餌をつかんだり、他の個体を排除したりするのに用いる。水底を歩く時には大小2対の鋏脚を前に突き出し、後ろの3対の歩脚で移動する。

温暖な地方の淡水や下流・汽水域の河川、湖沼に生息する。高地の水の澄んだ湖沼には生息せず、移植しても定着できない。夜行性で、昼間は石の下や護岸の穴やテトラポッドの下、水草の茂みに隠れている。曇って陽が照っていない時であれば昼でも活動し、姿を確認することができる。縄張り意識が強く、他の個体と遭遇すると戦って排除する。
食性はほぼ肉食性で、水生動物や魚の死骸、イトミミズなどの有機物を食べる。藻類などを食べることもあるが、飼育下で動物性のえさが少ないと共食いもする。
繁殖期は5月から9月までで、夏に多く産卵する。小卵多産で、メスは直径1mm足らずの卵を1000 - 2000個ほども産卵し、腹肢に抱えて孵化するまで保護する。テナガエビ類はほとんどが両側回遊型で、幼生は海、少なくとも汽水域まで降河しないと成長できない。孵化したゾエア幼生は川の流れに乗って海へ下り、植物プランクトンやデトリタスを食べて成長し、1ヶ月ほどで体長5mmほどの稚エビになる。稚エビは川底を歩いてさかのぼり、以降は淡水域で過ごす。

寿命は1年から3年ほどで、環境による個体差はかなりある。20cm級のテナガエビは2 - 3年生きているものである。また、オスの方が長生きする。
食用に漁獲され、重要な漁業資源となっている地方もある。地域によって様々な漁法があるが、魚やアメリカザリガニのように釣りで漁獲することもできる。肉食が強いので、釣り餌も赤虫やサシ(蛆)、ミミズなどが使われる。他にもソーセージ、魚の切り身、イカ等でも釣れる。塩茹でや唐揚げなどで食べられるが、他の淡水魚や淡水性甲殻類と同様に寄生虫を保持する可能性があり、生食はされない。つまり、刺身で食べることは推奨されない。
食用以外に観賞用として飼育する人もいるが、肉食性のため小魚や小型のエビを一緒に飼育すると捕食してしまう。また、多数を一緒に飼育すると共食いや喧嘩を繰り返し結局は1匹だけ残るので、1匹ずつ飼育した方が良い。


先の三河地方に伝わる”えびすくい”がどの海老を指すのか断定はできないが、当時の貧しい庶民の貴重なタンパク資源として活用されていたことは間違いなさそうだ。因みに関東で普通に観察される川海老の分類は右のようになっているらしい。

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ミヤイリガイ

ミヤイリガイ ミヤイリガイまたはカタヤマガイ (Oncomelania hupensis nosophora) は、腹足綱・タマキビ型新生腹足類(Littorinimorpha目)イツマデガイ科に分類される貝類である。日本住血吸虫の中間宿主として知られる。 和名の一つであるカタヤマガイの「カタヤマ」は、日本住血吸虫による感染症の呼称の1つである「片山病」、およびその症状を書き記した19世紀半ばの書物『片山記』に由来。もう1つの和名であるミヤイリガイの「ミヤイリ」は、本亜種が日本住血吸虫の中間宿主であることを発見した宮入慶之助に由来。
模式標本の産地(基準産地・タイプ産地・模式産地)は、福山市神辺町片山。以前は関東地方から九州北部にかけて、局所的に分布していた。具体的には、茨城県・群馬県および埼玉県・東京都の利根川水系、千葉県の小櫃川流域、山梨県の甲府盆地、静岡県の富士川下流域および浮島沼周辺、広島県の高屋川、佐賀県および福岡県の筑後川下流域で、これらは日本住血吸虫症の流行地域と一致。Oncomelania hupensisの亜種とされるが、独立種とする説も存在する。原名亜種 O. h. hupensis は中華人民共和国の長江流域に分布。
殻長6~ 8ミリメートル。殻径2.8 ~3ミリメートル。螺層が膨らみ、縫合が深い。殻の表面は滑らか。殻は栗褐色ないし、黄褐色~赤褐色で厚く、光沢が有る。巻きは8階。

水田地帯にある水路の止水域の泥底に生息。自然下では主に珪藻を食べていると考えられているが、人工飼育下ではキャベツの葉、人工飼料(米粉・白玉粉などといった澱粉質飼料、鶏卵殻、煮干粉、おから)など多様な餌を食べていることから、その食性は極めて広い範囲におよび、糞便などが混じった泥土からあらゆる微細な物質を無差別に取り入れ、消化できる有機物を消化吸収していると考えられている。(*デトリタス食と言うことらしい。)
親貝は6月頃に、常に湿潤な柔らかい泥土に産卵し、孵化した個体は秋までに大きくなるのが一般的。冬は叢の根元や窪みで越冬。寿命は約2年かそれ以上と推測されており、飯島利彦 (1965) によれば、実験室内で飼育した個体の最長生存期間は約4年であった。
ミヤイリガイの体内には日本住血吸虫のセルカリアを始め、多くの原虫や線虫、各種吸虫のセルカリアが寄生し、1950年には207個の自然感染貝への日本住血吸虫のセルカリアの寄生数を調べたところ、29匹~ 10,247匹(平均1791匹)が寄生していたという報告が存在した事から、飯島 (1965) はミヤイリガイ1個に対する日本住血吸虫セルカリアの寄生数は平均約2000 ~ 3000匹と推測している。ヘイケボタルの幼虫、コイ、アメリカザリガニ、クロベンケイガニ、鳥類(ツグミ・タシギ)といった生物がミヤイリガイを捕食した記録がある。
*全く気の毒な生き物か、散々他の寄生虫に寄生され、中間宿主としてヒトにも敵視される存在になってしまった。

日本住血吸虫の中間宿主となり、ヒトがこの吸虫に侵入されると肝硬変などを引き起こし、高い確率で死亡。日本では後述する日本住血吸虫を撲滅させるための活動として本種の駆除(殺貝剤の散布・火炎放射器による焼却・水路の三面コンクリート舗装など)が進められた。他に、石灰窒素を使って本種を撲滅しようと試みた事例も有った。いずれにしても、日本では本種の駆除を進めた結果、1980年代までに日本住血吸虫症の発症例は、見られなくなった。
ただ、本種の駆除活動の1つである水路のコンクリート舗装により、ミヤイリガイが駆除された一方で、水田などに生息する他の貝類の生息数も減少したという弊害も指摘されている。1920~1960年代にかけて行われた日本住血吸虫を撲滅させるための活動により、多くの水生生物も絶滅した。また、日本住血吸虫症の撲滅後も、生息地の破壊(河川改修、水田の乾田化・宅地などへの開発)、農薬汚染の影響を受けて減少していると考えられている。広島県では近年は記録が無く、絶滅したと考えられている。福岡県では1980年代以降は発見例が無く絶滅したと考えられ、最後の生息地であった久留米市宮ノ陣町宮瀬には宮入貝供養碑が建てられている。千葉県では小櫃川流域(木更津市牛袋)を除き、絶滅した可能性が有り、唯一の生息地でも2014年以降は確認が困難となっている。岡山県では1955年以降は記録が無く絶滅したとされ、2020年の時点で岡山県レッドリストでも絶滅と判定されている。静岡県では2010年頃に最後の生息地(富士川西岸)が改修・暗渠化され、2019年版のレッドデータブックでは絶滅種とされている。茨城県では1950年代の干拓事業によって生息地が破壊され、絶滅したと考えられている。
水路のコンクリートの舗装は、確かに多くの生態系を破壊する。タニシやカワニナ等の貝類、ザリガニやドジョウ、メダカ等の魚類、オタマジャクシ等の両生類、これ等を餌とする鳥類、更には水生植物の絶滅。水路のコンクリートの舗装は環境にとってはあまり適切な方法ではなかったようだ。だからと言って感染症が又増加し始めることになっては元も子もない。更なる研究が待たれる。

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肉鰭類

シーラカンス 肉鰭類(にくきるい、Sarcopterygii)は、硬骨魚類に属する脊椎動物の一群。漢字「鰭」は音読みは「キ」で訓読みは「ひれ」。そう、普通の魚の鰭には肉はついていないね。
何故、この魚たちが注目を浴びているのか?
実は、今の陸上の四肢動物(陸上脊椎動物)は、このグループから進化したのではと考えられいるからだ。もちろんヒト(ホモサピエンス)もこのグループから進化したらしい。
現生種としては、ハイギョ(肺魚)と生きた化石として有名なシーラカンスが知られている。

動物界→脊索動物門→脊椎動物亜門→顎口上綱→硬骨魚綱→肉鰭亜綱

生物の分類では界→門→綱→属→種と細かく分かれており、更に間に亜門、亜種などを付け加える。いずれにしろ肉鰭類は陸上の四肢動物のご先祖として最も有力な候補となっている。だからシーラカンスは生きた化石と呼ばれるわけです。

四肢動物(陸上脊椎動物)はこのグループから進化したと考えられている。となると、四肢動物を含めない限り、肉鰭綱は側系統群となる。四肢動物を肉鰭綱の1亜綱と扱うことで単系統群にする立場もあるが、この立場を採用すると、通常は独立の綱とされる四肢動物の各群(両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類)を下綱以下の分類階級にしなければならない。
この説明は、よく分かりにくいが鳥が恐竜のあるグールから進化したことが判明したので、現在では鳥は恐竜の一種であるというのが今の系統進化学の考えなのです。

肉鰭類は肺魚やシーラカンスなどいくつかのグループに分類されるが、四肢動物のご先祖様なのか?つまり、ある肉鰭類から今の四肢動物に分岐する前の共通のご先祖を探しましょうということです。

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ヤツメウナギ

ヤツメウナギ ヤツメウナギ(八目鰻、lamprey)は、脊椎動物亜門・円口類・ヤツメウナギ目に属す動物の一般名、ないし総称であり、河川を中心に世界中に分布している。ウナギのようでウナギでない。変わった魚である。ウナギが絶滅危惧種で将来食べられなくなるなら、ウナギの代替品(それ以上の美味かもしれないが)として、養殖でもして利用できないかしら。
円口類はいわゆる「生きた化石」と言われている、ヤツメウナギとヌタウナギだけが現生している。形状が一見似ているウナギとは根本的に全く異なる動物で、脊椎動物としても非常に原始的とされている。
しかし、ヤツメウナギは全ての種が細長く、体の断面が楕円形といった言わば「ウナギ型」の外見であるため、一般にはしばしばウナギと混同されがちで、和名にもそれが如実に表れている。ところで、何故八目というか? 実は目の後ろに7つの鰓穴があり、これを本当の目と合わせて八目のなったようだ。原始的とされているが、生命力は旺盛で他の魚に寄生して養分を貰うしたたかな進化は脅威でもあるね。

ヤツメウナギ 顎口類の姉妹群である円口類に属し、一般には数少ない現生の無顎類の一群である。つまり、顎(あご)が無いということで食べ物を噛み砕く能力がない。魚の進化を解き明かすうえでも大変貴重な魚である。
我々ヒトを含め、現在の脊椎動物の大多数は発達した顎や骨格などを備えているが、化石記録に基づいた古生物学的研究によれば、我々の祖先はもともとこうした特徴を持っていなかった。こうした祖先的な脊椎動物は、特に「顎をもたない」といった特徴を踏まえて無顎類と呼ばれている。三陸の名物「ホヤ」もこれらの共通の祖先だ。円口類の中で現在も生存しているのはヤツメウナギ類とヌタウナギ類のみで、無顎類の大多数は古生代ですでに絶滅している。

【魚の部品に関する英語】
上の絵は、ヤツメウナギ体の詳細な絵です。上段は、ヤツメウナギがサケの横腹に寄生している様子。nostrilは鼻孔。多くの動物では鼻の部分は穴が開いているだけだ。だからnose(鼻)とは言わない。buccal tunnel→頬管。頬(ほう)はほっぺたのこと。役割は? eyeは目であることは分かる。gillはえら。external gill slitは外鰓裂。鰓(えら)と言う字。スリットと言っても穴みたいで7つある。これに本物の目を入れてヤツメウナギと称るんだ。魚に思うか。trunkは体幹。dorsalは背側。anteriorとposteriorはそれぞれ、前部と後部。anterior dorsal finとposterior dorsal finは前背びれ、後ろ背びれだ。鰭は漢字では鰭(ひれ)。cloaclalは総排泄腔、apertureは「絞り」とある。カメラなどの絞りと同じか。 cloaclal apertureはオシッコもウンチも同じ穴から出すけど穴は開きっぱなしではない。適宜開閉できるという機能がある。 caudal=尾側で、caudal finは尾びれ。tailが尾であることは分かる。

【ヌタウナギ】
ヌタウナギ ヤツメウナギと似た魚にヌタウナギ(饅鰻、沼田鰻、Hagfish)がある。これも脊椎動物として最も原始的な一群で硬骨魚類から最も遠縁のグループ。ヌタウナギの仲間は世界中の温帯域に広く分布し、ほとんどの種類は大陸棚辺縁にかけての深海に生息する。名前にウナギと付いているがウナギ目との類縁関係は遠く、同じ無顎類に属するヤツメウナギと近縁な生物である。厳密な意味での魚類ではないが、広義の魚類(無顎魚類)として魚の分類に含められる(異論もあるらしい)ことが多い。「生きている化石」と呼ばれるグループの一つで、脊椎動物の起源と進化を考えるうえでヤツメウナギ同様重要な動物である。
名前の由来は、皮膚からたくさんの粘液が出て体がぬるぬるすることに由来。従来、2006年(平成18年)までヌタウナギ科 (Myxinidae) の魚類は、目が退化して皮膚に埋もれ、外からは確認できない状態となっているため、これに因みメクラウナギ目メクラウナギ科という名で分類されていた。しかし、これは視覚障害者への差別的用語を含むため、2007年1月に日本魚類学会により綱以下の名称が「ヌタウナギ」へ、種としてのメクラウナギは「ホソヌタウナギ」という現在の標準和名へ変更された。英語名はHagfish、Slime eel。差別用語だなんて誰が言いだしたんでしょうね。

一見ウナギに似るが、 無顎類に共通する顎を持っていない重要な特徴がある。体は細長く、皮膚は粘液(ヌタと呼ばれる)に覆われている。体の両側に1~16対の鰓孔がある。ヤツメウナギの仲間では鰓孔は7対で、「7個の目」と呼ばれる箇所。3~4対の口ひげを持つ。骨格はほとんど軟骨で、体は極めて柔軟である。口の周りに歯を持たないが、舌の上に歯状突起があり、大型の魚に吸着し内部を侵食する。鰭は尾鰭のみで、腹鰭・胸鰭などの対鰭を持たない。小脳を欠く。卵巣と精巣を両方持つが、機能しているのはどちらか一つである。
ヌタウナギ 非常に生命力が強い。頭部や内臓を失った状態でもしばらくの間は生存可能で、痛覚などに対する反射的な回避行動をとる。
ヌタウナギの革はイールスキン(eel skin)と呼ばれ独特の模様があり牛革より強く、かつしなやかである。韓国やアメリカではイールスキンで作った財布などが革製品として流通している。*確かに韓国のお土産では定番の一つである。ウナギの皮と聞いていたがヌタウナギだったようだ。
【脊椎動物のご先祖追及の旅】
円口類は顎の無いことが特徴で、顎のある魚(顎口類)や陸上の脊椎動物は円口類と共通の先祖から分岐したらしい。円口類を良く調べ、また共通先祖の化石でも発見されれば、人の長い進化の歴史の一部が解明されると期待されているのです。 【脊椎動物の口】
 脊椎動物では,顎骨つまり口の骨格をもたない無顎類(太古の甲皮類と現存の円口類)と顎口類(顎骨をもつその他すべての脊椎動物)とで,口の特色は著しく異なる。無顎類の口は骨のしんをもたず,上下に開閉することがない。…
【脊椎動物の背骨】
 脊椎動物の魚類に属する、無顎類Agnathaや板皮類Placodermi(甲冑魚など)、軟骨魚類Chondoroichthyesnado(サメやヱイ)は椎骨を持たない。無顎類は脊索であるし、軟骨魚類は軟骨性の椎体である。ただし、軟骨魚類が歯を持つのに対し、現生の無顎類は石灰化した歯を持たない。

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アロワナ

アロワナ 去年(2023)6月、天皇皇后両陛下のインドネシア訪問の際に贈られた大型の淡水魚「アロワナ」が、上野動物園で飼育されることになりました。 天皇皇后両陛下は去年6月、即位後初めての国際親善を目的とした外国訪問でインドネシアを訪れ、ジョコ大統領夫妻と面会した際、「アロワナ」を贈られました。 その後の関係者による協議の結果、「アロワナ」は上野動物園で受け入れることになりました。 「アロワナ」は環境に慣らすため、現在はバックヤードで飼育されていますが、今後一般にも公開される予定です。
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アロワナ アロワナは、淡水域に生息する魚のうちでも大型に成長する種類のものが多く知られている古代魚で、食性は主に肉食(小型の魚類・昆虫・甲殻類などを捕食する)だが、飼育環境下での性質は穏やかで、また飼育方法も確立されていることからペット(アクアリウム用観賞魚)として人気がある。小型魚を丸呑みするために下あごがせり出したような大きく開く口が特徴的で、水面より上にいる虫にとびつき捕食することが出来る。体半分より後に尾に続く背びれ・尻ひれと、大きく発達し斜め下方に延びた胸鰭(ひれ)を持つ。うろこは大抵の種類で大きくその一つ一つがはっきりしており、そのいずれにも濃淡や色彩の変化がある。
中国では「龍魚」(日本でいう龍魚はUMAで別物・チョウザメの一種とも考えられている)と呼ばれ、龍が権力と繁栄を象徴することから華僑などを中心に幸運を呼ぶとして愛好者が見られ、後述する紅い変異種は特に高値で取引される。日本でも大型でゆっくり泳ぐ様子や独特の風貌に対する愛好者が見られる。繁殖方法も確立されていることから、養殖された稚魚などがペット市場向けに流通している。反面、自然環境にいるものは保護され商取引や輸出入が制限されている種類も多い。また、飼育されていたとみられる個体が見つかったことがあり、外来種として定着する危険性もある。
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アロワナ アロワナは古代魚とされている。古代魚(こだいぎょ)とは、古生代や中生代の化石として知られ、絶滅せずに現在まで生き残ってきた魚類の総称である。いわゆる「生きている化石」に含まれる。特に硬骨魚類の一部に対して用いられるが、はっきりした定義のない用語。無顎類(ヤツメウナギやヌタウナギなど)や軟骨魚類(サメやエイなど)は硬骨魚類よりも古い段階で分化したものとされているが、これらを古代魚に含むことはあまりないようだ。
これらの多くは過去に大いに繁栄したが、その後数度の大量絶滅で仲間のほとんどが死に絶え、少数が現在まで生き残っている「遺存種」である。おもな分類群では以下のようなものが挙げられる。
主なものにはシーラカンスや肺魚の一部(肉鰭綱)、チョウザメ、ガーなどが挙げられる。ほとんどに共通する特徴として、分布域と個体数が限られていること、大型の肉食魚であること、肺から鰾(ひょう、浮袋、Swim bladder)への変化が不完全で空気呼吸ができること、体は流線型のものが少なくあまり機敏ではないことなどが挙げられる。

*硬骨魚類の浮袋は陸上動物の肺と同じ起源があるようだ。ただ進化の方向が浮力を確保する方向へ進んだだけだ。だから魚がヒトよりも原始的と言う考えは正しくない。


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シシャモ

シシャモ シシャモと言えば日本人の食卓ではおなじみ。でも、これがほとんどは偽物のシシャモだということご存知。もちろん偽物だからと言って食べていけない訳でもないし、本物のシシャモが絶滅危惧種でもあることを考えれば仕方のない話でもある。
シシャモ(ししゃも、柳葉魚、Spirinchus lanceolatus)は、キュウリウオ目キュウリウオ科に属する魚で、川で産卵及び孵化し海で成長後に川に戻る(遡河回遊魚)。日本固有種で海外では取れない。 世界中でも北海道太平洋側の内浦湾から厚岸(あっけし)湾の沿岸地域にのみ分布する。産地としては胆振(いぶり)のむかわ町を流れる鵡川(むかわ)が有名である。かつて、渡島(おしま)地方の長万部(オシャマンベ)川や遊楽部川(ゆうらっぷがわ)にも遡上したが現在では遡上していない。
*疋田豊治(ひきた とよじ) 1882年~1974年
シシャモの名付け親とも言える水産学者。シシャモの生態を観察研究した草分け的存在らしい。
「シシャモ」という名称は、アイヌ語のsusam(スサム)に由来するとされる。柳の葉が川に落ちてシシャモ(柳葉魚)になると考えられていたからか。


本種は遡河回遊魚であり、産卵のために10月から12月にかけて河川へ遡上し、雌は河床の砂礫に粘着性のある卵を産卵する。孕卵数(ようらん)は親魚の体長と相関があり大型魚ほど多く4,000~10,000粒程度。ワカサギやチカ(共にシシャモと同じキュウリウオ科の魚)と比較すると「精巣重量/体重」と「卵巣重量/体重」の比率は小さい。
*子持ちシシャモ(体の半分以上が卵みたいですが)でも分かるように卵巣重量/体重の比率はとても大きいのではないのか。
産卵は底層流速が 0.6 m/sec 未満の場所に多い。産卵時は夜間に雌雄1対となり、雄は魚体を弓状にそらせて雌を抱え込み、臀鰭を雌の腹鰭基部から尾柄付近までの間に巻き込み、両生殖孔付近に生じる空間において受精が行われる。
雄の臀鰭は、10月頃からの性成熟に伴い二次性徴として伸張する。この現象は、カワヒメマスTymallus tymallus の背鰭およびオイカワ Opsariichthys platypus と同様に抱擁器官として使われ、受精率を高めるために重要な役割を果たしている。産卵後における成魚のほとんどは斃死するが、雌の一部は下りシシャモとして海にもどり、翌年満2歳(通称3年魚)で再び産卵に参加する。これまで文献により、シシャモの産卵遡上が確認されている河川は、北海道太平洋の襟裳岬の西側では9河川、東側では7河川。

シシャモ卵は外囲に粘着膜を有し、それが受精後に反転して河床の底質材料などに付着する。受精卵は、河川で発生を続け、翌年の4月から5月にかけて孵化する。仔魚は、直ちに降海し、約1年半の海洋生活を経て、成魚となって再び河川へ遡上する。鵡川の河口周辺海域における仔魚は、水深帯4~8 mに多く分布している。海域におけるシシャモは、遊楽部川から別寒辺牛川の沖、水深120m以浅に分布し、産卵期になると各河川の沿岸域に密集する。資源動態や形質遺伝的な系統が解析され、襟裳岬を境界とした太平洋側の西部海域と東部海域における系群の相違が示唆されている。
年間漁獲量は約1000トン程度で漁獲量の約85%が道東の釧路、十勝地域。生息海域の胆振漁業協同組合、日高漁業協同組合、釧路市漁業協同組合などにより漁獲される。漁期は10月末からの約1カ月。遡上の為に沿岸に集まった魚を刺し網漁や流し網漁(こぎ網漁)により漁獲する。1980年代までは川への遡上個体の漁獲が行われたが、現在では採卵用個体のみである。
*年間漁獲量は約1000トンなら日本人一人当たり年平均10g口にすることが可能。大半は地元で消費されるので、結局街の魚屋さんで売られているシシャモはほとんどが代替品と言うことになる。

2020年代に入ると海水温の変動などを理由に漁獲量が今までにない減少幅を見せた。 2021年には胆振管内、釧路管内のシシャモの漁獲量は124トンと前年同期の5割に落ち込んだほか、2022年の胆振管内では漁獲量が1トンを切る極端な不漁となっている。
漁獲高の減少のため、キュウリウオや輸入品のカラフトシシャモ(カペリン)が「シシャモ」として食卓に上ることも多い。安価に販売されることから、今日では単に「シシャモ」と言う場合カラフトシシャモ(名前はカラフトでも北大西洋でも取れる)を指すことが一般的であり、寿司ネタなどに使われるシシャモ子もそちらの魚卵を使う。同じキュウリウオ科に属しているが、シシャモはシシャモ属、カラフトシシャモはカラフトシシャモ属である。干物に加工された状態でも鱗の面積および配列、吻長、胸鰭長、尾柄高、主鰓蓋骨の形状で本種とカラフトシシャモを識別することが可能である。
身の味自体は雄の方が風味が良い。また雄雌共に大きい(太い)ほど味がよいともいわれるが、その反面、大きくなるほど骨も大きく硬い物(現在では骨が硬いほどの大きい物は稀)になるため食べにくいとも言う。一夜干しのほか、糠漬け、干しシシャモ、珍味、漬物、フライ、天ぷら等にもされ、10-11月の漁期には地元で刺身や寿司ネタ(身の大きい雄を使用)ともなるが、漁獲量が少ないこともあり高価である。

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建設予定です。お楽しみに。

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